いつもと同じ昼休み。いつもと同じ暗闇。 だが、その暗闇の主たる四人は、いつもと雰囲気が変わっていた。 「さて……」 一人が口を開く。 「弁解を聞かせてもらおうか、へーのき……」 「違う! 誤解だ!」 二人目が、取り乱した風に立ち上がる気配がした。 「俺は、ただセリオさんと一緒に出られると聞いたから……!」 「それが裏切り行為だというのだ!」 三人目が、荒々しく机をたたく。 「我々四天王は、自らをオリキャラの付属品に非ず、と言うことを世間に知らしめ るために戦っているのだ! それを貴様……『一緒に出られる』だと?」 「仕方ありませんね……」 四人目が、ふぅ、と溜息を付いた。 「へーのき=つかささん……あなたを、四天王から除名します……」 「ま……待ってくれ!」 あわてて追いすがろうとするへーのき。 「見苦しいぞ、へーのき!」 ……じゃきっ。 「……へ?」 ずどどどどどどどどどどどどどどどどどどどど…… 沈黙。 「……どこから持ってきたんだ、こんなもの……?」 「第二購買部ですよ」 「なるほど……」 「さて……そろそろ行きましょうか」 そう言って、三人は出ていった。 後には、硝煙と血の臭いだけが残っていた…… その日の放課後、来栖川警備保障にて。 「へーのきさんはどうしたんですか?」 Dセリオは、先に来ていたDマルチに尋ねた。 「さあ? 何の連絡もないですけど?」 「全く……無断欠勤とは許せませんね……」 Dセリオの中で、何かが渦巻いているようだ。 Dマルチは、賢明にも尋ねるのをやめた。 「セリオサン、アツイデス、アツイデス」 「モエテマス、モエテマス」 「……サウザンドミサイル!」 後ろで騒いでいたDボックスとDガーネットを取りあえず黙らせ、Dセリオは再 び自分の世界に潜り込んでいた…… それから一時間後、へーのき=つかさは視聴覚室にて半死人で発見された。 翌日の昼休み。 視聴覚室を閉め出された三人は、屋上で集まっていた。 「早く、補充を見つけないといけませんね……」 パックのコーヒーをすすりながら、沙留斗が呟く。 「しかし、誰を入れる?」 「四天王の条件に合う奴など、そうそういるのか……?」 春夏秋雪と天神昴希は、そう言いながらそれぞれパンをかじっている。 「一番近そうなのは、彼なんですがね……」 沙留斗の手が、手許のリストをめくる。 そこには、ある男子生徒のデータがあった。 「Hi-waitか……」 手についたソースをなめながら、天神は考え込む素振りを見せた。 「しかし、彼一人では補充できる可能性は限りなく低いでしょうからね……」 そう言いながらリストをめくっていた沙留斗の手が、ぴたりと止まる。 春夏秋雪と天神は、沙留斗の手許をのぞき込んだ。 『T-star-reverse』 「あいつか……」 「彼なら、打ってつけかもしれませんね」 「よし……」 話は決まった。 三人は、目で頷くと立ち上がった。 「まずは……彼を捜しましょう」 「「「T-star-reverseだなっ!」」」 後ろで誰何の声を上げられた少年は、くるりと振り返る。 「どうしたの兄ちゃん達?」 「………………」 「………………」 「………………」 「……ちぃっ! 間違えたか!」 慌ただしく三人は去っていった。 「……何なんだろ?」 間違われた少年……てぃーくんは、首を傾げて初等科の方に歩き出した。 「「「T-star-reverseだなっ!」」」 「僕に何の用かなルリコ」 「……ちがうっ!」 「「「T-star-reverseだなっ!」」」 「くわえでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」 「どわあぁぁぁぁぁぁぁっ!?」 「「「T-star-reverseだなっ!」」」 「今日はとってもセンチな気分☆ 魔法少女エルク……」 「ひっこめぇぇぇぇぇぇぇぇ!」 「「「T-star-reverseだなっ!」」」 「オレは主役だぁぁぁぁぁっ!」 「「「嘘つけ」」」 「……ちくしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」 そして、夕方。 「見つかりませんね……」 ぜーぜー肩で息をしながら、沙留斗がぼやいた。 それに、春夏秋雪が答える。 「さすがは傀儡使いか……」 違う。 ちなみに、天神は既に燃え尽きて真っ白になっていたりする。 「やはり、こうなったら……」 そこまで沙留斗が行ったときだった。 「……まてっ!」 仮面ラ○ダーみたいなかけ声と共に、落ちてきた物体が一つ! 「……消し炭?」 「ちがぁぁぁぁぁぁぁう! へーのきだ!」 「へーのきさんですか……どうしたんです?」 「ふっふっふ……この前の試合のことで、セリオさんにやられたのさ……」 消し炭……もとい、へーのきのその言葉を聞いたとたん、三人に生気が戻る。 「そうですか……おめでとうございます、へーのきさん!」 「……へ?」 素っ頓狂な声を上げる消し炭。 「オリキャラにこてんぱんにのされてなお生きていられるその態度……まさに四天 王の名にふさわしい!」 「……はぁ?」 「と、いうわけで……」 と、そこで三人揃って消し炭の方を向く。 「へーのき=つかささん、あなたを四天王に任命します!」 へーのき=つかさ、喰われちゃった四天王復帰。 <完> ===+++=== さて、今回はいきなりごめんなさいからです。 まず、beakerさん! 勝手に伏線に使ってしまいました。どうも済みません! ……さて、気持ちよく謝罪したところで…… 「一人だけでいいんですか?」 ……どわぁっ!? る……瑠香! いきなり出て来るんじゃない! 「じゃあ、どうしたらいいんです?」 これからは、出てくる前に『これから出ます』と十回言ってから出てくるのだ。 「……そ、それはそれとして!」 ごまかす気か、コラ。 「本当に謝るのは、一人だけでいいんですか?」 ……ん? 何故だ? 「だって、他にもへーのきさんとか……」 彼らはいつもの事じゃないか。 「………………」 さて、これで疑問はないな? では、今回はこの辺で!