スランプの時に『Lメモ』(笑) 投稿者:西山英志
   Lメモ〜長野オリンピックがんばれ日本番外編「Lメモ〜WINTER−HEAT!」


 2月某日。
 日本のほぼ中央に位置する長野県では、日本では三度目のオリンピックが開催されていた。
 日本国民の熱い声援が、響いていた。
 一方。
 日本かどうか存在すら怪しい地方都市、隆山市。
 そのほぼ中央に位置する、巨大学園私立Leaf学園。
 学園では『Leaf冬季オリンピック』が開かれていた。
 此処でも、別の意味で『熱い』声援が響いていた。
 今、熱く、そして煩悩の祭典が始まろうとしていた。

 開会式。
 聖火の入場と共に『第九』の合唱が広場を包む。
 長野オリンピックの開会式と、同じ様に。
 何故か、その後ろでは紫色と赤色の人型最終決戦兵器が、闘っていた。
 作者の趣味、丸出しである。

「はぁーい!、ボロネーゼ・志保でーすっ」
「・・・・・・カルボナーラ・琴音です」
「二人、合わせて・・・・・」
「あの・・・ピンクレディです」
「なんでやねん!! ベシッ!!」
 こちらは、Leaf学園の放送室。
 N○KやC○Nすら凌ぐという、放送設備を備えている。
 此処で、学園の各場所で行われている『競技』を中継する事が出来るのだ。
「・・・・・・ちょっと」
 はい?
「この冬季オリンピックの司会は、この学園のアイドル・志保ちゃんよっ!」
「・・・・・・あ、あの、私達が進行しますので・・・・・」
 あー、はいはい。それじゃあ、琴音ちゃん、お願いね。
「・・・・・・さてと、それじゃあ、まずフィギュアスケートのペアに行ってみましょう」
「・・・・あ、あの、屋内スケートリンク場の小出由美子さーん?」

「はーいっ!学園屋内スケートリンク場の小出由美子でーすっ」
 白い息を吐きながら、二年の小出由美子が画面に現れる。
 巨大な屋内スケートリンクに、華麗なダンスの花が咲いていた。
「えーと、現在の最高得点は藤田浩之・神岸あかり組がマークしております」
「次はどのペアの競技ですかーっ?」
「ええっ・・・・と、次は、アルル・アリエッタ組ですね」
 ざわ、ざわっ・・・・・・。
 不意に、会場がざわめく。
「あれ、なんか、騒がしいですね・・・・・・・」
「小出さーん?、どうしたんですか〜?」
 画面の由美子はADの持って来たメモを、見ている。
「・・・・・・・・えっ?・・・・はい。どうやらアルル選手がアリエッタさんの衣装を見て、はなぢを出して
出血多量の模様です。アルル選手はすぐさま保健室に運ばれ、治療中とのことです」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
 琴音、志保共に点目で、ある。
「ええっと、それでは・・・・・・次の選手は・・・・・・」
 気を取り直して、由美子は言葉を続ける。
「ええっと・・・・・・、西山英志・柏木楓組で・・・・・・」
 その言葉を聞くやいなや、生徒達がざわめいた。
「由美子っ!、にげてえええっっ!!」
「えっ?」
 どがごおおおおおおっっんっっ!!
 志保の叫びと同時に、轟音が響いた。
「えっ、えっ?、きゃああああーっ!、か、怪獣がぁあああっっ!!」
 画面の向こうは土煙で見えないが、何が起こっているかは容易に、予想がついた。
「あ、あっ、どうやら、この放送はここまでのようです。皆さん、さようなら、さよ・・・・・・」
 プツンッ。
 不意に、画面が暗転する。
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・そ、それじゃあ、次の競技に行ってみようか?、琴音」
「・・・・・そ、そうですね」

「Hi!、コチラ第二屋内スケート場の、宮内レミィでーすっ!」
 レミィは氷点下の会場なのに、お腹が出ているきわどいチアガール・ルックをしている。
「はーいっ、レミィ。そちらでは何の競技をしているの?」
「Yes、ここでは『カーリング』の競技をしているんだヨ」
「・・・・・・・カーリングって、何ですか?」
 琴音が、隣の志保に質問をする。
「カーリングって、いうのはね。約十キロほどの重りを氷面で滑らせて、モップを使って床を磨い
たりして目標の小さな円の中に重りをなるべく正確に入れる競技なの」
「・・・・・・本当ですか?」
「・・・・・・多分」
 作者も実はあんまし、良く知らないのだ。
 詳しくは、長野オリンピックを見て下さい。
「・・・・・・Oh、いよいよこの競技の大本命のチームが、出てきたヨ」
「えっ・・・・・」
 競技場に三人の人影が、現れた。
 マルチ、ゆき、セリスの『放課後お掃除トリオ』であった。
「・・・・そのネーミング、何とかなりません?」
 やだ。(きっぱり)
「しくしく・・・・・・」
 競技場の隅でいじけている、ゆきをセリスが呆れ顔で見つめている。
「この三人は、いつも放課後にモップを使っているから、カーリングにはもってこいの存在ですね」
 志保が気を取り直して、司会を続ける。
「それじゃあ、レミィ、中継ヨロシクっ!」
「オーライッ!、それじゃあ、『放課後お掃除トリオ』の競技が始まるヨ!!」
 競技場では、マルチを挟んでゆきとセリスが話していた。
「マルチ、セリスさん、これを・・・・・・」
 そう言って、ゆきは二人にモップを手渡した。
「これは・・・・?」
「今日の競技の為に、徹夜で作ったモップです。みんなで、頑張りましょう、ね」
 ゆきは、にっこり、と微笑む。
「・・・・・・ゆき、お前・・・・」
「ゆきさぁん・・・・・・ぐずっ」
 セリスとマルチの心に、暖かいモノが拡がる。
「さあっ!、頑張りましょうっ!」
「ああっ」
「はいいっ!」
 そして、競技が始まった。
 まず、第一投。
 マルチが、重りをゆっくりと滑走させる。
 セリスとゆきが、モップを構える。
 そして、氷面をモップで、磨く。
 刹那。
 どっぱああああああっっんっ!!
 派手な水柱が、三本、立つ。
 スケート場の氷は全て溶けて、水となっていた。
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
 三人とも、無言。
 ・・・・・・そして。
「こんのっ、どぼけええええええっっ!!」
 セリスの怒号が、響く。
「なんで、ビームモップをつかうんだああああああああっっ!!」
「すいませええええんっっ!」
「こんなの使えば、一瞬で氷が溶けるだろうがあああああああっっ!!」
「ああああああああーーーっ、そうでしたあああああっっ!!」
「あほかあああああああああっっ!!」
 そんな、二人の口喧嘩を見て、マルチが。
「くちゅんっ」
 と、クシャミをした。

「・・・・・・・・・」
「・・・・・・つ、次の競技に行きましょうね・・・・・」
「はい・・・・・・」

「はいっ、柏木初音です。コチラ屋外大ジャンプ場では、スキージャンプが行われていまーすっ!」
 そう言う、初音の後ろを栗色の髪の少女が、華麗に大空に飛び出していた。
 藍原瑞穂で、ある。
 瑞穂は、飛ぶ。
 高く。
 高く。
「・・・・・・綺麗」
 目の前に拡がる、青空をみて瑞穂は、呟く。
 突如。
 ちりちりちりちりちりちりちりちりちり・・・・・・・・・。
 瑞穂の脳に、刺激が疾った。
「あああああああああああ〜〜っっ!!」
 瑞穂は、落ちる。
 真っ直ぐ。
 真っ直ぐ。
「でんぱはいやああああああ〜〜〜っっ!!」
 それが、落下していく瑞穂の最後の叫び声だった。
「ふふふふふふふふ、瑠璃子の記録を超える奴は、許さない・・・・・・・」
 ジャンプ台の影で、月島生徒会長はほくそ笑んでいた。
 月島は知らない。
 妹の月島瑠璃子がジャンプ競技を辞退したことを。
 そして、後ろで物騒な瞳をした、岩下信が月島の後ろに立っていることを。

「よう」
 不意に風見ひなたは、声を掛けられた。
 顔を上げると、其処には陽気に微笑む男がいた。
 西山英志であった。
「あ、師匠。競技は終わったんですか?」
 その言葉に、西山は、ひょい、と胸の金メダルを見せた。
 少し離れた処にいる、柏木楓の胸にも金メダルがあった。
「さっすが、師匠」
「・・・・まあな、そろそろお前の競技だな」
「はい」
 風見はジャンプ競技に出ていた。
「頑張れよ」
「はいっ!」
 すうっ、と西山は息を吸い込む。
 そして。
「流派っ!SS不敗わぁっ!!」
「王者の風よおっっっ!!」
「全新っっ!」
「系列っっ!!」
「天覇、狂乱っっっ!!!」
「「見よっっ!!SSは熱く燃えているうううっっっ!!!」」
 またもや、作者の趣味丸出しである。
 暑苦しいこと、この上なかった。

「ON YOUR MARK・・・・・」
 静かに、アナウンスが響く。
 ごくり。
 風見は、唾を飲み込む。
「READY・・・・・・」
 足に力が、こもる。
 腕が、震えた。
「GO!!」
 風見は、滑降した。
 スピードが、増す。
 速く。
 速く。
 さらに、速く。
 そして、ジャンプポイントへ到達する。
「いっけえええええええっっっ!!」
「いやあああああああっっっーーっ!!」
 風見の声と、赤十字美加香の絶叫がジャンプ台に、とどろいた。
 風見ひなたは美加香をジャンプ台から、投げ飛ばしていた。

「おおーーっと、一年の風見ひなた選手、美加香選手を利用した二段ジャンプでーすっ!!」
「・・・・・・・・こんなの、ありですか?」
 ぼそり、と琴音が呟く。
 いいんだよ、面白けりゃ。
「おおーーーっ、どんどん、距離が伸びていくぞ。まだまだ・・・・・・まだ、伸びてます」
 ずごべちゃっ!!
 なんか、ヤバイ音が、聞こえた。
「すごーいっ!すごい、ジャンプですっ!!ケイ点を越える、大ジャンプでーすっっ!!」
「・・・・・・・美加香さん、なんか奇妙な角度に刺さってますケド」
 興奮気味の志保と対照的に、琴音の反応は冷静だった。

「ほう・・・・・・・・・」
 風見ひなたの、大ジャンプを静かに見つめる男が、いた。
 その瞳には、黒い炎が宿っている。
 ジン・ジャザム。
 それが、男の名前だった。
「くくくくくく・・・・・・、なかなかヤルじゃないか」
「・・・・・・だが、我々の敵では、ないよ」
 ジンの後ろに、男の姿があった。
 学園の科学教師兼マッドサイエンティストの柳川教諭で、あった。
「先生・・・・・・」
「いいか、ジン、俺を信じろ。この日のための秘密兵器を先生は作ったのだからな・・・・・・」
 ジンの方を柳川が、しっかりと掴む。
 ああ、麗しき師弟愛。
「ふふふふ・・・・任せておけって、先生」
 ジンの口から笑みが、零れる。
「ふふふふふふ・・・・・・」
「くくくくくく・・・・・・」
 はっきし言って、近寄りがたい雰囲気が漂っていた。

「ON YOUR MARK・・・・・」
 静かに、アナウンスが響いた。
 ごくり。
 ジンは、唾を飲み込む。
「READY・・・・・・」
 足に力が、こもる。
 腕が、震えた。
「GO!!」
 ジンは、滑降する。
 スピードが、増す。
 速く。
 速く。
 さらに、速く。
 そして、ジャンプポイントへ到達する。
 ジンが、叫んだ。
「ジェッットォォッッ・スクランダアアアアッッ!!」
 突如。
 ジンの背中から、黒鋼の翼が出現する。
 ジェット噴射音が、轟く。
 おお、見よ。
 ジン・ジャザムは黒鋼の翼を広げて、大空へ飛び出して行くではないか。
 高く。
 高く。
 高く。
 山を、越え。
 雲を、抜け。
 ・・・・・・そして。

 大気圏を、越えた。

「・・・・・ジンの現状は?」
 グリニッジ天文台以上の設備を誇る天文観測室で、久々野彰はスクリーンを見ていた。
「第一宇宙速度を、突破。現在、月軌道へ移行中です」
 ロンギ○スの槍かい・・・・。
 次々と表示を変える、モニターを見ながら健やかが報告する。
「・・・・・・回収は、不可能に近いな」
「ええ・・・・・・、どっかのシャトルが引っかけてくれると、助かるんですけど」
 久々野の呟きに、Runeが答える。
「ま、そのうち自力で帰ってくるだろう」
 お気楽に久々野は、呟いた。

「えーと、校内天文台からの報告で、ジン・ジャザム選手は棄権と見なされたそうです」
「・・・・・・当然よね」
 志保は呆れ顔で、頬杖をついていた。

「ねぇ、ご主人様。オリンピック出ないの?」
 鈴木静に赤毛のメイドロボ・ワルチが、聞く。
「出ませんよ、私は忙しいんです」
「その割には、ゆっくりとお茶を飲んでいるけど」
 ワルチの言う通り、鈴木静は青磁のカップから湯気が立ち上る紅茶を飲んでいた。
 ちなみにお茶の葉は『アール・グレイ』の最高級品だ。
 こつん。
 と、鈴木の目の前のチェス盤の駒が、動く。
「ほう、王手、ですか」
 静かに鈴木が、微笑む。
 鈴木の対面には、同じ様に紅茶を飲むdyeの姿があった。
 緩やかな、午後の一刻であった。

 そして、夕方。
 色々な阿鼻叫喚の事件を残して、閉会式が始まろうとしていた。
 生徒の数が、開会式の時の三分の一になっていた。
 殆どが、保健室で保険医の相田先生の治療を受けていることだろう。
「ええっと、それでは最後を締めくくりまして、選手代表から一言・・・・・・」
 志保のアナウンスと、共に現れたのは二年生のFoolと保科智子であった。
 二人は、仲良く放送台に立つ。
 そして・・・・・・。
「どうもーーっ、ツービートでーすっ!!」
「なんでやねんっっ!!」

 ぴしっっ!!

 直後、閉会式にいた生徒全員が、凍り付いた。
 ただ一人『絶対虚無』で防護していた、へーのきだけは無事であった。

 ひゆぅぅぅぅぅぅぅうううっっ・・・・・・。

 冷たい風が、Leaf学園を吹き抜けていった。

                          <了>
 
   あとがき〜又の名を戯れ言。

ううっ、まだスランプが抜けきれません。(泣)
取り敢えず、何も考えずに書けるLメモで書いてみたけど・・・・・。
バレンタインネタは多いから、時節ネタで長野オリンピックをやってみました。
結構楽しかった。(笑)
出演させた方々、大変申し訳ない〜っ!!(特にジン・ジャザムさん)
次回はシリアスで行きたいと思っております。

レスです。

我が弟子=風見ひなたくんへ
くおおおおのっ、馬鹿弟子がぁぁぁぁぁぁっっ!(<東方不敗風に)
・・・・て、のは冗談で(笑)相変わらず、すごいペースだね。
感心してしまうよ〜っ。「鬼畜楓物語」続編、希望。(をい)

Runeさんへ
励まし、ありがとうございます。
取り敢えず、こんなモンでいかがでしょう?出番が少ないですけど。(次回はもっと増える予定です)

健やかさんへ
サクシャマン、なんかだんだん危険な領域に・・・・・(笑)
そろそろ、シリアスの新作書いてよ、ねっ、ね?

久々野さんへ
取り敢えず、延長決定して、ほっ、としています。(本気で)
なるべくはやく自宅にネット環境、整えて下さいね。
そのためなら、どんな協力でも惜しみませんので。

アルルさんへ
か、楓にゃんにゃん〜〜〜っ!!(やっぱり、はなぢ)
『楓と俺』シリーズ、私の方は全然スランプで書けませ〜んっ(泣)
も、もう、貴方だけがたよりです〜〜っ

セリスさんへ
ふ、ふふふふふふふふ・・・・・・(引きつった笑み)
ここまで、壊してくれるとは。(苦笑)
次回書くことがあれば、私も壊してあげましょう。(邪笑)
・・・・・・冗談ですってば。

ジン・ジャザムさんへ
スイマセン、はっきしいって今回の一番の被害者ですね。
ロケットパンチネタでここまで、考えてしまう私って・・・・・。

以上、レスでした。
スランプを励まして下さった皆さん、ありがとうございます。
それでは、次回作で・・・・・・・。