Lメモへーのき番外編7『Rune、その優雅なる昼食』 投稿者:へーのき=つかさ
 きーんこーんかーんこーん!! きーんこーんかーんこーん!!!!
 ごーん!!!!! ごーん!!!!!! ごーん!!!!!!!!!
 半ばやけくそのように、鐘の音が響き渡る。
 ここはLeaf学園。いわゆる並行世界。
「きりーつ」
 立ち上がる生徒たち。
 時間割の上では、今は既に昼休み。
 戦争の始まりをも指している。
「れーい!」
 教壇に立つ柏木耕一に全員が、ばらばらに頭を下げた後、教室には本来の喧噪が戻った。
 年頃によっては、実に当たり前に耳に馴染む喧噪。
 その隙間を縫って、Runeは声を出した――大きく、呼気を吸い込んだのだ。
 限界まで吸い込まれたそれは、魔力と融合されて――術者の望む世界を構築する。
「我は放つ…」
 右手をかざして、Runeは高らかに叫んだ。
「…あかりの白刃っ!」
「ちょっと待てぃっ!」
 ドアを通り抜けようとした浩之と雅史を巻き込んで、九条の同時に繰り出された
 白銀の斬撃が、ドアをやすやすとぶち抜いた。
 召喚された偽あかりは、頬の十字傷というある意味コスプレな残像を残して、虚空へと
消え去る。
 御丁寧にも出血多量で三途の川一歩手前どころか、一歩踏み出した後状態の被害者二人
をきっちり踏みつけてRuneは走り去った。
 生きるために。
 彼は一般生徒をなぎ倒しながら第一購買部へと飛びみ、叫んだ。
「千鶴パンくれ!」
「無いよ」
 ガガーン!
 Runeは石になった。
 繰り返すが、昼休みは戦争だ。高校生たちの本性が最も如実に現れる時間帯。


          −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
             Lメモへーのき番外編7
              〜Rune、その優雅なる昼食〜
          −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


(腹減った…)
 中庭の芝生にごろりと転がり、今日何度目になるかわからない愚痴を漏らす。
「芝生は食えないしなあ…」
 今の彼はひとつの価値観で動いている。
 それは、食える物と食えない物。
 それ以外の価値感はあいにくみんな掃いて捨ててきてしまった。
 財布の中を覗く。
 小銭が8円、拾った残り度数5のテレカ、期限の過ぎた学割…
 ろくなもんが入っていない。
「よし!」
 Runeは気合を入れると飛び起きた。
 こんなところで寝てても空腹は紛れない。
「いっちょ平和的に実力行使と行くか」


 やって来たのは第二茶道部、ダーク13使徒の溜まり場だ。
 13使徒の面々は静々とお茶を飲んでいる。
 Runeはドカッとドアを蹴り開けると、ハイドラントの前にどっかりとあぐらをかいた。
「おい、液漏れ消火栓」
「来て早々何言いやがる」
 何故か怒るハイド。
 短気な人間は困る。
「貴様が怒らせるんだろうが!」
 なんかほざいているがRuneは無視する事にした。
 こんなところでだべってる暇など無い、早々本題に入った。
「ハイドラント、お茶菓子は無いのか?」
 ブンッ!
 ハイドは手に持っていた湯飲みをRuneの顔に投げつけた。
 しかしRuneはひょいと顔をずらし避け、目標を失った湯飲みは葛田の後頭部に直撃し一
撃でKOした。
「まあまあ怒るなハイドラント、今のは冗談だ。なあ、ひとつ取り引きする気は無いか?」
「取り引きだと?」
 ハイドラントの眉がピクリと動いた。
(よしよし、その気はあるようだな)
 Runeが心の中でほくそ笑む。
「こいつを諭吉さん2枚程と交換しないか?」
 Runeは期限の切れた学割を差し出した。
「………」
「どうだ? 別に食券1年分でも構わないが」
「………ブアヌークの邪剣よ!」
 Runeはふたたび顔をずらして光熱波を避けた。
 目標を無くした光熱波は火鉢を囲んでいたむらさきに直撃した。
 そのショックでむらさきは火鉢を蹴っ飛ばす。
 火鉢はひゅるるるると吹っ飛び…


                   ☆★☆


「ったく、非常識な行動しやがって…」
 ちょっぴり焦げた前髪を掻き揚げ、自分の事を棚に上げたままぶつぶつとRuneが愚痴を
漏らす。
「そもそも給食制度が無いのが間違いだよな。学生は勉強する権利と義務があるんだから
飯ぐらい保証しなくてどうする」
 ちなみに日本の法律では義務教育は公立の小中学校だけです。
「これは大いなる誤りだ。今度智波あたりを校長室に送り込むか…どうだ、それがいい。
決定」
 だ、そうです。
 頑張って下さい、智波君。


 それはともかく…Runeは食べ物を求めて校内をうろついていた。
 ただでさえ悪い目付きが空腹のためさらに鋭くなっており、進行方向にいた生徒達はざ
ざーっとふたつに割れて彼から離れる。
「おっ」
 一年の教室前をうろついていると、緑色のちびっこい影を見かけた。
 お馴染み全自動人型最終決戦駄目調理器こと、HMX-12マルチである。
 手には白い紙袋を抱えていた。
 時間帯を考えると、その中身はパンだろう。
(コイツにたかるか)
 こんな純真な娘にたかるなんて外道や、アンタ。
 しかし彼はそんな事に動じるようなヤワな男ではない。
 主に悪い意味で。
「おい、そこの12」
 Runeはいつも通りのぞんざいな口調でマルチを呼び止めた。
 テク、テク、テク、テク
「………」
 しかし、マルチは何事も無かったようにRuneの前を通り過ぎていった。
「無視するんじゃねえ」
 Runeは後ろからマルチの襟首をがっしり掴んで摘み上げる。
「ひええっ!? す、すすめませーん!」
「足付いてないんだからあたりまえだろーが。うだうだくっちゃべると耳カバー取っ払っ
て青い染料に沈めんぞ!」
「ひぃ!」
 マルチは恐怖におののいて身を縮み込ませる。
 それはあまりにも残酷すぎる宣言だった。
 そんな事をしたら見分けがつかなくなってしまうではないか!
「さあ12、早速食堂でゲットしたパンをよこせ! 言っとくがこれは恐喝でもカツアゲ
でも無いぞ。単なる無償奉仕の強制だ」
 一緒だ一緒。
「さあ出せ、すぐ出せ、全部出せ!」
 しかし、次にマルチが発した言葉はRuneの理解の範疇を遥かに超えた物だった。
「わ、私今日はパン買ってないです〜」
「は?」
 Runeが間抜けな声を出す。
「これはパンじゃなくてオイルなんです〜」
 絶句。
 紙袋を開け、中を見る。
 確かにオイル缶が入っていた。
 蓋を開ける。
 中は、当然だがオイルで並々と満たされていた。
 "青いオイル"で…
 Runaは無言でマルチの耳カバーを取ると、頭からオイルをたらたらとかけた。
「ああっ!? 頭がぬるぬるですぅ〜」
 マルチは頭を襲う不快感に耐えながらも、それを上回る快感を感じ恍惚としている自分
に気付き愕然とした………というのは真っ赤な嘘で、彼女の髪はすっかり青くなり、どこ
ぞの格闘少女をちょっとほんわかさせて髪にジェルを付けたような感じになっていた。
「よし、今日からお前は偽青い人だ。決定。拒否は許さん」
「そんなぁぁぁぁぁ! ひーーーどーーーいーーーでーーーすーーー!」
「偽青い人、お前は自分の中学からの知り合いだよな? 長い付き合いだよな? だから
昼飯ぐらい当然おごってくれるよな?」
「私は長く付き合ってませーん!」
「さあさあ、遠慮せずにぱぱーっと…」
「あー、Rune君?」
 びびくっ!
 Runeの周りの時間が止まった。
 ざ・わーるど
「マルチを虐めたね?」
「………」
 Runeは時間が止まっているので動けない。
「はぁぁぁぁぁぁぁ………無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄
無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄………無駄ァッ!!!」
 そして時は動き出す…
「あべしっ!」
 何故かRuneの吹っ飛び方だけは北斗の○だった。
 ま、両方ジャ○プだからいいでしょ。


                   ☆★☆


 Runeは保健室に適当に突っ込まれていたが、自分で怪我を治癒して抜け出した。
 何故自分で治癒したかって?
 弁当を狩るために決まっている。
 Runeは保健室から持ち出した消毒用アルコールで喉を潤しつつ、目をぎらつかせ校内を
練り歩く。
「るんるんる〜ん、るりらるりらるりら〜」
 そんな彼の耳に、場違いな明るい鼻歌が聞こえて来た。
 水野 響だ。
 今日の服装は水色のポンチョに短パン、トドメに黄色い帽子まで被っている。
 そう、世間一般(?)で幼稚園ルックと呼ばれている格好だ。
 これなら幼稚園児でも通用しそうな、そんな新しい予感。
 それはともかく、彼女…失礼、彼は両手で大事そうにピンク色の包みを抱えていた。
 そう、弁当箱だ。
 Runeの目がギラリと光った。
 つかつかと素知らぬ顔で近づく。
「おい、そこの幼稚園児」
「ほえ、もしかしてわたしのことですかぁ?」
 ぴょこんと可愛らしい仕種で響が振り返る。
 しかしそこに声の主はいなかった。
「あれぇ? 今話しかけたのは誰ですかぁ?」
 響は気付いていなかった。
 彼の手にあったはずの弁当箱が忽然と消えていたのを。
 その事に気付いたのは、きょろきょろと周りを見回してうーんと考え込んだ後であった。
「ああっ!? お弁当箱がありませーん!」
 わたわたと辺りを走り回る。
 しかし当の弁当は既にRuneの手にある、見つかるはずが無かった。
「ううっ、ぐすっ…」
 響の目に涙が浮かぶ。
「うえええええぇぇぇぇぇん!!!」


「ふふふ…やっと飯にありつけるぜ」
 Runeは体育館裏に腰を下ろすとピンクの包みを解いた。
 中から現れたのは、クリーム色の可愛らしい弁当箱とピコピコ光る発信機。
「発信機?」
 ゆらり…
 Runeの前にひとつの影が落ちた。
「…あの………どちらさまで?」


「ぐすっ、ぐすぐす」
 響はまだ泣いていた。
「どうしよう…せっかくお姉ちゃんが3時起きして5時間かけて作ってくれたのに…」
 毎日そんな事してるんかい、あんたの姉貴は。
 すっ
 そんな彼の前にピンクの包みが差し出された。
 そう、彼の弁当箱だ。
「あっ、これわたしのお弁当です〜!」
 ぱっと笑顔になってぴょんぴょん跳ねる。
 今まで泣いていたのが嘘のようだ。
「ありがとうございます〜 わざわざ届けてもらって」
「ははは、どうって事無いよ。弟思いの姉さん持って幸せだねー」
 Runeは青アザだらけの顔でにっこりと微笑んで…そのまま前のめりにぶっ倒れた。


                   ☆★☆


「やっぱり良く知らねえ奴にちょっかい出すもんじゃねえな…」
 再び保健室にぶちこまれていたRuneは、また自分で怪我を治癒して新たな獲物を探して
いた。

 バタン

 屋上のドアを開ける。
「ふふふ、獲物がウヨウヨいやがる」
 グビリ
 保健室からついでに持ち出してきたオキシドールをあおる。
 胃が酸化するぞ。
 なんか目も危ないし。
 ヤバげな雰囲気に、近くにいる生徒達はさっさと移動を始めていた。
「おっ」
 目の前のフェンスに浩之がいた。
 ちょうどクマのワンポイントが付いた弁当箱を開けようとしている。
「もらったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
 Runeは問答無用で飛び蹴りをかまし、浩之をフェンスの向こうへと吹っ飛ばした。
「ついに弁当を手に入れた! これで空腹を癒す事ができる!」
 周りからの奇異の視線を物ともせずに小躍りするRune。
 しかし彼の幸せも長くはなかった。
「天駆熊閃!」
 いきなり最大奥義を食らってRuneは宙を舞った。
 あかりはそれをスーパージャンプで追いかけ弱パンチ弱キック中パンチ中キック、そこ
から目押しで再び弱パンチに繋いで空中コンボを入れ続ける。
 絶対ゲームバランス最悪。
 ほどよくコンボ数を稼いだ所で横方向への飛び蹴りを放つ。
 Runeは横に吹っ飛び、画面端で跳ねた所をあかりの空中投げが捕らえた。
「地獄風車!」
 投げ技はコンボに組み込んでもコンボ補正を受けない。
 あかりはRuneを掴んだままぐるぐる回転、地面に落下。
 そのままポイと屋上から投げ捨てた。


                   ☆★☆


 自分の空腹癒すため、ざっくり裂けたコート着て、食い物求めてRuneがゆく。
 彼は焦っていた。
 もうすぐ昼休みが終わってしまう。
 彼は走った。
 まだ弁当を食べていない生徒を探して。
 でももうみんな弁当食べちゃっただろ?
「いや、まだ弁当を食べていない人間はいるはずだ。自分は信じているぞ!」
 んな事信じられても困るんだが。
「信じる者は救われる!」
 それは何を信じるかによると思う。
 しかし筆者のそんな思いを裏切るかのように、まだ弁当を食べていない人物が現れた。
「はい、風見君」
「ありがとう新城さん…」
 中庭に生える大きな木の下。
 そこの芝生にふたりはいた。
 エヘヘと照れくさそうに笑うさおりんと、決して他の人の前では見せないデレーっとし
た表情の風見。
「それではいただきま…」
「我は踊る鬼の楼閣!」
 Runeの叫びとともに、彼の手の中に風見の持っていた弁当が現れた。
 音声魔術は例外なく声を媒体に魔術を行使する。
 つまり、声を出す事さえできれば使う事ができるのだが、逆にその効果は声の届く範囲
にしか現れない。
「ふう、うまくいったぜ。空間転移の魔術は難しいからな。もし失敗してたら弁当箱ごと
蒸発してたかもしれねえ」
 正確には擬似空間転移魔術といい、物体にでたらめに大きな加速度を与え瞬間的に場所
移動をさせているに過ぎない。
 だから途中に障害物があると、転移した物体と障害物を破壊してしまう。
 当然Runeもそこらへんは心得ていて、茂みのちょうど切れているところで術を発動させ
ていた。
 さて、懸命な読者ならここですでにお分かりだと思うが…
「んな高度な魔術で弁当泥棒なんぞするなぁぁぁぁぁ!!!」
 魔術発動時の声と茂みの切れ目から見えた姿で思いっきりばれていた。
 風見の放ったトマホークがRuneの足元に突き刺さる。
 それが戦闘開始の合図となった。


「ねえ、もうすぐ授業だよ…」
「冷血グレネード!」
「我は放つあかりの白刃!」
 キーンコーンカーンコーン…
「あ、昼休み終わっちゃった。私先に行くからね、ちゃんと授業出るんだよ」
「美加香がいないから木の上から外道メテオ!」
「我は砕く原始の静寂!」


                   ☆★☆


 Runeは校庭でボロ屑のようになって転がっていた。
 どうやら風見に負けたらしい。
 腹が減っては戦はできない。
 窓際の席で一部始終を眺めていた久々野彰が、Runeを見下ろしながら、何事か呟きなが
らメモ帳に万年筆を走らせる。
「ええと……『弁当を盗もうとして、風見に暗器の雨を食らって倒れる。死なず』」
「死ぬかっ! こんなあっさりと片付けられてっ!」
 喚きながら、がばっと跳ね起きるRuneに、久々野は冷たい瞳で一瞥をくれてから、
「さらにヒメカワ軍団にからしマヨネーズを喰らう、と」
「ヘブッ」
「なおかつ体育の授業でブルマ姿になった楓を見て暴走した西山に轢かれる。やっぱり死
なず」
「ひぃぃぃぃぃぃ…」
 懐かしいお約束が炸裂したところで次の場面に移る。


                   ☆★☆


 Runeは食堂の厨房に潜り込んでいた。
 どうやら今度の狙いは冷蔵庫らしい。
 彼は周囲に細心の注意を払いながらじわじわと冷蔵庫の在処に近づいてゆく。
(見えた!)
 Runeの目が冷蔵庫の姿を捕らえた。
(食うぞ食うぞ食うぞ〜!)
 その瞬間、彼は我を忘れて走り出してしまった。

 ガンッ!

「うおっ!?」
 突然Runeの顔目掛けて中華鍋がかっ飛んできた。
 彼はぎりぎりで顔を背けそれをかわす。
「誰だっ!」

 シーン…

 辺りは静まり返っている。
(風紀委員? それともジャッジか?)
 Runeは気配を消してじりじりと鍋の飛んできた方へ進んでゆく。

 ドンッ!

「ぬわっ!?」
 今度は臼が頭上から落ちてきた。
(何故臼がここに!?)
 しかしここはleaf学園、別に臼のひとつやふたつぐらいあっても不思議ではない。
 とにかくこれで、相手はRuneに敵意を持っているのがはっきりした。
(それならこちらも遠慮はしないぜ!)
「我は踊る鬼の楼閣!」
 Runeは冷蔵庫の目の前に瞬間移動した。
 すかさず扉に手をかける。

 がたっ

(かかった!)
 Runeは物音のした場所に向け、最大級にまで編み上げた魔術の構成を放った。
「我は呼ぶ炸裂の姉妹!」
「!?」

 ドゴォォォォォォォン!!!

 Runeの放った魔術は棚を次々に倒し、その影に隠れていた敵を完膚なきまでに押しつぶ
した。
「ふっふっふ、それでは正体を見せてもらおうか」
 さて、冷蔵庫を狙っていたRuneを襲った人物とは…
「へ…?」
 彼と同じく冷蔵庫を狙って侵入していた雛山理緒だった。
「おい、食堂の方から何かでかい音がしたぞ!」
「風紀委員を呼べ! ジャッジでもいい!」
「ついでにエルクゥ同盟と警備保障も呼んじまえ!」
「なんてこった…」
 Runeは頭を抱える。
 自ら騒動の種を蒔いてしまった。
 理緒を大人しく説き伏せていれば最悪でも山分けで済んでいたのに…
「ちっくしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
 Runeは泣きながら窓をぶち破って逃げ出した。


                   ☆★☆


「はあ…」
 放課後、血のように真っ赤な夕日の元、Runeはよろよろと廊下を歩いていた。
「あ…うなぎが鳴いてる…」
 とってもヤバげだ。
「お父さん、今日の夕飯は血の滴る馬刺しだよ。やったね、明日はVゴールだ!」
 意味不明な独り言を呟くと、彼は出刃包丁を携えオカルト研へと消えていった。



 頑張れRune、負けるなRune。
 いつか金が入って腹一杯食えるまで!

http://www2.denshi.numazu-ct.ac.jp/~hirano/rabo/