Lメモ「工作部入部第2話」 投稿者:陸奥崇
「え〜と工作部っと・・・。」

今、崇が歩いているのは一般的に部室棟と呼ばれる場所で、

運動部・文化部を問わず各部の部室が集合している場所である。

先ほど綾香にセリオの居場所を聞いた崇は、早速部室棟に足を運び工作部を探していた。

「おっ、ここだ、ここだ。」

崇の呟きが示すように目の前には『工作部』と書かれた部屋があった。

「どれ、早速お邪魔してみるか〜。」

『やっぱり、ノックぐらいはしなくきゃいけないよな』

『こんこん』

「あの〜、すみませ〜ん。」

「・・・・・・・・・・・・・」

暫しの沈黙のあとに

「は〜い、どちらさまですか〜?」

そういって出てきたのは工作部副部長赤十字美加香である。

「あ、はじめまして、僕は1年の陸奥崇といいます。」

「こちらこそはじめまして、私は赤十字美加香といいます。」

お互いに名前を名乗り会う二人であった。

「それで、陸奥さんは工作部に何か御用ですか?」

「あっ、はい、ここにセリオ先輩がいると聞いて寄らせてもらったんですけど。」

「セリオさんですか、確かにいらっしゃいますけども、今はちょっと・・・。」

そう答えた美加香の表情がどこかぎこちなかったのが、崇は気になった。

「・・・あの、もしかしてセリオ先輩になにかあったんですか?」

「い、いえ、何もないんですけど今はマズイんです・・・。」

その美加香のセリフを聞いた瞬間崇の頭上にある考えが閃いた。

『ま、まさか、ここの部のやつらメンテとかいいながらセリオ先輩にイタズラしてるんじゃ!?』

『そ、そうだ、そうに違いない、だからこいつ邪魔されないように僕を入れさせないつもりなんだな!!』

「分かったぞ!、お前達工作部の連中でセリオ先輩にイタズラしてるんだな!!。」

「は、イタズラ?」

美加香は目を点にするとそう言った。

「とにかくそこをどけ!セリオ先輩にイタズラするやつは僕がゆるさ〜ん!」

崇はそう言うと、美加香の横をすり抜けて工作部に進入した。

「ち、ちょっと、君!、今は駄目なんだってば!。」

後ろから美加香の叫び声が聞こえてくるが崇は構わずダッシュした。

「ち、ちょっと、みんな、彼を止めて〜!。」

崇が工作部部室に突入した先にはFENNEK、八希望、保科智子、ちびまるらがいた。

「ん、君だれ?」

「うにゅ?誰ぇ?」

「あんた、誰や?」

「あの、どなたですか〜?」

崇の姿を確認するとそこにいた生徒達は一斉に崇に向かって名前を尋ねてきた。

「僕の名前は陸奥崇、セリオ先輩を助けにきた!セリオ先輩はどこだ!?」

「はぁ?セリオさんを助けに?セリオさんなら隣の部屋にいるけど?」

「そこか!セリオ先輩、今いきます!」

その時後ろから

「ち、ちょっとみんな、彼を止めて〜!彼なんか勘違いしてるみたいなのよ〜!」

「へ、別にいいんじゃないの?セリオさんに会いにきただけなんだろ?」

「良くないわよ!セリオさん、今アレの真っ最中なのよ!!」

「そ、そうかしまった!アレの最中だったか!」

「さっきからアレアレって、やっぱり何か言えないような事してんだな!」

「い、いや、ちゃうで!別にうちらは何もしてへんけど、今はマズイんや!」

「え〜い、信じらんね〜!どけ〜!」

崇はそう言うとダッシュで工作部の奥に入ろうとした。

「だ、だから今はマズイんだって!とにかく落ち着け!」

「え〜い、落ち着かんかい!」

「ちょ、ちょっと落ち着いてぇ〜〜〜!!」

「あぅ〜、お願いですから落ち着いてください〜。」

「陸奥君、落ち着きなさいったら!」

「え〜い、うっとぉしい!どけ〜!!」

崇はそう叫び5人を吹き飛ばすと奥に突入した。

その後ろ姿を見ながら工作部のメンバーは驚きの声をあげた。

「おいおい、5人を吹き飛ばしたぞ!?」

「うひゃあ〜すごいバカ力。」

「ホンマや、驚きやな〜。」

「あぅぅ、痛いです〜。」

「おっ、大丈夫か、ちびまる?怪我してへんか?」

「はい、大丈夫です、智子おねえちゃん」

「それにしても、奥に行っちゃいましたね、彼・・・。」

「行っちゃったな。」

「行っちゃったね。」

「言ってもうたな。」

「行ってしまいました〜。」

次々に感嘆の声をあげる工作部メンバーであった。

「んで、美加香さん、彼は何者なんや?」

「あっ、はい、1年の陸奥崇さんだそうです。何でもセリオ先輩に会いに来たらしいんですが・・・。」

「1年?あんな子いたっけ?」

「確信はないですけど多分編入の子でしょうね。」

「副部長どうして編入だと思うんですか?」

「はい、みなさんご存知ありませんか?数日前に噂になった保健室騒動のこと。」

「保健室騒動?あの編入したての生徒がセリオさんと保健室でしちゃったって噂になったヤツのこと?」

「はい、そうです。」

「・・あっ!、そういえばあの噂のヤツの名前が”陸奥崇”っちゅ〜名前やったわ!。」

「そうです、だから編入なんじゃないかと思ったんです。」

「・・・でもさ、さっきの彼が噂の”陸奥”君だったら尚更奥に入れちゃいけないんじゃないの?」

「!?」

「!?」

「!?」

望が言った一言にFENNEK、智子、美加香らは凍りついた。

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「追いかけろ〜!!!!」


『ったく、しつこいヤツらだったな、まぁ、いっか、これでセリオ先輩の無事は確保されたな』

そう心の中で呟くと崇は再びダッシュをした。

すると

『どん!』

「!?」

「あぃて〜!」

「こら、誰だ!部室の中で走るなんて危ないじゃないか!」

そう言った人物は菅生誠治。工作部の部長を務めるものだ。

「くっそ、まだ仲間がいやがったか!」

「ん?見かけない顔だな、君、工作部に何の用だい?」

さっきの怒った口調とは180度違った優しい口調で誠治は聞いた。

「そこをどけ!僕はセリオ先輩を助けにきたんだ!」

「セリオ君を助けに?セリオ君ならそこにいるがなんで助けになんか来るんだい?」

「なんでって、お前らがセリオ先輩にイタズラしてんだろ!」

「僕たちはセリオ君にイタズラなんかしてないぞ、何を勘違いしてるんだい?」

「ふん、騙されるもんか!騙してないんだったらセリオ先輩に会わせてみろ!」

「い、いや、今はマズイんだ、会わせるわけにはいかない。」

「くそっ、やっぱり何かしてるんだな!?どけっ!」

崇はそう言うと再び駆け出した。

「き、君、待つんだ、今は駄目だ!」

後ろから怒鳴り声が聞こえたが無視してダッシュをする崇。

部室の奥が見えたので、駆け込む崇。

「セリオ先輩無事ですか!?」

そう叫びながら奥に到達した崇が見た物は・・・・・

メンテナンスのため素っ裸になって横たわるセリオの姿だった(笑)。

素っ裸とは上着も下着も身につけてないことを指す。

その状態のセリオが目の前にいた。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

暫しの沈黙

「ぶっは〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」

崇の断末魔の叫びが工作部部室にこだました(笑)。


それから暫くたち、崇が吹っ飛ばしたメンバーが奥にやってきた。

メンバーより一足早く来ていた誠治に向ってメンバーが口々に声を揃えて言った。

「部長!部室は無事ですか!?」

「誠治さん、工作機械は無事ですか!?」

「誠治さん、彼に殴られへんかったか!?」

「誠治さん、セリオさんに被害はありませんか!?」

どうやら誰も崇の心配はしていないようだ。当然である(笑)

「あぁ、みんな、僕は大丈夫だけど、部室と工作機械は結構重傷だな・・・。」

誠治のそのセリフが示すように部室と工作機械は重傷だった。

崇が放出した鼻血は部屋いっぱいに飛び散り、工作機械にも被害は及んでいた。

しかい、セリオの周辺にはまったく被害がないのはどういうことであろうか(笑)。

「でも、どうしてこんなに血が飛んでるんだ?彼がセリオ君にでも殴られたんだろうか?」

「あれ、誠治さん、彼の名前を聞いてないんですか?」

「あぁ、僕はまだ聞いてないよ、みんなは知ってるのかい?」

「はい、さっき名前を聞きましたので。彼は1年の陸奥崇君だそうです。」

「ほぅ、彼が?」

「はい、保健室騒動の彼だと思われます。」

「なるほどな、彼が陸奥君ならこの部屋の状況も納得いくな・・・。」

「そうやな、彼が陸奥崇本人やとしたら、これは鼻血のあとやろうからな。」

「そうか、分かった。後はとりあえず、彼を助けてからにしよう。」

誠治のしぐさでメンバーは崇の方を見てみた。

そこには鼻血の出しすぎで瀕死の状態に陥っている崇の姿があった・・・。(笑)

−−−−続−−−−

−−−+++−−−

うがぁ〜、またやってしまった〜。
またもや訳分からん話を書いてしまって申し訳ありません〜
こ、今度こそはまともな話を書くのでお許しください〜。

P.S 誠治さん、FENNEKさん、八希さん、勝手に出演させて申し訳ありません。
       ヘボヘボなLメモに登場させてしまって申し訳ないですm(_ _)m