Lメモ 「Leaf学園の編入!」 投稿者:神凪 遼刃
      「ここがLeaf学園ですか」
        学園の校門前に立った男・・・神凪 遼刃がつぶやいた。
      「噂では、ここの図書館には大量の魔導書が眠っているそうですからね」
        そこで男は校舎を見上げる。
      「楽しみですね、くくくくくくくく・・・」
        いきなり含み笑いをし始めた男をまったく気にしないで校舎内に入っていく
       生徒たち・・・、まあこの学園ではさして気に留めることでもないだろう。

      Lメモ 「Leaf学園の編入!」  

      「さてと、職員室はどこですかね」
        そういいながら学園中を歩き回っている神凪。
      「まったく・・・、地図ぐらいないんですか、この学校は」
        実のところ、下駄箱を出たすぐの廊下に地図はあったのだが、
       どうやら見落としていたらしい。
      (にしても・・・、なぜ、中庭にあんなにクレーターが出来ているでしょうか?)  
        Leaf学園の生徒ならそれがジン・シャザムとDセリオの仕業だと
        分かりそうなものだが、編入したての彼にそれを知る術はなかった。
        そして・・・1時間後。
      「いったいどこに職員室はあるんですか!」
        彼はまだ迷っていた・・・途中で何回か職員室の場所を聞いたのだが
        どうしてもたどり着けなかった。
      「くう、さすがLeaf学園!一筋縄ではいきそうにありませんね」
        おまえだけだ、そんなのは。
      「とりあえず、もう少し探してみましょうか」
        そういって彼は屋上を後にした。   
        
        一方そのころ・・・
 
        来栖川警備保障セキュリティールームでは、
      「あれ、この人はだれだろう?」
        と、そう言いつつへーのき=つかさが首をかしげていた。
      「Dマルチ、この人がだれだか分かりますか?」
      「分かりません、私のデータの中には存在しません」
      「はて?とすると・・・」
      「不法侵入者ですね・・・?」
      「うわって、Dセリオさん」
        いつのまにかへーのきの後にDセリオが立っていた。                
      「ジンさんとの決闘は終わったんですか?」
      「ええ、少々煮え切らない戦いでしたが」
        どうやらジン・シャザムとの戦いの後らしいが、
        少し不満が残っているらしい。
      「ところで、この男ですね・・・不法侵入者というのは」
      「いや、まだそうときまったわけじゃ・・・」
      「ふふふ、不法に侵入する者を排除するのも学園のセキュリティーの
        務め・・・」
        そういって含み笑いをするDセリオ。気のせいか瞳に危険な色が灯っている。
      (いけない、こうなったDセリオは危ない)
        そう思い、Dセリオを止めようとしたが、
      「さあ!いきますよ、へーのきさん。学園に仇なす不穏分子を駆逐するのです!」
      (こうなったら誰にも止められませんね・・・ああ、モニターに映っている人
        すいません、せめてお墓は立派にしてさしあげますから・・・)
        そんなすでに諦めが入った表情でモニターを見上げるへーのき。
        そこにはまだ迷っている神凪遼刃が映っていた。

        そんでもって神凪は・・・
      「はあ、また出直してきましょうかねえ」
        いまだ迷っていた。校門をくぐってからすでに4時間は経過している。
      「それにしても・・・ここはどこなんでしょうか?」
        神凪は広大は原っぱの真っ只中にいた。 
      「なんで学園の中にこんな高原が・・・」
        Leaf学園は異世界にあるんだからいいんだよ。
      「少し、休憩しますか・・・ん?」
        そういって腰を下ろそうとした時、後ろに気配を感じて振り替えった。
        そこには左手にイングラムM11、右手に454カスールを携えて微笑んでいる
        女性と疲れ切った表情をした男性が立っていた。
      「あなたですね、学園に侵入した愚か者は」 
        女性−Dセリオ−が静かな声で言う。・・・少しばかりの歓喜を忍ばせて。
      「は?なんのこ・・・」
      「排除します」
        しゅたたたたたたたたたた・・・
      「どわああああ!?」
        Dセリオがいきなり左手のイングラムを乱射していた。
      「・・・避けましたね?」
        間一髪で銃弾を避けた神凪にそう言う。
      「いきなり、何をするんですか、あなたは!?」
      「そうでなくては・・・狩りは楽しくありませんからね」
        人の話しを全く聞いていないDセリオ。まあいつものことではあるが。
      「ちょっと、そこの人。助けてくださいよ!」
        Dセリオに説得は無理だと判断し後ろで見ていた男性−へーのき−に訴える。
        ・・・が。
      「薄情者ぉぉぉぉ!」
        神凪の絶叫が野原に響き渡っていた。
        へーのきは無言で十字を切っていた。
        助けようとして巻き込まれるのはごめんだとばかりに。
      「さあ、狩りの時間です!」
        そういってイングラムとカスールを乱射するDセリオ。
      「くっ、次元隔絶!」
        次の瞬間神凪の周囲を半透明の黒い靄のようなものが覆ったかと思うと
        すべての銃弾を弾き返していた。
      「なっ!」
      「ふう、間に合いましたね。さて話を聞いていただけませんか?
        この結界は並の力では破れませんよ」
        そういってDセリオの方に歩み寄る。 
        Dセリオは構えを解いていない。
        へーのきも少し前進して構えを取る。  
      「先ほど、私が部外者だというような話をされていましたが・・・
        私は今日、この学園に編入してきたのですが」
        神凪がそう言ったとたん、ヘーのきが前に歩み出てくる。
      「しかし学園のデータベースにはあなたのことはどこにもなかった」
      「そう言われても・・・私は正規の手順をへて編入したのですが」
        へーのきの言葉に神凪がそうまぜっかえす。
      「う〜ん、学園のデータベースに載っていない以上は・・・」
      「へーのきさん、Dマルチからの通信です」
      「Dマルチから?なんでしょうか」
      「はい、そこの男の名前は神凪遼刃。今日付けで学園1年に編入。
        どうやら言っていることは正しいようです」
      「はて?なぜ最初は分からなかったんでしょうか」
      「どうやら、データベースにバグがあったようです。すでにバグは排除されています」
      「なるほど・・・」
        Dセリオとヘーのきはうなずきあっている。
      「あの、疑いは晴れたのでしょうか?」
        神凪が遠慮がちに尋ねた。
      「あっ、すいません。おさわがせしてしまって」
        あやまりながら神凪に言う。
      「いえ、誰にでも間違いはありますから、それより・・・」
        へーのきの目を見ながら先を続ける。
      「職員室はどこなんでしょう?」

       
      「ここが職員室です」
        へーのきが指差す先には「職員室」のプレートが掛っていた。
      「お手数をかけましたね」
      「いえ、それでは」
        Dセリオを伴って廊下を歩いていくヘーのきの後ろ姿を見届けた後
        神凪はドアをノックして職員室に入った。

      「にしても・・・」
        長瀬教諭はそう言いながら正面に座っている男を見た。
      「遅かったな」
      「少し、迷いまして」
        全然少しじゃないんだが・・・
      「まっ、それはいい。しかし21か。そんなに年を食っているようには
        見えんのだが」
      「よく言われます」
      「え〜と、2年ほど前に東京都台東区にある、とある高校を中途退学か」
      「ええ」
        頷きながら答える。
      「ふむ、ま、そんなことはどうでもいい、この学園は半端じゃないぞ、
        覚悟しておくんだな」
        長瀬教諭はそう言いながら深い溜息をつく。
      「ええ、先ほど嫌と言うほど味わいましたから、少しは理解していますよ」
      「な、に・・・」
      「では私はこれで、まだほどいていない荷物などがあるもので」
        絶句する長瀬教諭を尻目に神凪は職員室を後にした。


        再び校門前。
        神凪がまた校舎を見上げていた。    
      「ふふ、なかなか楽しい学園ではないですか。退屈しそうにありませんね」
        そう言いながら微笑んでいる。それは学園に入る前に浮かべていたものとは
        明らかに違っているものだった。
      「まあ、しばらくはここで錬金術の研究に打ち込むのもよいでしょう」
        まだしばらく校舎を見上げていたが、やがて貫頭衣の裾を翻して
        去っていった。

      
        Lメモ 「Leaf学園の編入!」   終  


        追記
        校門を離れた神凪が寮に着くのに5時間かかったそうな。
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        遼刃「Lメモ初投稿作品です。やっと終わった・・・」
        知音「なに言ってるんですか。勢いだけで書いたくせに」
        遼刃「おや、知音ではないですか、何故こんなところに?」
        知音「なに言ってるんですか、マスターが本文中で出してくれないから」
        遼刃「と言われましてもねえ。出す機会がないんですから」
        知音「ええ、私はでないんですかあ」
        遼刃「まあ、後1話ぐらい書いたら・・・」
        知音「本当ですね」
        遼刃「多分・・・」
        知音「頼りないなあ・・・」
        遼刃「ま、それはそれとして私の簡単なスペック紹介です」
         
        神凪  遼刃
      (かんなぎ りょうは)
        年齢21歳
        妖術師にして錬金術師という肩書きを持っています。
        性格は結果オーライ的です。また権力だの政治と言ったものを
        毛嫌いしています。
        しゃべり方は丁寧でありあまり感情を出しません。
        先祖代々妖術師の家系であったために「使い人」に関しては
        非常に強い警戒心を持っています。

        遼刃「ま、こんなところですね。近い内に完成版をここにリストアップします」
        知音「近い内っていつになるんでしょうね」  
        遼刃「再試期間が過ぎてからになるでしょうね」
        知音「来週ですか・・・」
        遼刃「最後にへーのき=つかささん、使わせていただきました」
        知音「それではまったね〜」