超私的Lメモ−風の到来− 投稿者:戦艦冬月
「ここですね・・・・・」
試立Leaf学園の校門前。
1組の男女が静かにたたずんでいた。
男はグレーの学生服、女は何処かで見たような学校の制服を着ていた。どうやら転校生のようだ。
「・・・・・どうしました?副司令」
「何でもないよ。さあ、いこうか」
そんなやりとりをした後、男と女は校門をくぐっていった。


「・・・・・職員室はどこなんでしょうね?」
「・・・・・さあ?」
端から見れば間抜けな会話をしつつ二人は広い校庭を歩いていた。
「ちょうどいい。あの二人に聞いてみましょう」
ちょうどその時に、偶然通りかかった浩之とあかりを見つけた男はそっとつぶやくと二人に向かっ
て歩いてゆく。女も静かにその後に続いてゆく。
「あの、ちょっといいですか?」
いきなり声をかけられた浩之は男を見るといきなりこう言い放った。
「・・・・・誰だ、おまえ達は?」
「浩之ちゃん、初対面の人たちにそういう言い方はないんじゃない?」
とっさにあかりがフォローする。
「あ、すみません。私たち、今日付けで2年生として転校してきた冬月俊範と・・・・・」
「・・・・・綾波麗です」
と、二人でぺこりとお辞儀をする。
一瞬やばいという顔をした浩之はあわてて挨拶を返す。
「あ、そうだったんですか。オレ、2年の藤田浩之っていいます。こっちがオレの幼なじみの・・・
・・」
「神岸あかりです。よろしく」
あかりもあわててぴょこんとお辞儀をする。
「いえいえ。こちらこそよろしく」
にっこり笑って冬月が言う。
「で?オレ達に聞きたいって言うのは・・・・・?」
「あ、それはですね・・・・・」
冬月が浩之に質問をしようとした次の瞬間、校庭の向こう側から怒号と爆音が聞こえてきた。
「てめえぇぇぇ!!今日という今日こそは決着をつけてやる!!喰らえ!鉄拳!!ロケットパァァァァ
ンチ!!!!!」
「うふふふふふふふふ・・・・・・・・」
むろん、言わずとしれたジン・ジャザムとDセリオである。今日もまたおっぱじめたらしい。
「・・・・・何事です?」
思わず惚けたように冬月が誰ともなしにそうつぶやくと、
「・・・あ。ジン先輩とDセリオさんだ。また戦ってる・・・・・」
「よく飽きねーよな、あの二人」
浩之とあかりの二人があきれたように話していた。
「また・・・ってしょっちゅうあるんですか?こんな事が?」
「ああ。もはや日常茶飯事だよ」
「そうなんですか・・・。楽しそうな学園ですね」
「そうですか・・・・・?」
楽しそうにつぶやく冬月に困ったような顔で問い掛けるあかり。綾波はその様子を静かに見守っていた。
「まあ、いいでしょう。流れ弾の処理は任せたよ、麗」
綾波はこくんとうなずくとおもむろに「風よ・・・・・」とつぶやく。
4人の周りに不自然な風の動きを確認すると冬月は満足そうにうなずいた。
「ええっと、それでですね・・・・・・」
冬月が質問を再開しようとしたところに今度は別の生徒が近づいてきた。
「どうしたんだい?君たち。このひとたちは・・・・・・・?」
「あ、岩下先輩。こんにちは」
「こんにちは、神岸君。・・・で?君たちは?」
あかりに挨拶を返した生徒岩下信は、冬月の方を見て鋭く問いかける。
「はじめまして。今度2年生として転校してきた冬月俊範です。こっちが私の付き人の綾波麗です。これ
からよろしく。『火使い』さん」
にっこりと笑って冬月が握手を求める。
「・・・なるほど。自分が3年の岩下信だ。こちらこそよろしく、『風使い』さん」
やはり笑いながら冬月の握手に応じる。
「岩下先輩、ちょっといいっすか?なんなんです?『火使い』とか『風使い』って?」
会話の内容がつかめない浩之に冬月は笑って、
「今度機会があったら教えますよ」
と答えた。
「それで、職員室の場所をさっきから聞こうとしていたんですけど・・・・・」
冬月がやっと聞きたいことを浩之達に言う。
「ああ、それなら自分が案内しよう。ちょっと彼らに話したいこともあるしね」
「すみません、岩下さん。じゃあ、どうもありがとう。藤田君に神岸さん。とりあえず今回転校手続きす
るのは俺だけだけど、これからよろしくお願いしますよ」
「え?綾波さんは?」
「・・・・・私の転校のための書類がまだ出来ていないのです。近日中に出来るはずですから心配はいり
ませんよ、神岸さん」
「そうなんだ」
そしてお互いににっこりと笑う。
「じゃ、そろそろいこうか。冬月君に綾波君。藤田君達もご苦労様」
「そうですね。それじゃあ」
「・・・・・失礼します」
浩之とあかりに挨拶をして3人は職員室へと歩いていった。
「なんだか優しそうな人たちだったね」
「そうだな」
お互いに少し笑うと、二人は再び目的の場所へと歩いていった。


「・・・それで話というのは?」
唐突に問いかける冬月に対して岩下は少し笑いながら、
「ああ。実は君に『ジャッジ』に入ってもらいたいんだ」
と、言う。
「・・・・・『ジャッジ』?」
「ああ。学園の正義を示すために存在している組織だ。主に学園内の騒動を収拾するのが仕事となる」
「へえ・・・・・。それで私の力を?」
「そう。それに君は小さいながらも本物の宇宙艦隊を持っていると聞いたけど?」
「・・・どこでそれを?」
「単なる噂だよ」
すっとぼける岩下。
「まあ、いいです。隠すような代物でもありませんし。確かに持ってますよ。でもそんな戦力が必要なん
ですか?」
半ば苦笑して冬月が岩下に問いかける。
「まあ、いろいろとあるんだよ、この学園は・・・・・・。だからこそ、君の『風使い』としての力がほ
しいんだ」
苦笑いをしながら岩下が答える。
「・・・・・で?君の返答は?」
「・・・しばらく待っていただけますか?少なくともこの学園になれてから返答したいと思うんですけど
ね・・・・・」
「いいよ。でも、いい返事を期待しているよ。・・・・・・・さ、ここが職員室だ。ようこそ試立Lea
f学園へ」
「ありがとうございます、岩下さん」
「どういたしまして。それじゃあね」
「はい。失礼します」
「・・・・・・・・」
冬月と綾波は岩下に向かってぺこりとお辞儀をするとドアをノックして職員室へと入っていった。


数日後。
ふと、あることを思い出した冬月はとある人物の家へと電話をかけた。
プルルルルル・・・・・・・・・・。
プルルルルル・・・・・・・・・・。
カチャッ。
「・・・・・・・・・・・・・」
「ああ、もしもし。冬月ですけど」
「・・・・・・・・・・・・・」
「そんなこと言わないでくださいよ。実は君にぴったりの学園があるんですけどね。こっちに転校してく
るつもりはありませんか?・・・・・・・・」



了

おまたせしました。私の自己紹介のLメモです。
かなり独りよがりな気がしないでもないですが、お楽しみいただけたら幸いです。
これからもがんばって書いていきますのでよろしくお願いいたします。(ぺこり)
ではでは・・・・・・・・・・。