Lメモ「工作部入部第1話」 投稿者:陸奥崇
「あれ、セリオ先輩いないのかな?」

崇はセリオの教室を見渡しながらそう言った。

今は午後3時。

普段ならこの時間にセリオは帰り支度をしているはずだった。

しかし、セリオの席を見ても教室全体を見渡してみてもセリオの姿はなかった。

『う〜ん、セリオ先輩どこいったんだろ。』

心の中でそう呟くと崇はクラスの人にセリオの場所を聞いてみることにした。

「あの、セリオ先輩がどこに行ったかご存知ありませんか?」

とりあえず、教室から出てくる女生徒に向かって声をかけてみた。

「・・・でね、そこのアイスがまた美味しいのよ〜」

しかしその女生徒は友達との話に夢中で崇の事に気づかなかった。

「あ、あの〜。」

「あ〜、いいね、それ、それじゃ、今から行かない?」

「・・・・・・・・・・・・・。」

「それじゃ、早く行きましょ。」

「す・み・ま・せ・ん!!」

「ん?何?」

崇の怒気まじりの気配に気づいたのか、その女生徒はやっとこちらを振り返った。

「君、私に何か用?」

しかし、崇は返事をしなかった。

何故なら・・・・

『ほぇ〜、キレイな人だな〜』

崇はその女生徒に釘付けになっていた(爆)。

崇が釘付けになっていた生徒は来栖川綾香。

この学園に在籍する者なら知る人ぞ知る、学園のアイドルともいえる人物である。

しかし、崇はこの学園に編入してまだ日が浅かったため、綾香を見たのはこれが初めてだった。

『う〜ん、顔のレベルでいけばセリオ先輩といい勝負かな?』

『スタイルは・・・う〜ん、GOOD!胸はセリオ先輩より小さそうだけどウェストは先輩より細そうだな〜』

などと考えていると

「ねぇ、君。今何考えてたの?」

「へっ?」

綾香の言葉で我にかえった崇はすっとんきょうな声をあげた。

「・・・やっぱり何かスケベな事を考えてたみたいね。」

やれやれといった感じで綾香は言った。

「そ、そんなスケベな事なんか考えてませんよ!。」

崇は思いっきり否定した。

「嘘ね、鼻の下伸ばして鼻血出しながらそんなセリフ言ったって説得力があったもんじゃないわ。」

「え?」

そう、綾香が言ったとうり崇は鼻血を出していた。

量こそ普段の放出に比べれば少ないが、誰が見てもスケベな事を考えていたと思うだろう。

『し、しまった〜!、またやってしまった〜!』

崇は心の中で絶叫した。

「で、君は私に何の用?スケベな事考えるために呼び止めたなんていったら”殴る”からね.。」

何故か妙に殴るという部分を強調する綾香であった。(笑)

「あ、あぁ、そうでした。すみませんすっかり本題を忘れてました。」

崇はそう言うと綾香に頭を下げた。

「ち、ちょっと誰も頭を下げろなんて言ってないわよ!。」

「いえ、さっきのことに対する非礼を詫びただけですから、気にしないでください。」

「そうなの?それならそれでもいいけど、それで私に何の用?」

「あっ、はい、セリオ先輩の居場所を知っていたら教えて頂きたいのですが・・・。」

「セリオの居場所?知ってる事は知ってるけど、名前も知らない人に教えてあげたくないわね。」

そういうと綾香はくすっと笑った。

「あ、す、すみません、僕の名前は陸奥崇といいます。」

「私は来栖川綾香、綾香先輩とでも呼んでね。」

「・・・あれ、君もう一回名前教えてくれる?」

「は、はい。陸奥崇ですけども・・・。」

「陸奥、崇・・・?」

「・・・・・・・・・・・・・・」

「あぁ〜!どっかで聞いた名前だと思ったら、前に保健室騒動で噂になった人ね!」

「はい、多分その陸奥崇です・・・・。」

そう返事する崇は何故か悲しそうだった(笑)。

「へ〜、君が噂の陸奥君ね〜、でどうなの?してないって事らしいけど本当の所は?」

「そ、そんなしちゃう訳ないでしょ!!」

崇は真っ赤になりながら叫んだ。

「くすっ、そんなの分かってるわよ、君って噂と違って随分うぶなのね。」

綾香は心底面白いといった感じでそう言った。

崇は綾香にからかわれていた事が分かるとさらに真っ赤になった。

「あぁ、ごめん、ごめん、悪気は無いのよ。」

「で、セリオの居場所だったわね?」

「あっ、はい。」

「人のプライバシーの事を教えるのはあんまり好きじゃないんだけどね、君ならまぁ、いいわ。」

「僕ならいいんですか?」

「まぁね、何せセリオのお友達らしいから。」

「お友達ですか・・・。」

「そ、お友達。」

「でも気にすることないわよ。セリオの言う友達っていうのは本当に仲の良い人にしか当てはまらないから。」

「へ?」

崇には良く分かってないようだ。

「まったく、君も誰かさんに似てニブイわね〜。要するに脈ありってことよ!」

「み、脈あり!?せ、セリオ先輩が僕に!!!???」

「まぁ、とは言っても、まだまだ彼氏と呼べるレベルにはなってないわね」

「ここから先はあなたの頑張り次第よ、頑張るのよ!」

「は、はい!ありがとうございます、綾香先輩!」

「そ、それじゃ、失礼します!」

「って、ちょっと君!セリオの居場所聞きにきたんでしょ!?」

走り出す陸奥を見て綾香は叫んだ。

「って、あ、そうでした。あんまり嬉しかったもの目的を忘れてました。」

「はぁ、君ってお調子者なのね、ほんとに誰かさんに似てるわ。」

「・・・あの、さっきから何度も出てくる誰かってどなたなんですか?」

崇がそう言うと綾香は顔を真っ赤にしながら

「君は知らなくてもいいの!」

「は、はひ!」

「って、さっきからなんだか脱線してばっかりね〜、これ以上話が脱線する前に話しておくわ。」

「あっ、はい、お願いします。」

「セリオは今、メンテのために”工作部”にいってるわ。」

「メンテってセリオ先輩どこか悪いんですか!?」

「違うわ、日常点検というやつね、月に一度はメンテをしなきゃいけないのよ。」

「あっ、そうなんですか。」

「そうなの、それでセリオの場所覚えた?」

「はい、工作部ですね。」

「そ、他に聞きたい事でもある?」

「それじゃ、セリオ先輩の3サイズは?」

「・・・・殴るわよ。」

「・・・・すみません。」

「まったく、他にないならこれで帰るけど?」

「あっ、それじゃ1つだけいいですか?」

「・・・マジメな話なんでしょうね?」

「・・・マジメな話です。」

「それならいいわ、で何?」

「どうして綾香先輩はそんなにセリオ先輩の事を知ってるんですか?友達にしは詳しすぎると思うんですけど。」

「・・・私がセリオを好きだから」

「!?」

「って言ったらどうする?」

「ま、負けません!」

「ぷっ、何本気にしてるのよ、冗談よ、冗談。」

腹を抱えながら綾香はそういった。

「・・・・・・・・・・・・」

「もうごめん、ごめん、そんなに怒らないでよ、セリオの居場所教えてあげたんだから。」

「それじゃ、本当の事を教えてください。」

ふくれっつらをしながら崇はそう言った。

「分かったからそんなに怒らないでったら。私がセリオについて詳しいのはセリオの保護者だからよ。」

「保護者?」

「そう、さっき名前の時言ったでしょ?来栖川って。」

「はい。」

「君もしっているとうり、セリオは来栖川エレクトロニクスが作ったHMシリーズのメイドロボ。
来栖川エレクトロニクスのは名前でわかるとうり来栖川グループの会社なの。
だから私がというより来栖川家がセリオの保護者なの、分かった?」

「あっ、そうか、セリオ先輩ってメイドロボだったんだ。忘れてた。」

「忘れてたって、セリオがロボットだってことを?」

「はい、今の今迄すっかり。」

「・・・なるほどね、セリオが気に入るのも分かる気がするわ。」

「え、何かいいましたか?」

「うぅん、何も言ってないわ。」

「ところでさっきの質問で疑問に思った部分があるんですけど、聞いてもいいですか?」

「何かしら?」

「さっき私というより来栖川家といいましたよね、綾香さんは来栖川家と何か関係があるんですか?」

「あるわよ、だっておじい様が来栖川グループの会長だもの。」

「へ〜、そうなんですか。」

「へ〜、そうなんですか、ってそれだけ?」

「だってそれ以外に何かあるんですか?」

「何もないわよ、でも今の話を他の人にすると大抵見る目が変わるのよね。」

そういった綾香の顔はどこか寂しそうだった。

「そんなもんなですか?別に自分の家が凄かろうが僕は関係ないと思いますよ。
結局、親や家が凄かろうと自分は自分ですからね、僕は家柄とかは気にしないようにしてるんです。」

「・・・君って変わってるわね。」

「よく言われます。」

「ふふっ、気に入ったわ。そのうち格闘部にいらっしゃい。格闘技を教えてあげるわ。」

「綾香先輩に気に入られてもな〜、僕はセリオ先輩一筋ですから!」

「言うわね、まっ、暇な時にでも遊びに来てよ。」

「分かりました、暇な時にでも相手をしてもらいます。」

「言っておくけど、私は強いわよ?」

「僕だって弱くないですよ。」

「ふふっ、それは楽しみね。それじゃ、きっと遊びにきなさいよ。」

「分かりました、そのうちお邪魔します。」

「それじゃ、またね、セリオと仲良くするのよ〜。」

「綾香先輩に言われるまでもなく。それじゃ。」

綾香と別れると崇は部室棟に向かって歩き出した。

「さて、綾香先輩にいわれたとうり工作部にいってみるか・・・。」

−−−−続−−−−


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ってなんじゃこりゃ〜!
なんでセリオの居場所聞くだけでこんなに長くなってんだ〜(泣)
しかも妙に綾香と仲よくなってるし
あぁ、やはり綾香も好きだ〜(笑)
しっかし、この段階ではどうやったら工作部に入るかが全然わからねぇ〜
もうちょっと伏線を書けばよかったかな(^^;
というわけで(どういう訳で?)この話はまだ続きます、はい(笑)
では、次回作でまた〜