Lメモ・vsジン・ジャザム「この熱き想い、燃やせよ漢(おとこ)!!」  投稿者:きたみちもどる
  何故に、闘っているのだろうか?
  何故に、この場に居るのだろうか?
  もはやそんなことは、どうでもいい事だ。
  今の目的はただ一つ。
  目の前のこの漢を・・・・・・・・・。
  ただ倒すこと・・・・・・・・・・・・・。



Lメモ・vsジン・ジャザム「この熱き想い、燃やせよ漢(おとこ)!!」



  事の起こりは何だったろうか?
  いつものように、ジン・ジャザムとDセリオが闘っていた。
  それの被害を防ぐため、巡回班が出動し警備にあたっていた。
  そして、それから、流れ玉が周囲に飛んでいき、それがたまたま、お子様達の所に落ちそうになった。
それを食い止めるべく、もどるは必死に走った。
すんでのとこで、食い止めたが、爆風があたりを包み込む。
「あぶないっ!!」
そういって、てぃーくんが笛音ちゃんを(まるで押し倒すかのように)かばった。
笛音ちゃんも笛音ちゃんで
「きゃぁ」
と短い悲鳴をあげつつも、どこか嬉しそうだ。
そこまではよかった。
だが、この次がいけなかった。
「あぶないぞっ!!」
そういって、良太が靜をかばった。
てぃーくんみたいに・・・・・・・・。
靜も靜で
「きゃっ」
と短い悲鳴をあげつつもどこか嬉しそうだった。
その時、もどるの心の奥で何かが砕けた。



  (ここで、あのガキを懲らしめるのはたやすい。 
    だが!
    しかし!!
    懲らしめたら、今度こそ局長としての地位が・・・・・・。
    ノーモアナッシング!!!
    よって、あの洟垂れクソガキが、あんな行動を取らせた直接的原因を懲らしめるべきである!!
    けど、Dセリオはメカだろうが何だろうが女性は女性・・・・・。)



「よって、あんたを倒す!!
  この手でな・・・・・」
右手でピシッと指差し、左手には握り拳で、きたみちがそういう。
それを受けてジンは
「そういうのって、『逆恨み』ていわねぇか?
  まぁ、いいけどよ・・・・・」
ぽりぽりと頬を掻きながら、やや呆れた様子でそう言う。
「ならば!!いざ尋常に・・・・・
  L学ファイトォォォォォォォォォォォォォ〜ッ!!」
逆刃刀を抜き放ち構えつつきたみち。
「レディィィィィィィィィィィィィィィィィィィ〜ッ!!」
右手にゲッタードリルを装備しつつジン。
「「ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!」」
二人の掛け声が重なり合い、一つの衝撃音が響き渡る。

キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ〜ン

高らかに金属音があたり一面に鳴り響く。
そして、そのまま空中ですれ違い、もといた位置とは逆のところへ降り立つ。
と、同時にお互いの制服の肩のところが裂け、それを見て互いにニヤリと笑いあう。
そしてまた、相手めがけてダッシュ!!
先に仕掛けたのは、きたみちだった。
刀を正眼に構えそのまま突進する。
「食らえ!!飛天御剣流・九頭龍閃!!」
九つのきらめきが、ジンめがけて飛んでいく。
だが、ジンは少しも慌てずに、肩に手をやり
「バスターシールドっ!!」
そう叫ぶと、ジンの肩から黒い布の様な物が広がり、ジンの前面を覆い隠し
きたみちが放った九つの斬撃をすべて弾き返す。
「どうした、この程度の攻撃で俺が倒せるとでも思ったか!?」
そう叫ぶや否や、突っ込んできた、きたみちに左の正拳を叩き込もうとする。
(はじめっから、倒せるとは思っちゃいないさ。俺の狙いはここ!!
  技を放った直後の隙・・・・この一点なんだから!!)
そう心の中で叫び、きたみちはジンの左の拳を避け、そのまま攻撃に移行する。
「飛天御剣流・龍巻閃!!」
遠心力がかかった一撃は、ジンの後頭部に直撃する。
「ぐはっ!!」
そう叫びつつ、見事吹っ飛ばされ校舎の壁に激突するジン。
ガラガラガラガラガラと音を立てながら校舎の壁が崩れる。
「立てよ・・・・・。
  これぐらいで、まいるあんたじゃないだろ?
  それとも、もうへたってしまったのかよ?」
刀をぽんぽんと肩に当てながら、瓦礫の山に向かってきたみちがそう言う。
すると、瓦礫の山が動き出し、瓦礫の上の方が吹っ飛ぶ。
どがががががががががががががががががががががががががが  と音を立ててジンが仁王立ちで現れる。
「へっ!!やるじゃねぇか、きたみち・・・・・・・。
  だがな・・・・・・。
  テメェはオレを怒らせた・・・・・・・。
  テメェは・・・・・・・、テメェは壊すっ!!」
頭から流血していながら、目には赤き炎を灯らせてジンはそう言い放つ。
そして、いきなりきたみちに向けて左腕を突き出し
「くらえぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
その腕が分離した。
(ロケットパンチ!!)
一瞬でそう判断したきたみちは、かわそうとせずにそれどころか、ジンとの間合いを詰めるべく
身を低くして一気に駆け寄った。
頭上すれすれにロケットパンチがかすめていく。
(しかし、相変わらずロケットパンチとは、芸がないというかなんというか・・・・・)
心の中できたみちがそう独白してると、ジンの顔が見て取れた。
その、ジンの顔は・・・・・。
ジンの顔は・・・・・。
ニヤリと笑っていた。
確かに笑っていた。
きたみちは、その顔に違和感を覚えた。
おかしい?
何かがある?
そう思ったとき、ジンの左腕に何かがあった。
(何故?
ロケットパンチで飛んでいったはずの腕に何が残ってるというのだ!?)
よく見てみるとそれは、鋼線だった。
(ということは、ジンが放ったのはロケットパンチではなく・・・・・)
ぶうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ〜ん!!
風切り音がして何ががこちらにやってくる。
(カタパルトアーム!!)
と同時に、きたみちの後頭部にジンの左の裏拳が炸裂した。
そして、ジンの近くまで吹っ飛ばされる。
「けっ、先読みばっかに頼ってとそんな目にあうんだよ」
ジンがきたみちを睨み付けながらそう言う。
「しかし、あんたが、カタパルトアームをつけるなんて思いもしなかったぜ・・・・・」
ふらふらと立ち上がりながらきたみちがそういうと
「オレも、はじめはカッコ悪いと思ったんだが、以外と使い道あるんだぜ。
  さっきみたいに、オレに先入観持ってるヤツとかにさ。」
ジンが不敵な笑みを浮かべつつそう言う。
「それに、回避する時にだって、屋上の手すりに絡ませて引き上げればできるしよ。
  なんにせよだ、その体でどうするんだ?」
ジンがそう指差しつつ指摘する。
きたみちの体はボロボロではなかったが、四肢に力が入らない状態であった。
手足の先がしびれて、ぜんぜん動かない。
まるで自分自身の体ではないと思うほどであった。
「テメェーはすばやい身のこなしで回避できるが、一度攻撃を食らっちまったら脆いところがある」
ジンがそう指摘する。
「クラップラーの時は、精神が肉体を凌駕してて大丈夫だったんだろうが
  今のこの状態では、どうにもならねぇだろう」
(そうか・・・・そのとおりだよな・・・・)
「で、どうするんだ?」
(どうするって・・・・一体何を・・・・・)
「やるのかやらねぇのか、はっきりさせろ!!」
(しかし、俺はもう・・・・・)
「たった、こんぐれぇーで諦めちまうのか?
  こんなことでは、自分の愛する者すら護れねーぞ!!」
(愛する者すら護れない・・・・・・?)
「漢なら、立て!!立って見せろっ!!」
(そうだ・・・・・俺はもう、あのような思いはしたくないんだ・・・・・。
  だから、そのためにも・・・・・・・。
  強くならねば・・・・・・。
  力の強さだけでなく・・・・・・。
  心も・・・・・・・。
  そのためには・・・・・・・)
性も根も尽き果ていたきたみちの体から、一気に闘気が吹き上がる。
それをみて、ジンは
「そうだ・・・それでいい・・・・・」
と、実に嬉しそうな顔でそう言い放った。
一方、きたみちも心の中である押さえがたい気持ちが渦巻いていた。
それは・・・・・・。
強い者と闘える喜び。
勝つことや負けることなどどうでもいい。
ただ、強い者と闘える。
その喜びだけが、今のもどるにとっては唯一の心理だった。
「もう、どんな理由で闘っていたかなんてどうでもいい・・・・・。
  ジン!!
  俺はあんたを・・・・・。
  倒すっ!!」
もどるは、しっかりと立ち上がりきっぱりとそう言い放つ。
「よっしゃっ!!かかってこいっ!!」
ジンは喜色を満面に浮かべ、もどるの『挑戦』を受けてたった。
そして、再び激突が始まる・・・・・・・・。





その後、結局二人は太陽が落ちるまで闘いあった。
最終的には、ジンが勝ちはしたが、もどるはそれでも満足だったらしい。
ただ、全力で相手と闘いあったということで・・・・・・。



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というわけで、きたみちでございます。
vsジン、俺的には玉虫色で決着をつけるつもりでこのような終わり方になりました。
まぁ、ちゃんとした決着も考えていたんですけどね・・・・(^^;
とにかく、俺はジンさんに勝てなかったという事で・・・・・。
それじゃあ、また次のLで・・・・・。


追記:beakerさん、「クラップラーL」完結おめでとうございます。
      熱く燃えて楽しい試合の数々ありがとうございました。
      そして、お疲れ様です。
      これからの作品も期待しております。