Lメモファンタジアシュミレーション「鬼畜王ハイドラント序章」 投稿者:陸奥崇



-----------------プロローグ------------------


大陸・・・・・。


・・・そう一つの大陸がある。


・・・パチモン?


YES!!


・・・ギャグは?


・・・次回からね。


・・・りょーかい。


その大陸はリーフ。
来栖川王国・HM帝国・柏木国これら3つの国と
各地の小都市で成り立つ大陸である。
遥かなる過去の時代より繰り返された戦乱により、
人類は戦争の愚かさを知り国家間では同盟が結ばれ平和な時が流れていた。
そして戦争終了から50年目を迎える今日、HM暦1313年4月17日。
後の世に「ダーク大戦」と呼ばれる戦いが幕を開けた・・・・。


来栖川城の地下で数百名単位の人間が終結している。
皆一様に黒い装束に身を包み、顔フードで隠されているので見ることはできない。
よく物語などに出てくるアサシンスタイルを考えてもらえば分かるだろう。

「……よし、今から作戦を開始する。第1から第3までの各班は作戦通り
外界との連絡を全て封鎖しろ。第4から第6までの各班は私に続け、プリンセス2人を捕獲する。」
「……了解。」
「……了解。」

リーダー格の男が命令をだし、行動を始める。
この時より数時間後、来栖川王国は崩壊することになる……。


             
Lメモファンタジアシュミレーション「鬼畜王ハイドラント序章」

場所は変わりここはHM帝国。
女王マルチが治める国家である。
大陸一広大な土地と豊富な資源、そして技術力を持ち合わせた大国である。
比較的寒冷な気候のため食料資源などはあまり取れないが
温暖で食料資源が豊かな来栖川王国との貿易により
高い経済力を誇る国となっていた。
HM帝国の特徴としてHMに対しての他国との待遇の違いが挙げられる。
元々人間に仕えるために作られたHM=ヒューマニズム・メイドロボは
最低階級である従属階級に属する場合が多い。
しかし、ここHM帝国ではHMに対しての待遇が普通の一般市民と同じになっている。
女王がHMのマルチであることで理解いただけるだろう。
この国は女王こそマルチであるが実際の政治的な手腕は
元帥でありマルチのパートナーであるセリス、宰相セリオによって行われていた。

「おはようございます、マルチさん、セリスさん。」
執務室に赴いたセリオはそこにいた者に声をこけた。
「あ、おはようございます〜、セリオさん。」
「おはようございます、セリオさん。」
「本日は戦争終結50年目の催しが午後からありますので、お二人とも準備していてくださいね。」
「はぁ〜い」
「僕の方の準備は万端ですよ。」
などと話していたときだった。
廊下の方よりドタバタと騒がしい音が聞こえたかと思うと『ドカン!』とドアが開けられた。

「た、大変です!女王、元帥、宰相、今すぐ会議室にお集まり下さい。」
そう言って飛びこんで来たのは陸奥崇。
HM帝国の特使を務め、宰相を助けるセリオの右腕的な男だ。
「どうしたのですか崇さん?」
「とにかく会議室に早く、説明はあちらで致します。」
陸奥の誘導で向かった会議室には武将達がズラリと並んでおり、ただ事ではない雰囲気が漂っていた。
「それで、一体どうしたのですか?陸奥君。」
セリスが崇にむけて問う。
「先程、来栖川王国から書状が届きました。
 その中に来栖川王国が各国にむけて宣戦布告をするとの事が書かれていたのです……。」

「なっ!?」
会議室の中に緊張感が走る。
「詳しくは中に同梱されていたこちらのVTRをご覧下さい。」
『うぃぃん………』
会議室の緊張がさらに高まる。
そして画面に映像が浮かび出す。
「ごくっ……。」

そこには一人の黒服を着ていた男が映し出された。
「えっ!?もうカメラ回ってるんですか、ど、導師、どうしましょう!?
 って、ぷぷっ、どうですか導師?」

『ずべらっしゃ!』
VTRを見ていた者達全てが机ごとぶっ倒れた。
「な、なんだこいつは!?」
その場にいたもの全てが心底疲れた様子で立ちあがる。
ある意味宣戦布告よりダメージを受けたようだ。
「こ、ここは飛ばしてください、後ろに主犯の声明が載ってるはずですので。」
・・・しかし出てきたのは。

「はい、葛田さん、少し黙っててくださいね〜。」
そう言って出てきたのは可愛らしい女の子であった。
年でいえば17歳ほどであろうか。
「はい、こちら王城封鎖第3班のたけるです!こちらの仕事は完了しました。
 プリンセス確保の第6班の方そちらはどうですか〜?」
「こちら第6班です。
 ただ今導師がプリンセス二人とお話してるので少々お待ちください。」

そこから導師と呼ばれた男と来栖川王国のプリンセス芹香と綾香が映し出される。
そこでは。
「ちょっと!ハイド、どうしてあんたこんなことするのよ!?」
「おぉ、綾香久しぶりだな、元気にしてたか?」
「これは何のつもり?昔みたいに下着盗んだけどパンチ3発でごめんなさい
 っていうのと訳が違うわよ。」
「えぇい、黙れ、昔の事は言うな!」
「他にもあるわよ、私が13歳になった時、
『お前は今が一番美しい、さぁ、私のものになれ!』とか言って襲われそうにもなったし。」
「あの時襲ったのは後悔してないぞ、成功しなくて「ひじょ〜〜〜に残念だったがな。」
「……変わってないわね、昔宮廷魔術師として働いていた頃と。」
「その話はやめろ、何故こんな事をすると聞いたな。
 ………私はこれから各国に対して宣戦を布告する。」
「なっ!?戦争を始める気なの!?」
「そうだ、HM帝国・柏木国・自由都市これら全てに対して戦をはじめる。」
「何を言ってるの勝てるわけないでしょ、全ての国を敵に回すだなんて。」
「そうかな?我々ダーク13使徒だけでも国を落とすことはできる。
 自分達がやられたというのにもう忘れたのか?」
「………」
「それにこの国自慢の近衛兵団「風紀委員」情報収集のエキスパート「情報特捜部」
ナノテクノロジーの最先端「工作部」これらを使えば十分勝つことなど可能だ。」
「何を言ってるの、彼らは国に対して忠誠を誓ってるのよ。
 あなたがこの国を乗っ取るというのなら反乱を起こすに決まってるわ。」
「ふっ、だからこそお前達プリンセス2人を人質に取ったのだ。
 お前達を盾にすればやつらも反抗はできまい。」
「……ハイド。」
「私はこれから終結50年記念の祭事で宣戦を布告する。
 無駄な抵抗はやめることだ、無用な犠牲を出したくないのであればな。」
そう言って綾香から離れて歩き出すハイドラント。
映像はここで消えていた。

「なるほどな、このVTRを送ってきた理由は
 来栖川のプリンセスは自分の手中にあるということを知らせるためだったのだな。」
「どうしてそんなことを知らせる必要があるのですか、黙っていた方が得策であっても
 損をすることないはずですが?」
この国のHM精鋭部隊「来栖川警備保障」の責任者へーのき=つかさが問答した。
「自分で知らせてしまえば反抗の糸口を潰せるってことですね。」
セリスの隣に座っていた崇が発言する。
「どういう事です?」
「自分で来栖川の姫様達を人質にとっていると言ってしまえば他国に内情を知られ
 真実の情報を流され反抗グループを作られることが無くなるということです。
 最初から人質に取られている事が分かれば下手にテロなどもできないですし
 敵の目標もはっきりしているので警備もしやすいでしょう。」
「それと我々に対する威嚇でもある。」
「威嚇ですか?」
今度は魔法のエキスパート「オカルト研究会」の代表、雪智波が問うた。
「あぁ、大陸一と称される来栖川王国の近衛兵団「風紀委員会」を持ってしても
ヤツらの犯行を防げなかったんだ。
やる気になればお前達の国だって即座に乗っ取れるということだろう。」
「くそっ、なめやがって!。」
HM帝国最強の戦闘集団「ジャッジ」のリーダー岩下信の体から怒りの赤い炎が噴出す。
「落ち着け岩下。我々の国はそんなに脆いものではない。」

「とにかくだ、暫くは情報収集を中心にすることになるだろう。
 それで宜しいですか、女王陛下?」
「はい、セリスさんの言ったことでいいと思います〜。」
マルチの一言でぎしぎしとした会議室が和んだ雰囲気になる。
彼女には優れた政治的手腕も卓越した戦闘力も無かったが皆を安心させる優しさがあった。
「それじゃ、セリオ、陸奥、岩下、へーのき、智波を除いたものは通常勤務に戻ってくれ。
 近いうちに戦争が始まるだろうから訓練も気を抜かないように。
 では、解散!」

そうしてHM帝国で会議が始まった頃、来栖川王国では戦争終結50年記念の催しが
始まろうとしていた。
「それでは戦争終結50年目のご挨拶を芹香姫お願いします。」
司会らしき男の言葉に反応して城の周りに集合した群衆は拍手を始める。
しかし、テラスに現れたのはドレスに身を包んだ芹香ではなく
黒服に身を包んだ男であった。
「誰だ、あれ?」
「さぁ、あんな男知らんぞ?」
「おぃ!お前引っ込め〜。」
「そうだ、引っ込め〜。」
周りの群衆から罵声が浴びせられる。
しかし黒服の男ハイドラントはさして気にした様子もなく群集を見下ろしていた。
そして口を開く。
「我が名ハイドラント。
 本日をもって来栖川両姫、そして来栖川城を占拠した!」
「なっ!?」
『ざわざわ』
今のハイドラントの発言で民衆に動揺が走る。
「ふざけるな!貴様などに来栖川王家が占領などされるはずないだろうが!」
「そうだ、ハッタリ言うな!」
『ふっ、愚民どもはすぐこれだ』
「そういうセリフはこれを見てから言うことだな。」
すると口には猿轡をかまされ、後ろ手を縛られた来栖川姉妹が前に出された。
「そ、そんな……。」
「芹香様……。」
「綾香様……。」
「これで分かったか、今から私が国王としてありがたいお言葉を言うからしっかり聞けよ。」
「・・・・・」

「全ての可愛い13歳の女の子とクソゲーは私の物だ。!
 というわけでそれらを求めてこの国は他国に宣戦布告するぞ。
 わははははははっ!。」

「・・・・・・・・・・」
この中継を見ていた来栖川王国の者は
『こ、こんなバカが国王!?ま、マジかぁぁぁぁ!?』
と精神的病気に犯される者が9割を超え、国力8割ダウン。
来栖川姉妹を人質に取ったものの、「風紀委員」「情報特捜部」「工作部」以外の軍が離反。
いきなり戦力が4:6ほどになる。

そして他国の者はハイドラントのバカさ加減に士気9割ダウン。
「……ねぇ、セリスさん、VTR送ってきたのって何にも考えてなかったんじゃないですか?」
「お、俺もそんな気がする……。」
マジメに宣戦布告するであろうと思って緊張してTVを見ていたHM帝国の面々も
意味が分かっていないマルチとポーカーフェイスなセリオ以外、皆机に突っ伏して頭を抱えていた。


こうして衝撃のハイドラントの宣戦布告から
平和だったリーフに戦乱と欲望とギャグの嵐が吹き荒れる事になる……………。


------------プロローグ完----------------


-----次回予告-----

いきなり戦力が激減してハイドラント大ピンチ!
しかも自由部活連合・柏木国も来栖川王国を救おうと戦力を整えはじめた。
さぁどうするハイドラント!?
第1話でゲームオーバーか?それともなんとか生き延びるのか?
死んでも骨は拾ってやるぞ!さぁ、これで安心だ!
死ぬ気で頑張れ!僕らの鬼畜王ハイドラント!



-----後書き-----

いや〜、疲れました(笑)。
前半と後半のギャップが激しすぎですねぇ〜。
まぁ、今回は国占領ということで仕方なく前半がシリアスだらけになってしましましたが
もうこれだけシリアスが続くこともないでしょう(笑)
次回からは後半のノリが主流になります。
先はすんげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ長いですが、
できるだけギャグとシリアスを混ぜたバランスがいい作品にしたいと思っていますので
どうか応援宜しくお願します。
それでは!