『和馬と崇乃・1』 八塚崇乃と観月マナはいつものように仲良く登校していた。 「今日も寒いね……」 「あ、じゃあそこの自販機で温かいコーヒーでも……」 チャリン、チャリチャリン。 ピッ。 ゴトン。 「…………」 「…………」 「…………」 「どうしたの?」 「……冷たい奴でした」 「なんでそうそそっかしいの……」 「ん? どうしたんだ、二人とも」 いつの間にか二人の後ろに九条和馬が立っていた。 「あ、くま先輩」 「それがね……」 「ふ〜ん。じゃ、俺が温めようか?」 「も、もしかして人肌?」 「そんなわけないでしょ!!」 崇乃とマナのやりとりを見て、和馬は苦笑しながら手にした刀を抜く。 「それは?」 「ん。天狼って言ってね、音波使いが使う音叉なんだ。これがないと力がほとんど使えな いんでね……」 そういいながら缶コーヒーを水平にした刃の上に乗せる。 すると、天狼が赤く輝きはじめた。 「なにをやってるんです?」 「不知火って言う、分子の振動を高めて加熱する技だよ」 「そんなことできたんですか」 ボンッ。 「うわっ!」 「きゃっ!」 缶が破裂した。 「急に熱しすぎたみたいだなあ」 「っていうか、全部蒸発してますよ」 「……じゃ」 「「待て」」 捕まった。 -------------------------------------------------------------------------------- 『和馬とはるか』 「…………」 「…………」 「…………」 「…………」 「あ〜っ!! やっぱりこんな所にいた!!」 九条和馬と河島はるかが屋上でくつろいでいると、ティリア・フレイがやってきた。 「はるか、また授業さぼって……って、和馬まで」 「ん」 「ティリアさんが授業さぼるなんて珍しいですねえ」 「あなた達を呼びに来たのよ!! ほら、行くわよ」 ずるずると二人を引きずっていくティリア。さすがに勇者である。 「ん」 「……でも、そっちこそたまには部活出て下さいよ、コーチ(強調)」 ゴツン。 殴られた。 「余計なこと言わなくていいの!!」 「……怒られたね」 「ええ、怒られました」 「……なんであんなに怒ってるんだろうね」 「さあ、わかりませんけど」 「怒ると老けるよね」 「そうですね」 「い・い・加・減・に・しなさああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいっ!!」 「何を言っても怒るね」 「困りましたね」 困るのはお前らだ。 -------------------------------------------------------------------------------- 『和馬とDガーネット』 「九条サン」 「なに?」 「アレイライ試合ヲスル機会ガアリマセンネ」 「そうだね」 「イマカラドウデスカ?」 「ん、いいよ」 「「「却下」」」 他の部員たちに止められた。 どうやら懲りたらしい。(Lメモ自伝1「入部」参照) 無理もないが。 -------------------------------------------------------------------------------- 『和馬と崇乃・2』 九条和馬と八塚崇乃が一緒に下校している。 まあ、部活帰りという奴である。 ……と。 ドンッ。 「こらあ、どこ見て歩いとんじゃい」 見るからに時代遅れな不良が因縁をふっかけてきた。 (面倒だな……こんな奴相手に魔術使うのも嫌だし) 「おうおう、兄ちゃん……ってうわあああぁぁぁっ!?」 「どうかしたんですか?」 「こ、こっちに来ないでくれえええ!」 「……くま先輩、また口から血が出てますよ。それも尋常じゃないくらい」 地面を見ると血だまりができている。直径1m位のが。 「今日は少ない方なんだけど」 多い少ないの問題ではない。 と言うか、しゃべる前に口を拭け。 血が飛ぶから。 **************************************** ども。 今回は小ネタ集にしてみました。 これで九条和馬の生態が分かればいいんですが……。 設定に目を通してないとわかりにくいかもしれません。 とりあえず、「血を吐くボケた人」ぐらいに考えておけば大丈夫だと思います。 ちなみに、こっそり校内巡回班に入りました。 一番隊組長ですが……大丈夫なんでしょうか。 なんか、ものすごく部下(多分募集中)がかわいそうな気が……。 それでは、また。