Lメモ外伝「赤十字美加香の日常2・怪談編」 投稿者:風見 ひなた
 皆さんこんばんわ、赤十字美加香です。
 本日はLeaf学園家庭科室からお送りしております。
 えー、現在深夜の二時を回っています。
 なんだか雰囲気的に『雫』の音楽が非情によく似合う不気味な雰囲気が漂ってます。
 さて室内にはぐったりとしている生徒達が居ますね。別に電波喰らったわけではありま
せん。彼女たちはお料理研究会のメンバーです。
 昨日の朝の十一時頃から十五時間ほどぶっつづけで百物語をしていたため、みなさんさ
すがに疲労困憊の極みにあるようです。残念ながら妖怪は出てきませんでした。
 一体何で私達がこんな所で百物語なんぞやっているかというと、今から行う行事が問題
となるわけですね。……あっ、用意が出来たようです。
 えー、顧問の勇希先生。今から何をするのでしょうか?
「はい、お料理研究会秋の恒例料理『闇鍋』です」
 そうなんです。この研究会には秋になるとこの恐ろしい料理を作るという風習があるよ
うなんですね。
 それでは行事を始めるに当たって誰か適当な人にお話を伺ってみましょう。
 えーーっと、そこの物静かな人、ちょっと来て下さい。はい、どうぞ。
「…………………………………………………………………………………」
 あらららら、照れてるんでしょうか?
 おーい忍さん?そんなに緊張しなくってもいいんですよー。
「…………………………………………………………………………………(ばたっ)」
 おや?
 …えーっと、ついに疲れて気絶してしまったようですね。
 そのうちに起きるでしょう。それでは他の人に訊いてみることにしましょうね。
 ちょっと、そこの電柱持ち込んでいるあなた!ほらこっちむいてっ!
「いやぁぁぁっっ、ムラサキが……ムラサキババアがくるううううっっっっ!!」
 え?あの、ちょっと?電芹さん?
「おうちにかえるっ!わたしをおうちにかえしてぇぇぇ!もうここはいや!いやなのーっ!」
  ………………………えーと、どうやら怪談のせいでちょっと壊れているようです。
 私が直してもいいんですがそのうち自己修復するでしょう。ほっときます。
 もうインタビューは諦めて先に進んだ方がいいみたいですね。
 ん?あっ、たけるさん。何か言いたいことでも?
 ええいいですよ、どうぞどうぞ。
「やっほー!ハイドさん、見てるー!?今から闇鍋するよーーん!」
「ゆきー、初音ちゃんも一緒だよ!へへーん、羨ましいでしょー!」
 あのぉ、たけるさん、何処から現れたか謎のM・Kさん。
 これは記録用ビデオであって放送用ではないんですが。
「え?そーなの?まぁいいや……それじゃまたねー!」
 はぁ、疲れる。この上で闇鍋なんて食べるんですね……。
 さてもうそろそろ始めましょう。
 闇鍋はご存じの通り、真っ暗な部屋の中で鍋に各々持ち寄った好きな物を入れて食べる
というロシアンルーレット的な料理です。
 大抵の場合は入れた物の味が混ざってまずいことになるんですけど、そこはそれ私達は
お料理研究会ですから。ちゃんと食べられる物を作ります。
 なお、今回のタブー材料は「クスリ」と「キノコ」と「食べられない物」です。
 放って置いたらとんでもない物を入れる人が居ますからね。
 ちなみに「声を出す」のはアリです。たまにないルールもありますけどね。
 さてそれでは灯りを消すとしましょう。
 それでは投げ入れタイム!
 私が持ってきたのは「牛肉」「チーズ」「つくね」。ジョーカーは「風船ガム」です。
 基本的に何を入れてもいいんですが、汁が濁る物は禁止です。
 ……まぁ、建前ですけど。何入れても結局濁りますからね。
 うーん、それにしてもこの待っているときの「時間」がいい感じですよね。
 何故かみんな無口になってごくっと唾を飲むんですよ、これが。
 ああ、怪しい匂いが漂ってくるなぁ。

(20分後)

「そろそろいただきましょうか」
 うーん、煮崩れ起こしてるんじゃないでしょうか?まぁいいですけど。
 それでは時計回りに座った順に取っていきましょう。
 えーと、一番先輩の………
「いっ、いただきまーーーー」
『喰うなっ!』
(ごすっ!)
 とりあえず理緒さんをどつきたおしました。まったくこのゴキブリ女は油断も隙もない。
 気を取り直して梓先輩からですね。
「じゃあもらうよ。(ぱくっ)んー…………これは鶏肉?」
「あっ、あたしがもってきたローストチキンだ」
 これはあかりさんが持ってきた物だったようです。
「次は僕だ」あっ、この声は復活した忍さんだ。「……豚肉?」
「それは私が用意した奴じゃないかな?」M・Kさんですね。
 しょっぱなからまともな奴が出ると心配になってくるなぁ。
「じゃあ次は私だね」あかりさんだ。「えーっと………鱈かな」
「あ、それあたしだよ」
 結構まともに進んでますね。
 誰もジョーカーを引いてないのが気になるけど。
 それにしても、この鍋……きっと汁の色はドス黒いんだろうなぁ。
 そうこうしている内に私の番です。
 さーて何が出るかな?
 ぷちっ。
 ……………ん?なに、この音は?
 なんというか……酸っぱいような……油っこいような……奇妙な味が。
 あれ、髭がある。………髭?
 っていうか触角?
 あのー、これって………まさか?
「あ、それ私が持ってきたゴキブ………」
「言うなボケーーーっ!!!」
 私は問答無用で理緒さんをどつき倒しました。
 もちろん皆さん一斉にです。
「何て物入れるんですかあなたはっ!?みんなが食べてるのにっ!」
「だ、だって私の家では三時のおやつに食べ―――」
「そんな異常な家庭と一緒にするなぁぁーーーっ!!!!!」
(どすべきぼか)
 ま、まったく油断も隙もない……。
 それにしてもこれが普通と言うことは……ジョーカーにはどんな恐ろしい物が?
 なんだか考えるだけで恐ろしいです。
 …………ううっ、『漆黒の悪魔(仮称)』ってすっごく嫌な味。
 さて、気を取り直して次のターンです。
「えーと、私のは……つくね?」
「あっ、先生が食べてるの私が持ってきた奴です」
 やっぱり自分が持っていたのを他人が食べてるのって何かいいですよね。
 さーて、次は………。
「ひづきちゃんいっきまーっす!」
 元気な人だなぁ。
「あっ、お肉だラッキー!………でもこれ何の肉だろ?」
 どんな味がするんでしょうか?
「なんとゆーか………こう、肉としては柔らかいけどどこか淡泊で脂が少なくて……」
 そう言っていると、ぽんっとM・Kさんが手を叩きました。
 正確にはそっちから音が聞こえたんですけど。
「ああ、それ私のだ!兄のおみやげなんだけど…」
「へえ?何の肉なの?」
「ジン・ジャザム」
(ぶぅーーーーーーーーーーーーーーーーーっっっ!!!!!!)
 わあああああっ、ひづきちゃんが吐いたーーーっ!?
「汚いわねあんたはっ!」
「き、汚いも何も何でそんなものが入ってるのよっ!」
「サイボーグ手術するときに切除した腕の一部を持って帰ってきたんだって」
「そんなもの入れるなぁっ!危うく人喰いになるとこじゃないのっ!」
 すると、あかりさんがおそるおそる手を伸ばしました。
「それを言うなら私もこの前素手で殺した熊の掌を……」
「犬は赤いのが美味しいって言うから……………」
 ………この鍋、死体焼却炉か?
 この調子だとエーデルハイドの変死体でも出てきそうで怖いなぁ。
 私はそんなことを考えながら鍋の中身をかき回しました。
 あ、てごたえあり!
「カァ!?」
 …………アーティー?最近見ないと思ったらこんな所で食料に………。
 うーん、シュールな鍋だなー。
 私はとりあえずまだ息のあったカラスを逃してから改めて鍋を漁りました。
 そしてすくい上げたのは………。
(がたん)
 ………あれ?
 今の何の音でしょうか?廊下の方で音が聞こえたような……。
「誰か向こうに行った?」
「まさか。今この校舎にいるには私達だけのはずよ」
「じゃあアレは誰なんだよ?」
「まさか………泥棒?」
 私達はそろそろと視線を音のした方に向けました。
 意を決して梓さんと勇希さんが懐中電灯を灯して歩き出します。
 がらっと扉を開けて……。
「誰だっ!」
 ……………。
 静寂。
「誰も…………いない?」
 梓先輩は拍子抜けしたように言いました。
 廊下には黒い闇がわだかまっているばかりです。
「気のせい……でしょうか?」
「ネズミでもいたのかもね」
「そんなこともういいじゃない。鍋食べないと冷めちゃいますよ」
 あっそうだったそうだった。
 私は鍋に箸を付けるとひょいと中の物を漁りました。
 早速見つけて、引き上げます。
 私はそれを無造作に口に入れ………。
 瞬間目の奥でぱちっと火花が散りました。
 形容のしがたい刺激が鼻腔から脳にダイレクトに伝わってくるようです。
 辛くて甘くて生臭くて苦くて生クリームのようなまったりとした触感がしつこく口の中
を蹂躙します。とにかく形容しがたい味に私は思わず言葉を失いました。
 何も言えずに口を押さえてひたすら咀嚼を続けます。
 そんな私に何の不審も覚えず次々にみんなは鍋を口に運びます。
 そして一人、又一人と黙り込んでゆき……。
 やがて或る一つの言葉が場を埋め尽くしました。
『うぷっ…』
 私は口の中の物を思わず吐き出しながら叫びました。
「な、何この味!?」
「誰だこんな恐ろしい味のする食べ物入れた奴!」
「灯りをつけよう!悪質ないたずらをっ!」
 そしてばあっと百あまりの蝋燭に灯がともされます。
 ……そこには底にでかでかと「ぷれぜんてっどばいちづる☆」と書かれた一杯の鍋。
 私達の喉の奥から悲鳴にならない絶叫が迸り――――――――。

(そして、暗転)

                 完
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ルーティ(以下る):みなさんこんばんわー!
ティーナ(以下て):巷で大人気の七歳美少女HMことティーナだよー!
る:…………誰が美少女だって?
て:あっ、誰かと思えばがさつで暴力的な欠陥品のルーティお姉ちゃんだ。
る:むっ!誰が欠陥品だっ!
て:あはは、やだなぁ。それが理解できないから欠陥品なんじゃない。
る:このクソガキ……!
て:冗談はさておき何でボクたちここに居るんだろう?
る:くっ、すかしたな。えーと、師匠は怪しいモノ食べて緊急入院、ひなたさんはそのせ
  いで栄養失調になっちゃったんだよ。
て:それでボクたちの出番なんだね!
る:いや、正直なところティーナは要らないから帰って。
て:むむっ、お姉ちゃん自分一人目立つ気だね!?そうはいかないよっ!
る:あんたじゃあるまいし。私だって相方はマール姉さんの方が良かったわよ…
て:ボクだってマールお姉ちゃんの方が良かったもーん。
る:今、一度あんたとは真剣に決着を付けておくべきだと思ったわ。
て:ボクもお姉ちゃんは欠陥品だってそのぼけたDVDに再教育する必要があると思うの
る:はっはっはっは、何を言ってくれるかなこの人格欠陥品。
て:あはははははっ、頭が弱いと困るね肉体労働専用機。
る・て:はははははははははははははははははははははははははははははは。
る:ぶっ壊すっっっ!!!!!!!
て:やってみろポンコツッ!

(乱闘)
(こそこそっ)

マール:えーっと、このSSは「賢く優しいお姉さんHM」ことマールがお送りしましたっ!
る・て:あれ?