入学Lメモ「鼻血騒動編」(笑) 投稿者:陸奥崇
何気に廊下を歩いていた時のことだった。
「・・・・ねぇ、今歩いていった彼って噂の陸奥君じゃない?」

「えっ、陸奥君って編入早々保健室でセリオ先輩と○○○したっていう噂の!?」

「きっとそうよ、先輩に聞いた特徴にぴったりだったもの。」

「へ〜彼が陸奥君か〜、しっかし子供っぽい顔して随分大胆なことするよね〜。」

「そうだよね〜、なにせ保健室で○○○だ・・・・」

僕との距離が離れたのかこのあたりで会話は聞こえなくなった。

どうやらこの女生徒達は例の噂について話していたようだ。

察するに僕に聞こえない声で話していたつもりなのだろうが、僕には筒抜けだった。

君たち、ひそひそ話をするならもうちょっと小さい声で話そうね・・・・。

はぁぁぁぁ・・・・・。

ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜!!

なんでこうなっちゃったんだよ〜!?

ううぅ、噂なんていつかは消えるものだと分かっていてもつらい・・・。

はぁぁぁ・・・。

っといつまでもウジウジしていてもはじまらない。

とりあえず頭を切り替えよう。

勘がするどい読者の方は気づいてるかもしれないけど、

僕は学園内で流れまくっている噂の張本人だったりする。

その噂とは『僕が保健室でセリオ先輩と○○○しちゃった』

というものらしい・・・・。

はっきりいてこれは全くのデマなんだけど、ここまで噂が大きくなると

僕がいくら弁解しても一行におさまらない。

仕方ないのでセリオ先輩と話し合った結果、諦めておさまるまで待とうということになったけど

本当におさまるのか、この噂・・・・・。

では、なぜデマなのにこんな噂が広まるか?それにはこんな背景があったりするのだ・・・・。


回想(陸奥崇編)

「うぅ、ティッシュが足りない・・・・。」

保健室に向かう廊下を歩きながら僕はポツリとつぶやいた。

学生服をきた男子生徒が顔を手でおさえ血を垂らす光景を見れば

大抵の人はケンカをして顔を殴られたと思うだろう。

・・・しかし彼の場合は違った。

彼が鼻血を流している原因は、風のイタズラによってめくれた

女生徒のスカートの中身を見てしまったからなのであった。

そう非常になさけない話だが、崇は生まれつき鼻血を出し易いのである。しかも大量に(笑)。

『保健室』と書かれたプレートを見つめながら僕はは保健室に入った。

「相田先生、いつもどうりティッシュもらいたいんですけど〜?ってあれ?」

崇のつぶやきが示すように保健室には誰もいる気配がなかった。

「先生いないのか、それじゃ仕方ないな。」

先生がいないのを確認すると崇は保健室を出ることにした。

とその時、崇の足がぐらついた。

「っと、あら?」

どうやらさっき放出した大量の鼻血により崇は軽い貧血状態に陥っているようだった(笑)。

「ふぅ、まいったな。・・・仕方ない先生はいないけどベットで寝かせてもらおう」

「ZZZZZZZZ」

彼はそう呟くとベットに横渡り、浅い眠りについた。

彼はまだ知らない、この時の決断によって後にあのようなことが待ち受けているとは・・・・。


それから小1時間程眠っただろうか、隣のベットに誰かの気配を感じて崇は目を覚ました。

『誰だろう、気分でも悪くなったのかな?』

心の中でそう呟きながら崇は隣の人物を確認した。

「!!」

「セ、セリオ先輩・・・。」

そう、隣に眠っていたのは崇の憧れの先輩セリオだった。

「ど、どうしてセリオ先輩がここに〜!?」

「・・・うぅん」

「!?」

『マズっ、先輩起きちゃったかな』

「すぅ、すぅ」

「・・・・・・・・・・・・・」

「・・・ふぅ、良かった」

せっかく眠ってるの起こしっちゃったら可哀相だもんな。

さてどうやら、貧血も治ったみたいだし教室に戻るか。

崇はベットを降りるとセリオにお別れの挨拶をした。

「それじゃ、先輩、バイバ・・・!?」

崇がセリオに挨拶をしようとセリオの方を見た時、とあるものが崇の目に飛び込んだ。

最初にセリオを見たときは顔に意識がいってしまい

服装まで見なかったがセリオは体操服姿(もちブルマ(笑)だった。

っと、それだけだったら別に珍しいものではないのだが、体育で汗をかいたせいなのか

体操服の下からうっすらと下着が見えていた。

『うっ、マズイ!は、鼻血が!!!』

元々少しの刺激で鼻血を出してしまうのに

大好きなセリオの下着を見てしまっては崇に鼻血は抑えられそうもなかった(笑)。

『ま、待て!ここで鼻血をだしてセリオ先輩にぶっかけてみろ。一生セリオ先輩は口を聞いてくれんぞ!』

『抑えろ〜!抑えるんだ〜!!』

崇は必死になって鼻血の欲求を押え込んだ。

崇の決死の努力が実を結んだのか、なんとか大量放出の危機は回避されつつあった。

『ふぅ、やれやれ・・・。』

崇が安堵の息をもらした瞬間

「あ、はぁ・・・」

『ぴくっ!』

セリオの寝言が崇の脳天を刺激し、セリオの妙に艶がかかった寝言が崇の鼻血抑制限界を超えた!

「ぶっは〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

『やってしまった。』

『やってしまったよ・・・・・。』

幸い放出の瞬間、矛先を床に向けたからセリオへの被害が少なかったものの

少なからずセリオにも被弾していた。

『はぁ、悔やんでいてもやってしまったのはしょうがない、とりあえず鼻血を拭こう。』

鼻血がついて邪魔なTシャツは脱いで、ベットに置いておこう。

上半身素っ裸っていうのも怪しいが、これ以上汚れても困るしな。

地面にぶちまけた鼻血を雑巾で拭き取り、ベットやセリオにかけてしまった鼻血をティシュで

拭き取ろうとセリオの側に近づいた時、また貧血がおこり崇の意識は失われつつあった。

『くそっ、鼻血2連ちゃんで血がたりない〜、このままじゃ・・・・・』

・・・ばふっ。

崇は意識を失いセリオの上に倒れ込んだ・・・。


回想(長岡志保編)

崇が倒れた頃と同じ時間に保健室に向かう女生徒の影があった。

彼女の名前は長岡志保。

「はぁ〜あ、なんか熱っぽいわね〜。」

「あぁ〜あ、次の授業は英語だし、なんだかフラフラするし、授業に出たくないわね〜。」

「そうだ、相田先生にお願いして保健室のベットで眠らせてもらいましょう〜」

「っときまれば善は急げ!早速保健室へGO〜♪」

というわけで保健室までダッシュで到着する志保であった。

「相田せんせ〜い、ちょっと熱っぽいんでベットで寝かせてもらえませんか〜?ってあれ?」

志保の言葉が示すようにまだ相田先生はいないようだった。

「も〜ぅ、肝心な時にいないんだから〜。って別にいっか、勝手に眠らせてもらうわ」

「え〜と、ベットは〜?あっあそこね〜」

『すたすたすた、ばさっ』

「!!??」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「きっっっっ・・・・」

「きゃ〜〜〜〜〜!!!!!」

ベットに向かった志保が見たものは、上半身素っ裸でセリオの上に倒れ込んだ崇の姿であった。

「な、なにやってるのよ、あんたたち〜!?」

読者の方はこれだけではよく分からないと思うのでここで説明しよう。

志保が絶叫したのには下記のような理由がある。

@崇が上半身素っ裸の上に手にティシュを持っていた。

A崇がぶっ倒れた拍子にセリオのTシャツがめくれてしまい露になったセリオの下着姿

Bそしてベットとセリオの間にある赤い血の跡

これらの情報から志保は見知らぬ男子生徒とセリオが○○○したと想像してしまったのだ。

冷静にこれらの情報だけで考えれば○○○などという回答には結びつかないと思うが

思春期の真っ只中であった志保は即座に○○○と決め付けてしまったのだ。




回想(最終編)

「きゃ〜〜〜〜〜!!!!!」

『ん、なんだ?誰か叫んでるぞ』

貧血で倒れていた崇は女生徒の絶叫で目を覚ました。

なんとか気力で意識を復活させると崇は声の主を確認した。

そこにはこちらを見て口をパクパクさせている女生徒が。

『え〜と、この人は確か2年の長岡先輩だったよな、噂話が好きだってクラスの連中がいってたな。』

「な、なにやってるのよ、あんたたち〜!?」

『なにやってるって?確か鼻血を拭いてたはず・・・って達?』

『なんで達なんだ?もしかしてセリオ先輩の事を言ってるのか?』

「別に先輩は何にも・・・・って、あぁ〜!!??」

崇がそう言ってセリオの方を見たとき、崇の目に上半身が下着姿となったセリオの姿が入ってきた。

『ま、まさか長岡先輩、これを僕がやったと思ってるんじゃ?』

「ち、違う、僕はセリオ先輩には何にもしてないですよ〜!」

「何、あんた言い訳するつもり!?まさか寝込みを襲ったんじゃないでしょうね〜!」

「な、なんで僕がセリオ先輩の寝込みを襲わなきゃいけないんだよ!僕は何にもしてないって!」

「あんた女の敵よ!志保ちゃん情報で学校中に言いふらしてやるわ!!」

『って、こら!僕の話を聞け〜!!』

というと長岡先輩はダッシュで保健室を出ていった。

「あぁ〜、長岡先輩待った〜!!!!!」

『マズイ、早く追いかけないと!」

「・・・どうかしたのですか?」

今の騒ぎで目を覚ましたのか、セリオ先輩が僕に声をかけた。」

「セ、セリオ先輩・・・・。」

「なにかもめていらしたようですけど?」

「はぃ、実は・・・・。」

僕はこれまでのいきさつをセリオ先輩にはなした。

鼻血「ぶはっ」のあたりはさすがに顔をしかめられたが、セリオ先輩は納得してくれたようだ。

「分かりました、それじゃ、私の方から長岡さんに話しておきます。」

「えっ?セリオ先輩がですか?」

「はいっ、寝ていたとはいえ、私にも責任はありますから。」

「そ、そんな、悪いのは全部僕なんですから!」

「そうはいっても、あなたの言葉じゃ長岡さんは納得してくれないと思いますが?」

『うっ、確かに。あれではどうやっても僕の言葉を信じやしないよな〜』

「・・・・・・・・・・・・・」

「そうですね・・・・それじゃ、長岡先輩の方はお願いしていいですか?」

「はい、任せてください。」

「それじゃ、僕はこれで・・・あっ、そうだ」

「?」

「自己紹介がまだでしたね、僕は1年の陸奥崇です。セリオ先輩」

「くすっ、確かにお互いに名前も名乗ってませんでしたね。」

「私は2年のHMX-13セリオ、セリオとお呼び下さい。陸奥さん。」

「そ、そんな名前でなんて呼べません。」

「そうですか?それではお好きなように呼んでくださいね。」

「はっ、はい!」

「そ、それじゃ、失礼します。セリオ先輩」

「はい、さようなら陸奥さん」

僕はセリオ先輩に挨拶をすると保健室を出た。

『はぁぁぁ、やっぱりいいな〜、セリオ先輩』

とにやけながら廊下を歩いていると

「ねぇ、彼が陸奥君じゃない?」

「きっとそうよ、保健室から出てきたもの。」

「最悪だよね〜、寝込みを襲うなんてね。」

「ほんと、最悪〜。」

『おぃ、なんでものの10分くらいでこんなに広まってるんだ?』

『こりゃ、暫くは悪人扱いだな、とほほ・・・・・』


回想終了

と、まぁこんな事がさっきの昼休みにあったのだ。

今も噂を聞いた先生に職員室に呼ばれたのをセリオ先輩と弁明にいってきたところだったりする。

どうやら長岡先輩の方はセリオ先輩が説得してくれたようだが、

噂というのは恐いもので、今では学校中の生徒が知っていると思っても間違いではないだろう。

その証拠に廊下を歩いていれば視線が僕に集中するのがいたいほど分かる。

『とほほほぉ』

廊下をがっくりしながら歩いていると

「・・・陸奥さん」

「?」

声のする方を見てみると、そこにはセリオ先輩がいた。

「セ、セリオ先輩」

「・・・一緒に帰りませんか?さっきの件についてお話したいことがあるので。」

「はっ、はい!」


LEAF学園に入学して3日目

入学早々学校中の注目を浴びて悪人扱いされてしまったが

セリオ先輩と仲良くなれたのは非常によかったなぁ〜。

さぁ、これからの学園生活どんなことがまちうけているのか楽しみだ!

(んがっ、あんまり楽しみでなかったりもする(笑)