グラップラーLメモ第一話「開催十日前!」 投稿者:beaker
始まりは掲示板に張られたポスターだった。
【「第一回校内エクストリーム選手権」

この度この学園において最強を決めるべく、購買部後援で
エクストリーム大会を開く事になりました。
参加資格は特に有りません、男女年齢ロボット区別無し!!
優勝者には賞金10億の他、どんなわがままな願いでも可能な限り13まで
叶えて差し上げます。
闘技者(グラップラー)よ!!今こそその力を見せてくれ!!】


「はあ・・・」浩之はため息を吐いた。
(また、購買部が厄介な事を・・・ま、俺には関係ないか)
「浩之ちゃん」
ぽんぽんと肩を叩かれた、この声・この呼び方・・・
まああかり以外には考えられないよな。
振り返るとやはりあかりだった。
手を後ろに回しているところを見ると、何か持っているようだ。
「あんだよ・・・」
俺はついつい、ぞんざいな口調で声を返した。
「うん、あのね・・・その掲示板の張り紙、見た?」
「ああ、ったく・・よくやるよな、この学園も・・・」
「浩之ちゃんは参加しないの?」
「ばーか、するわけないだろ!・・・まあ、葵ちゃん、綾香あたりは当然として
ジン先輩とか、Dセリオとかが出て来るに決まっているんだからよ。下手したら死ぬぜ。」
「あ、でもね・・・優勝したら何でも願い事が叶うんだよ。」
「負けるに決まっているだろ、こんな奴等と闘ったら・・・」
そう言うと、あかりは何だかもじもじしながら、こちらを見つめた。
この仕草の時は、絶対に何か秘密を隠している時だ。
やがてあかりが口を開いた・・・
「・・・・・・してきちゃった。」
「は?」
訳も分からず俺は聞き返した。
「・・・参加申し込み、私と浩之ちゃんの分してきちゃった。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・な、な、なにににににににににににににに!!!!!!!!!
??????」
そう言うとあかりは俺の目の前に後ろ手に隠していた、参加用紙を差し出した・・・
これは悪夢の始まり・・・


「反省房?」
広瀬ゆかりは目の前にいる人物の言っている事が、訳も分からず聞き返した。
「はい。・・・一週間ほど反省房を貸していただけないでしょうか?」
「い、いや、それは構わないけど・・・でも、何で?」
「・・・秘密です。」
そう言うと彼は反省房の鍵を受け取って、去っていった。


「――Dセリオさん、飛び道具は禁止だそうですよ。」
Dマルチが武器の手入れをしていたDセリオに言った。
「え!?」
驚いたDセリオの手からビームライフルが滑り落ちた。
・・・ってそれで出場するつもりだったんかい。

「へーのきさん・・・すまんね、笛音が『あんなあぶないのにお兄ちゃんだしちゃだめ』
とDセリオに直訴したらしくてね、・・・それに僕は元から魔法系だし。」
OLHがDセリオに無理矢理参加登録させられたへーのきを、懸命に慰めていた。
しかし、安心感からか顔がにやついてしまい、説得力ゼロだったりする。
榊はもちろん木風に反対されて、出場不可能。
・・・結果警備保障からは
Dセリオ・Dガーネット・へーのき=つかさがエントリーされた。


「ふんふんふん☆、優勝したら耕一さんは私のもの〜☆」
EDGEが鼻歌を歌いながら、参加申し込み用紙に書き込んでいた。
・・・でもヤロウの着ぐるみのままだったから、すげえ不気味。
「あ、念の為兄さまも出場させておこうっと。どっちかが優勝すればいいんだもんね〜☆」
・・・自分の兄の都合はカケラも考えていないらしい。
だが、同時刻・別の場所で
M・Kがまるっきり同じ事を考えて、ゆきと同時エントリーし、
千鶴も同じように考えて、耕一をエントリーさせていたことまでは、
さすがのEDGEも分からなかったりする。


「千鶴さんの野望を防ぐ為にも・・・俺も出る!!」
ジンが熱く叫んでいる隣で、
「マルチ・・・、君は僕に出て欲しいかい?」
とセリスがマルチと二人の世界を作っていた。
「あ、あの〜、私はセリスさんにそんな恐い事に出て欲しくないです。」
「じゃあ、出ない(0.0001秒)」
「で、でも〜・・・ジンさんはセリスさんのお友達ですよね?
ジンさんが困っていらっしゃるのだったら、助けてあげないと・・・」
「出る(0.00001秒)」
それでいいのか君の人生は?


「葛田・・・この大会こそ我々の力を示す絶交の機会だと思わんか?」
ハイドラントが参加用紙を持ちながら言った。
「はあ・・・でも俺設定決まっていないですよ。」
「・・・・・・さっさと作れ。」


「梓・・・君のハートを射止める為にもこの大会に出るぜ!」
秋山登が握りこぶしを作って、そう叫んでいた。


「綾香・・・やっぱり出るの?」
坂下好恵が、参加用紙を箱に入れようとしていた来栖川綾香に向かって言った。
「そりゃ、ね・・・エクストリーム大会と来れば、出ない訳には行かないわ。」
参加用紙をひらひらさせながら、綾香は軽く笑った。
「葵は・・・?」
好恵は続けて尋ねた。
「張り切っているわよ。・・・長年の夢だった私と闘える、だって。」
「ふふ・・・考える事は葵も同じか。」
好恵も笑って、参加用紙を箱に入れた。
「じゃあね、綾香・・・出来れば決勝であなたに会いたいものだわ。」
好恵は振り返ってそう言うと、その場を去っていった。
「ふふ・・・負けず嫌いなんだから。」
綾香も自分の参加申し込み用紙を箱に入れ、空を見上げた。
眩しい青空が、少々目に染みる。


闘技者たちの宴まで後10日・・・


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「今日は告知だけ、と言う事で・・・」(beaker)
「・・・で、これからどーするの?」(好恵)
「まず、ルールの説明・前夜の選手達で一話。それから一試合一話で短くやるつもりです。」
「・・・連載マンガみたいね。」
「そう!!それが狙い。・・・で、元ネタなんですが・・
”修羅の門””グラップラー刃牙”あたりは抑えておくと面白いかと。あと”るろうに剣心”も。」
「・・・あんたの好きなマンガばっかり。」
「それと、一応ギャグではないので、千鶴さんは少々弱体化しておりますし、
ちょっとキャラクター的に違う事が起きるかもしれない事をお詫びしておきます。」
「出場選手は?」
「坂下好恵・来栖川綾香・柏木梓・葛田玖逗夜・松原葵・岩下信・ハイドラント・藤田浩之
・秋山登・広瀬ゆかり・柏木耕一・西山英志・M・K・EDGE・柏木千鶴・ジン・ジャザム
・風見ひなた・Dセリオ・へーのき=つかさ・Dガーネット・結城紫音・きたみちもどる・ゆき
・神岸あかり・佐藤昌斗・セリス・悠 朔(以上敬称略)です。」
「これ以上の参加はバランスが崩れるので・・・」
「後色々ルールも訂正しなければいけないのよね?」
「はい、禁止されているものは当事者同士の了解を得れば・・・と提案されたので。」
「このLは一週間に最低一話ぐらいのペースでやりたいと思います。」
「しっかりやりなさいよ!!」
「もちろん!!」
「・・・で、私は綾香に勝てるんでしょうね?」
「・・・・・・・・・」
「どーして、そこで黙るのよ〜〜!!!」

http://www.s.fpu.ac.jp/home/s9712056/www/koubaibu.htm