Lメモ「鮮血の下着売り場」  投稿者:陸奥崇

「セ〜リオ先輩、一緒に帰ろう。」

いつもの如く崇は、セリオを迎えにきていた。

「・・・すみません陸奥さん。今日はちょっと大事な用事があるものですから。」

「あっ、そうなんですか何なら僕も付き合いますよけど?」

「すみません、今日はちょっと・・・。」

そういって横を向くセリオ。

その時わずかにセリオの顔が赤かったのを崇は見逃さなかった。

『おぃ今、セリオ先輩の顔赤くなかったか?』

『赤かったぞ、あれはきっと男だな』

『バカ野郎!セリオ先輩を疑うのか!!』

崇の心の中では天使と悪魔が議論していた。

『それじゃ、さっきの表情はどう説明するんだ?』

『・・・さっきのはあの日だからだ』

『バキっ』

崇は自分の顔を殴りつけた(笑)。

「?」

崇の行動の意味が分からずきょとんとするセリオ。

「陸奥さん、どうかしたのですか?」

「い、いや何でもないですよ。」

「・・そうですか。それでは今日はこの辺で失礼します。

陸奥さん、また明日お会いしましょうね。」

「うん、セリオ先輩バイバーイ。」


「さてセリオ先輩も帰っちゃったし、今日の放課後はどうしようかな〜」

などと呟いていると

『おい!セリオの行動が気にならないのか!?』

『そりゃ〜、気になるけどプライバシーに立ち入るのは好きじゃないし・・・。』

『な〜に、甘っちょろい事言ってんだよ!もし男関係だったらどうするんだ』

『うっ、だけど・・・僕はセリオ先輩の彼氏ってわけじゃないし』

『バカ野郎!彼氏じゃね〜からチェックが必要なんだろうが』

『・・・・・・・・・・なぁ?』

『どうした?』

『さっきから悪魔の僕ばっかり話してるけど天使の僕はどこにいったんだ?』

『天使のバカならさっきお前が殴り倒しただそうが』

『あっ、そういえばそうだった』

『というわけで五月蝿いのも寝てるわけだからセリオの後をつけようぜ!』

『あ〜もう分かった。確認したらすぐ帰るからな。』

『おっ、話せるじゃね〜か。それじゃさっさと行こうぜ』

『・・・はいはい。』

「はぁぁ、これじゃストーカーと変らないじゃないか」

何気なく呟く崇。

しかし彼は気づいていなかった。

既に周りの人達からはセリオのストーカーとして認識されていたことを(笑)。


「綾香先輩か・・・。」

セリオの後をつけながら崇はポツリと呟いた。

崇の15メートル程前を歩くセリオ。

そのセリオと一緒に前を歩くのは来栖川綾香であった。

『おぃ、悪魔の僕!』

『なんだ〜?』

『なんだじゃない、やっぱりセリオ先輩は男関係の用事なんかじゃないじゃないか』

『まぁ、そうみたいだな。それじゃ帰ろうぜ』

『そうだな、帰ろう。それとお前暫くは出てこなくていいからな』

『へいへい』

と心の中での戦闘に決着をつけた崇は家路につくことにした。

『ん?』

来た道を帰ろうとした崇に異様な光景が目についた。

何が異様かといえば綾香&セリオのペアから30メートル程離れた位置を

電柱の影に隠れながら移動する2人組みである。

普通に歩く時はこんな変な行動はしない。

少なくとも崇の頭にはそう記憶されていた。

『近頃はやりのストーカーってやつかな、誰を尾けてるんだ?』

そう思い前方を確認する崇。

しかし崇の前方には怪しい2人組みを除けば綾香&セリオペアしかいなかった。

『・・・え〜とするとあの2人組はセリオ先輩達を追いかけてるってことか?』

「なるほど〜、それならつじつまが合うぞ!って納得してる場合か〜!!

そう叫ぶと崇は怪しい2人組を尾けることにした。

そのため、綾香&セリオペアから30メートル後を怪しい2人組が、

その15メートル後ろを崇が尾けるといった、外から見れば非常に怪しい光景ができていた(笑)。


そうして後を尾けていくと綾香&セリオペアはとある有名百貨店に入っていった。

もちろん後を尾ける2人組。

『僕も入るか・・・。』

そうして崇も百貨店の中に入っていった。

百貨店の中は広く、人も多かったため2人組の後を尾けていた崇は見失ってしまった。

『しまったなぁ〜、この階にいるのは間違いないとしてどこに行ったんだ?』

『仕方ない、適当に探してまわるか・・・。』

崇が迷い込んだフロアは主に衣服関係を扱っている所だった。

『う〜ん、いないな〜。どこに行ったんだろう・・・』

と心の中で問答をしていた崇に見覚えがある後ろ姿が視界に飛び込んできた。

『あ、あれはさっきの怪しい2人組!』

その姿を確認すると崇は2人に近づいていった。

「なぁ、ハイドラントよ、綾香はどれを買うと思う?」

「それはもちろん白のシルクに決まってるだろう。」

「白のシルクか・・・・それも捨て難いが黒のレースも捨てがたと思うわんか?」

「うむ異議はないぞ、悠」

そう、この怪しい2人組はハイドラントと悠朔だった。

まぁ、この二人なら後を尾けていても不思議じゃないわな(笑)。

「うむ、何にしろ早く綾香の下着姿が見たいものだ。」

「そうだな、そのためストーカーまがいの事をしてまで付いてきたのだからな。」

・・・そこへ

「なぁ、そこの2人組!」

「ん?」

声のする方を振り替える2人。

そこには崇が立っていた。

「あんたらさっきから何コソコソ尾行してんだ?」

「どこの誰だかは知らんが答えてやろう、別に尾行していたわけじゃない

 ただ作戦遂行のために必要な行動だったからああいった行動をとったまでだ」

「そういうのはストーカーって言わないのか?」

「言わん!」

キッパリといい放つハイドラント。

「そ、そうなのか。」

「おい、ところでお前立ってると怪しまれる、座れ。」

「は、はい。」

何時の間にか丁寧口調になっている崇であった(笑)。

崇がハイドラントと悠朔の隣に腰かけた時後ろから聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「ねぇ、セリオ。こんなにどうかな?」

「綾香様でしたらきっと似合うと思います。」

「ふふっ、ありがと。」

「それじゃ、セリオはこれなんてどう?結構セクシーだけと思うけど?」

「はい、綾香様が選んでくれた物でしたら・・・。」

「それじゃ、ちょっと上から付けてみたら?私はもうちょっと選んでみるから。」

「はい、それではお先に。」

といった感じの会話が。

「あ、あの今のってセリオ先輩と綾香先輩ですよね?」

「当たり前だ。」

相変わらずキッパリと言ってくる。

「それで、彼女達は何をしてるんですか?」

「はぁ?そんなの下着を選んでるに決まってるだろうが。」

「し、下着ですか!?」

「ば、バカ声がデカイ!!」

しかし、時すでに遅く男3人組の後ろには殺気を纏った気配が生まれていた。

「ね〜ぇ?ハイド、ゆ〜さく?それに・・・・あら君は、陸奥君?」

「お、お久しぶりです、綾香先輩。」

「まぁ、君はあとでゆっくり聞くからいいわ。」

「それで、ハイド?、ゆ〜さく?ここで何してるのかな?」

「そ、それはたまたま通りかかったんだよな悠朔。」

「そう、たまたま通りかかったんだよなハイドラント。」

そう2人が言い訳した瞬間

『プチっ』

何かがキレル音がした。

「そんなわけあるわけないでしょ〜!ここは女子の下着売り場よ!

 あんた達また覗きにきたのね!、覚悟しなさい!!」

「うひ〜、お助け〜!!!」

「逃げるが勝ち!」

そういうが早いか、二人はダッシュで逃げ出した。

しかし奮闘虚しく綾香に捕まりボコボコにされてしまった(笑)。

「はぐ、うげ、ぐひゃ〜!!」

「今回は徹底的にやってやるから覚悟してないさよ!ハイド!ゆ〜さく!」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

『ヤバイ、あんな状態の綾香先輩に捕まったらただじゃ済まないぞ・・・。』

そうして崇が考えた結論は

『・・・隠れよう』

そう決心すると崇は試着室に身を潜めた。

『やれやれ、綾香先輩があんなに恐かったとは予想外だったな』

「・・・・あの。」

『まぁ、ここにいる分には問題ないか、綾香先輩が静まるまで隠れていよう』

「・・・・陸奥さん。」

『ん?何だかさっきからセリオ先輩の声が聞こえるぞ?』

「陸奥さん?」

『なんだか後ろから声が聞こえるぞ、・・・って後ろから!?』

がばっと後ろを振り替える崇。

そこには着替えの途中だったため裸体が露になったセリオの姿があった(笑)。

「・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・」

気まずい雰囲気が試着室を包み込んだ。

どこからかカウントダウンが聞こえてくる。

5・4・3・2・1・0

「ぶっは〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!」

『ばさっ』

崇が放出した瞬間セリオはバックから傘を取り出して鼻血を防いだ。

器用なものである(笑)。


「・・・・あれ、セリオ先輩?」

再び目を覚ましたとき崇はセリオの膝の上だった。

「あぁ、またやっちゃったんですね。」

「はい。」

「あれ、ここは?」

「百貨店の屋上です。」

「そいえば綾香先輩はどうしたんですか?」

「綾香様ならハイドラントさんと悠朔さんを引っ張って先にお帰りになりました。」

「そっか・・・。」

「ねぇ、セリオ先輩、どうして今日誘ってくれなかったの?」

「・・・それは、あの、その・・・。」

少し顔を赤らめながらうろたえるセリオ。

『随分人間らしくなったね、セリオ先輩』

心の中で呟く崇。

「ん、それじゃ帰ろうか、セリオ先輩。」

「はい、帰りましょう」

そうして僕とセリオ先輩は百貨店の屋上を後にした・・・。

−−−−終−−−−


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はい、さっきの超駄作から全然違う作品を書いてみました(笑)。
今回の作品はどうでしょうか?全然ツマランという方は申し訳ありません。
次はもっと頑張りますのでどうかごご勘弁を(^_^;
今回のコンセプトは異性を意識した友達です。
まぁ、作者も特に考えないで書いたので読者の方に伝わるかは甚だ疑問ですが
僕的には結構良かったと思います。
まだまだ下手なんで他の方は駄目駄目だと思われるかもしれませんが
これからも頑張って書きますので見捨てないでくださいね。
それでは次回作でお会いしましょう。
ではでは〜