我が娘に捧げる子守歌ー参の章ー 投稿者:きたみちもどる
 夜。楽しい一家(といっても、たった二人だけだが)団欒の一時。
だが・・・。
「どうして・・・、どうしてあなた達がここに・・・?」
きたみちは、少々青筋をひくひくさせながら食卓を囲む人達に問い掛ける。

「どうしてって・・・、お呼ばれされたんだすよ、私たち」
冷たく冷やした冷しゃぶを一切れ、摘まみながらbeakerは当然のごとく言う。
「そうそう・・・靜ちゃんに呼ばれてね。ねぇ、そうだよね?靜ちゃん」
味噌汁をすすりながら、沙留斗は靜に語り掛ける。
それに対し、靜は、
「うん、そうだよ。ちちうえ」
と、にっこりと微笑みながら答える。
「はぁ・・・そう・・・です・・・か・・・」
少し、あきれ口調できたみちはいう。
「それにこうやって、大勢で食べる食事もなかなか楽しいでしょ?」
茶碗いっぱいにご飯を盛りながら坂下が言う。
「まあ・・・そうですけど・・・」
「何よ?まるで私達がいたら邪魔って、言いたそうな顔してるわね?」
「別に、そういう訳では・・・」
坂下から目をそらした時、きたみちは、とんでもない光景を目にした。
「あっ♪これもおいしそうね。あれもなかなか・・・」
と、鼻歌交じりで次々とタッパの中におかずを詰め込んでいく理緒。
「ひ・・・雛山さん・・・。折詰はやめてください・・・」
目の端に涙を浮かべながら、きたみちは言った。

少しうなだれ気味のきたみちの背中をどやしつけるように軽く叩きながら、
「まぁ、そうシケたツラすんじゃねぇーよ!きたみち」
とジン・ジャザムが言った。
「確かに、家族の団欒を壊して悪いとは思う。だが、今日ばかりは許してくれ」
本当にすまなそうな顔で柏木耕一が言う。
「しかし・・・何故二人が・・・」
疑問を口にするきたみち。
「ああ・・・それはなぁ・・・」
耕一が喉の奥から絞り出すような声でとつとつと言い
「千鶴さんが晩御飯を作ったからだ!」
耕一とはうってかわって、一字一字はっきりくっきりと断言した。
「それは・・・」
「確かに・・・」
「怖いですねぇ・・・」
きたみち、沙留斗、beakerが次々と口にする。
「しかし、二人ともよく逃げられたわね?」
坂下が二人に問い掛ける。
同時に、ジンと耕一と靜を除いたその場全員が首をたてに振った。
「いや、そのな・・・」
耕一はいかにも言いにくそうだったが・・・
「生贄(サクリファイス)を用意してきた」
対照的にしれっというジン。
誰も、生贄が誰であるかは尋ねようとしなかった。
ただその場で、その哀れな人間の無事を願うべく瞑目した。


そんなこんなで、食事も終わり、皆、思い思いにくつろいでいると、
「おい・・・?」
「なんです?耕一先生」
「なんで、この家にビールがあるんだ?」
少しばかりの怒気と咎めるような目つきできたみちを睨む耕一。
「いや、そのう・・・偶然ですよ、偶然」
はははと、乾いた笑いをこぼす。
(口が裂けても言えないな。週に二・三本飲んでいるなんて・・・)
その、きたみちの心の声を見透かすかのように耕一がじっと見つめてくるが、
やがて、
「まっ、そういうことにしておくか」
と言って、エビスビールを一気に煽る。
「よし、コーイチさんの許しをえたぞ!俺達ものむぞぉぉぉ〜!」
ジンがそう吠えて、喜びいさんで、冷蔵庫に駆け寄る。
「だからといって、お前達に飲むのを許したわけでは無いんだぞ!」
耕一がくぎを差す。
「チッ」と舌打ちをし、缶を元に戻す。
「まあまあ、ジンさん。これでも飲んで落ち着いてください」
と、きたみちは言って、並々と、麦茶のようなものが注がれたコップを進める。
ジンは、「むう」と唸ってうけとり、一気にそれを煽る。
ジンの動きが止まる。しばしの静寂。
そして・・・。
暴走!!
「なんじゃあぁぁぁぁぁ〜〜!こりゃあぁぁぁぁぁ〜〜!!」
口に含んだ液体を霧吹きか、プロレスラーの毒霧のごとく吹き出し、
松○優作のような叫び声を上げる。
「あれ?お気に召しませんでしたか?錆び止めとオイル入りの麦茶だったんですけど・・・」
「おきにめすかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜!!!」
今にも吐血しそうな○木一郎のような雄叫びを上げるジン。
「まぁ、兎に角それはおいといて・・・」
「おいとくなぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜!!!」
影山ヒ□ノブのようなシャウトでいうが、
「靜、食後の薬の時間だよ。さぁ、早く飲みなさい」
と、やっぱり置いとかれてしまった、哀れなジンであった。


「ねぇ・・・ちちうえ・・・。やっぱりのまなきゃだめ?」
上目使いに少し小首を傾げながら、きたみちの方を見る靜。
そんな、娘にきたみちは、珍しく厳しい態度で望む。
「だめです。靜は体が弱いんだから、飲むのを忘れるとすぐに病気になってしまいますよ」
「でもぅ・・・」
「飲んでくれないのなら、靜のこと嫌いになっちゃうぞ」
といって、すねたように頬を膨らませるきたみち。
こうやってやると、『娘』がすぐにいうことを聞いてくれることを知っての言動だった。
「わかったよう・・・。ちゃんとのむから、しずかのこときらいになっちゃやだ」
と、『父親』の胸に顔を埋めながら『娘』は、『父』に甘えるのであった。
「よし、いいこだねぇ〜。ちゃんと、飲んでくれるなら嫌いになんかならないよ」
と、頭をなでながら『娘』を諭す。
「ほんとに、ほんと?」
半泣き状態で『娘』は『父』にたずねる。
「ああ、本当だとも。」
対して、『父』は満面に笑みを浮かべて『娘』にこたえる。

「うん、それじゃあ、いまからのむね」
目の端に浮かぶ涙を拭いながら、『娘』は小走りに台所へと、かけていった。
そんな『親子』の光景を目にして、周りの人間は微笑ましいものをみるかのようだった。
「以外と、親馬鹿というか、なんというか・・・」
呆れとも、感心ともつかぬ表情で沙留斗。
「ふっ、案外『父親』らしい顔になってるじゃねぇーか」
ジンが誉め言葉をくちにする。
「そうだな、ちゃんと、『父親』稼業が板についてきたというか、しっかりしてきたじゃないか」
その目に労りの心を浮かべて耕一は言う。
「そんな・・・。そんなことはないですよ。皆さんの協力あってのものです」
「また、そんな謙遜を・・・」
と、茶化すジン。
それに対して、何か言おうとした所、
「ちちうえ〜。おくすりもってきたよ〜」
と、両手で抱えるようにして、黒いビン(ビンの口におちょこを載せて)
をもって、台所から靜が現れた。
とん、と軽い音を立て、ビンを机の上に置き、ふたを開ける。
つーんと、鼻を突く匂いがする。
その匂いをかいだ時、beakerの頭に直感が響く。
(ん、この匂いは・・・)
つい最近どっかでかいだ匂いだとbeakerは思った。
(まてよ・・・この匂いは・・・。まさか!)
(自分の考えが正しければ、この薬は・・・)と思ったbeakerは
なんとしてもこの薬を一部でもいいから手に入れたいと思った。
だが、そのチャンスはすぐに来たのである。
「靜ちゃん、靜ちゃん、ビンの口からお薬がたれているよ」
と、苦笑まじりにbeakerが注意してやる。
「え、え、あぁ〜ほんとうだ。んしょ、んしょ」
注意を受け、慌てて着物の袖口で拭き取ろうとする靜。
「それじゃあ、靜ちゃんのそでが汚れちゃうよ。ちょっと貸してみて」
と言って、ビンを手にとり、胸にしまってたハンカチで、ビンの口周りを
丹念に拭き取ってやる。
「ありがとう、びーかーおにいちゃん。けど、おにいちゃんのハンカチも汚れちゃったね・・・」
「別に、構わないよ。今日にでも洗うつもりだったからね」
と、少し意味ありげな笑みをbeakerは浮かべるのだった。

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よーやく、続きがかけるようになりました。
えーと、まだ等分続きそうです。(予定の半分も進んでいないや・・・)
夏休み中に仕上げれたらいいかな・・・と思ってるわけで・・・。
まあ、ともかく、もしよろしければ、この駄文にお付き合い頂ければかと思います

レスあんど、感想
・・・といきたいとこですが、何分、「他のお仕事」があって、十分に
目を通していません。
近々書きたいとおもいますので、ひらにかんべんを・・・

それでは、次回またお会いしましょう。

さいごに、今回出演(?)してくださった皆さん、まことに、申し訳ないかと思います。
特にジンさん(笑)。
御不満等有りましたら、遠慮無くいってください。