Lメモ・今回は何だろね番外編「雪の降る中で」 後編 投稿者:西山英志
 ――十日前。
 英志は、その夜の路地裏で足を止めた。
 寒さで少し赤くなった、鼻腔を僅かにくすぐる匂いがあった。
 ……血臭。
 暫く、立ち止まっていた英志は辺りに視線を巡らせて、人影がいないことを確認すると
その路地に足を踏み入れた。
 歩を進める毎に、匂いが濃くなってくる。
(……近いな)
 空気の密度が高くなる。
 知らない内に、英志は走り出していた。
 音が聞こえていた。
 金属を打ち合うような音、だ。
 キィンッ!
 キィンッ!
 凛とした音色が、殷々と響く。
(……!?)
 英志の足が、止まる。
 目の前がひらけて、小さな広場が見えた。
 そこに二つの影が、あった。
 ひとりは、その髪が蛇になり虚ろな瞳をした大学生風な男。
 間違いなく英志が追っていたモノ――『メデューサ』だ。
 もうひとりは、少女だった。
 年の頃ならば、英志と同い年だろうか。
 この街にある高校の制服を着ていた。英志もこの街に来て、その制服をきた少女達の姿
を見ていたので直ぐにその少女が高校生だと分かった。
 髪の長い少女、だ。
 首の後ろ辺りで結ばれているが、長すぎて乱れているストレートヘアが美しくも謎めい
た雰囲気がある。
 その顔には静かな、そして表情を忘れたかの様な美貌があった。
 怒っているでもなく、悩んでいるのでもない。ただ、何かを追う様な表情だ。
 英志の視線はその顔にではなく、その左手に握られたモノに注がれていた。
 剣を、握っていたのだ。
 少女によく似合った、細身の剣が。
「シャアアアアアアアアアアアアァァァッッ!!」
 男――『メデューサ』の叫びがあがって、同時に蛇蔦が少女に向かって疾る。
「――!」
 少女の身体が、ゆらり、と動き。素早く、左手の剣が閃く。
 その一閃で蛇蔦達が斬り落とされて、地面に落ちた。
 大したモノだ。
 英志は少女の剣技に、感嘆した。
 再び、蛇蔦達が襲う。
 再び、少女の剣が舞う。
「………ぐっ!」
 少女の声。
 その左腕に蛇蔦が、絡み付いていた。
 少女の動きが、止まった瞬間。
「シャアアアアアアアアアアアアァァァァッッ!!」
 『メデューサ』が地を蹴って、襲い掛かる。
 同時に。
「――『舞葉』!!」
 その叫び声と共に、少女の腕に絡み付いた蛇蔦が、切り裂かれ。
 ドグッッ!!
「ゲガァァアアアアアアアアァァァッッ」
 『メデューサ』に英志のハイキックが、クリーンヒットする。
 そのまま、勢い余って『メデューサ』の身体がコンクリートの壁に激突した。
 首が奇妙な角度に、曲がる。
 だがその身体は地に崩れずに、のろりのろり、と起き上がってきた。
「……やっぱり生半可な攻撃では、無理か」
 そう呟いた、英志の背中に、
「……………誰?」
 少女の声が、聞こえた。
 声に首だけを傾けて、英志は。
「俺は西山英志――アレを追う者だ」
 と、『メデューサ』を指差して言った。


 学園カフェテリア。
 そこの窓際のテーブルでRuneは力無く突っ伏していた。
 眠っている訳、ではない。
 その証拠に、
 ぐるるるるるるるるるるるるるるる………。
 随分と大きな腹の虫が、鳴いていた。
 Runeは余りの空腹感に溜息をつきそうになるが、ソレすらも体力を消耗しそうなの
で止める事にした。
「Runeさん、お腹空いているのかな? お腹が空くと力も出ないし、イライラするし
Runeさんがイライラしたらカフェテリアを破壊するかも知れないし、そしたらもの凄
く痛いだろうし、どーしよ電芹〜っ!?」
「落ち着いて下さい、たけるさん」
 カフェテリアの名物ウェイトレス・川越たけると電芹の会話を聞きながら、Runeは
のろのろ、とテーブルにある塩の入った瓶に手を伸ばす。
(……暫くはコレで飢えをしのぐか)
 などと、少し悲観的な考えを頭に巡らせていると。
 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドド……。
 少し乱暴な足音が、響いて。
「Runeっ! いるかっっ!!」
 扉を踏み倒すという少し乱暴な開け方で、英志がカフェテリアに飛び込んできた。
「あれぇ? 西山さんいらっしゃい。何にします?」
「……扉は弁償して下さいね」
 相変わらずのんびりした、たけるの声と、冷静な電芹の声が英志を出迎える。
「ああ、悪い。今はのんびりとしていられないんだ。………Runeっ、ちょっと付き合
え!!」
「………何でだ?」
 少しむくれた様な、Runeの返事。
 瞳は不貞不貞しい色を湛えている。
 そんなRuneの襟首を無理矢理掴んで、英志は電芹の方へと振り向き、
「……悪いが貸して貰いたいモノがあるんだ」
 と、言った。

 校庭では、緒方英二ときたみちもどるが理奈――『メデューサ』と一進一退の攻防を繰
り広げていた。
 蛇蔦が英二に疾れば、英二は素早く斬り。
 英二がナイフを投げれば、蛇蔦が叩き落とす。
 きたみちの身体が理奈に近付けば、蛇蔦達は溶解液を吐き出して足を止める。
 どちらとも、決定的な攻撃が出来ないでいた。
(『二十分――いや、十五分でいい。ヤツの足を止めておいてくれ。考えがある』)
 英志はそう言って、校舎に向かっていった。
 あれから、五分が経過している。
「――ったく、まだなのか?」
 ぜえぜえ、と息を喘ぎながら、きたみちがひとりごちる。
「今は、信じるしかあるまい……」
 英二の方は呼吸も乱さずにいるが、動きに少し精彩を欠いていた。
 ――残り時間、あと十分。


 ――再び、十日前。
 英志の手刀と、少女の剣が何百回目かの閃きを見せる。
 冷たい地面に蛇葛が落ち、のたうつ。
「………ったく、キリがないな」
「………」
 乱れかけていた呼吸を、再び落ち着かせて目の前の『メデューサ』を睨み付ける。
 相手はまるで疲れていない――外見上はであるが――風に見えた。
「何とか……ヤツの動きが鈍れば……勝機もあるんだが……」
「………何とか、できるの?」
 涼やかな、声。
 感情がない筈なのに、不思議と心地よい声、だった。
 その声に驚いた様に、英志は少女の方へ振り向く。
 少女はただ、静かに英志を見つめていた。
「………何とか、できるの?」
 少女がもう一度、問う。
「あっ、ああ………一瞬の隙があれば」
 相手の後ろに回り込んで、『核』を潰すことは可能だ。
「………そう」
 少女はそう言うと、その静かな瞳を夜空に向ける。
 街の光が眩しいのか、星の光が見えない夜空に目を凝らす。
 蛇葛が、再び疾った。
 英志と少女は同時に跳び、蛇葛は足下の地面に穴を穿つ。
 ――その時。
「………来るわ」
「………えっ?」
 少女の声に、英志が訊く。
 少女の視線は遙か上空――やがて来る見えない小さな光を見ていた。


「……んな事、無理に決まっている」
 Runeは即答した。
「無理は承知の上だ。――お前にしか出来ない事なんだ」
「俺にだって出来ない事は、あるんだ」
 Runeはそう言って、冷たい風を吹かせる紺碧の空を忌々しげに睨んだ。
 英志とRuneは、学園校舎『エディフェル』の屋上にいた。
 Runeの白いコートが、はためく。
「俺じゃなくても出来るだろ。………例えば、賢治学園長とか、さ」
 そう言うと、Runeは英志に背を向けて、階段に続く重い鉄の扉へと向かう。
 ――ひょう……。
 風が、吹いた。
「…………『白刃の後継』」
 ボソリと呟いた英志のその言葉に、ノブを握っていたRuneの手が止まる。
「なぜ………それを……?」
 動揺を押し殺した声。
 Runeは、振り向かずにその言葉を吐き出す。
「これは………お前でなければ、出来ないんだ………」
「…………」
「かつて『塔』でそう呼ばれた者………柏木賢治の『後継』………」
 Runeの瞳は、鉄の扉を見ていない。――いや、何も映していなかった。
「お前は、そうやって……独りで悩んで……独りで決めて……独りで決着をつけるつもり
なのか……」
「……俺には、荷が重すぎたんだ」
 自嘲の笑みが、浮かんだ。
「では、お前は………今も……そして『これから』も……『白刃の後継』のままだ」
「違うっ!! ………俺は」
 振り向いて、英志を睨み付ける。少し伸びた前髪が、はらり、と目に掛かった。
「………俺は………」
 それ以上、言葉が続かない。……続けることが出来ない。
「全てを自分の責任だと思うな………まだ見えぬ、未来のことで悩むな……」
 静かに、英志が歩み寄る。
「……まず、目の前のことを考えろ。自分が出来ることを」
 そして、Runeの掌に包みを置く。
「……自分が成すべきことを」
「…………俺は……お前の期待には応えられないかも、しれないぜ」
「俺は、お前を信じている」
 Runeは顔を上げて、英志を見る。
「それだけだ。……だから、お前に頼むのさ………『Rune』」
 その言葉を残して、英志は後ろの鉄の扉の向こうに消えた。
 口元には、笑みを浮かべて。
「…………………」
 暫しの、沈黙の後。
「…………ったく」
 Runeは、ゆっくりと歩き出す。
 屋上の中央へ。
 すうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっっ…………。
 長く、息を吸う。
 はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ…………。
 そして、長く息を吐く。
 冷たい空気を吸い込んで、その冷たさが思考を鋭敏なものにする。
 昔、よくやった訓練法だ。
 何時、どんな時でも、どんな状況でも、素早く、正確に『構成』を編む為の。
 魔術の『構成』を頭の中に、描く。
 今回の『構成』は早さを競うものではないので、ゆっくりと描く。
 かなり、複雑に。――自分の魔術の知識を使って、アレンジする。
 Runeの右腕があがる。蒼い空に向けて。
 その掌には英志が渡した包みがあった。
 重さにして、一キロ弱。
 魔術が――完成する。
 後は、ただ言葉を紡げば良いのだ。

「我は踊る――」

 ありったけの声、で。

「――鬼の楼閣っっっ!!」

 叫んだのは、転移の魔術だ。
 転移させるのは、この掌にある包み。
 魔術で質量を無くして、絶対的な加速を与える。
 一瞬で掌の包みが、掻き消えた。
(――会心の出来だ!)
 Runeは、微笑んだ。
 ――残りあと、五分。


 きたみちもどるの横面に鈍い衝撃が、疾った。
「ぐあっっ!」
 地面に転がる。
 蛇蔦達が、そこに襲い掛かろうとしたが、
「――飛龍閃っっ!!」
 きたみちの逆刃刀が弾丸の様に飛び、蛇蔦の頭を叩き潰す。
「――大丈夫かっ?!」
 緒方英二が、駆け寄ってきた。
「………なんとか」
 そう言って、べっ、と血混じりの唾を吐く。
 ――その時。
「…………!?」
「…………!?」
 きたみちと英二は同時に空を見上げた。
 二人の視線の向こうには、空があった。
 そして、空と二人の視線の間に小さな光が、現れた。
 とても、小さな。
 とても、冷たい。
 とても、美しい。
 白い結晶、が。
「……これは」
「…………雪?」
 雪が降ってきた。
 白い結晶が目の前の視界を埋め尽くすように、降りてくる。
 静かな、天の沈黙の降臨に、英二もきたみちも声を無くしていた。
「馬鹿な………こんな季節に、こんな大量の雪が……」
「………?! おいっ、見ろっ!!」
 英二の声に、きたみちは視線を向ける。
 ギッギギギギ、ギギギ、ギギギギ…………。
 苦悶の叫びが、聞こえていた。
 目の前の『メデューサ』の口から。
 天からの雪が、その身体に触れる度に、呻く。
「何をしているっ!! きたみちっ! 今だっ!!」
 校舎の窓から、英志が叫ぶ。
 その声に弾かれる様に、きたみちの身体が疾った。
 きたみちに気付いて、蛇葛達も疾る。
 しかしその動きは先程のモノとは違い、緩慢な動きだった。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっ!!!」
 きたみちが、跳ぶ。
 蛇葛が、きたみちに襲い掛かる。
 ――ぐんっっ、
 と、きたみちの身体が空中で旋回して、蛇葛を躱わした。
 逆刃刀の鯉口が、鞘鳴りの音をたてる。

「飛天御剣流・龍巻閃!――『旋』!!」

 飛嚥の如き剣速が、閃いて。
「ギオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!」
 『メデューサ』の断末魔と、共に。
 きたみちの刃が『核』を貫いた。


 ――再び、十日前。
 空には雪が、降っていた。
 小さな路地裏にある、小さな広場で英志と少女は立ち尽くしていた。
 その足下には、『メデューサ』の屍体がある。
 英志の蹴りと少女の剣が、同時に『核』潰して倒したのだ。
「…………なるほどな」
 英志の口元に、笑みが浮かぶ。
「『メデューサ』とはいえ、元は爬虫類だから。………寒さに弱いってことか」
 魔物はこの世界では単体で現出は出来ない。ある程度この『世界』での生物の形を借り
なければ生息は不可能。つまり、『メデューサ』はこの『世界』現出するために蛇――爬
虫類の生態を借りなければならなかったのだ。
 しかし。
「………雪が降る、って分かっていたのか?」
 英志は少女に、訊いた。
 こくり、と小さく肯いて少女は英志を見つめた。
「………貴方は………人間じゃないわね」
「…………ああ」
 二人の間に、僅かな緊張が疾った。
 しかし、それも直ぐに霧散した。
 少なくとも敵では無い者、と判断したからだろう。
 そして、二人は再び視線を天から降る雪に向ける。
「………綺麗、だな」
「………ええ」
「……なぜ、君はアイツ――『メデューサ』と闘っていたんだい?」
「…………」
 英志の質問に、少女は暫くの逡巡の後。
「………私は魔物を討つ者だから」
 と、それだけ呟いた。
 淡々と、感情の色などを一切見せずに。
「………そうか」
 と、英志もそれだけ呟いた。
 再び、沈黙。
 少女は、暫くして剣を納めると背を向けて、歩き出した。
「……………名前……聞いても良いか?」
 その背中に、英志は尋ねる。
 少女の歩みが、止まった。
 白い雪は更に数を増して、視界を覆う。
「……………」
「……………」
「………………まい」
「……えっ?」
「……『舞』よ。それが私の名前」
 少女――舞は振り向きもせずに、一言自分の名前を言うと再び歩き出す。
 その背中を、英志は見えなくなるまで見つめ続けていた。
 まだ、雪は降り続いていた。


「…………くっ、まさか。この作戦が失敗するとは」
 そう言いながら、Tasの姿をした男は学園内の森の中を走っていた。
 素早く、アフロのカツラを外してその顔を、つるり、と撫でると其処には無表情な白い
仮面が現れた。その仮面の奥には明らかに人間とは違う瞳の色が、宿っている。
「……この学園の奴らを甘く見ていたのが、敗因だな。…………しかし」
 仮面の男の声がくぐもる。
 嗤っているのだ。……静かに、だが正気とは思えぬ、嗤いで。
 そして、足を止めてその足下から見える学園を見下ろす。
「………次に会うときこそ、我らが勝利の美酒を飲む時……」
「……いや、次は………無い」
 突然。
 仮面の男の後ろで、声が響いた。
「!!!」
 振り向くと、其処には男が立っていた。
 黒いコートを着た中年の男が。
「キッ、貴様は………『黒き…」
「……『哭嘴よ』」
 ボンッッ!!
 黒コートの男が呟いた『魔法』で仮面の男の身体が、塵になる。
 叫び声も、断末魔も無く、呆気なく仮面の男は死んだ。
 黒コートの男は、まるで始めから其処に何も無かった様に、その場所を見つめて。
 静かに、背を向けて歩き出した。

「一体、何が、どうなっているんだ?」
 緒方理奈を第二保健室に運び終わって、きたみちもどると緒方英二は英志と向かい合っ
ていた。
 となりの病室では、保険医の相田響子が理奈をベッドに寝かせて、治療をしている。
 理奈の容態は響子の診察で、大したことが無い事が分かると三人は大きく胸を撫で下ろ
した。発見が早かったのと、『メデューサ』の成長が思いのほか遅かったのが幸いしたの
だろう。
「………緒方先生は何をしたのか……分かりますか?」
「……ああ、大体は」
 英志の問いに英二は、穏やかな笑みで応えた。
「???………説明して貰えますか?」
 まだ、状況を理解できていない、きたみちが聞くと英二は口を開き始めた。
「………つまり、だ。英志くんは人為的に雪を降らせたんだよ」
「え?」
「小さな結晶体――例えば塩の結晶とかを――成層圏辺りまで運ぶとその結晶体は重力に
引かれて落ちる間に、大気中の水分と結合して落下するんだ。――このとき外気が氷点下
以下であれば、その水滴は雪の結晶に凝結するんだよ」
「じゃあ…………」
 きたみちの言葉に英志も肯く。
「そう、カフェテリアの厨房から塩を借りてきて、Runeに頼んで転移魔術で成層圏ま
で運んでもらったんだ」
「………よくそんな考えが浮かぶな」
 きたみちの素直な感想に、英志はただ苦笑で応えるしか無かった。
「………昔、ある魔術士がやったことを、真似しただけさ」
 そう言って、英志はまだ大粒の雪が降る窓の外へ、視線を向けた。
(…………舞、か……不思議なひと、だったな)
 今見ている雪の様に、冷たくて、綺麗で、儚げなひと。
(……いつかは)
 いつかは、あの顔に笑顔が戻って欲しい。
 英志は、何時しかそう思っていた。
 その時、
 コンコン。
 少し、控えめなノックの音が聞こえた。
「はい、どうぞ」
 響子の返事に応えて、人影が入室してきた。
 柏木楓、であった。
「……………楓」
 それ以上、英志は声が出なかった。
 英志の姿を見つけると、楓もにっこりと暖かい微笑みを浮かべる。
「……おかえりなさい」
「………ああ、ただいま」
 ただ、それだけで心が暖かくなっていくのを感じる。
 ――春は、もうすぐそこまで来ていた。

「………………」
「………………」
「………………」
「………………そーいえば、何か忘れているような………?」

 一方、その頃。校舎の一角では………。
「OH! ワタシの事全然忘れていまス〜〜!!!」
 本物のTasがまだ地面に埋まっていたりする。
「HAHAHA!! サーテ、雪も降ってきまシタ。このママだと凍ってしまいマース!
OH! ガッデム! 誰カ〜〜!!!」
「あーっ、何か埋まっているよ」
「あっ、アフロだ、アフロだっ!!」
「顔に落書きしちゃえ〜」
「顔が黒いから、お白粉塗っちゃお〜」
「つんつん、アフロって燃えるのかな??」
 あらら、初等部のチビッ子とヒメカワ星人に見つかってしまいましたね。
「何を悠長ナことを〜〜っっ!! HELP ME〜〜っっっ!!!」


<後日談 その一>
 その後、この雪は一週間以上も降り、学園始まって以来の最大積雪量を記録する。
 尚、この雪を降らせた西山英志とRuneは、反省室にて「ちーちゃん特製フルコース
の刑」に処せられた模様。
 合掌。

<後日談 その二>
 更に一週間後、雪が溶けて、地面より新緑の若葉と共にアフロ茸=Tasも発見。
 二週間近くも埋められていたのに、本人は相変わらずハイテンションのこと。

<後日談 その三>
 その後、緒方理奈。森川由崎の両名はアフロ同盟を脱退。
 尚、脱退の時のコメントは、
「私達、普通の女の子に戻ります」(BYキャンディーズ)だったとかなんとか。

 どっとはらい。


                                  <了>


   あとがき〜又の名を戯れ言。

さてさて。
なんだか、もの凄く長くなってしまいました。久しぶりのLメモVSアフロ編でございま
す。おっかしいよなぁ〜、本当は何も考えんでいい、ドタバタコメディにする予定だった
のに。(苦笑)
えーと、あと今回ゲストキャラとして登場している『舞』さんですが、元ネタは…………
直ぐに分かりますよね。そうです、例のゲームソフトのヒロインの一人です。(笑)
発売が、なんかまた伸びてしまったんですよね〜、たしか。はふぅ……。
あっ、あと理奈先生のアフロ同盟参入は『反対』一票です、私。

それから、今回登場していただいたTasさん、きたみちもどるさん、Runeさんどう
もスミマセンでした〜。リベンジはLメモで受け付けますので。(苦笑)

後は、感想とかも書きたいんですけど、余りにも沢山あるので申し訳ありませんが今回は
パスさせて下さい。イヤまじで。

んでは、次回のLメモは多分早いと思いますので〜っっ!!