前回のあらすじ
○フィギュアペア本選が始まろうかと思われたとき、久々野の陰謀によりリン
クを破壊されてしまった選手達。久々野のいやがらせ、「濃硫酸リンクで滑ろ
う☆」作戦によりやむなくゆき、初音ペアはリタイヤするのであった。
同刻、選手控え室ではちょっと道を踏み外してしまった岩下がこんがりと月
島兄をバーベキューしていたのであった。そしてまた、千鶴の魔の手が…。
果たして優勝は誰の手に!?
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「え、えーと…はたして、競技を続けてよいものでしょうか…?」とRune
は引きつった口調で言った。
「続けるしかないでしょう…なんせ糸引いてるのがあの人ですからね」とアル
ルがため息を吐いて続ける。
後が恐い二人だった。
「まあ、それ以前に選手が残っているのでしょうか…?」
そこに連絡を持って「草」が現れる。
Runeが受け取って読み、つつっと汗を流す。
「え、ええと…月島兄妹ペアが兄の急な不調で不参加…なんと言う事でしょう
か、これでどこが一位を取るか分からなくなりました…」
「だから選手が残ってるのか…?」アルルが半眼で突っ込む。
普通、出場拒否する。
ss使いが参加しても、女子の方が嫌がるだろう。まあ、それ以前にss使い
達はごく一部の例外を除いてはパートナーは大事にする。(誰ですか、例外は?)
当然のごとくdye・芹香、鈴木R静・わるち、西山・楓、セリス・マルチペ
アも逃げ出していた。
だが、この中でも逃げ出さなかった剛の者も居る。
いや、いた。
岩下は荒い息を吐いた。
これで、三つ目…足元ではこんがり焼けたFoolが倒れている。
隣の部屋では健やかが死んでいた。多分そのうち生き返るだろうから問題はな
い。
さあ、次は誰をどつき倒そうか…?
ジンか、浩之か、梓か、へーのきか。
どちらにしろ後二つを潰せば銅メダルは浮く。
彼が狙っているのは「仕切り直し」だった。
メダル授与者なしにはなるだろうが、来栖川も鶴来屋もそれは許すまい。
第一回はメダル授与者を出して締めくくるはず。
後日仕切り直しがあれば、勝てる!
…などという打算は全くなかった。
ただ単に自分が滑れなかったもんだからやつあたりしているだけだった。
(皆不幸にしてやるっ!)
彼はいまちょっと病んでいた。
誰だってこういった状況に陥れば少し位乱暴になるものだ。
…なるわけないか。
とりあえずジンは強そうなのであきらめて、浩之かへーのきを潰す事にする。
岩下は通風孔から再び天井裏に忍び込むと、かさかさと這って行った。
がん!と頭をぶつける。
ロッカーが目の前に立ちふさがっていた。
眼を丸くしている岩下の目の前で、いきなりロッカーから声がした。
「フシンジンブツハッケン、フシンジンブツハッケン…」
それがなんであるかに気付き、岩下は叫び声をあげた。
ずがががあああぁぁぁぁぁぁん!
「目標、完全に沈黙しました」
Dガーネットが天井にミサイルをぶっ放したのを横目で見ながら、へーのきは
渋いお茶を啜っていた。
「…確か…『適当に持ち場を探して警備しろ』…って命令出したんだっけ?」
Dセリオは無言で頷いた。
「…どうやって天井裏なんかに登ったんだろうね」
それ以前に何か重要な欠陥があるような気もするが、へーのきは無視した。
考えていたら馬鹿になりそうだったから。
「…初めて役に立ったな、あいつ」
天井からはロッカー改めDボックスの破片が零れ落ちてきていた。
「それではジン選手、千鶴選手用意!」
ジンと千鶴は緊張した面持ちでリンクの中央に立っていた。
いや、正確にはジンが二人分ほど緊張していた。
千鶴は全く緊張しているように見えない。
「…失敗したら、殺すわよ」
「ひぃぃぃぃぃぃ…………」
千鶴は笑ってさえいた。…笑いの質が違うような気もするけど。
そして、音楽が流れ出し…二人は軽やかにステップを踏むと…
ばきぃぃぃぃぃん!
……………。
Runeとアルルは冷たい目でリンクをみていた。
「………いきなり落ちましたね」
「………ええ」
リンクには二人分の穴が開いていた。
Runeはへっ、と笑う。
「ま、大体からして重過ぎるんですよ。あんなのが上手く行くはずないじゃな
いですか」
「そうですね、もうちょっと軽ければよかったんですがね、あはははは…」
アルルがそれを受けて笑った途端に…周りの温度が三度下がった。
二人はゆっくり、ゆっくりと振り向く。
千鶴がにっこりと笑っていた。
「何か言い残す事は?」
いろいろあった。
重い、といったのはジンの事だ、とか千鶴先生はやせてる、とか。
だが、やはり二人の口から漏れたのは絶叫…。
かくして、オリンピック死傷者がまた二人増えたのだった。
「どもどもー!新・解説の雪・智波だ!」
「おなじく、佐藤 昌斗です!」
二人はにこやかに笑った。
言うまでもないが、ディレクターが放送席の影で倒れていた。
出番外出演である。
鬼畜な連中であった。
「さあ、それでは続いての選手に行きましょうか!」と佐藤がアドリブで実況
する。いつのまにやら仕切っていた。
「おう!んー?なんだよ、あとは浩之とへーのきのペアしか残ってねーのか?
なっさけねーな、もうちょっとふんばれよてめーら!」智波は結構でかい態度
で言う。マスコミ受けしそうなキャラであった。
「んじゃ行くか!次は…へーのきだな!」
が、そこに「草」が原稿を届けてくる。
「ええと、今入った情報によりますと…いやあ、控え室の方でDボックスに内
臓されていた自爆装置が発動され、ちょっとすごい事になっているようですね」
「え、それじゃ浩之も…」
「やばいことになっているようです」
爆発跡では、きたみちもどるとカレルレンが泣きながら救出作業に当たってい
た。
「ううううう、何で僕がなんで僕がどうして僕がぁ〜!」
「気にしない気にしない。みんなこうやって脇役から始めるもんだって」
新任の弱さで面倒を押し付けられたカレルレンに、たまたま近くに居た為無理
矢理引っ張ってこられたきたみちだった。
「こんなことならおとなしくオリンピック観戦しとけばよかった…」
「まーたまた。出番があるだけでもいいと思わなきゃ」
と、向こうの方からどどどどどど…という音が聞こえてきた。
久々野を先頭にぐんぐん大きくなるその集団は…
「まてぇぇぇ、主催者あぁぁぁぁ!」
「見逃せ西山〜!」
「西山ぁ!今日こそss不敗流奥義を貰う!…止まれぇ!」
ぷちっとカレルレンときたみちを潰して走り去って行った。
「………せ、先生…これも第一歩ですか?」
「あっはっは、初っ端から影の総帥に踏まれるなんて縁起がいいねぇ」
「…んなわけねーだろてめぇぇぇぇぇ!」
がばっ!と立ち上がったきたみちは…
dyeと鈴木R静とセリスに踏まれて倒れた。
カレルレンは再び笑った。
「いやあ、君ってば大スター達に踏まれて、ほんっとうについてるねえ」
な、なんでやねん…
きたみちは内心で突っ込みながら気絶した。
西山達は久々野に責任を取らせるべく、全力でリンクへと追いつめて行った。
その中にはハイドラントが混じっていた。
どさくさに紛れて西山を倒すつもりであった。
「プアヌークの魔剣!」
光条がまっすぐ前方へ伸びる。
だが、それは狙いをそれ…
久々野の後頭部を直撃した。
ばったりと久々野は倒れる。
チャンスとばかりに四人は一斉に飛び掛かり…
突然、リンクの氷が吹っ飛んで中から一人の少年が飛び出す。
「ははははっははははっはぁ!オチは私がいただいたぁぁ!」
春夏秋雪が全員を弾き飛ばして哄笑を上げた!
「あ、あれって」
「あ、ああ」
放送席の二人はあんぐりと口を開け、同時に言葉を発する。
『と、』
『溶けとるやぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!』
リンク中の人々はその時同時にリンク中央の骨男に突っ込んだと言う…
こうしてオリンピックという名は歴史の闇に葬られた。
「とまあ、こんな事がありまして…」彼は息を吐いた。「うちの学校では五輪
を目の敵にしているわけです」
まさた、それ絶対嘘やろ。
そう突っ込まざるを得ないある冬の日の物語であった。
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ひなた:だ、だめだ―人物が多くて裁き切れない…
みかか:編入生の人を入れようと思ったらめちゃくちゃになってしまいました。
ひなた:とほほ…ええと、この話は図書館の前編の続きです。
「赤十字美加香」が著者名になっているはずですのんで。
みかか:次からは絞りましょう。あれほどRuneさんが無理はするなって言った
のに…
ひなた:眠い…じゃあ、また今度…