俺の名は藤井冬弥。 この話の主人公だ。 ……自信は無いが。 『数学教師殺人事件』《ババーン!!》(←例によってSE) 誰もいない廊下。 その真ん中に……、 人が倒れている。 うつぶせに。 「おい、君……大丈夫か?」 とりあえず顔をこちらに向けようと、肩に手をかける。 ……冷たい。 「…………」 黙って心音を確かめる。 ……聞こえない。 「…………」 最後の望みをかけて、脈をはかる。 ……わからない。 「…………」 とりあえず拝んでおいた。 これで彼も迷わず……ってあれ? その時俺は気付いてしまった。 倒れている少年が、かの有名(俺の中で)な「九条和馬」であることに。 簡単に言うと、そう……俺の二人の幼なじみ、七瀬彰と河島はるかを足して2で割らず にZipかLHAで圧縮したような性格の男だ。その証拠に、圧縮しきれなかった『何か』 を時々口から漏洩させている。ちょっと見ると血に見えるが何か別なものだと思うぞ、俺 は。 と言うわけで、俺はこのちょっとサイケデリックなオブジェを移動することにした。 なんかものすごく教育に悪いと思う。この物体。 九条の体を移動しようと思ったその時…… 「そーっと動かすんだぞ、そーっと」 「……え?」 柳川先生だった。 「実験するんだろ? いやあ、こいつは前々から気になってはいたんだが……」 「帰れっ!!」 「ちっ。実験の楽しさを知らんとは無粋な奴だ」 いいよ、無粋で。 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……。 なんだ? この音。 ごばしゃあああああああああああああああああああああっっっ!!!! ……ああ、このシリーズは全部こういうオチかい。 ――次の日―― 俺の目の前に見慣れない景色が広がっている。 「……なんなんだこりゃ……」 答える者はない。 「どこなんだここはよぉ!!」 ……無人島一人旅。 追記:九条和馬はちゃんと学校に行ったらしい。 **************************************** ども。 オチが弱いなあ……とか思いつつ、前回同様タイトルと中身が合ってません。 まあ、圧縮云々が書きたかっただけなんですけどね。 それでは、また。