テニス大会エントリーLメモ「思い出のために・・・」 投稿者:Sage
「俺らも、もう3年かぁ・・・みんなでどっか、記念旅行でも行きたいなぁ。」
 授業の合間に、ふと橋本がそんなことを言った。
「いいねぇ。山にキャンプとか。海もいいなぁ。」
 誠治が合いの手をうつ。
「おお、海! 白い砂浜、どこまでも青い空!!」
「とかいって、女性の水着が目当てだろ。」
 それを聞いた梓がよこからちゃちゃを入れた。
「当然っ!!」
「堂々と答えるんじゃないっ!!」
 べしっ!
 橋本の後頭部に梓のチョップがヒットする。
「いって〜。冗談に決まってるじゃんかよ〜。」
「冗談?」
「・・・ちょっとは本気でした。」
「素直でよろしい。」
「さて、それでは海へ行って、梓の水着を見ることに決定か?」
「わーい、ばんざーい。」
「・・・・・・・・」
「こらっ、誠治っ、なんでそうなる!? 橋本もよろこぶなっ! 芹香も自分の胸見て
悩むんじゃないっ!!」
「あははははは。冗談はさておき、みんなでどっかに行くっていうのは、俺も賛成だぞ。」
「うん。私もいいよ。でも、海は身の危険を感じるから却下。」
「えぇぇぇ!?」
 ごすっ!
 思いっきりいやそうな声をあげた橋本の脳天に、今度は梓の拳が振り下ろされた。
「いってぇぇぇぇぇ」
「海じゃないとすると、どこがいいんだ?」
「うーん・・・」
「そうだねぇ、どっかの行楽地じゃ、おもしろくないし・・・」
 梓も橋本も思いあぐねる。
 と、芹香が蚊の泣くような声で言った。
「(ぼそぼそ)・・・・」
「へ?温泉?」
(こくり)
「温泉かぁ。それもいいなぁ。受験勉強の疲れを、お湯でゆっくり癒すってか?」
(こくこく)
「温泉かぁ。そういえば、うちの旅館の大浴場もしばらく行ってないなぁ。」
 梓の家は、昔から旅館を経営していた。
 旅館といっても、ホテルと言ってもいいくらい、大きな宿屋である。
「ああ、そっか、梓んとこ、旅館やってるんだっけ。」
「うん。だれもいない大きな湯船にぷかぁぁって浮かんでると、気持ちいいぞぉ。」
「・・・・ぷかぁ・・・・」
「・・・・うん。ぷかぁ・・・だろうな・・・・」
 男二人は、両手でちょうどメロンを二つ持つような手つきをして、なにやら想像して
いた。
「その手つきはなんだああああっ!!!」
 ごすっ!ごすっ!
「「いってぇぇぇぇ」」
「・・・・・・・」
「芹香・・・あんたも・・・・」
 芹香はリンゴ二つを持つ手つきだった。
「よしっ、んじゃ、みんなして、鶴来屋にくりだしますか。あ、でも、料金の問題があ
るか。」
「少しは私の口利きで安くはしてもらえると思うけど、料理とかまではねぇ・・・。」
「お、そういえば、さっきこんなチラシをもらったぞ?」
 橋本が鞄からなにやら紙切れを取り出した。


 『テニス大会開催!! 優勝賞品は、温泉旅行!!』


「へぇ、千鶴ねえさん、こんなの企画してたんだ。」
「ほほう、もしこれで優勝できれば、二人分は浮くなぁ。」
「あ、でも、セリスくんは、マルチと出るって言ってたぞ。」
「・・・・婚前旅行?」
「勘ぐりすぎだって。」
「とりあえず、出場してみるかに?この中で経験者は?」
「まあ、すこしは。」
 誠治が手を挙げる。
「俺はラケット振り回したことある程度だわ。」
 と、橋本。
「芹香・・・は、あんまり得意そうじゃないな。」
 (こくり)
 梓の問いに、素直にうなずく芹香。
「んじゃあ、あたしと誠治か。相手のレベルがよくわからんけど、とりあえず出てみる?」
「オッケー。」
「誠治っ!!『湯上がり浴衣梓&芹香』を見るためにも、是非がんばってくれっ!!
 『橋本さま、お酒でもお一つ・・・』
 『おお、すまんな、梓。おっとっと』
  『・・・・』
 『おお、芹香もついでくれるのか。よしよし。』
 『あら、お強いのね。それでは私も。(くいっ)あ、よってしまいましたわ。よろよろ』
 『大丈夫か、梓(はしっ)』
 『あぁ、いけませんわっ』」
「なに気色悪い芝居やってるんじゃぁぁぁぁぁ。」
 どっごぉぉぉぉん!
 (ふるふる)
 相変わらずの風景に、あきらめ顔で頭を横に振る誠治と芹香だった。

 翌日、誠治&梓が大会にエントリーされた。

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と、いうことで、誠治&梓でエントリーです(笑)
余裕があったら、橋本&芹香というエントリーも希望(笑)
さて、残りの3年生はどうします?みんなで温泉旅行するためにも
協力者募集です(3年に限る)

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