『どよめけ! ミスLeaf学園コンテスト』第十三話 〜3vs1 再び(パート2)〜 投稿者:Sage

「・・・やはり戦わねばならない運命なのですね。」
「――貴女が勝つ可能性はわずか5%です。それでも戦うのですか?」
「5%?勝負というのは常に五分と五分です。やってみなければわかりません。」
「――大した自信ですね。」
「我が師に教えていただいた言葉です。
 『どんなこともやってみなければわからない。
  勝負の結果は勝つか負けるかの二つに一つだ。
  経験だの才能などごたごた言っても、結局勝つか負けるかのどっちかにしかならねぇ。
  なら確率は50%じゃないか?
  勝つか負けるか考える前に勝負することだ。
  勝負をあきらめたら勝つ確率は0%なんだからな。』
 だから私はあきらめません。」
「――よい師についたようですね。」
「はい。私もそう思います。」
「――では、始めましょうか。獲物は無しの素手の勝負でよろしいですか?」
「いえ、こういう勝負のために古来から用意された勝負方法があります。」
「――それは・・・まさか・・・」
「さすが博識ですね。」
「――わかりました。お互い3回負ければ終わりですね。
 では、3回勝負としましょう。」
「ええ。」

 二人のメイドロボは正対し、拳を突き出す。
 セリオとマルチ。
 この二人はやはり戦う運命だったのだろうか?

「では、いきます。」
「勝負ですっ!」





 「「や〜あきゅううぅ〜う♪すぅるなら〜♪」」





 浩之よ、おまえは何年生まれだ?


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「3vs1 再び(パート2)」

       〜どよめけ! ミス・L学コンテスト 第13話〜

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 戦闘が続く学園内を、ぞろぞろと歩く集団があった。
 一番先を歩くのは、黒い服で身を固めた、一見痩身の男。
 だが、その眼光から感じられる切れそうなほどの殺気は、すこしでも武道をたしなん
だことのある者なら近づこうとする気さえ霧散させてしまうほどだった。
 そのあとに数名が続く。
 人垣の中心にはTシャツにジーンズ、ベースボールキャップという軽装姿の女性が
いた。
 この集団がその女性を守るための編成であることはすぐにわかるであろう。
 来栖川芹香ご一行。
 護衛される姿もやはりお嬢様ゆえなのか、堂に入っていた。
 一行は第二茶道部室を目指していた。
 攻めにくく、守りやすく、地の利がある。
 戦う上で環境を整えるのは当たり前の事である。
 移動のリスクは周知の上である。
 が、どのようなリスクがあるかはだれにも分からなかった。
 たとえ戦闘の達人であったとしても。



「きゃっ!」
 集団の前に女の子が一人走って現れた時、数人が戦闘体制をとった。
 が、その女の子がつまづき、転んだ瞬間に警戒レベルはやや下がった。
「まてぇ!!!」
 女の子を追って数名の男が走ってくる。
 額にはちまきをしているところを見ると、大会参加者である女の子を脱がすのが目的
であることは間違いない。
「もう逃がさな・・・げふっ!!」
 男が女の子に手を伸ばそうとした瞬間、一陣の風が舞った。
 男も気づかぬ間に男の懐に入ったその影は、みぞおちに肘鉄を食らわすと、その反動
で体を入れ替え、延髄に手刀を振り下ろした。
 肘鉄で呼吸がとまり、延髄への一撃で男は何が起こったかさえ理解できずに地面に沈
んだ。
 同様にばたばたと追っ手がなぎ倒される。
 その間わずか数秒。
 まさに電光石火だった。

「まったく無謀なんだから・・・・一人でうろうろしてたら襲われるに決まってるで
しょうにっ!」
 手をはたき、誇りを落としながらその影は言った。
 来栖川綾香。
 彼女は息一つ切らさずにくたばった数人の男を見下ろしながら言った。
「・・・助けてなんて言ってないもん。」
 女の子・・・綾芽という名を持つ少女は不機嫌そうな顔で助けてもらったお礼も言わ
ずにふてくされたように目を背けた。
「・・・それに今は敵なはず。なんで脱がさないの?」
「ごもっとも・・・・」
 それを聞いた黒服の男、ハイドラントが無造作に綾芽の服に手を伸ばす。
(ぱしっ)
 その手を止める綾香。
 今、綾香は姉の来栖川芹香の護衛を行っている。
 ハイドラントも同様。
 ということは、敵である綾芽に手をかけることはなんら不思議ではない。
 が、綾香は情を優先しようとしている。
「・・・興ざめだな。」
 ハイドラントは手を引っ込めると、身を引いた。
「・・・いきがるのなら、自分の身は自分で守りなさい。」
「わかってるわよっ!」
 たしなめるように言う綾香の言葉が気に入らないのか、綾芽は突き放すように言うと
勢いよく立ち上がった。
「まったくこの子は・・・・」
 綾香は苦笑するしかなかった。



 その頃、屋上では怪しい取引が行われていた。
「蟲をタライに一杯・・・でいいんですね?」
「ほー、これはまた気持ち悪い蟲がうじゃうじゃやなぁ。さすが生物部。」
「お褒めいただいて光栄です。」
 フードに隠された口元がにやりと笑う。
「で、この蟲達はどうするんですか?」
「こうするんやっ!」
「なんにしろ訓練に手をかけた蟲ですから大事に・・・って蟲だけに無視!?」
 葛田玖逗夜が言う間もなく、猪名川由宇はタライの中身を屋上からぶちまけた。

 服の中に潜り込むよう、特別に訓練された蟲達が宙を舞う。
 そして落下地点には人の集団がいた。
 綾香、綾芽、男性陣の一部に蟲が降り注ぐ。
 蟲は即座に行動を始め、服の下へと潜り込む。
「きゃああああああ!!!!!!!!!!!!!」
「綾香!!」
「綾芽!!」

 さて、どうしますか?
  Player名:ハイドラント
    行動1:綾香の蟲を払う。
    行動2:これがチャンスと綾香を脱がす。
    行動3:全部焼き払う。
    行動4:女性が悶え苦しむのを鑑賞する。
    行動5:・・・あとで葛田にプアヌークの邪剣を。

  Player名:悠朔
    行動1:綾香の蟲を払う。
    行動2:綾芽の蟲を払う。
    行動3:自分がまず脱ぐ。
    行動4:嫌がる女性の姿ってのもなかなか・・・
    行動5:いやいや、悶えるりーずくんもいい感じ・・・
    行動6:って、俺はなにを!?

                        to be continued…