Lメモ「学園実験黙示録」 投稿者:神凪 遼刃
  ここは科学部部室。
  いつものようにいつもの声が響き渡ってた。
「さあ!今日の生け贄(サクリファイス)は例によって一年のゆき君と来栖川空君だ!」
  柳川裕也は心底楽しそーだ。
「(いぎゃああああ、やあめてええええ)」
  簀巻きにされて、猿轡をかまされた来栖川空がもがいていた。
「(離せ、離してくれええええ!)」
  一方のゆきも必死に脱出を試みていた。
「それで柳川先生!今日はどんな実験をするんだ!」
  ジン・ジャザムが柳川に尋ねる。
「それはだな、ずばりこれだ!」
「そ、それは!?」
「そう!あの獣○機に組み込まれている野○回路だ!
  これを二人に埋め込んでどれくらい戦闘力が上昇するかを見ようと思う!」
「なるほど!」
  ジン・ジャザムも楽しそーだ。
「ちなみにこれにはオリジナル要素が組み込んであり、もし戦闘力が既定値まで
  上がらなかった場合は…!」
「場合は?」
「発狂する」
「「(ふざけろおおおお!)」」
  さらに激しくもがくゆきと来栖川空。
「さあ…、まずはゆき君からいってみようか!」
「ふふふ、観念するんだなゆき…」
「(いぎゃああああああああ、やめて、許して、たあすけてええ!)」
  じりじりゆきに近づいて行く柳川とジン。
「(ああ、ゆきさんが…、次は僕の番だ…)」
  諦めが入る空。
  しかし、
「(あっ、あれ)」
  このとき、
「(なっ、縄が…)」
  神は、
「(ほどける!?)」
  …存在していた。
  縄を解く空。
  幸い柳川とジンはゆきの方集中しているので気付かれていない。
「(いまだ!)」
  わき目もふらず駆け出し科学部のドアを開く空。
「なに!」
「空!?」
  柳川とジンが振り向くがその時すでに来栖川空は自由へと逃亡していた。

「ああ、なんの心配もない、実験もない…これがじ・ゆ・う」
  科学部から逃げ出した来栖川空は廊下を走りながら泣いていた。
「おめでとう僕、そして自由万歳!」
  …どうやら科学部に置いてきたゆきは完全に忘れているようである。
  少し外道が混じってきているようだ…
 
「うーむ、まさか空君に逃げられるとはな」
  柳川が唸っていた。
「どうするんだ、柳川先生よ。実験体が一人欠けちまったぜ」
「実験体は一人でもできる。しかしだジンよ、やはり逃げられるのは気分が悪い。
  そこで、だ。どうすればいいか…分かっているな(にやり)?」
  柳川はすでに狩猟者の目になっていた。
「ああ、とっつかまえて適当に痛めつけて連れてくればいいんだな(にやり)?」
  ジン・ジャザムもすで狩猟者の目になっている。
「くく、いってこいジン、存分に狩りを楽しんでこい…」
「狩リノ時間ダ!」
  ジン・ジャザムは科学部を飛び出していた。

  そのころ自由への逃避行を続ける来栖川空は、
「青い空、白い雲、ああ、自由っていいなあ」
  いまだ自由を堪能していた。
  ああ、しかし来栖川空よ!早く気付け!
  君の後ろからその自由をぶち壊す物体X(おいおい)が迫っているのに!
「そおおおらあああ、どこだああああああ!」
  びびびくううう。
  空の体が震えた。
  気付くまでもなく向こうから教えてくれた。
「い、いやだあああ!」
  空は走り出していた。
  しかしエルクゥの脚力にかなう筈もなく徐々に差を詰められていく。
(こ、このままじゃまた捕まってしまう!いやだ!もう実験はこりごりだああ!)
「くくく、匂いが近づいてきたぞ、そこにいるなあああ!」
(ひいいい、と、とりあえずこの部屋に逃げ込もう)
  空はとりあえず空いていた部屋に逃げ込んだ。
「どこだ、どこにいる、そうらああ…」
  がきょん、がきょん………
  ジンの足音が近づきそして…遠ざかっていった。

「た、助かったああ」
  安堵の息を吐く空。
「……助かったのはいいんですが、ノックも無しに
  部屋に入るのは感心しませんね」
  いきなりの後ろからの声にビクっとしながらもそっちの方を振り返る空。
「だ、誰ですか、まさか…ジン先輩!」
  ジン・ジャザムがこんな喋り方するか!
  相当焦っているようである。
「なんだ同じクラスの来栖川空君じゃありませんか、…どうしたんです」
  そこには真っ黒に近い貫頭衣を着込んだ男が左手に三角フラスコ、
  右手に試験管を持って立っていた。
「あ、あれ神凪さん?どうしてここに?」
「ここは私の所属しているオカルト研究会ですが」
「神凪さん!」
  いきなりずいっと身を乗り出す空。
「な、何ですか一体…?」
「少しの間だけでいいんです、ここにかくまってくれませんか」
「それは構いませが…いったいどうしたんです?」
「それは…」
  空はこれまであったことを話し出した。

「それはひどいですね…」
「そうでしょう、って神凪さん一つ聞いていいですか?」
「なんです」
「どうして僕を椅子に縛り付けているんですか?」
  空はいつのまにか椅子に縛り付けられていた。
「知りたいですか(にやり)」
  神凪は邪悪な笑みをうかべた。
「い、いいえ、別に知りたくありませええん」
「そうですか!是非知りたいですか、ならお教えしましょう!」
  完全に一人の世界に入っている神凪、空の声など聞こえていない。
「実はですね、いま新薬を作っていましてね、是非!臨床試験がしたかったんですよ」
  臨床試験と言えば聞こえはいいが、ようは生け贄と同義語である。
  しかも普通はいきなり人体実験はしない。
「いやあ、猫での効果は試したんですが…いまいちでしてね。
  やっぱり人間が一番!そういうことで空君お願いしますよ」
  部屋の隅では黒かった毛が真っ白くなり泡を吹いている
  エーデルハイドが転がっていたりする。
  ついでにぴくぴく痙攣もしている。
「あああああ、やっぱりいいいい。僕って不幸ううううう」
  何をいまさら。
「さあて、仕上げにかかりますか、えーとまずマンドラゴラの粉をいれて、
  ベラドンナの根っこをいれると…」
  ビーカーの中につぎつぎと材料を入れる神凪。
「さらに『千鶴さんの手料理』をいれて…」
「ちょっとおおおおお、一体なんの薬なんですかああああ」
「最後に『モケケピロピロ』をいれて3分煮込めば完成と…」
  最後に名状しがたき物を入れる神凪。
「なんなんですかあああ、その薬は一体いいい!」
「いやあ、私もよく知らないんですよ、魔導書に書いてあるレシピどうりに
  作ったんですが…、肝心の効果が書いてあるページが抜け落ちてまして」
  魔導書のレシピのなかに何故『千鶴さんの手料理』が?
「そんなのを試さないでええ」
「大丈夫ですよ、せいぜい性転換するとか異界にすっ飛ばされるとか
  二次元人になるくらいだと思いますから」
「絶対いやだああ!だれか助けてえええ」
  バタン!
  いきなりドアが開いた!
(神様が僕の願いを聞き届けてくれたんだ、ありがとう神様!)
  勘違いしている空。私がそんなに甘いと思っているのかね?
「くくくく、ここにいたのか、空あああ」
  神は死んだ(ニーチェ)
「ああああ、やっぱり不幸だああああ」
  やっぱりというかなんというかドアを開いたのはジン・ジャザムであった。
  現実はそんなに甘くないんだよ?空君。

「そうらああ、逃亡の罪は重いぞ、覚悟しろおお」
  じりじり近づくジン・ジャザム。
「ひいいい、近づくなあああ」
  ずりずり後ずさる空。
「あのー、ジン先輩?」
「あん?なんだお前は」
  神凪の方を向くジン。
「どうも、一年の神凪です」
「おまえがこの前編入してきた新しいSS使いか…で、なんだ?」
「空君は私の実験に付き合ってくれるそうなんですが」
  そんなことは誰も言っていない。
「なに!空、そうなのか?!」
  ぶんぶん。
  首を横に振る空。
「ふふ、空君もこころよく承知してくれていますよ」
「そうなのか空…」
「違あううううう」
  絶叫する空。
「くく、しかし空!科学部に行きたいよなあ?」
  ぶんぶん。
  またも首を横に振る空。
「どうだ神凪!空も科学部に行きたいといっているぞ」
「むう…」
「だから少しは僕の方を見てええ」
  無視する神凪とジン・ジャザム。
「しかし、空君の体は一つしかありませんからねえ」
「くく、ならば決闘をして勝った方が空を手に入れる…というのはどうだ」
「いいですね、そうしましょうか…」
「だから、本人を無視して進めないでええ」
  泣き叫ぶ空。
「それでどこで行いましょうか…?」
「明日の放課後、学園裏の荒野はどうだ」
「わかりました」
 こうして来栖川空本人の意向をまったく無視して
 脈絡のない決闘が行われることになった。

  翌日の放課後…
  学園裏の荒野には何故か数多くの見物人が集まっていた。
「さて始まりました、学園恒例の第九十八回決闘ジン・ジャザムvs神凪遼刃!
  実況はみんなのアイドル☆長岡志保」
「解説はRuneでお送りします」
「なお主催は放送部」
「協賛は情報特捜部です」
「さて解説のRuneさん、ジン選手はどうでしょうか」
「そうですね、ジン選手はこの学園有数の実力者ですからね、
  まず負けることはないと思いますが」
  ジン・ジャザムの説明終わり(おひ)
「神凪選手はどうでしょうか」
「うーん、 手元の資料によると素人に毛の生えた程度の護身術しか使えないようですから
  接近戦を挑まれるとつらいでしょうね」
「ということは?」
「間合いをとって闘うしかないですね」
「なるほど」
 相槌をうつ志保。
「ちなみに神凪選手は眼鏡フェチにしてロリコン、
  あげくのはてに幽霊っ娘が好みという訳の分からない性癖を
  持っております!」
  資料を読み上げる志保。どうやって調べたんだお前は…
「前の二つは分かりますが最後のはなんですか一体?」
「さあ?」
「それから勝者に与えられる商品は…一年の来栖川空君です!」
「人権侵害だあああ」
  馬鹿でかいトロフィーに括り付けられた来栖川空がわめく。
  そのとーりだよ空君。

  一方観客席では
「さあさあ、オッズは7:3でジン・ジャザムが優勢ですよ。皆さん、お誘いあわせの上ご参加ください!」
  beakerがここぞとばかり商売に励んでいた。
「さあさあ、はったはった!」
  坂下好恵も客引きをしていた。
「ここは手堅くジン・ジャザムに、3口だ!」
「大穴狙いで神凪だあ!」
  なかなかの盛り上がりである。
  Leaf学園生徒のお祭り大好き根性丸出しであった。
  さらに観客席のあちこちで第二購買部の面々が売り子に励んでいた。
  beaker…利に聡い男である。
  まあこれぐらいでなければ第二購買部の主任は務まらないと思うが。

  そのころ第二購買部では、
「退屈です…」
「そうですね」
  留守番を押し付けられた沙耶香(たまたま出ていた)と勇希が腐っていた。

  ほんでもってジン・ジャザムは、
「ジン、がんばれよ!」
「…がんばってください」
「ジンお兄ちゃんがんばれ!」
  柏木三姉妹に激励を受けていた。
「おう!まかせろ!ところで千鶴先生は?」
「「「さあ?」」」
  三姉妹がとぼける。こころなしか冷や汗が浮かんでいる。
「…?」
  いぶかしむジン。
「ジン君」
「うどわ!ち、千鶴先生いつ後ろに…?」
「さっきから。それとジン君これ、はい☆」
  そう言いながら何かが入ったタッパをジンに手渡す。
「(うっ、いやな予感)ち、千鶴先生これは?」
「スタミナ料理☆ちゃんと食べてね☆」
  偽善者スマイルを浮かべる千鶴先生。
「ひいい、やっぱりいいいい」
「それから、新入りに負けたら…、どうなるか分かっているわね、ジンくうううん?」
  偽善者スマイルのままジンに詰め寄る千鶴先生。
  恐い、これは恐い。
「分かってますうううう」
  ジン・ジャザム…彼の運命はこの一戦にかかっていた。

  神凪サイドでは、
「マースタ、勝ってね☆」
  銀色の髪を持つ姫川琴音…知音が神凪に声援を送っていた。
「わかってますよ、知音」
「うふふふふ、マスターが戦うのを見るのは初めてですう☆」
  …なまじ琴音ちゃんに似ているので違和感ばりばりであった。
「神凪さん…」
「あっ、琴音さん」
「あ、あの、…がんばってください」
(琴音さんから愛(違う)の声援を受けるとは!もう死んでもいい)
  オーバーな。決闘はどうするんだお前。
「おっと、そうでしたね、では行ってきますよ、琴音さん、知音」
「マースタ、いってらっしゃい☆」
「神凪さん…」
  なんかジン・ジャザムと扱いが違うぞ、神凪。

「さて両選手が入って来ました!」
「そうですね(にやり)」
  邪悪な笑みを浮かべるRune。彼は何を企んでいるのか…。
「神凪いいい、俺の幸せのために死ねええええ」
「ふふふ、琴音さんの声援にかけても負けるわけには行きませんよ…」
  向かい合って睨み合うジン・ジャザムと神凪。
  そう!ここにいるのは2匹の愛に狂った獣であった!(ジン・ジャザムには少し脅えが入っているが)

「それでは、レディー…」
  審判役をかってでた柏木耕一が手を挙げる。
「ファイト!」
「先手必勝!エンター『紫鳥咆哮』!」
  いきなり雷撃を放つ神凪。
「甘いわ!バスタァァシィィルド!」
  どこからともなく取り出した黒マントでジン・ジャザムはそれをすべてはじく。
「おお、神凪選手の先攻です、どうでしょう?解説のRuneさん」
「そうですね、おそらく神凪選手はジン選手のあのメタリックなボディから電撃が有効と
  判断したんでしょう、もっとも全部弾かれましたが」
「なるほど」

「こんどはこっちの番だな、食らえ!愛と!怒りと!!悲しみのお!!!」
  ジンの右手が真っ赤に燃える!
「シャァァァイニングフィンガーソォォォド!!!!」
「エンター『力の鏡』」
  とっさに対人用結界を張る神凪。
  が。
「メン!ツキ!!…」
  どぐわああああん。
  突進していたジン・ジャザムが吹っ飛ばされていた。
「なああにいいい!」
  神凪も呆然としている。
  結界までまだ3mはある。
「あっとここで、追加情報です」
  Runeが情報特捜部の悠朔から資料を受け取っていた。
「えーと、『辺りに地雷原が埋め込んであるのでうかつに動くと危ないぞ☆』だそうです(にやり)」
「なあにいいいいい!」
「なんだそらああああ!」
  ジンと神凪の絶叫が響き渡っていた。

「あれはお前の仕業か?久々野」
  月島拓也が隣に座っていた久々野に尋ねる。
「まさか…私は引退した身ですよ、それに…」
「それに…?」
「私ならもっとエレガントな罠を仕掛けますよ…、 
  まあおそらく暗躍生徒会…それもRune辺りの計画でしょうね」
  御名答。

「ならば!食らえ、鉄拳!ロケットパァァァンチ!!!」
  ごす。
「あーと、直撃です!神凪選手ダウンです!」
「カウントが入ります、1…2…」
「あたたたた」
  何事も無かったように起き上がる神凪。
「ちょっと待て…」
「なんです?ジン先輩」
「何でお前は無傷なんだああ?!」
  そう、神凪はまったくの無傷であった。
「運がいいんでしょう」
  運がいいでは済まないと思う…
「ちいいい、ならばもう一発、ロケットパァァァンチ!!!」
  べき。
  むく。
「だから何で無傷なんだああああ?!えええい倒れるまでやってやるうううう、ロケットパァァァンチ!!!!」
  どぐし。
  むく。
  どが。
  むく。
  ぐし。
  むく。
「秋山か!お前は!?」
「失礼な、あんな変態と一緒にしないで欲しいですね」
  まあ言いたいことは分かるが…

「なるほどな…」
  ハイドラントがつぶやいていた。
「なにがなるほどなの?ハイド」
  隣に座っていた綾香が尋ねる。
「あの神凪とかいうのは全てまともにロケットパンチを受けている、なのに無傷で済むわけが無い」
「ふーん、随分頑丈になったわね。昔はハイキック一発でのびたのに」
「違う、つまりだな…まあいいか、そのうち分かるだろう」
「…?」
  綾香は?マークの出た顔でハイドラントを見ていた。

「はあはあ、どうして倒れないんだああ!?おまえはああ!?」
  すでに20発は食らったはずなのに神凪は無傷であった。
「さあて、どうしてでしょう」
  平然とした顔で返す神凪、さすがに少しは疲れているようだが。

「うーん解説のRuneさんどういうことでしょう」
「よくわかりませんね…」
  悠朔からビデオが手渡される。
「おっとここでビデオが焼きあがったようですので見てみましょう」
  ビデオを再生するRune。
「まともに食らってますね神凪選手」
「いや、若干体をひねって急所は避けています」
「そうですか?」
「それに胸の部分に当てている手が少し光っている…これは回復魔術の光ですね」
「なるほど、つまりダメージを受けたらすぐ治療してるから無傷だと」
「まあ魔力が続く限りこれをやってジン選手の弾切れを狙おうという魂胆でしょう
 こうなるとジン先輩はきついですね、何しろ一撃で倒さなくていききませんから」

「なるほどな、そういうことか…」
  エルクゥの超感覚でジンは放送席の会話を聞いていた。
「分かりましたか…」
  ジンに不敵な笑みを向ける神凪。
「私の見たところ、もうじき弾切れですね…?それにビーム兵器のたぐいは使えないでしょう、
  私のうしろには千鶴先生がいますからね」
(ちいいい、ちゃんとジェットスクランダーを着けてくるんだったぜ。
 それにしてもなかなかやるじゃねえか、油断したな。
 後使える武器は、ロケットパンチが一発にバスターホームラン用のバットか…。
 これだけでどうしろってんだ。このままだと千鶴先生のおしおきが…
 いやだ!考えろ俺、考えるんだああああ!
 こいつを一撃で倒すには、
 1、千鶴先生ごとふっとばす。
 2、自爆覚悟で地雷原を突っ走る。
 3、新兵器を使う。

 1、問答無用で却下。
 2、運次第ではなんとか…。
 3、んなもんない…だあああどうすりゃいいんだああ、やはり2しかないのかああああ。 
 は、まてよ…これはいける…使える、これだああああ)
「…?」
  いきなり考え込んだジンを不思議そうに見つめる神凪。
  チャンスじゃないのか?
「はっ!」
  気付くのが遅い。
「食らえ神凪!」
  ジンが動いた!
  左手のロケットパンチを取り外し真上に放り投げる!
「なに?!」
  思いもしなかったジン・ジャザムの行動に神凪が仕掛けるタイミングを崩される!
  そしてジンは右手でバスターホームランのバットを逆手に構えた!
「死ねや神凪!!!!バスタァァロケットパンチホォォムラン!!!!!」
  落ちてきたロケットパンチをバスターホームランで神凪に打ち返す!
「なっ、なにいいいいい!!」
  ごぐべしゃああ。
  彗星と化したロケットパンチに吹っ飛ばされる神凪。
  そのままきりもみしながら地面に叩き付けられる!
  づがあああああん。
「つっきゃああああああぁぁぁ…」
  さらに地雷に吹っ飛ばされる神凪。
  ちょうどいい具合に黒焦げになっている。
  …レフェリーが続行不能と判断しストップをかけた。
「…無敵!」
  きめポーズを取るジン・ジャザム。

「それでは見事に勝利したジン・ジャザム選手にインタビューです!」
  いつのまにか下に降りてきている志保。
「ふん、まあまあの強さだったな。しかし俺はDセリオに勝つために日夜努力(改造とも言う)を
  続けている…、その俺が負けるわけ無いんだよ!」
「えー、それでは商品の進呈を行います」
「みぎゃあああ、Runeさん笑ってないで助けてええ」
  簀巻きにされた上にガムテープでぐるぐる巻きにされた空が運ばれてくる。
「そうか、空!そんなに嬉しいか、そうだろ、そうだろお」
  空を引きずって行くジン。
「そんなこといってないいいい」
「俺にはそう聞こえたぞ、俺は他人が言ったことよりも自分の耳を信用するんだよ」
  詐欺師の理論である。
  そしてつかの間の自由を手に入れた来栖川空はジン・ジャザムに引っ張られて校舎の中に消えていった。


 Lメモ「Leaf学園実験黙示録」     終

 追記
 科学部に連れて行かれた空は昨日からそこで簀巻きにされたままだったゆきとともに
○獣回路(改良型)を埋め込まれ見事発狂。
 永遠の世界に旅立ってしまった…

 追起その2
 決闘後部室に戻った神凪は芹香先輩からエーデルハイドを実験に使った罰を受け、
 一週間猫の姿で過ごすこととあいなった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 
 神凪「にゃー、にゃー!」
 知音「はい、知音でーす、ってあれマスターがいない?」
 神凪「にゃにゃにゃにゃ、にゃーにゃにゃにゃ!」
 知音「なんか騒がしい猫がいるけどほっといて…しょうがないから私ひとりで進行しまーす!」
 琴音「あの…、知音ちゃん?」
 知音「あれ琴音ちゃん?なんでここにいるの?」
 琴音「来栖川先輩に後書きの手伝いをするようにって」
 知音「ふーん、ま、いいや。じゃふたりでやろ」
 琴音「はい…」
 知音「えっと、本当なら『〜放課後!』の後編だったんだけど、
      マスターが『書けないよおおお』なんて騒ぐので急遽この話になりました」
 琴音「どうしたんでしょう…神凪さん」
 知音「ほっときゃいいのよ、あんな馬鹿マスター」
 琴音「それは、言い過ぎでは…?」
 知音「だって、また私が出るのが遅くなったんだよ?許せないよ!」
 琴音「でも、この話では出てますけど…」
 知音「まあそうだけど…、あっ何で私が琴音ちゃんの姿をしてるかは
       多分マスターが書くと思うので待っててください」
 琴音「なんか、私と似た格好の方が増えてきましたね」
 知音「笛音ちゃんでしょ?セリオさんも似た人が多いじゃない。気にすること無いよ」
 琴音「そんなものでしょうか…」
 知音「そんなものなの!さてと今回出演していただいた、ジン・ジャザムさん、ゆきさん
      Runeさん、久々野さん、ハイドラントさん、悠朔さん、beakerさん。
      使わせていただきました、なんかイメージと違っているところもありますけど
      そのへんは勘弁して下さい」
 琴音「なにか知音ちゃんではないみたい…」
 知音「あううう、マスターがいないから…今度の後書きでいじめてやるうう」
 神凪「にゃああああ!」
 琴音「きゃっ」
 知音「何だ、まだいたのこの猫…」
 琴音「可愛いですね」
 知音「琴音ちゃん飼ってみたら?」
 琴音「いいんですか?」
 知音「いいってどうせ野良猫だし」
 琴音「えっっと、…分かりました」
 知音「それでは『〜放課後!』後編でまたお会いしましょう!」
 琴音「それでは」