Lメモ・私的転校編 (初投稿&駄文注意) 投稿者:イマジネーター
「えーと、Leaf学園、Leaf学園っと………ここかな?」
 冬の寒く、しかし明るい日差しの中、少年が地図を片手にたどり着いたそこは、一見普
通だが、巨大な建物の敷地の入り口だった。

 ―――試立Leaf学園―――

 白くて、大きい…白亜の城のような美しい校舎を見上げながら、少年はひとりごちた。
「ここが、今日からぼくが通う学校かぁ……。前の学校みたくならないように、気をつけ
なくっちゃ。」
 黒のズボンに、第二ボタンまで開けた白のワイシャツと黒の学ラン、中型の黒い手提げ
鞄を持った、典型的な学生といった風貌の少年は、前の学校――世間体ばかり気にして、
生徒の考えを聞こうともしない教師と、自分のことばかり考え、他人をいたわるというこ
とを知らない生徒のいる、つまらない学校――のことを考えながら、静かに校舎に見入っ
ていた。
「おっと、こんなことしてる場合じゃなかった。早く校長先生に会わなくちゃ」
そう言うと少年は、地図を鞄にしまい、校舎の中に消えていった。


 ―――彼の名は、「イマジネーター」。
 かつて、「光の堕天使」と呼ばれていた少年―――




「あれ? ここはさっき、通ったような気が……」
 校舎に入ったとたん、彼――イマジネーターは迷子になった。
 無理もない。この学園は、あまりにも広大だ。この学園は生徒数もさることながら、そ
の生徒一人一人が、強大な力を持っている。その力を相殺するためには、校舎を広くする
しかないと考えた、学校関係者の計らいにより、ここまで大きくなってしまったというわ
けだ。
「まいったなぁ……あ、すみませーん」
「………………」
 彼に呼び止められて、一人の少女が振り返る。
 少女は、黒い綺麗な髪を肩まで伸ばし、黒いマントと、黒い三角帽子という奇妙な格好
をしている。しかし、彼は気にもとめず、
「すみませんが、校長室はどこに…」
「……」
「え?」
少女は、ほとんど聞き取れないようにしゃべりながら、目の前の部屋を指さした。
「……ここ…ですか?」
「……(コク)」
「でも、表札がどこにも…」
「…………」
 彼女が言うには、二日前、ジン・ジャザムとDセリオと言う二人が乱闘を起こし(日常
茶飯事らしい)、校長室を含む教室数個を破壊してしまったらしい。
 そして、今朝復旧したが、表札をつけ忘れたらしいという話だ。
「はぁ…そんなことが(くいくい)」
 どんな戦いだったんだろう、とか、なんで二日でなおるんだろう、とか考えていたイマ
ジネーターの袖を、少女が引っ張ってきた。
「はい?」
「……」
「え? ぼく…?
 …ああ、ぼくは今日からここの生徒になる、二年生のイマジネーターといいます。あな
たは?」
「…………」
「来栖川…芹香さん……え!? 来栖川って…あの「来栖川」ですか?」
「……(コク)」
「はぁ〜〜〜……あなたが、あの……あ! すみません、初対面なのにこんな……」
「……………」
「え? 部活、ですか? まだ何にするかは決めていませんが…」
「………………」
「オカルト研究会…ですか」
 彼は、はっきり言って幽霊や超常現象というものに、まったく興味がない。普段の彼な
ら、うまく断るはずだが、
「そうですね。いろいろ見て回って、それから考えてみます」
「………………(ぺこり)」
「ええ。では、また」
 彼がそう言うと、彼女――来栖川芹香は、ゆっくりと歩いていった。
 残されたイマジネーターは、一人、校長室の前でたたずんでる。
「(なんで、断らなかったんだろ…おかしいな)」
 そう考えていると、彼の頭に、彼女の顔がよみがえってくる。
「………ま、いっか。さてと」
 そうして、彼は校長室のドアをたたいた。中から、女性の声が聞こえてくる。
「………は〜い。ど〜ぞ〜」
「…失礼します」


「えーっと、イマジネーターくんね?」
「はい」
「じゃあ、正式には明日からだから、今日は校舎を見学して行ってね」
「はい、そのつもりです」
「…じゃ、今日はもういいわよ」
「はい、…失礼しました」
 ドアの閉まる音とともに、校長室には再び、静寂が訪れた。
「………」
 女性の校長が、無言で棚からファイルを取り出し、目次を見て、ファイルを開く。
「……イマジネーター…ね」
 そこには、イマジネーターの写真と、彼の調査結果が書かれていた…


「(気付かれたかな?)」
 イマジネーターは、校長室でもらった資料を見ながら、そんなことをおくびにも出さず
に考えていた。
「(でも、それらしいことは何も聞かれなかったし、それに…)」
 当時の関係者は、生きていないはずだと思いながら、イマジネーターは『クラブ活動』
と書かれた紙の、一番下を見て、動きを止めた。
「………………薔薇部……」
 そうつぶやいたとき、イマジネーターに悪寒が走る。
「(ま、ままままさか、あの薔薇じゃあああないよな? 薔薇って言ったって、観賞用の
薔薇を育てたり、生け花みたいにしたり、暇なとき棘を一個ずつとっていったり、色々な
使い方がああああああるから……!)」
 やはり、それらしい表情は表に出さず、しかし冷や汗を垂らしまくって資料を落として
しまったイマジネーターの耳に、音と、声が聞こえてきた。
「………(お〜い!)…………ドドドド……」
「!!!?」
 イマジネーターは、振り返る。
 声の主に、まったく面識や心当たりはないが、彼の目には、見覚えがあった。
 あれは………薔薇の目だ。
「(………殺す)」
 そのときのイマジネーターの表情にも、まったく変化はなかったが、彼の眼だけ、変化
があった。
 普段からパッチリしていた瞳が、猫の眼のように、細長く、変化していった。
「お〜い! きみ〜! 転入生だね〜!! 僕たちの薔薇部に入らないか〜い!?」
 ドドドドドドドドドド……………
イマジネーターに、その声は聞こえていなかった。彼の頭の中にあるのはただ一つ。
「(……薔薇は殺す)」
 彼は、鞄から赤い、円筒状の筒を取り出した。それには、ひもがついていて、いつの間
にかその先端に火がついてあった。そして、筒にはこう書かれていた。

 ―――火気厳禁・DYNAMITE「ダイナマイト」―――

「………」
 イマジネーターは、まったく無表情に―――それこそ、空き缶をゴミ箱に捨てるように
―――ダイナマイトを放り投げた。声の主に向かって……
「薔薇といっても、別に変なことをするわけじゃあ……あれ?」

 ちゅどおおおおおおおんんんん!!!!………

 ………静寂がもどった。


 その頃、校長室にも、その振動は伝わっていた。
 そして、その部屋の主は、すべて予想していたかのように、嘆息した。
「イマジネーター……… 調査結果に嘘はないようね」
 彼女はイスから立ち、窓の外を見た。遠い眼で……
「イマジネーター……光の堕天使… またの名を、『薔薇・キラー』…
 またこの学園は、血に染まるのね…」
 決まった…と思っている校長の耳に、救急車の音が響く……


「………散ったか…」
 そうつぶやく、イマジネーター。しかし、次の瞬間には、いつもの彼にもどっていた。
「ああー、プリント汚れちゃったなあ」
 プリントのほこりを払いながら、彼はひとりごちた。先ほどのこと、などなかったよう
に。しかし、プリントの一番下を破り捨てるのは、忘れない。
「部活は…来栖川先輩には悪いけど、あしたにしよっと」
 階段を下り、玄関を通り、門をくぐり抜け、彼は家路についた。一人の人間の死を、慈
しみながら…
「(さらば……薔薇よ…)」


「…………死んで……ねえ…って………の…(がくっ)」




 ちなみに、来栖川芹香はイマジネーターのこたえを聞くため、次の日彼が会いに来るま
でずっと、部室で待っていたらしい。
 それはまた、別のお話………




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イマジネーター(以下、イ)「あああ、やっちゃいましたあああ…
             初投稿なのにいぃぃぃ」
神機 綾(以下、綾)「ほんとですねぇぇぇ。小説書くのも初めて、投稿するのも初めて
          、何もかも初めてだらけですよねぇ」
イ 「……だれ?」
綾 「えぇ!? なに言ってるんですかぁ! マスターが私のこと作ったんですよぉ?」
イ 「だって作品の中に出てないし…」
綾 「ううううう……(涙)」
イ 「ああ! 冗談だよ、じょーだん! ただ文の中に出ていなくて、設定も固定されて
  いなくて、名前しかちゃんと決まってないから…」
綾 「ひどいですうぅ…(涙)」
イ 「………」
綾 「ううう………(涙)」
イ 「えー、SS作家のみなさま、初めまして。イマジネーターです。
  いかがだったでしょうか? 小説というものを初めて書いたので、かなりの駄文にな
  ってしまいました。もうしわけないです(__;)
  本作品を読んで、「ここはよかった」とか、「ここがだめ」とか、あるいは「ぜんぜ
  んダメ」と言うメールを頂ければ、ぼくとしても嬉しい限りです。
  イマジネーターの設定は、近いうちに完成する予定です。使っていただければ幸いで
  す」
綾 「え〜ん、無視しないでくださいよぉぉ…(涙)」
イ 「ではみなさま、また近いうちにお会いできたら、お会いしましょう」
綾 「最後に、ジン・ジャザム様、申し訳ありません。勝手に名前使ってしまいました。
  へーのき=つかさ様、申し訳ありません。Dセリオの名前を勝手に使ってしまいまし
  た」
イ 「……いつ泣きやんだの?」
綾 「最後の最後に、校長先生と、薔薇さんは、いったい誰でしょぉ?
  もーおわかりですね? その答えは、胸の中にしまっておいてください☆」
イ 「…………では、また会う日まで」
綾 「また会えるといいですねぇぇ……」