【ACT1:ハイドラントの野望】 「ちちうえ、ちちうえ〜」 巡回班屯所兼きたみち家邸宅の廊下をこの家の住人である少女が、そんな声を上げながらとてとてと走る。 「どしたんだい、靜?そんなに騒いだりして」 居間ですっかりくつろいでいるのは、この屋敷の主人であるきたみちもどる。 彼は、自分目掛けて駆け込んでくる自分の愛娘の姿にびっくりしながらも、その小さな身体を抱きとめてやる。 「あのね、beakerおにいちゃんから、こんなゲーム貰ってきたのっ!」 そう言って、懐から一枚のCDケースを取り出す。 そこに書かれていたのは 「……『ハイドラントの野望』……?」 なんだかいやな予感が400%突破、なおも上昇中である。 「ちちうえ、こういうゲーム好きなんでしょ?だったらいっしょにやろうよ」 にぱりんと微笑まれたらやらないわけにはいかないだろう。 つーか、これでやらなかったら鬼である。(もどるが「鬼」だろという意見はこの場合一秒で『却下』である(笑)) だけど・・・・・ 「…………」 不安は尽きないのである。 >新しくゲームを始める 続きから始める どの大名で始めますか? 薩摩 へーのき=つかさ 肥前 とーる >豊後 きたみちもどる 安芸 藤田浩之 山城 柏木千鶴 摂津 来栖川芹香 近江 広瀬ゆかり 加賀 TaS 尾張 ハイドラント ・ ・ ・ 《ゲームスタート》 ポンポンポン……(コンピューター処理中の効果音) ブッブー!(何かヤバい事が起きた時の効果音) 《肥前のとーるが豊後のきたみちもどるに攻めてきました》 チャンチャンチャン、チャンチャンチャン!(戦闘の効果音) ブッブー! 《肥前のとーるが勝利しました》 豊後大名きたみちもどる 『無念じゃ……』 チーン。(打ち首の効果音) GAME OVER 《あなたは全国統一を達成する事が出来ませんでした。 もう一度最初からやり直しますか?》 「……ほえ?」 「なんじゃぁっ!!こりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 難易度、激ムズ(^^; 【ACT2:ハイドラントの野望・全国版】 「何をしているんです?」 猫町が後ろから声をかけてくる。 「……なんならやってみる?」 ほぼ投げやりに答える。 「ええ、いいんですか?じゃあお言葉に甘えて」 うれしそうにパットを握る猫町。 「じゃあ、その間に僕は見回り行ってくるから」 二時間後。 「ただいまぁ〜 調子はどう?」 「えとね……」 機嫌良く尋ねるもどるに、少し困ったような笑みを浮かべる靜。 《豊後の猫町が肥後に攻め込みました》 チャンチャンチャン、チャンチャンチャン! ピロリローン!(いい事があった時の効果音) 《猫町は勝利しました》 「やりました〜」 実に嬉しそうな猫町 ポンポンポン…… 《肥前のとーるが肥後に攻め込みました》 チャンチャンチャン、チャンチャンチャン! ブッブー! 《猫町は敗北しました》 「やられました〜」 実に残念そうな猫町 《豊後の猫町が肥後に攻め込みました》 チャンチャンチャン、チャンチャンチャン! ピロリローン! 《猫町は勝利しました》 「やりました〜」 実に嬉しそうな猫町 ポンポンポン…… 《肥前のとーるが肥後に攻め込みました》 チャンチャンチャン、チャンチャンチャン! ブッブー! 《猫町は敗北しました》 「……えと、さっきからこんな調子なんだよ」 苦笑を交えて、靜がそういう。 「さっきから、ぜんぜん進みませんね?」 顔は笑っていても?マークを頭に浮かべる猫町。 「…………イギリスに電話しろっ!!」 そういっってスタコラと逃げ去るもどる。 それは、テレタビーズだって(笑)。 【ACT3:ハイドラントの野望・戦国群雄伝】 「ちちうえ、八塚おにいちゃんのの忠誠度が低いよ。褒美しないといけないんじゃ?」 心配そうに声をかけてくる靜。 「そうだね、褒美コマンド実行」 ピロリローン! 《豊後の八塚崇乃の忠誠度があがりました》 「よしよし、これでいいだろ」 満足気味のもどる。 「あっ、ちちうえ、猫町おにいちゃんも八希おにいちゃんも九条おにいちゃんも勇希先生も低いよ」 忠誠度の低さに気づいた靜がもどるに忠告する。 「よし、まとめてアップだっ!!」 ピロリローン! 《豊後の猫町櫂の忠誠度があがりました》 《豊後の八希望の忠誠度があがりました》 《豊後の九条和馬の忠誠度があがりました》 《豊後の斎藤勇希の忠誠度があがりました》 ポンポンポン…… 《肥前のとーるが肥後に攻め込みました》 チャンチャンチャン、チャンチャンチャン! ブッブー! 《豊後に闘える武将がいません》 《肥前のとーるが勝利しました》 豊後大名きたみちもどる 『無念じゃ……』 チーン。(打ち首の効果音) GAME OVER 《あなたは全国統一を達成する事が出来ませんでした。 もう一度最初からやり直しますか?》 「なんて、タイミングのいい……」 「ほんとうだね……」 【ACT4:ハイドラントの野望・武将風雲録】 「う〜ん、あんまり闘いたくないからね」 もどるは思案顔。 「じゃあどうするの?」 靜は尋ねてくる。 「もちろん必殺の外交コマンド『脅迫』実行だよ!」 誰に任せますか? きたみち靜 >猫町櫂 八希望 九条和馬 八塚崇乃 斎藤勇希 軍師斎藤勇希 『彼の者なら、必ずや成功しましょう』 ブッブー! 《日向の大名雛山理緒の所に向かった猫町櫂は、そのまま裏切って配下になり ました》 「はい?」 当然といえば当然の結果だけど不に落ちないもどる。 【ACT5:ハイドラントの野望・覇王伝】 「さて、そろそろ論功行賞の時期だな」 もどるが一息つく。 「そうだよねぇ〜。 いろいろ闘ったり、内政したりしたから……」 靜が合いの手を入れる。 「では、さっそく実行!!」 豊後大名きたみちもどる 『きたみち靜には150の加増を申し付ける』 豊後武将きたみち靜 『このきたみち靜、この命果てるまで殿についていきます!!』 豊後大名きたみちもどる 『猫町櫂には感状をやろう』 豊後武将猫町櫂 『はは、ありがたき幸せにございます』 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 配下の武将が何か話し合ってます聞きますか? >はい いいえ 豊後武将猫町櫂 『此度の行賞どうであった?』 豊後武将八希望 『我が殿は贔屓が強すぎなさる』 豊後武将きたみち靜 『そう滅多なこと、もうすでない』 豊後武将九条和馬 『お主はまだいいよのぅ。こちらとら一族郎党を養わなければいけないというのに……』 豊後武将八塚崇乃 『何にせよ、そろそろ我が殿に見切りをつけねばのう』 豊後武将斎藤勇希 『そうですね……』 「Oh−まいがっ!!!」 頭を抱えて愕然とするもどる。 「靜ばっかり重用してくれるのはうれしいけど、やっぱりびょうどうにしないと……」 そういって、苦笑を浮かべる靜であった。 【ACT6:ハイドラントの野望・天翔記】 1582年6月。 ちゃらちゃらちゃちゃ、ちゃらちゃらちゃちゃ♪(ヤバげな曲) 「おおぅ、こいつは……」 「歴史イベントの『ほんのーじの変』だね」 丹波武将篠塚弥生 『敵は本能寺に在り!』 《丹波の篠塚弥生が山城に攻め込みました》 山城大名ハイドラント 『如何なる者の企てか!?』 山城武将川越たける 『旗印には、桔梗の紋が!』 山城武将電芹 『桔梗紋ならば、篠塚弥生!』 山城大名ハイドラント 『是非に及ばず!』 チャンチャンチャン、チャンチャンチャン! 山城大名ハイドラント 『人間五十年……』 《ハイドラントが死亡しました》 「むぅ、勿体無いなぁ……。電芹にたけるさん……」 「むっ!!」 「いたたたたっ!!お尻つねらないで、靜……」 播磨武将葛田玖逗夜 『導師が死んだっ!? …………”どうし”よーーーー!!!』 《葛田玖逗夜は混乱している間に敵に攻められて死亡しました》 「葛田おにいちゃん、殺られちゃったね」 「なんか、字が違う気が……」 河内武将神凪遼刃 『篠塚先生が導師を討った? ふーん』 越前武将T−star 『ふむ……まあ、良かろう』 信濃武将むらさき 『えーと、これからは弥生せんせいの言うことを聞けばいいの?』 甲斐武将高橋 『謀叛? ムホン? そそそ、そいつはワンダホォォォォォォォォ!!!」 山城武将神海 『ハイド家の武将は皆、殿を新たな主君として認めるようです』 山城大名篠塚弥生 『当然ですね』 「ハイドおにいちゃん、ひょっとして人望ない?」 「ああぁ!!いってはならんことを〜っ!!」 相模大名セリス 『篠塚先生とは、戦う理由がないな』 安芸大名藤田浩之 『ハイドラントの馬鹿ならともかく、弥生先生なら将軍として認めてもいいか』 越後大名風見ひなた 『じゃあ皆さん、戦いはこれまでって事で』 駿河大名ディルクセン 『これからは、篠塚幕府に忠誠を誓いましょう』 豊後大名きたみちもどる 『我は一生ついていきますぞっ!!』 肥前大名とーる 『まぁ、あの方ならいいんじゃないんですかね』 「……ちちうえ……」 「どうして、そんな目で見る。 ゲームの中のお話じゃないかっ!!」 《篠塚弥生は全国統一を果たしました》 「……なんちゅうゲームだ……ったく……」 「でも、おもしろいなぁ……。 もう一回しようっと 」 「え”っ!?」 ちゃらららんららんらん、ららら〜♪(エンディング曲) *************************************** 元ネタ提供:ハイドさん。 ハイドさんすいません、いろんな意味で(苦笑)。