「この学園は・・・間違っている!」 校門の前で、一人で燃えている男がいた。 彼の名はHi-wait。 いろいろと怪しげな男である。 「ここには、悪がはびこっている・・・ならば僕が、正義の名において悪を倒 す!」 高らかに宣言すると、Hi-waitは校門をくぐっていった・・・ Hi-waitは校内を放浪していた。 仮にも学園である以上、授業もあるはずなのだが。 「悪の授業など、受けるに値しない!」 だ、そうだ。 とは言っても、授業中には誰も外にはいない。 かくしてHi-waitは、意味もなくうろつき回る羽目になった。 「きみ。なぜ授業に出ないのかね?」 そんなHi-waitを、長瀬(教師)が呼び止める。 「む・・・僕を足止めするとは・・・貴様、さては悪だな!」 長瀬を指さし、大声で叫ぶ。 「悪・・・? 一体なんのことだね?」 「とぼけても無駄だ! 僕の行く道をふさぐ者、それすなわち悪! 誰であろうと 倒す!」 と、そこまで一息に言ってから、 「・・・と、言うわけだから、以後気を付けるように」 そのまま、Hi-waitは廊下を歩み去っていく。 「・・・・・・」 長瀬は、呆然と見送るしかなかった・・・ 放課後になった。 時間のすすみ具合が、異様に早い。 まあ、よくあることだ。 風見ひなたは、打倒月島に燃えて、日々特訓を積み重ねていた。 「外道メテオー!」 当然、美香加もつきあわされている。 Hi-waitが通りがかったのは、そんなときだった。 彼の目が、風見に踏みつけられる美香加をとらえる。 「おのれ・・・か弱き婦女子に、あのような扱い・・・この僕が許さん・・・」 Hi-waitは、懐からナイフを取り出すと、背後から忍び寄っていき・・・ 「とったぁぁぁぁぁぁ!」 風見の背中から、ナイフを突き立てた。 刺さったナイフをひねって、もう片方の手で風見の口をふさぐ。 プロか、お前は? 風見が、足下にくずおれる。 「ふっ・・・」 Hi-waitは、額の汗を拭いつつ、 「悪は滅びた・・・」 「・・・って、ちょっと待てやぁぁぁ!」 いきなり起きあがる風見。 「むうっ!」 Hi-waitは、その場から飛び退いた。 むぎゅ。 「貴様・・・僕のバックスタッブを食らって、生きているとは・・・」 「あの程度で死ぬようでは、leaf学園では生きていけませんよ」 とても説得力のある台詞を吐く風見。 (刃の部分にたっぷりと、神経毒ぬっといたんだがなぁ・・・) だが、そんなことは口にはしない。 「風見ひなた・・・旧友のよしみで、苦しまぬよう止めをさしてやろうと思った が・・・こうなっては仕方がない。か弱き婦女子に対する仕打ち、その身で償 え!」 Hi-waitの熱血した言葉に、しかし風見は醒めた目で、 「やーみぃ・・・足元を見た方がいいですよ・・・」 とだけ言った。 つられて足元を見るHi-wait。 そこには、無惨にも踏みつけられた美香加の姿があった。 「くそっ! 風見、いつの間に!」 もう一回飛び退くHi-wait。 「いつの間に・・・って、さっき『むぎゅ』って音がしたじゃないですか・・・」 当然Hi-waitはそんな言葉には耳を貸さない。 「問答無用! 覚悟っ!」 「仕方ないですね・・・」 と言いつつ、風見は美香加をつかんで、 「鬼畜ストライク!」 投げた。 「出よ! 下水ワニ!」 Hi-waitの叫びに応じて、地面が割れる。 そこから現れたのは、純白・・・とも言えなくもない、巨大なワニだった。 下水ワニ。 その強靱な生命力は、都会のあらゆる汚物を吸収できるほどである。 そして、下水ワニと美香加が激突する。 ぱくっ。 はぐはぐ。 ぽいっ。 「・・・・・・」 「・・・・・・」 Hi-waitと風見は、お互い黙ったまま動けなかった。 「ふっ・・・」 やがてHi-waitが、勝利の笑みを浮かべる。 「風見・・・貴様の武器は、封じた・・・これに懲りたら、外道な行いは慎むこと だな・・・」 地面にあいた穴に下水ワニを蹴り落とし、悠然と立ち去るHi-wait。 「・・・・・・」 風見は、まだ動けなかった・・・ ここは、廊下である。 と、いうことは。 「あのー、今日はゆきさんはどうしたんですか?」 ほら、やっぱりいた。 モップを手に掃除をするセリスとマルチである。 「あいつは今日は休みだから、気にしなくていいよ」 笑顔で答えるセリス。 むろん、そんなことはない。 同時刻、体育倉庫では。 「むぐぐっ・・・(セリスめ、許さん)!」 ゆきが猿ぐつわをかまされ、芋虫のごとく転がっていた。 「そんなことより、今日一緒に帰ろうよ」 あくまでにこやかなセリス。 「え、でも・・・」 「何か不都合があるのかい?」 「ありませんけど・・・」 「なら、いいじゃないか」 Hi-waitが見たのは、そんなところだった。 「貴様・・・いやがる女の子に、自分の欲求を無理矢理押しつけるとは、許さん! この僕が、貴様を地獄にたたき込んでくれる!」 後ろから格好をつける。 セリスはゆっくりと振り返り、 「・・・何のために、俺の邪魔をするのかな?」 目が笑っていない。 (いかん・・・こいつは、危険だ・・・) とっさにそう感じたHi-waitは、 「・・・マルチ? あんなグズの、どこがいいんだか・・・」 セリスの目が険しくなる。 「何をやっても半人前、料理もろくに出来やしない。すぐ泣くし、ほんとにそれで もメイドロボか? もうちょっとましになってから、人前に姿をみせやがれ!」 セリスの目が、殺気を帯びる。 後ろで、マルチの目に涙がにじむ。 Hi-waitはそこで、人差し指を立てると、 「・・・と、西山さんが言ってましたよ」 とだけ、付け加えた。 「ふええーん・・・」 マルチが泣き出す。 「おのれ、西山! マルチを泣かせた奴は、許さん!」 次の瞬間、そこからセリスは消えていた。 「ふっ・・・」 Hi-waitは勝利の笑みを浮かべ、 「悪人同士で戦わせる・・・こうすれば、僕が手を汚すことなく悪は滅びる。正義 を止めることは、誰にもできんのだ・・・」 悠然と歩いていく。 「ふええぇぇぇ・・・何もできなくて、ごめんなさいぃぃぃ・・・」 マルチが泣いているのは、眼中にないらしい。 「西山! よくも、マルチを泣かせたなぁ!」 「待て、セリス! 俺には何のことか、さっぱり・・・」 「とぼけるなぁぁぁ!」 「何の話だぁぁぁ!」 そんなことも、あったらしい・・・ 校舎から出たHi-waitは、目の前に怪しげなコートを着込んだ男がいるのを見つ けた。 (何だ・・・ブレストファイアーか? しかし、あれはこの前やったはず・・・) 警戒するHi-wait。 男は、どこからともなくバットを取り出し、 「バスタァァァホォォォムラン!」 「コート着る意味がないわぁぁぁ!」 Hi-waitは、思わずツッコミを入れた。 その男・・・むろんジン・ジャザムだ・・・は、にやりと笑みを浮かべ、 「ふふふ・・・コートの意味は、別にあるのだよ・・・」 そう言いながらコートを跳ね上げ、 「行けっ! フィンファンネル!」 ジンの背中から、無数のフィンファンネルが射出される。 Hi-waitは、何とかよけようとした。 しかし、フィンファンネルはオールレンジ攻撃である。 そう簡単によけられるものではない。 (しかたがない・・・!) Hi-waitは、一気に距離を詰めると、全身のエネルギーを爆発させる。 「くらえっ! 正義の鉄槌!」 超必殺技:正義の鉄槌 自分を中心とした半径20mの円形に、約800gの超重力をかける。その ため、(自分には)回避する手段が存在しない。 (Hi-wait設定より抜粋) 二人に、すさまじいまでの重力がかかる。 「気にするな、リ○ーナ。命なんて安いものだ。特に俺のはな・・・」 そう言いながら、つぶれるジン。 「○リーナって・・・誰だ・・・?」 同時に、Hi-waitもつぶれた・・・ こうして、その日は終わりを告げた。 校舎裏にあいた巨大な穴は、何者かが塞いだのか、影も形もない。 Hi-waitは、再び立ち上がり、悪を滅ぼす日を待っている・・・のかもしれな い。 まあ、そのうち何とかなるか・・・ <完> ---------------------------------------------------------------------- はーい、Hi-waitです。 すいませぇぇぇん! 勝手に出させていただいた皆様、すいませんでした。 特にマルチファンのあなた! Hi-waitは、あんな事はこれっぽっちも思ってませんよー! と、とにかく。 LメモにおけるHi-waitは、大体こんな奴です。 ・・・しかし、ひどい奴だな・・・ まあ、いいか。(いいのか?) それでは、レス! アルルさん> そうですか・・・やめられるのですか・・・ 短い間(僕にとっては)でしたが、ご苦労様でした。 お仕事、がんばって下さい。 ゆきさん> 意地でも読み飛ばさない(爆) ・・・あの薔薇が意味するところは、一体? ところで、その薔薇は赤ですか、黒ですか?(意味不明) きたみちもどるさん> 「新・主役の意地!」ですか? 「真・主役の意地」には、ティリアいませんでしたからねー・・・ 久々野さん> 耕一の義弟が長瀬・・・怖い(爆) まさたさん> かおり・・・梓が怒るよ・・・(滅殺) 今回は、これだけ・・・かなぁ? では、この辺で。