「理奈ぁぁぁぁ!!!」 「理奈ちゃぁぁぁん!!!」 数千、いや、数万の人が眼前を埋めていた。 黒山の人だかり。 コンサートの客、全員が立ち上がって理奈に声援を送っていた。 「みんなありがとぉぉぉ!!」 手を振る理奈。 「わあああああああ!!!」 それに観客も答える。 幕がおり、コンサートが終わる。 鳴りやまないアンコールの拍手を背中にうけ、理奈は控え室へと向かった。 「ご苦労。よくやった。」 兄の緒方英二が部屋の前で理奈に声をかける。 「うん。最高だった。」 そう答えを返し、控え室へと入る。 椅子に座り、ほっと一息。 コンサートは大成功だった。 鏡を見る。 ちょっと疲れた自分の顔。 でも、充実感が理奈を包んでいた。 「これで、私は実名ともに、芸能界のトップよ・・・・」 にやりと笑う理奈。 その頭上には・・・・・アフロが付いていた。 「これでもう、私の邪魔をするものはいないわ。」 次第に微笑みに邪悪な物が混じる。 「ふ・・・・ふふふ・・・ふはは・・・・HAHAHAHAHAHAHA!!!」 声高らかに笑う理奈。 そこにはアイドルではない、一人のアフロがいた。 「HAHAHAHAHAHAHAHA!!!!!!! 鏡に映る理奈の姿がだんだんと変わってゆく・・・・ その姿は・・・・いつしかTaSの姿に・・・・・ 「いやあああああああああああ!!!!!!!!!!!」 理奈は思わず飛び起きた。 目に入ってきたのは見慣れた自室の風景。 「・・・・夢?」 びっしょりと汗をかいていた。 「悪夢だわ・・・・。はっ!」 思い立ったように、あわてて飛び起き、ドレッサーへと向かう理奈。 カバーを開き、鏡に自分の姿を写す。 長い、綺麗な髪。 いつもの髪型だった。 「嫌。ぜえったいに嫌。アフロなんかになるもんですか!!そんな力を借りなくても、 私自身の才能で勝ってみせる!!」 理奈は、決意を新たにした。 パジャマ姿のままで。 − 完 − −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 定番の夢落ちです(笑) 個人的にはこのエンドが選択されることを願うばかり(涙(笑))