体育祭Lメモ「1500メートル走」 投稿者:きたみちもどる
 突然画面が暗くなり、一筋のスポットライトが一人の人間を照らし出す。
それは、赤いスーツを着込み、右目にアイパッチをつけた志保だった・・・・・
「さて、皆さん。体育祭もいよいよ大詰めを迎えました・・・。今まで様々な競技(?)
が繰り広げられましたが、残された競技は後わずかなのです」
と、ここで一区切りをつけ、ごほんと咳払いをたてる志保。
「それでは、只今より1500メートル走を始めるわよ!みんな一緒にぃ〜レディ〜」
「「「「「「「GO!!!!!!」」」」」」」



体育祭Lメモ  「死闘!!嵐を呼ぶ1500メートル走!!!」(タイトルに意味ナシ)



一方、出場選手が控えている場所では・・・
「佐藤君・・・」
「あっ・・・きたみち先輩・・・・一体なんです?」
にこやかな笑顔を浮かべて佐藤昌斗に近寄るきたみち。
佐藤昌斗は、それが不気味に思えたかどうかは知らないがちょっと後ずさりながらきたみちに
尋ねる。
「いや、同じ飛天の技を使うもの同士、仲良くしようと思って・・・ね」
と相変わらずの笑みを浮かべながら、すっと右手を差し出してくる。
「あっ・・・そういうことなら・・・」
佐藤もすっと右手を差し出す。
握り会う互いの手と手、お互いを信じ合う瞬間。
その手に力を込めながら、きたみちは
「いっとくが、手加減はしないぞっ!!」
佐藤も
「こちらだってっ!!」
と負けじに力を込めてくる。
「「ふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっふ」」
と不気味な笑いが辺りに木霊した。

「まさか、あなたとこんな形で争うことになるとはね・・・」
と坂下好恵は隣にいる人物に話しかける。
「そうね、こういうのも腐れ縁とでもいうのかしら?」
隣にいる人物=来栖川綾香は、いかにも楽しそうに好恵に返答する。
「そうでしょうね・・・。けど、この勝負・・・負けないわよ!」
ぴしっと、綾香を指さして言葉を叩きつける。
「もちろん、こっちだって」
不適な笑みを浮かべつつ、視線を好恵から外さない綾香。
まさに、一発触発の危機。
葵は、その間でうろうろしているだけだった(笑)。

「ひょっとして、琴音ちゃんも出場するの?」
「はい・・・・それがなにか・・・」
そこから少し離れたとこで、OLHと琴音が話をしている。
「危ないから・・・出場しない方が・・・」
と、琴音を心配しているOLH。
「いえ・・・・心配しなくても結構ですから・・・」
にべもなく、OLHに答える琴音。
「し・・・しかし・・・・・」
なおも食い下がるOLH。
「もう・・・ほっといてくれませんか?」
といって、足早にOLHの元から去る。
「ああ・・・琴音ちゃん・・・・・。ええ〜い、どんなことが起こっても、琴音ちゃん
だけは、俺が守るっ!!」
新たなる闘志と決意を胸に誓うOLHであった。

「続けての競技ですけど、がんばって下さいね、沙耶香」
にっこりと、微笑みながら沙耶香に話しかけるbeaker。
「はい・・・・・。けど・・何故私なのでしょう?」
少々困惑気味に沙耶香は(愛しの)兄様に尋ねる。
「出場予定だった悠朔さんとハイドラントさんが、気分が悪いとか言って、出場辞退しま
したからねぇ・・・」(前の競技、最初の方のED使用(爆))
しみじみと答えるbeaker。
「ですが・・・」
なお、釈然と行かない様子の沙耶香。
「二年生徒によるアンケート結果ですよ」
「あ・・・アンケートですか・・・」
唖然とする沙耶香。
「そういうことです。それとも、沙耶香はみんなの気持ちをフイにするつもりですか?」
愛しい兄様にこうまで言われたとあっては、やるしかないと思った沙耶香は、
「はい、皆さんの気持ちを背に受けて一生懸命がんばります」
と決意を胸に秘めるのであった。
「がんばってください。応援してますよ」
と、いいながら沙耶香の頭をなでなでするbeaker。
「あっ・・・・・」
突然の不意打ちに、顔を赤らめる沙耶香。
・・・・・ホンと可愛いんだから(笑)

その他にも、
「これで一位取って、目立ってやるっ!!というか、主人公が誰か思い知らしてやる!」
「無駄だと思うよ、浩之ちゃん(にっこり)」
「ひなたさん、これ食べて下さい」
「走る前に、しかも産業廃棄物よりも危険な代物を食えと言うのはこの口ですか?」
「一緒にがんばろうね、ゆきちゃん」
「う・・・うん、初音ちゃん・・・(うるうる)」
とか、
「何が何でも、優勝だっ!!『漢』だったら、目指すものはそれしかねぇっ!!」
「・・・・・・・(ぽぉ〜)」
「陸上競技だったら、あたしの出番だね」
「このナノマシンの力さえあれば・・・」
とか、まあいろんなメンバーが揃っているのである。


一方、その頃のグランドでは・・・
「さぁ〜て、そろそろ出場選手の入場よ。まずは一年生から・・・」


「ああ、緊張するよ〜・・・」
今にでも心臓が飛び出しそうな初音に対して、
「と、兎に角落ち着こうよ、初音ちゃん」
どうにかして、落ち着かせようとするゆき。
「ひなたさぁ〜ん、私も緊張してるんですぅ〜」
いささか、小首を傾げながら上目遣いにひなたを見る美加香。
「何を言っているのです。心臓に毛が生えてるくせに緊張も何もないでしょう?」
対して、ひなたはそんな美加香に対して両のほっぺたをひねりまくった。


「一年生、『学園最初の外道』風見ひなた〜!」
「ふふふふふ」
「がんばれよっ!」
「ひなた君がんばってぇ〜」
西山と沙織が声をかけてくる。
それに対し、ひなたは拳を軽く上に突きつけた。

「続いて『純真純粋』柏木初音〜」
「はいっ!」
「初音、頑張るのよ〜」
「・・・頑張れ(ぽそっ)」
千鶴さんと楓が声援を送る。

「『貧乳ミサイル娘』赤十字美加香〜」
「『貧乳』っていうなぁ〜っ!!!」
爆笑と、大拍手が美加香に送られる。
その中には、美加香に対して好意的な声援も含まれている。
ひなたは(顔には出さないが)それを苦々しく思っているのだった。

「『サイキックガール』姫川琴音〜」
「はい・・・」
「ことねちゃ〜んっ!!」
「がんばれよ〜」
よっしーやら誰やらが琴音に『熱い』エールをおくる。
それを、聞いたOLHは、
「あいつらぁ〜・・・絶対泣かしちゃるぅ〜!!」
と暗い炎をを胸に灯すのであった・・・って、別にいいんだよね?ダークな人だし(笑)。

「続いて、『青き格闘娘』松原葵〜」
「はいっ!!」
「「「うおぉぉぉぉぉぉ〜!!あおいちゃ〜〜〜んっ!!!」」」
数多い葵ちゃん属性の男どもから声援を受ける葵。
少々顔に苦笑が浮かんでいるのは、あながち気のせいだけではあるまい。
その中で、
「おぅ、頑張れよっ!青いの」
と葵に声援(?)をかけるRune。
「私は、『青いの』ではありませんっ!!」
と、Runeにくってかかる葵。

「一年最後は、『初音を愛するみんなのおもちゃ』ゆき〜っ!!」
「はい」
「ゆき、負けたら承知しないわよ〜」
「ええ、そ・・そんなぁ〜・・・」
声援とはほど遠い言葉をM・K嬢からかけられるゆき。
ホンと、ご愁傷様(笑)。


「続けて二年生、いくわよ〜。まずは、『紅の殺意』神岸あかり〜」
「そんな言い方、非道いと思うな・・・?」
小首を傾げながら可愛く言うあかり。
まぁ、男子生徒の声援もそれなりにあるからいいんじゃないんですか?

「『死の速攻』来栖川綾香〜っ!!」
「はいっ」
「「「「「「「「うおおおぉぉっぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」」」」」」」」
会場に、割れんばかりの拍手と声援と怒号が飛び交う。

ここにも・・・
「てめぇ・・・ベットで寝てたんじゃないのか?」
右ストレートをハイドラントに叩き込みながら悠朔。
「これが、寝込まずにいられるか・・・。だいたい誰のせいだと思っていやがるっ!!」
同じく、カウンター気味に右ストレートを悠朔に決めながらハイド。
「それは・・・こっちの台詞だっ!!」
「なにを?やるか?このゆうさくの分際で〜」
「野郎ぅ〜」
その言葉をきっかけに乱闘を始める二人。
結局周りに被害(重傷者5名軽傷者多数)を出しつつも、乱闘は収まった。
乱闘を沈めたのはエルクゥユウヤだったと言う話があるが、本編には全然関係のない
話である(笑)。

「続いて、『一撃必殺空手娘』坂下好恵〜っ!!」
「はいっ!」
凛々しいかけ声をあげる好恵。
「好恵さん頑張ってくださいよ。応援してますからね」
さっきの綾香の応援の余韻が残るざわめきの中、好恵はしっかりと、はっきりとbeaker
の声を聞き、さらなる闘志を燃やすのであった。

「『独り言剣豪』佐藤昌斗〜」
「おおう!!」
威勢良く、返事をする昌斗。
「昌兄〜。負けたら飯抜きだからねぇ〜☆」
「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜」
両目からワカメ涙を流す昌斗。
(ふぅ〜)
どこからか、「運命」のあきれを含むため息が聞こえたような気が昌斗にはした。

「『薄紫のトレジャーハンター』沙耶香〜っ!!」
「・・・はい(しずしず)」
「「「「「(せーの)さっやか〜ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!」」」」」
綾香の声援に負けんぐらいの声援が、沙耶香に送られる。
「あっ、はい・・頑張ります」
と言いながら声援をくれた人達にぺこりと頭を下げる沙耶香。
再び、拍手と声援が巻き起こる。
その中に、愛しい兄様の姿を見つけて心を弾ませる沙耶香。
(兄様の為に・・・・勝とう・・・)
そう決心した、沙耶香であった。

「続いて、三年生・・・」
「ちょっと待てっ!」
がしっと、志保の肩をつかむ男子生徒A。
「何よ?ヒロ?邪魔しないでくれる?」
「俺を忘れちゃいねえか?名乗りによ・・・」
「・・・・・あっ、そういえばあんたも出るんだったわよね?」
ぽんっと、手を叩きながらいかにも今思い出したかの如くに志保。
「そうだよ・・・。何か文句でもあるのかよ・・・」
「別にないけど・・・二年最後は『一応主人公』藤田浩之〜」
いかにも、やる気のなさそうに志保。
そして、拍手もまばらである。
「なんなんだよ!そのやる気のなさは・・・」
「別に・・・。けど、良かったじゃない。ファンがいてくれてさ」
意地悪い笑みを浮かべながら、ある方向を指さす。
「ファン?」
志保が指さしたところをよく見てみる浩之。
そこには・・・
「ひろゆき〜!!僕は信じているよ〜(はぁ〜と)」
「ダァーリン、頑張ってねぇ〜、愛しているわ〜(ちゅっ)」
という、二人がいた・・・(笑)。
「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜!!」
ここにも、ワカメ涙を流す者一人(笑)。
諦めろ、浩之。君はこの運命から逃れられないんだよ(笑)。


さて、そのころの三年生(の一部)は・・・
「よし、こんなもんかな・・・・ん?」
軽く体をほぐしているところへ、不意に服を引っ張られる感覚を覚えたもどるは
その方向へ顔を見やった。
するとそこには、もどるの愛娘、靜(しずか)がいた。
「どうしたんだい、靜?こんなところへきて・・・・」
もどるは愛おしい目で、娘を見つめた。
「う・・・うん・・・あの・・・・こ・・・これ・・・・・」
微妙に頬を赤らめながら、しかも、もじもじしながら緑色の長細い布きれを、もどるに
手渡そうとする靜。
「こ・・・これは・・・」
よく見るとそれは、はちまきだった・・・。
(最近、僕に内緒で何かやっていると思っていたが・・・まさか・・・。)
「ゆうきせんせいに、おしえてもらいながらだけど・・・うまくできてないけど・・・
ちちうえのために、いっしょうけんめいにつくったんだよ(にこりん)」
ここまで言われたら、男冥利につきるというもの。
もどるは、靜への愛おしい気持ちが頂点まで高まり、思わず靜に抱きつき、その可愛らしい
ほっぺに、すりすりした。
「ち・・・ちちうえ・・・?」
「しずかぁぁぁぁぁぁぁぁ〜!!ありがとうぉ〜っ!大事に使わせてもらうよ〜」
滂沱を流しつつ、より一層靜を抱きしめ頬にすりすりするもどる。
端から見れば、立派な犯罪者である(笑)。
「「「ええ〜い!!犯罪紛いなことするんじゃない!!」」」
梓・ジン・幻八のマジツッコミを喰らった(笑)。

一方、
「OLHおにいちゃん」
「おにいちゃん」
「ん?どうした、ティーナに笛音・・・何か用か?」
OLHの元にも、彼の養女たちが駆け寄ってきた。
「うんとね、これ」
といって、緑色の少しぼろぼろの布きれを手渡す。
よくみりゃ、それもはちまきだった。
「ゆうきせんせいに、教わったんだけど、失敗しちゃって(てへ)」
「しっぱいしちゃった・・・」
「そ・・・そうか・・・・」
はちまきにしちゃ、形がいびつだとか、つぎはぎだらけとか思ったりせんでもないが
そこは、おくびにも出さずに
「ありがとう、二人とも・・・」
と、笑って言って見せた。
「うん、だから次の競技にもしっかりとつけてね☆」
「やくそくだよ」
二人のお願いに屈するというか、この二人の願いとあったら断れないOLH。
「わかったよ。これをつけて走ってみせるよ。そして勝ってみせる」
胸をはり、ぽんと胸をたたくOLH。
そんなOLHを、笛音とティーナは頼もしく思うのであった。


「さぁて、続いて三年生いくわよっ!『子煩悩ダークマン』OLH先輩!」
「おおぅ!」
劉紅竜(CV:小杉十朗太)のような声をあげるOLH。
「おにいちゃん、がんばれぇ〜」
「がんばれぇ〜」
「頑張りなさいよ」
ティーナ、笛音、勇希先生の声援を背に受けるOLH。
一部、男子生徒からブーイングを受けてるのは、「パン食い競争」のためだろう(笑)

「『天魔の鬼女』柏木梓せんぱい〜」
「はいっ!」
いかにも、スポーツマンらしく元気よく返事をする梓。
「あぁ〜、梓先輩・・・お慕い申し上げま(ごすっ!!)」
「あずさぁ〜、俺の愛を一心に受け(どかっ!!)」
梓は、言い寄ろうとした、かおりと秋山に『鬼』の力でブーストされたリレー用バトンを
おみまいした(笑)。

「続いて『親馬鹿抜刀剣士』きたみちもどる先輩〜」
「はいっ!」
爽やかな笑みとともにしゅっと手を挙げる。
「ちちうえ〜がんばれぇ〜」
「きたみっちゃんがんばってねぇ〜」
手に何故か「旭日軍艦旗」の小旗を持っている靜と、にこやかな笑顔で声援を
送ってくれる、緒方理奈先生。
それに、数十人ぐらいの、女子生徒の歓声も聞こえる。
(きたみっちゃんの、本当の性格知ったらどう思うんだろ?この子達・・・)
と理奈先生は心の中で思っていたそうな(笑)

「『蠢動するナノマシン』幻八先輩〜!」
「おおう!」
気合い十分の幻八。
見る目がある人ならば、その体に「闘志」が燃えているのがわかったであろう。
それ程までにも、彼のこの競技にかける意気込みはすごかったのである。

「続いて、『色白でぼーっとしていてお料理好き』東雲忍先輩〜!!」
「ぼぉ〜・・・・・・・・・」
「あららら・・いきなりテンション落とすんじゃないわよ、先輩・・・」
「はぁ・・・すいません・・・・」
といって、ぺこりと頭を下げる忍。相変わらず人がいいんだか・・・(笑)
しかし、志保・・・。先輩に対する口の効き方なってないと思うぞっ!(笑)
向こうの方では、忍に声をかけようとした一般女子生徒達と恋ちゃんが言い争ってる
ようだけど、気にしない気にしない(笑)

「最後の最後の大トリは、『学園決戦エルクゥ兵器』ジン・ジャザムせんぱぁ〜い!!」
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜!!」
ジンが叫び声をあげる。
「「「「「「「「「「「「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ〜」」」」」」」」」」」」」」
学園中にいきなり怒号が響きわたる。
まるで、学園全体に雷が落ちたかのような感覚にとらわれる。
特に、お子さま達の歓声が多いようだ。
子供は、強い人に憧れるものだしね(笑)。


「さぁ〜て、総勢18名でこの競技は行われるんだけど、ルールの説明をしとくわね」
「「「「「ルールの説明!?」」」」」
何人かが、疑問の声をあげる。
「そっ、ここは、Leaf学園よ。普通の競技が行われると思って?」
「た・・・確かに・・・」
ゆきが同意する。
「で、そのルールとは・・・?」
佐藤昌斗が誰何する。
「そのるーるとは・・・・・、これよっ!!」
ばっと、志保が手を広げると同時に、校舎の屋上から垂れ幕が降りてくる。
そこに書かれた文字は・・・
「「「「「「「「「「こっこれは・・・・・・!!!!!?」」」」」」」」」」

『トラックがリングだっ!!』

「「「「「「「「「「ガ○ダ○ファ○トかいっ!!!!!」」」」」」」」」」
みんな一斉につっこんだ。
「そういうこと。一周500メートルのトラックを三周してもらうんだけど、その間
妨害はいっさい自由よ。何をしたってかまわないわ。ただし、武器類の使用を禁じる
けどね。使用すればその場で失格。道ばたに落ちている石なども使っても駄目だからね。
でわ、体育委員のみなさん、チェックをどうぞっ!!」
そういうなり、どこからか体育委員がやってきて、各人のボディーチェックを始める。
あっちこっちで、悲鳴やら絶叫が聞こえるのは気のせいか?(笑)

(後に、某体育委員語る
「あの人達、一体どうやってあんなに武器を隠し持っているんでしょうかね?
特に一年生の風見君。ありゃ、尋常じゃない量でしたよ・・・」)

というわけで、体のあっちこっちに『封印』と書かれた紙を貼られた上に
足に100Kg鉄球を10個(片足だけで)も付けられたジン・ジャザムや
同じように、鉄球を5つも付けられた「飛天御剣流」の使い手達。
と、様々な制約が参加者達に付け加えられたのである。


☆ルール要約
1:トラックがリングだっ!!
2:一切の凶器使用不可。武器は己の技と拳のみ。
3:妨害は自由自在。
4:先に三周したものが勝者。
5:コースアウト&ダウン時、10カウント以内に立ち上がらないとその場で失格。
6:一位には30点、二位には20点、三位には10点が与えられる。


「さて、最後に・・・。この競技の一等の人には、賞金百万円と
『何でも望みが叶えられる』権が授与されま〜すっ!!」
その瞬間、参加者達の目の色が変わった(笑)。


所変わって、ここは、暗躍生徒会が集いし場所。
「抜かりはないんだろうね?」
月島(兄)が傍らのRuneに話しかける。
「ええ、ばっちりですとも。ああいえば、お互いに潰しあうはず。そして最後の最後で
泣きを見るはずです。あの特別ルールでね」
にやりと、怪しい笑みを浮かべるRune。
「それと、例の仕掛けの方はよろしくお願いしますよ」
と、Runeは付け加えていった。
「ああ、任せておきたまえ」
「「ははははははははははははははははははははははははははははははははははは」」
声をそろえて怪しく笑う二人。
一体、何を考えているのでしょうかねぇ?


「それでは」
「それでは」
「スタート位置に」
「スタート位置に」
「ついて下さい」
「ついて下さい」
ちびセリ達の声が競技者達にかかる。
各員がスタート位置に着く。
「よう〜い」
そして、それぞれが号令を今か今かと待ちかまえる。

その時、沙耶香は背中に、ちくりと針を刺されたような感じがした。
トレジャーハンターとしての感。罠を感知するときに感じる違和感。
その違和感が何処から来るのかを見極めようとあたりを伺う。
すると、月島(兄)と目があった。
(この人が『違和感』の持ち主?)
沙耶香の直感がそう告げていた。
改めて、月島(兄)を見る。
そして、月島(兄)の口の端が歪んだ。

ぱぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん

号砲が鳴った。

ほぼ同時に、

ちりちりちりちりちりちりちりちりちりちりちりちりちりちりちりちりちりちりちりちり

電波が放出された。

その瞬間、沙耶香は自らの体を塵に変えた。

一方、この異変を感じ取っていた人物がもう一人いた。

(マスター、邪悪な力が集結しつつあります。このままでは危険です)
「なに?『まや』、なんだか解るか?」
(おそらく『電波』の力のようです。あと二秒後)
「ちぃ〜、アクア流交殺法影門「心」技『火武訃』(カブト)」
絶対精神防御により、『電波』の力を防いだ。


スタート直後に放たれた『電波』の力により、ほとんどの人物がその場で
のたうちまくった(笑)。

「つつつつつ・・・・・、いきなりだったわね・・・。大丈夫?葵」
「・・・・は・・・はい・・・・。ですが坂下先輩が・・・」
よく見ると、坂下が地面に転がっている。
『塔』で訓練していた綾香と葵にとっては、すぐに回復出来るぐらいのダメージだったが
なれていない坂下にとっては、いささかきつすぎたようだ。
「大丈夫?しっかりしなさい!好恵!!」
ぴしぴしと軽く頬をはたく綾香。
「・・・・・ぅぅううう、あ・・・綾香?」
少々目が虚ろだが、意識を回復した坂下。
「どうやら気が付いたようね。立てるかしら?」
「え・・ええ・・・しかし一体何が・・・」
頭を振りながら綾香にたずねる坂下。
「どうやら『電波』の力のようね。誰かがそれで攻撃してきたようね・・・」
立ち上がろうとする坂下に手を貸しながら綾香が答える。
「そう・・・なの・・・で・・・綾香?」
綾香の顔をのぞき込みながら坂下。
「なによ?」
不思議そうな顔で綾香。
「どうして・・・私を助けたりなんかしたの?そのまま放っておけばいいのに・・・」
「私はね・・・あなたとは正々堂々と勝負をつけたいだけ。こんなところで、勝負を
終わらすわけには行かないの」
きっぱりと言い放つ綾香。
「あ・・・・綾香・・・・」
胸に熱い物がこみ上げてきた好恵。
「さ、そろそろいくわよ。葵、好恵」
「は・・・はいっ!」
「ああ、わかったよ」
格闘三人娘が、今ゴールに向かって走り出した。

もどるは、頭に奇妙な違和感を感じていた。
一瞬、頭に『電波』を受けたような気がしたがその力が遮断されたような気がした。
額から、はちまきから暖かい波動を感じた。
「こ・・・これは・・・。靜の想いが僕を守ってくれたのか!」
と、勝手に解釈したもどる。
本当は、布が特殊だったんだけどね(笑)。

同様のことは、OLHにも起こっていた。
「そうか、これは・・・・あいつらめ・・・」
目の端にそっと涙を浮かべるOLH。
こんなシーン、滅多に見られないぞっ☆(笑)

「電波なんて、オレにはきかねぇっ!!」
足のハンデを物ともせず、ジンが走る。
途中、うずくまっていた佐藤昌斗を踏み潰したような気がしたが(昌斗「非道いっ!!」)
彼は気にもとめなかったようだ(笑)。

佐藤昌斗・・・KOによりリタイア

兎に角、爆走するジン。ひたすら爆走しているが、カーブに差し掛かった時・・・
「ああ、曲がれねぇ・・・・・」

どごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉんんん

そのまま、観客席に突っ込むジン。
すぐさま、体育委員が近づきカウントをとる。
「1・2・3・4・5・・・」
「っっっつつ・・・、もうちょっと、曲がりやすくしろよってんだ・・・ったく・・・」
体を起こしながらぶつくさ文句を言うジン。
「そんなこと言っても・・・6・・・普通、人間のスピードでは・・・7・・・
コースアウト・・・8・・・しませんよ・・・9」
「って・・・なにやってるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!」
「なにって、カウント取ってるんですけど・・・10」
「なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ」

ジン・ジャザム・・・コースアウトによりリタイア(笑)


レースの方は、現在トップ集団を形成しているのは、綾香・葵・坂下の三人娘に梓。
続いて少し後方に、忍・浩之・幻八・ひなた・美加香。
その後方に、もどる・あかり・ゆき・初音・琴音・OLH。
というふうになっておりますです。
あれ?沙耶香ちゃんは・・・?
「・・・・・・・・・・」
どうやら、体を塵に変えたときの痛みに耐えられなかったようだ。
可哀想に・・・(笑)。

沙耶香・・・自爆(?)にリタイア(五分後に無事救出)


「なかなか、トップ集団が強固ですねぇ・・・。いきますよ、美加香っ!」
「はい?」
いきなり、ひなたは美加香を掴んだ。
「鬼畜ストライクっ!!」
そのまま、トップ集団に向かって放り投げる。
「ひぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ〜」
美加香の絶叫(ドップラー効果つき)が、木霊する。

後ろから殺気(笑)を感じたトップ集団。とっさに四方に散る。
そして、その間を美加香が突き抜けていく。
誰にもかすりもせずに・・・。

赤十字美加香・・・コースアウト&KOによりリタイア


「今のは、というよりいつも思うんだけど、ちょっと非道いわよね・・・」
綾香がこめかみを少しヒクヒクさせながら言う。
「そうよね・・・」
坂下も同じようにひくひくさせながら言う。
「そうですよね」
葵も憤慨しているようだ。
「ちょっと、お仕置きが必要だね」
梓もボキボキ指を鳴らしながら言う。
「やるというのですか・・・?」
少し後悔の念を浮かべながらひなた。
今ここに、争いが一つ起こった・・・。


「ちょっと待て!今のありか?あいつ凶器使ってたぞっ!!」
浩之が、体育委員に抗議する。
「今のは、美加香さん及び綾香さん達に対する妨害です。凶器の使用とは認められません」
なにか、釈然としないものを浩之は感じた。
抗議しても無駄かと思っているのか、忍・幻八はそのまま走りすぎていく。


一方(なんかこればっかだな・・・)
後方集団では・・・。
「琴音ちゃん、大丈夫かい?苦しかったら、俺にいってくれよ」
ちょっと、目つきが怪しい感じのOLH。
「ええ、大丈夫ですから・・・私にかまわず先に行って下さい・・・」
琴音は、自分のペースを崩さずに言う。
「しかし・・・」
なおも、食い下がるOLH。
そこへ
「見苦しいですよ・・・OLHさん・・・」
誰何の声がOLHにかかる。
「きたみち・・・一体何のようだ?」
剣呑な目をもどるに向けるOLH。
「OLHさん・・・琴音さんが嫌がっているんです。そこらで止めたらどうです?」
冷静な口調でもどる。
「なにぃ〜。べつにいいじゃないかぁ〜。それに琴音ちゃんは俺のものだいっ!!」
駄々っ子のようにOLH。
「ならば・・・琴音解放戦線元帥として、ティーナちゃん・笛音ちゃんの依頼として
貴方を・・・倒す・・・」
決意を秘めた目でOLHを睨むもどる。
「ふっ、やってみるがいいっ!!」
OLHがそういうと突然視界内から、もどるの姿が消えた。
OLHが自分の足下から殺気を感じた瞬間、上空に吹っ飛ばされた。
「影道・雷神拳」
もどるは、片膝立ちになりながらアッパーカットを放った。
「一発かいっ!!」
そう叫びつつ、OLHはお空の星になった(笑)。

すくっと立ち上がり、そのまま競技に戻ろうとすると
「お兄ちゃんに何するのっ!!」
「なにするのっ!!」
怒り頂点のティーナ&笛音のツープラトン攻撃を喰らうもどる。
「な・・・・なんでぇ〜・・・・・・・」
そのまま、空に打ち上げられるもどる。
「げに、不可解なのは・・・女心なりけり〜(きらん)・・・・☆」
こうしてまた一つ空に、お星様が増えましたとさ(笑)。

OLH・・・コースアウトによりリタイア
きたみちもどる・・・不慮の事故(笑)によりリタイア


幻八は目の前を走っている男に、焦りを感じていた。
見た目は、ぼぉとしているくせになかなか隙がないのだ。
きっちりとコースを読み、後ろの人間を抜かせまいとしているのだ。
(この男・・・ただものではないっ!!)

忍は、後ろでそんなことを思われてるとも知らず、ただ走っているだけだった。
やはり、天性の走り屋なのかきっちりとコーナーとかのアドバンテージを取っていく。

(仕方あるまい・・・・ここは『神移』を使うしか・・・)
と、幻八が思った矢先
(マスター、後方より追ってくるものがあります!!)
「へっ?」
その瞬間、幻八の横を一陣の風が通りすぎた。
それは・・・・
「必殺!!見よう見まね『カール・ルイス』」
そう、その走る様はまさしくどっからみてもカール・ルイスだった。
とても、藤田浩之に見えないぞっ!!
「オオ・・・カミヨ・・・・・」
ちょっと、トリップ入っている藤田『カール・ルイス』浩之。

「・・・・行かせるかぁ!!つうか、今時、そんなネタ知ってるヤツは少ないっ!!」
そう叫びつつ攻撃態勢を取る幻八。

どどどどどどどどどどどど

とぉんっ とその場で上空に軽くジャンプし、まるで母のお腹での中で胎児が眠るごとく
体を丸めて、そして両足を勢いよく前方に突き出す。
「アクア流交殺法影技『刀砲』(トマホーク)」
どぉん!!
轟音を伴って空気の固まりが藤田『カール・ルイス』浩之にぶち当たる。
どっこおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん〜!!

「お・・・おれは・・・・しゅ・・・しゅや・・・・く・・・(ガク)」

藤田浩之・・・KOによりリタイア

どどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどど

「ふん、後はヤツ一人か・・・・て、さっきからなんなんだ?この音?」
振り向いた先に幻八が見たものは・・・・・・・・・・。
すさまじい争いを繰り広げながらこっちに迫ってきた風見ひなたと
柏木梓&来栖川綾香&坂下好恵&松原葵だった・・・・・。

「なっ・・・なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ〜!!」
ぶぎゅるぅぅぅぅぅぅぅ〜

戦闘に巻き込まれ、もみくちゃにされあげくに踏み潰される幻八・・・。
(マスター・・・・大丈夫ですか?)
それに答える気力は幻八にはすでになかった・・・。

幻八・・・KOによりリタイア


「外道メテオォォォォォォォォォォォォ!!」
没収されたはずなのに、どこからか暗器を取り出し放出していくひなた。
それを、例の四人に対して放っている。
もうすでに、レースのことはきれいさっぱり忘れている(笑)

風見ひなた・・・反則負け

例の四人も、ひなたとの戦闘に夢中になっている。

その戦闘が終わりを告げるのは、、ゴールの合図だった・・・。


結局、それ以外はまともに競技が続けられ、
一位は、東雲忍
二位は、神岸あかり
三位は、姫川琴音
だった・・・。
(なお、ゆきは、初音と同着四位・・・うらやましいぞっ!!)

「ええと、ここでRuneさんより、またまたルール提案〜。リタイアせずに残っている
選手一人につき、さらに10点ずつ加算されま〜す!!」

つまり

三年生:30+20点=50 二年生:20+30点=50 一年生:10+40点=50

仲良く、50点ずつ分け合ったとさ(笑)。
めでたしめでたし・・・・か?
 
           1500メーター走  END


追記:なお、「望みが叶えられる」権はただ単に「望み」を言うだけの権利だったらしい。
   その後、関係者がボコられたことだけ明記しておく・・・。