戦い済んで、日が暮れて（実際には不戦勝で、日も暮れてはいないが） 橋本と来栖川芹香は選手控え室で休んでいた・・・・・ 「なあ、芹香さん・・・どうしよう・・・」 「（ぼそぼそぼそ・・・・・）」 「ほう、今日のラッキーカラーは黄色か。んじゃ、晩飯はカレーでも・・・ってちがあ うっ！テニスだよ、テニス。」 「（ぼそぼそぼそ・・・・・）」 「スポーツ運は上々。ただし水に注意か。飲み水に気をつけてればよさそうだね・・・ って、そうじゃないっ！！」 「（きょとん？）」 「いいか、俺は所詮脇役だ。ああ、脇役だとも。」 「（なでなで・・・）」 「・・・・本当にむなしくなるから慰めないでくれ・・・・・。それはさておき、そんな 俺が２回戦進出だぞ？何かある・・・。絶対何かある・・・。」 「（ぼそぼそ・・・・・）」 「金運は最悪です・・・って、そんなことだけきっぱり言われても・・・・。いいか、 第１試合、対戦相手はあの河島はるか先生と、九条和馬のペアだった。単純に戦力だけ 考えたら、はるか先生一人だけで、俺らの相手ができるほどだ。なのに、あっさり敗退。 俺らはなにも苦労せず２回戦進出。」 「（ぼそぼそ・・・・・）」 「お得でしたね・・・って、まあ、お得だといえばお得だが。で、だ。これがシリアス なストーリーの物語なら俺も安心するだろう。だが、よく考えて見ろ。テニスはそこそ こ出来るとはいえ、お嬢様の芹香さんと、脇役の俺が２回戦進出だぞ？２回戦といえば、 中だるみでテニスの対戦ネタも減ってくる頃だ。バトルもテニスらしさから全然はなれ た戦いになるだろう。」 「（・・・・・ぼそぼそ）」 「ちがーう！テニスを離れるといっても、バレーしたりミサイル撃ったりはしないっ！！ ・・・・・と思う。」 「（？？？？）」 「だから、勝負はテニスの実力とは全く離れたところで決まるだろうということだ。 たとえば突然ジンやＤ芹あたりが乱入して暴れるとか、魔法少女が出てくるとか、 ピンクの疾風が吹き荒れるとか、西山が暴走するとか、ハイドが魔法を放ちまくると か、Ｒｕｎｅが俺の弁当を食うとか、理奈先生がアフロになるとか、電芹が電柱ふり まわすとか、美加香が鬼畜ストライクとか、ＰＳ版にもアニメにも出演できないとか、 リーフのタイトルが発売延期になるとか、コミケでストラップがならんでも変えない とか、オフ会で遊びすぎて帰りの電車賃まで使ってしまうとか・・・」 「（ぼそぼそ・・・・）」 「え？『そういうことをいうと』？」 「（ぼそぼそ・・・・）」 「『全部本当になります』・・・ってうぎゃああああああ！！それこそ不吉な予言だ あぁぁぁぁぁ！！だぁかぁら、やばいんだってば。そりゃ、芹香さんはヒロインだし、 お嬢様だからまず被害にあうことはないだろうけど、とすれば、やっかい毎は全部俺 に来るんだぜ？」 「（ぼそぼそ・・・・）」 「『ご愁傷様です。』じゃなくてぇぇぇぇぇぇ（涙） なにか対策を考えないと、 試合も出来ず倒れる羽目になるんだぜ？俺ら。」 「（・・・・・ぼそぼそ）」 「対戦相手を呪っておきますかって、そんなあっさり・・・・（汗） 呪いのたぐい は自分で封印したんだろ？」 「（・・・・・・ぼそぼそ）」 「セバスに頼んでみるって？それだけはやめなさい。芹香さんの為なら相手を暗殺し かねん。」 「（・・・・・・しょぼん）」 「ま、まあ、落ち込まないで。面白い試合ができればいいんだ。そうすれば、話がギャ グに走らなくて済む。」 「（・・・・・・ぼそぼそ？）」 「コスプレでもしますか・・・って、客を笑わせてどうする。白熱した試合にしなけれ ばならないってことだ。」 「（・・・・・・ぼそぼそ？）」 「暖房をコートに仕掛けてどうするってんだよぉ（涙） 暑くて汗かくだけだよぉ（涙）」 「（なでなで・・・）」 「慰めるのはいいってば・・・（涙）」 「（・・・・・・・）」 「むぅ・・・・・」 「（・・・・・・・）」 「ふむぅ・・・・」 「（・・・・・・・Zzzzzzzzz）」 「・・・・芹香さん、寝てない？」 「（はっ・・・ふるふるふる）」 「ならいいんだけど・・・・本当に心配してる？」 「（こくこく）」 「ふむ・・・・どうしよう・・・・」 「（ぼそぼそぼそ・・・）」 「え？うん。『要は試合がちゃんと始まり、途中で邪魔が入らなければいい。』そう。 そういうことだよ。」 「（ぼそぼそぼそ・・・）」 「『なら、コートに審判と選手以外近づけないようにしましょう。』って？そんなこと できるのか？」 「（ぼそぼそぼそ・・・）」 「『悪霊をコートの周りに召還しましょう』・・・・って、そんなことしたら試合終わっ てもにげられないだろうがぁぁぁぁ（滝涙）」 「（なでなで・・・）」 「うわぁぁぁぁん（号泣）」 こうして二人の不毛な会話は試合の直前まで続いたらしい・・・・ さて、試合の方はどうなることやら（笑） 次の対戦相手はハイドラントとＥｄｇｅ。 芹香があらかじめ何かを綾香に頼んでいたのは、この時点では秘密である・・・・ (C)Sage 1999 ＝＝＝＋＋＋＝＝＝ 作品 ：テニス大会外伝Ｌメモ「俺は橋本２。『嵐の前の静けさ・・・』」 コメント：第１回戦を労せずとっぱしてしまった橋本と芹香。だが橋本は心配していた・・・