Lメモ外伝トレジャーハンター沙留斗の冒険act2「追跡者」 投稿者:沙留斗
この作品には他のSS作家の皆さんは出ません。あしからず。(ぺこり)

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Lメモ外伝 
          
      トレジャーハンター沙留斗の冒険 act2 「追跡者」


 昼休み・・・
 
 リーフ学園でもっとも活気が溢れる時間帯・・・

「おばちゃん!やきそばパンのお金!!」
「こっち!アンパンのね!!」
「俺はカツサンド・・・」
「カツはだめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 バキャ!

「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 何だか違う声も聞こえたが、まあ、おおむねいつものこと。

 そんな中、全く関係ない方向に足を運ぶものが一人。

「さーて、今日はダンジョンのどこまで潜りますかねー。」

 トレジャーハンター沙留斗であった。

「昨日は殺人ナマケモノが出ましたね・・・でも、なんであんな所に・・・」

 そんな事を言いながら歩いていると・・・

「・・・・・」
「え?ああ、芹香さんじゃないですか。」

そこには来栖川芹香が紙袋を持って立っていた。

「何か用でしょうか?」
「・・・・・」
「え?頼まれていたものができた?ああ、この間だのやつですか。」

 沙留斗は先日beakerが芹香に何か頼んでいたのを思い出した。

「・・・・・」
「え?できれば届けて欲しいって?もちろん、いいですよ。」
「・・・・・」
「え?お手数をおかけしますって?そんな、いつもお世話になってるのに、
気にしないでください。」

 そう言って紙袋を受け取った。

 
 芹香が去った後・・・

「ふう・・・では行きますか。」

 そう言って歩き出した。

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 所は変わって第二購買部。ここには坂下が一人で居た。

「・・・暇だ・・・なんで暇な時とそうじゃない時って偏ってるのかな・・・」

そんな事を行っていると、沙留斗が帰ってきた。

「ただいまー、って坂下さんだけですか?」
「なんだ、沙留斗か・・・ああ、beakerならいないよ。」
「そうですか・・・これどうしようかな?」
「なに?それ。」

 坂下は紙袋を指差していった。

「芹香さんがマスターに渡してくれって。なんでしょうかね?」

 沙留斗は紙袋を開けてみた。すると中には瓶が六本入っていた。

「なに?この瓶。また怪しい栄養ドリンク?」
「あっ、紙が入ってる・・・えーっと、なになに・・・」

 沙留斗は大声でそれを読み上げた。

「主役になれる薬」

「・・・・・・」
「・・・・・・」


・・・・・二人のあいだに気まずい沈黙が訪れる・・・・・


「えっ、えーっと、・・・・・」

 沙留斗が何かを言おうとしたとき、

「ふふふ・・・」

 不意に坂下が笑い出した。

「え・・・?」
「ふっ、ふふふ、これよ!これ!!これを私は求めていたのよ!!!
これさえあれば私は・・・私は・・・!!」

 そう言いかけたとき!

「そいつをよこせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

ガッシャ〜〜〜ン!

 窓を叩き割って一人の男が侵入してきた!

「なっ!」
「あ、あなたは・・・」
「「男子生徒A!!」」
「ちっが〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜うっ!!!」

 それは藤田浩之だった。

「何しに来た!男子生徒A!!」
「だから違うと言ってるだろうが!俺は・・・」
「だまりなさい!男子生徒A!!」

「あああああああっっっ!!!こいつらはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 浩之は頭を抱えて叫んだ。

「とっ、とにかくそいつをよこせっ!!」
「なんだと!?」
「そいつさえあれば俺は主役に戻れる!そうしたら、雅史から・・・薔薇から
逃れられる!!」

「下らん奴だな・・・」
「まったく・・・」

 二人揃ってひどい言い様である。

「うるさい!とにかく、そいつをよこせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 そう言って浩之は襲い掛かってきた。しかし!

バキャアァァァァァァァァァァァァァァァ!!!

「ぐはあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・」

キラッ☆

 坂下のハイキック一閃、浩之は星となった。

「フン!雑魚めが!!居ねい!!!」
「しかし・・・あの人、どっから聞きつけたんでしょうか?」

 沙留斗が突っ込んだその時・・・

「・・・・・主役・・・・・・」
「・・主役・・・・・・・・」
「・・・・・・・・主役・・」

「「なっ、なに!?」」

 何処からともなく恨みがましい声とともに、一般生徒達が現れてきた。

「それさえあれば主役になれる・・・・・・・」
「それさえあれば背景といわれずにすむ・・・」
「それさえあれば雑魚と呼ばれずにすむ・・・」
「それさえ・・・あればぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 有象無象とあらわれてきた、その数約五十人!

「なっ、なんて数なの!?」
「って言うかどこから聞きつけてきたんですか・・・」

「我らに知り得ぬ事はない・・・さあ大人しくそれを・・・
よこせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

「「くっ!」」

 沙留斗はマントの中に、坂下は服のポケットにそれぞれ瓶を仕舞い、
臨戦体制を取った。

「「「うおおおおおっっっ!!!」」」

 それぞれに三人ずつが襲い掛かる!

「ふっ、素人が!」

 坂下は最初の一人にストレートを叩き込み、その後ろから来ていた者を左
ハイキックでなぎ払う!その蹴り足を軸にして、今度は後ろ回し蹴りで横に
いたもう一人を蹴り伏せる!!

「はぁぁぁぁっ!!」

 沙留斗の方は殴り掛かってきた者の懐に飛び込んで鳩尾に肘を叩き込み、
つぎに右から襲い掛かってきた者の今度は左側面に周り込みつつ脇腹に肘を
食らわせる。さらに後ろから襲ってきた者を肩口と背中を使った体当たりで
吹き飛ばした!

「「「うおおおおおっっっ!!!」」」

 しかし、一般生徒はそれにひるむ事無く次々と襲いかかってくる。

「ちいっ!これじゃきりがない!!」
「一旦逃げましょう!!」
「わかった!」

 そう言って二人は浩之が割った窓から逃げ出した。

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 ・
 ・
 ・

「はあ、はあ、はあ、はあ・・・」

「「うおおおおおおっっっ!!!」」
「「しつこい!!」」

バキャ!

「「がふぅ!」」

 そこかしこから現れる一般生徒達を片付けつつ、二人は逃げる。

「い、いったいどれだけいるのよ!」
「せ、生徒のほとんどが敵なんじゃないですか?」

 そう話ながら逃げていると、

ドカァァァァァァァァァ!!!

 唐突に二人の前のドアが蹴破られた。

「なっ!」
「なんですか!?」

「ふっ、ふっ、ふっ・・・」

 教室の中から誰かが出てくる。そこにいたのは・・・

「あっ、あなたは・・・」
「柏木 梓さん!?」

「ふっ、ふっ、ふっ・・・聞いたよ、アンタ達良いもの持ってるんだって?」

ギラ!

「「うっ!」」

 梓の鬼気に当てられ、二人は怯む。

「大人しく、そいつをよこしな・・・そしたら痛い目を見なくてすむぜ・・・」

(何で梓さんが!?)
(私が知るわけ無いでしょ!!)

 二人がボソボソと話しをしてるが、梓は聞くみみ持たず、言葉を紡ぐ・・・

「主役になれる薬・・・それさえあれば・・・かおりから逃れられ、そして・・・
あいつを・・・見返せる!!」

(ど、どうするのよ!)
(どうするって言ったって!)

 そんな話をしていると、今度は後ろから声をかけられる。

「坂下さん・・・沙留斗さん・・・」
「「っな!!」」

 そこにいたのは・・・

「かっ、神岸・・・」
「あっ、あかりさん・・・」

 なぜかおたまを持っている、神岸あかり。

「ねえ、あなた達主役になれる薬を持ってるんだって?」

にこ☆

「「ううっ!」」

 得体のしれない波動に坂下たちはまたもやひるむ。

「その薬私にくれない?それがあったら私は、主役になれるのよね。
不甲斐ない浩之ちゃんの替りに・・・」

(ねえ!何とかしなさいよ!!)
(そんな事言ったって!坂下さん、あなたはあの二人に勝てますか!?)
(無理に決まってるでしょ!!)
(私だってそうですよ!!)

 そんな事を話してるうちに・・・

「・・・主役・・・・・・・」
「・・・・・・・主役・・・」

 一般生徒も追いついてきた。

「ちい!しまった!!」

 二人は徐々に追いつめられ、とうとう壁際にたどり着く。

「さあ・・・」
「さあさあ・・・」
「おとなしく・・・」
「それを渡してね☆」

 徐々に間合いを詰められる。

(どうしたら逃げられる!)

 坂下がそう考えているとき・・・

「坂下さん・・・」

 不意に沙留斗が話し掛けてきた。

「少し痛いかもしれませんが、我慢してください・・・」
「え?」

 そう聞き返す坂下を無視し、沙留斗は瓶を一本取り出し、

「さあ!これがあなたたちが探している物ですよ!!」

 そういいながら頭上に投げ上げた。

「馬鹿!なにを!!」



 一寸の間の後・・・


 「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」」」

 追跡者は一斉に襲い掛かってきた!

(ここまでか!)

 坂下がそう覚悟したとき、

グイ!

 沙留斗は坂下の腕をつかみつつ、大声で叫んだ。

「ディス・インテグレート!!」

 その瞬間、

ドン!

 という音を立てて二人の体は粉塵と化した。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 あまりの痛みに声を上げる坂下。

「坂下さん!こっちです!!」

「あ?あぁ・・・」

 痛みで朦朧とする中、それでも坂下は沙留斗の声にしたがって付いていった。

「それをよこせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

ドキャ!

「わたしんだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

ベキャ!

「もうっ!邪魔しないでよね!!!」

ザシュ!

 後には地獄絵図が展開されていた・・・

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「いててててて・・・・・」
「大丈夫ですか?」
「ああ、なんとかね・・・」

 ここは屋上。沙留斗の指示に従って体を元に戻した後、二人は話をしていた。

「しかし、なんなの?さっきのやつは。また魔法かなんかなの?」
「ははは・・・確かに魔法に似てますが、違いますよ。実は、これ呪いの力
なんですよ・・・」
「呪い?」
「ええ・・・昔、すこし、ね・・・」

 そう言って沙留斗は、悲しそうな、しかしどことなく嬉しそうな顔をした。

「ふうん・・・」

 坂下は沙留斗の表情を読み取り深くは聞かなかった。

「さて、そろそろ戻りますか!第二購買部へ。」
「ああ・・・そうだな・・・」

 そう言ってから、坂下はポケットの瓶の事を思い出した。

「おい!これ・・・」
「え?ああ・・・いいですよ。それ、貴方にさしあげます。」
「いいのか?これ、beakerのなんだろ?」
「私を見捨てることができたのに、一緒に逃げてくれたお礼ですよ。」

 そう言われてから、坂下は手の中の瓶を見つめて少し考えた。

 そして・・・

「いらないよ・・・」

 そう言って瓶を投げてよこした。

「いいんですか?この薬は多分、マスターが・・・」

 そう言おうとする沙留斗の声を遮り、

「そんなものなくても、私は自力でなってみせるさ。きっと、な!」

 といって坂下は不敵に笑う。

「・・・そうですか・・・」

 その笑顔を見て、沙留斗は嬉しそうに笑い返した・・・

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 その頃・・・

「神岸あかり!そいつをよこせぇぇぇ!!!」

キィン!

「たとえ梓先輩でもこれは渡せません!!!」

ジャキン!

 
 廊下では熾烈な女の戦いが繰り広げられていた・・・


                                  
                               To Be Continued

                             今日のアイテム:主役になれる薬


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沙留斗:はーい!と、言う訳でLメモ二作目でーす。
 理奈 :やっとかしら?それとも、もう?
沙留斗:さあ?どうでしょ?まあ、それはさておき「OSH]計画の第一弾です!
 理奈 :「OSH」計画って?
沙留斗:Operation Sakashita Helpの略。意味は・・・
 理奈 :いい・・・分かったから・・・(汗)
沙留斗:なんにせよこの「OSH]計画の作品はLメモ以外でも出す予定です。
 理奈 :出すの?
沙留斗:予定は未定と言う事で・・・(笑)
 坂下 :おい・・・
沙留斗:なんですか?坂下さん。
 坂下 :このLメモは私が主役なんだよな・・・
沙留斗:そうですけど?
 坂下 :その割には目立ってないような気がするんだが・・・
沙留斗:さあ?そのくらいの器なんじゃないですか?
 坂下 :(ピクッ)ほう・・・作者の腕が悪いのではないか?
沙留斗:(ピクッ)なるほど、そういう事を言いますか・・・
 坂下 :なんだ?やろうってのか?
沙留斗:けりをつけましょうか・・・坂下さん!
 坂下 :あんたの死をもってね・・・沙留斗!

沙&坂:「「うおおおおおおおおおお!!!」」

 理奈 :はあ、また二人が始めちゃったんで、連絡行きまーす☆

beakerマスター
「お約束どうりの坂下さん主人公のやつです。あと、感想ありがとうございました。
グラップラーLメモ頑張って下さい!」
とのことです。出来の悪いには許してね☆

Runeさん
「感想ありがとうございました。あと、予想どうりです(笑)」
とのことです。これからもよろしくお願いします(ぺこり)

 理奈 :今日はここまで。じゃあ、またね☆

沙留斗:くらいぃぃぃやがれぇぇぇぇぇ!!
 坂下 :楽には死ねんぞぉぉぉぉぉぉぉ!!


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