Lメモ/VSアフロ「熱血で(少し)洒落になってないエンド」 投稿者:きたみちもどる
緒方理奈は迷っていた。
果してこれで良かったのだろうか?
いくら人気を取り戻すために、このような物に手を出して良かったのだろうか?
気分はさながらファウストである・・・・・。


Lメモ/VSアフロ「熱血で(少し)洒落になってないエンド」



「はぁ〜・・・・・」
理奈は、手にしたアフロヘアーのヅラを手にしてため息を吐いた。
そしてまた改めて、そのもこもこふわぁっとしたアフロを見つめる。
(そう、これさえあれば、私は、人気を取り戻すことが・・・・・)
だが、そうは思っていても今一つ割り切ることができない。
これに手をだしたが最後、人間を辞めてしまう可能性があるからだ。
人気のために人間を辞めるか?
それとも、アフロを辞めるか?
まさに苦渋の選択が迫られていた。
その時!!
こんこん
とドアをノックする音が・・・・・。
その音で、はっとなり急いでアフロを隠す理奈。
そして、ドアに向かって
「いったい誰かしら?」
と尋ねてみた。
すると、返ってきた返事は・・・・・。
「理奈姉・・・、僕だけど・・・・・」
と言う、少し頼りなさげだけど誠実そうないつもの少年の声。
「ああ、きたみっちゃん。開いてるわよ」
「えっ?ああ・・・・・うん・・・・・」
少しばかり気のない返事を少年=きたみちもどるはする。
そして、一呼吸ほどの間をおいて、かちゃりとドアを開ける。
そして、きたみちが姿をあらわす。
一見、何とでもないような感じなきたみち。
だが理奈には、その顔が憔悴していて、どこか心配そうな顔をしている様にみえた。
「一体どうしたの、その顔?何か悩みでもあるの?」
幼いときから、この少年の姉代わり(と言ってもさほど年は変わらないが)を勤めた
理奈にとっては、表情や態度で、もどるが今、どういう常態にあるかがわかるのである。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
だが、きたみちは一言も発せず、ただただ理奈の顔を見詰めるばかりだった。
「・・・・はぁ〜、・・・まあ、いいわ。とりあえず中に入ったら・・・・・?」
という、理奈の勧めに応じて、もどるは音楽準備室へと入っていった。



「ところで、一体どうしたの?何をそんなに悩んでいるの?」
缶紅茶をもどるに勧めながら、再び尋ねたが、押し黙ったままだ。
「靜ちゃんのこと?」
「いや・・・・・そうじゃないんだけど・・・・・」
「じゃあ、いったいなんなのよ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「黙ったままじゃあ、わからないわよ!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・しょうがないわね・・・・・・・・・・」
真剣な表情をしつつ、溜息一つもらして理奈。
「じゃあ、あの事ばらしちゃおっと♪」
表情一転、意地悪い笑みをこぼす。
「まったぁ〜っ!!言う!!言うから、お願いだからばらさないでください」
泣き顔になりつつ、もどるが理奈にわびを入れる。
「そうそう、始めっからそう素直になればいいのよ」
うんうんと頷きながら理奈。
「で、なんなの?」
「う、うんあのさ、理奈姉・・・・・」
「何?」
「アフロ同盟に入るって本当なの?」
ががぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜ん!!(*注:SE(笑))
「そ・・・そんなの根も葉もない嘘に決まってるでしょ(棒読み)」
「なんか、棒読みのような・・・・・。
  それは兎も角、僕は、理奈姉がアフロになるなんて、反対だからね!!」
強くきっぱりそう言うもどる。
「・・・きたみっちゃん・・・・・」
「第一、アフロな理奈姉なんか見たくもないし、想像もできない。
  それに、理奈姉にアフロなんか似合いもしないよ。
  それと・・・・・」
「それと・・・・・?」
「(理奈姉が、アフロになったら僕も強制的にアフロにさせられてしまう可能性だって
  あるじゃないか・・・・・)」
「いまなにか、言ったかしら?」
にっこり
と微笑む理奈。
だが、目は笑っていない。
「べ・・別に何にも・・・・・。
  で、でも、なんでだよっ!!
なんで、アフロなんかに魂を売ったんだよ!!」
「もう、駄目なのよ・・・・・」
「駄目?」
「私が、人気を取り戻すには、もうこれしか残されていないのよっ!!」
目の端に涙を溜めつつ、首をいやいやでもするように横に振る理奈。
それを見て、もどるはいつになく真剣な表情で理奈を見詰め
「理奈姉、世の中には想像を超えることがたくさんあるんだよ。
  だから、下手な想像ならしない方がいい。
  自らの範囲を狭めるようなことは、アイドルの中のアイドルのすることではないよっ!!」
ばばぁ〜ん!!
とSE付で、言い切った。
「きたみっちゃん・・・・・」
「それに、理奈姉ほどの力を持つものが、アフロにすがる必要がどこにある?
  理奈姉ほどのアイドルが!!」
「そ・・そういわれれば・・・・ないかも・・・・・」
そういわれて、少し動揺を始める理奈。
それを見て、もどるは
「ないっ!!あえてもう一度だけ言うが、まったくないっ!!」
がびぃ〜ん!!
と、またまたSE付で、ショックを受ける理奈。
「理奈姉がアフロ同盟に入ることはアフロ同盟にはプラスになるだろう。
  だが、理奈姉には全くプラスにはなるまい!
  単なる暖かい布団だ!!
  すでに、理奈姉のレベルでやるべき事ではないのだ!
  大人が子どもの遊びに加わるようなものなんだ!!」
たたみかけるように、もどるがそう言うと
「うん・・・うんなるほど・・・・・」
と理奈は頷き
「じゃあ・・・・・じゃあ、私はどうすればいいの!?」
と、もどるに尋ねた。
もどるは黙って、目の前の缶紅茶を飲んで喉を潤し
空になった缶をテーブルに叩き付けるように置き
「アフロを倒すんだっ!!」
力の限り声を出して、そう言う。
 「あ・・・ああ・・・・・」
理奈はその迫力を受けて、動揺したかのように少し仰け反る。
「アフロ以上の女がアフロになっちゃいかん!!
  アフロ以上の女はアフロを倒さにゃいかん!!」
「きたみっちゃん・・・・・・・・」
理奈はすっかり感涙を浮かべている
もどるは、さらに言葉を続け
「己を磨く困難な道を行くか、楽なぬるま湯に浸かって鼻歌を歌うか!!
  アイドルとして好きな方を選べ!!」
はっきりきっぱりそう言い切った。
それを受けて、理奈はすくっと立ち上がり、こぶしを握り締め
「わかったわっ、きたみっちゃん!!
  私、私、アフロは辞める!!
  そして、もう一度自分自身の力で人気を取り戻してみせるわっ!!  
「その意気だよ、理奈姉!!」



かくして、緒方理奈は、自分自身の手で人気を取り戻すべく
辛く厳しい道を選んだのである。



その後。



「艦長!第七ハッチが開いています!!」
「なんだとぉっ!!」
でんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでんでん
というSEよろしく、自らの腕を組みつつ
戦艦『冬月』の第七ハッチから現れる、緒方理奈の巨大立体映像。
今日は、緒方理奈バースデーコンサート。
冬月俊範と、菅生誠治率いる工作部の協力を得て、このようなコンサートが開かれている。
あれから、緒方理奈は何かふっきたらしく、様々なことをやってのけている。
例えば、「カソレンジャー」のオペレーター役のお姉さんをやったり
どこぞの海洋博のメインテーマ曲を歌ったり
「だれパンダ」のキャラクターソングを歌ったり
ラジオのDJやったりしている。
今度は、某野球アニメのヒロイン役で声優にも挑戦するらしい。
とにもかくにも、緒方理奈はこうして老若男女とわず、大人気をはくしたとさ。
めでたしめでたし・・・・・・。
って、本当にめでたしめでたしか?(笑)




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なんか、蛇寒刃さん(笑)が、島本和彦ネタ使ったのでこっちも対抗(笑)。
島本の某サッカー漫画を皮切りに、色々なコアなネタのオンパレード(笑)。
とりわけ最後のネタは、やばかろう。
某実在声優さんネタじゃけぇ(笑)。
なんにせよ、緒方理奈アフロ化計画には反対ということで・・・・・。
あと冬月さん、勝手に「えくせりをん」くさくしてごめんね(苦笑)。