Lメモ私的外伝その2.1 投稿者:岩下 信
      Lメモ私的外伝その2.1「プレゼント」

とある日の放課後、岩下は第二購買部を訪れいた。
「こんにちは、BeaKerさん、例の物は入りましたか?」
岩下の声にBaekerは顔を上げる。
「入っていますよ、岩下さん。」
Beakerはがさがさとカウンターの下から箱を取り出しながら答える。
「えっと…確か「みずほっち」でしたよね?」
「…それも欲しいけど、今回は違うよ。」
beakerの言葉に真顔で答える岩下。
「分かってますって、岩下さん。」
くすっと笑って取り出した箱から何かを取り出すbeaker。
「えっと…『守りの石』と、『封印符』でしたね…あわせて5800円になりま
す。」
「はい、ではこれで…だけど、よく手に入ったね。」
支払いをしながら岩下はbeakerに尋ねる。
「独自のルートが有るものでして…今回ばかりはちょっと苦労しましたけど…。」
beakerは笑いながら言った。
「…そうなのですか…では、またお願いしますよ。」
「あっちょっと待った岩下さん。」
買った品物を手にしつつ、挨拶をしつつ購買部を出ようとした岩下をbeaker
は呼び止める。
「何に使うのですか?『守りの石』の力など岩下さんには必要無いように感じます
が…。」
「いや、私にではなく、藍原君に持たせるのですよ……ここでは、それなりの防護
手段を持っていないと危険だと感じたのですよ。…藍原君は…自分の危険も顧みず
に人を助ける為に飛び込んで行く性格なのでね…」
「なるほど…彼女思いですね、岩下さんは。」
「……………。」
beakerの言葉に真っ赤になる岩下。
「ところで…どうです?『みずほっち』…買いませんか?」
にやりと笑いながらbeakerは言う。
その手には一つのゲーム機をぶら下げている。
「……もらおうか……。」
岩下はbeakerに消え入るような声で答える。
「ありがとうございます。」
beakerがそんな岩下を見て『作戦通り』とつぶやいた…

次の日…
「あっ信さんおはようございます。」
瑞穂がさわやかな笑顔で岩下に挨拶する。
「おはよう、藍原君…。」
「?どうしたのですか?なんだか眠そうですよ?」
岩下の顔を見て瑞穂は聞く。
「あぁ、ちょっとね……ふぁ……。」
瑞穂に答えながら岩下はこらえきれずあくびをもらす。
「ふふっ…珍しいですね、信さんが寝不足なんて…。」
そんな岩下の様子を見て、瑞穂がくすっと笑う。
「あぁ、ちょっとね…。」
「夜更かしでもしたのですか?」
「まぁ、似たような物かな?」
「駄目ですよ、ちゃんと寝ないと…。」
「ははは、分かっているよ。」
朝日の中を二人は会話を楽しみつつ、登校していった。
この日は幸いな事に二人を邪魔するものは無かった。
何が幸いかと言うと…もしも何かがこの時瑞穂との一時を邪魔をしたら、寝不
足で不機嫌な岩下は手加減なしにその相手を潰していただろうからである。

その日の放課後、生徒会室では、瑞穂と岩下の二人で仕事をしていた。
「…藍原君、ちょっといいかな?」
「はい、何でしょう?」
岩下の問いかけに小首をかしげて答える瑞穂。
「…ちょっとプレゼントがあるのだけど…。」
「えっ?なんでしょうか?」
少し嬉しそうに微笑む瑞穂。
岩下は、ごそごそとポケットから小さな箱を取り出した。
「これなんだけど…。」
取り出した箱を瑞穂に差し出しながら岩下は言う。
「??」
その箱を受け取って首をかしげる瑞穂。
「空けてごらん。」
岩下の言葉に受け取った箱を開ける瑞穂。
その中には、一つの指輪が入っていた。
それはシルバーのリングに白く輝く宝石みたいな石がヘッドになっている物だった。
「これは?………こっ…困りますぅ〜」
指輪を見て、瑞穂はしばらく何かを考えて真っ赤になって取り乱し始めた。
「…何が…かな?。」
予想外の瑞穂の反応に戸惑う岩下。
「あの…その…信さんの気持ちは嬉しいのですけど…早すぎるのでは…私達…
まだ…あの…その……」
「……?」
「…ですから!…あの…その…まだ早いのでは?」
この瑞穂の一言で、岩下はすべてを理解した。
「…違うよ、藍原君。これは…そう、お守りだよ。」
取り乱す瑞穂をなだめるように岩下は言う。
「…お守り?…ですか?」
「そう、藍原君は前に言っていただろう?『私は守られるだけのお人形じゃ嫌
です』て、だから、この指輪に“守りの力”を与えて…。」
「…そうなのですか?」
落胆にも似た表情で瑞穂は尋ねる。
「…あ…いや、何だ…その…藍原君が…言うのだったら…それを…。」
今度は岩下が真っ赤になって取り乱す番だった。
その岩下の様子を見て、瑞穂がくすっと微笑む。
「いいのですよ、信さん。気持ちは分かっていますから…。」
「……藍原君……。」
吹き出ている汗をぬぐいながら、岩下は言う。
「指輪、ありがとうございます。…どうやって使うのですか?」
「あっそれはだね……。」

そのやり取りを部屋の外で何気なく聞いていた桂木と吉田は…
「…入れないわよね…。」
「そうよね…あんなに熱いのだもの…。」
ため息交じりで、そんな会話を交わしていた。
「…なんで、瑞穂ばっかり…。」
「私にも、王子様が現れないかなぁ…。」
「「…はぁ…」」
二人は深くため息をついた。
生徒会室内のラブラブモードはしばらく終わりそうに無かった…

                                           終り

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どうも、岩下です。
このSSは藍原瑞穂の設定の説明となっています。
別名、「瑞穂付き人化計画」の一つとお考え下さい。
今回、瑞穂が持つ事になったアイテムは…
「守りの石」
効果:術者(この場合は瑞穂)の任意した範囲に結界を作り出します。
     結界の強度はそこそこで、普通の防御レベルです。
     ただし、一回技を防ぐと結界は破れてしまいます。
     連続の攻撃には対処しきれません。

使用方法:術者(瑞穂)の精神感応によって使用します。
         術者が思った時に結界が生まれます。
         一応瑞穂は「守りの石よ」という詠唱を使います。
という事です。
Rune様の許可は受けていますが、設定が気に入らないとかと言う事がございま
したら、ご一報ください。
     
それでは、失礼します。