Lメモ ダンジョン・オブ・ライブラリー No1:企画、発案、色々と 投稿者:沙留斗
四天王Lメモ2&学園日記3
コードネーム:ダンジョLメモ
           
          ダンジョン・オブ・ライブラリー

            No1:企画、発案、色々と

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今から少し前・・・ある夏の日・・・

                  
ジィィィ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜・・・

ミーン、ミン、ミン、ミン、ミ〜・・・

ツクツクボ〜シ、ツクツクボ〜シ・・・


 嫌になるくらいあつ〜い日。
 蝉たちも短い命を燃やし尽くせとばかりに、大きな声を上げている。
 そんな日の今度もまた、第二購買部・・・


「暑いね〜〜・・・」
「そうですね〜・・・」
「まったくですね〜・・・」

 扇風機の前で涼みながら、そんなことを言うデコイ、ひめろく、理緒の三人。
 その表情は、快楽に緩みきっていた。
 そのとき・・・

 ガン!   ガン!   ガン!
「が!!」「い!!」「あう!!」

  三人に容赦の無い鉄拳が打ち下ろされる。

「な〜にが「暑い」よ!三人して扇風機の前で陣取ってるくせに!!」
「いてて・・・拳でやりましたね!」
「ううう・・・ひどいじゃないですか、坂下さん。」
「ぐす・・・・何も殴らなくっても・・・」

 恨めしそうに抗議する三人。
 もちろん、頭にはたんこぶが出来、ばんそうこうがはってある。

「まあまあ・・・そんなに怒らなくても・・・」
「そうですよ、余計に暑くなりますよ?」

 T-star-reverseと沙留斗が呑気そうにたしなめた。

「で、なんでアンタ等は平気な顔してるのよ。」
「いやあ、私、傀儡ですし・・・本体は暑いでしょうけど・・・」
「ふ・・・トレジャーハンターは、これくらいの暑さでは汗もかきませんよ・・・」

 そう言いながら、のほほ〜んとした表情を浮かべる二人。
 全く持って、平気そうである。

「こ、コイツ等って一体・・・」

 思わず頭を抱える坂下。
 ・・・気持ちは分からんでも無いが・・・

「父上〜、暑いの〜」
「おお、そうか・・・それ、ぱたぱた・・・」

 きたみちは扇子を取り出して靜を扇いでやった。

「涼しい〜〜・・・ありがとう、父上。」

にぱりん☆と、天使の微笑みを浮かべる静。

「はは・・・靜は可愛いなぁ」

 静の頭を優しく撫でるきたみちもどる。何だか知らないが涙をだくだく流している。

「そこ!和むな!!別の意味で暑苦しい!!!」 

「そんなに目くじら立てなくても良いじゃないですか・・・」
「そうよ。もっと落ち着いていきましょうよ☆」

 団扇で扇いでいるbeakerと、ジュースを飲む勇希。すっかりくつろいでいる。

「そういうアンタ等はバケツに足突っ込んだり水着になったりするなぁぁぁぁぁぁ!!!」

 坂下の絶叫が購買部に響き渡った・・・

 ・
 ・
 ・

「さあ!真面目に行くわよ!!」

 バン!!と黒板をたたく坂下。そこには・・・

”夏だ!プールだ!かき氷だ!!第二購買部、夏季の売り上げ倍増計画!!”

 と、書かれていた。

(夏は良いとして、プールとかき氷って・・・)
(大体誰だ?あんなフレーズ考えたの・・・)
(なんて言うか・・・その・・・)

 小声で話し合う、沙留斗、デコイ、T-star-reverseの三人。

「そこ、五月蝿いよ!大体これ考えたの私じゃないからね。」
「じゃあ誰が?」
「ん!」

 指を差した先には・・・

「ご、ごめんなさい・・・靜、一生懸命考えたんだけど・・・」

 目に涙を浮かべている靜が在った。
 その姿は、どんな悪人でもおもわず謝ってしまいそうな可憐さを醸し出す。

「貴様らぁぁぁぁ!!靜の考えたフレーズにけちをつけるのかぁぁぁぁ!!!」
「ひどいです!!沙留斗さん達!!」
「そうですよ!いたいけな少女を泣かせるなんて!!」

 非難の声を上げる、きたみち、理緒、T-star-reverseの三人。

「「おいこらティー!お前も言ってただろうが!!」」


閑話休題


「この夏の間に、第二購買部はまあまあの業績を上げてるんですけど、今一つ物足りな
いんですよ。」

 ぱたぱたと団扇を扇ぎながら説明を始めるbeaker。それに続けて坂下が話し出した。
 
「そこで、この夏の間を使って何か良い方法はないかを探そうって事になったわけよ。」
「何か有りませんかね?良い案は・・・」

「「「う〜〜ん・・・」」」

 全員で考え始める。


「お祭りはどうかな?」

 先頭を切って、きたみちが口を開いた。

「お祭り?」
「そう。これだったら屋台なんかで結構な稼ぎが見込めないかな?」
「それ良いですね!」

 賛同するひめろく。きたみちの傍らでは靜も瞳を輝かせていた。

「駄目ですね。」
「え?どうしてよ?良い案じゃない。」

 一刀両断で切り捨てるbeakerに、問いかける坂下。

「ひとつ、お祭りというからには何か祭るもの、つまり後ろ立てが必要ですが、私たち
にそれが無い事。ふたつ、すでに別の組織でお祭りが画策されている事。」

「そ、そうか・・・」
「なるほど・・・」

 残念そうに言うきたみちとひめろく。傍らでは靜がしゅんとしていた。


「ん〜・・・じゃあ、お化け屋敷なんてどうですか?」

 T-star-reverseがそう言った。

「それも却下。」
「またぁ〜?」

「理由は、確かに面白いですけど、単独で行ってもあまり効果的でない事。それはお祭
りなんかと一緒に行うべきですね。」

「ですか・・・」


「では、花火なんてどうでしょうか?」

 次はデコイが言う。

「花火?打ち上げの?」
「そう、これだったらかなりの人が見るでしょうから、人は多く集まりますよ?便乗し
て屋台を開けば結構行けませんかね?」

「それも駄目。理由、打ち上げ花火は買うにしろ作るにしろ、お金がかかるという事。
それに、夜だけではあまり稼げませんしね・・・」

「う〜む・・・そうですか・・・」


「じゃあさ、水泳大会なんてどうかな?」

 勇希がそう話始める。

「先生、自分がそんな姿だからって言ってませんか?」

 半眼で突っ込む坂下。

「そんな事無いわよ?これだったら人は来るでしょうし、屋台なんかでもかなり稼げな
いかな?それに・・・こういうのは気が引けるんでけど・・・その・・・」
「写真、ですね?」

 どもる勇希にそう話し掛けるデコイ。その目は鋭く輝いていた。

「駄目。それも他の方が考えてるらしいです。」

(っち!)

 心の中で舌打ちをするデコイ。表情は心底残念そうである。


「じゃあどうするのよ?決まらないじゃない!」

 痺れを切らして叫ぶ坂下。その時・・・

「あの・・・良いでしょうか?」

 不意にそれまで黙っていた沙留斗が話し出した。

「何かな?沙留斗君。」

「あのですね・・・」

 ・
 ・

一分後・・・

 ・
 ・

「・・・と、こんなのはどうでしょうか?」

「う〜む・・・確かに・・・良いかもしれませんけど・・・」
「まあ、ね。イベントとしては良いかもね・・・でも・・・」

「僕は良いと思うけどね。ここは血気盛んな人が多いからチームは集まると思うけど。」
「私も賛成だね、見てても面白そうだし。」
「まあ、私も特に依存はないわね。」

 beakerと坂下は保留、きたみちとT-star-reverse、勇希は、沙留斗の意見に賛同した。

「でも、どうやってお金を稼ぐんですか?」
「そうですよ、聞いたところ、こっちの出費がかさむみたいですけど。」

 理緒とひめろくからそう質問が来た。

「そのとうり、これだけじゃ何の稼ぎにもなりません。目的は別に有ります。皆さんの
意見を統合するんです。」

「「「統合?」」」

 他のメンバーが声を上げる。

「そう。これをメインイベントにして、その他の所で、例えば屋台やお化け屋敷、花火
大会なんかをするんですよ。」

「なるほど・・・」
「つまり、言い方は悪いけど「おとり」という事かな?」

 デコイとbeakerがそう問いただす。

「厳密に言うと違いますけど、まあそんな所ですか。しかし、真の稼ぎは別に有るんです。」

「別というと?」
「何でしょうか?」

 きたみちとひめろくがさらに聞く。

「ギャンブルです。」
「「「ギャンブル?」」」

 声をそろえて聞くメンバー。

「そう!この大会の優勝チームを予想し合うギャンブルを行うんです!!」
「「「ほう。」」」
「これだったらかなりの金額が動くでしょうから、うまく行けば大金持ち!!」
「「「うんうん!!」」」

「靜、お前は聞いちゃ駄目だ。」
「なんで?父上〜」

 きたみちは靜の耳をふさいだ。
 ・・・君には純粋でいてもらいたいんだよ・・・

「さらに!この企画では強い人が必ず優勝するとは限りませんから、上手く行ったら、
無名のチームが優勝!!誰も賭けていないから、外れた金は全て収入に!!!」
「「「おおお!!」」」

 盛り上がってきた所で不意に勇希が口を開いた。

「ところで、私が先生だって事忘れてない?」
「は・・・」

 ・
 ・

しばらくお待ち下さい

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 ・

「で、でも学校公認になったら、収入が手堅くなるんですけど・・・」

 ぼこぼこになりながらも、勇希にそう言う沙留斗。いろんな穴から血を流してる。

「ん〜、でもね〜・・・上の人って気難しいから・・・」
「そんな事言わないで、お願いしますから掛け合って下さいよ〜」
「わっ!ちょっと、つかまないでよ!!」

 沙留斗はなおも食い下がる。
 見るに見かねたbeakerが、思わず口を開いた。

「では、半分ぐらいを購買部の収入にして、残りを此処のみんなで分けるってのはどうですか?」

「ん、それならOK、上の方には言っておくから☆(極上の笑み)」

「「「はぁぁぁぁ!!(ガタガタ)」」」

 あまりの変わり身の早さに、こける面々。

「と、とにかく、この企画は通った事で良いかな?僕にも異存はなくなったし。」

 beakerがメンバーに聞く。その顔は何処か好奇を湛えていた。

「良いんじゃない?私はバイトだからアンタ達の決定に従うまでよ。」
「私も坂下さんと同じですね。お金さえもらえれば・・・」

 坂下はぞんざいに、理緒は少々卑屈に言った。

「同じく僕も。お手伝いさせてもらいますよ。」
「僕にレポーターやらせて貰えないかな?面白そうだし。」
「なかなか楽しそうだから、私もOKです。」

 ひめろく、きたみち、T-star-reverseがそう言う。
 三人とも何処か愉快そうである。

「ふむ・・・それなりに良い写真も取れるかもしれないしね・・・」
「ま、私はさっき言ったとうり、OKだから。」

 デコイと勇希もGoサインを出した。

「やった!これで面白くなるぞ!!」

 嬉しそうに言う沙留斗に続けて、beakerが話し出した。

「では早速、役割分担でも決めましょうか?」

 ・
 ・
 ・

そして今・・・

 学園内の掲示板に大きなポスターが貼られていた。
 その題名は・・・


             目指せ!君も冒険者!

                     第2購買部主催
      「RPG体験大会:ダンジョン・オブ・ライブラリー」



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                   今日のアイテム:扇風機
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沙留斗:始まった・・・
沙耶香:始まりましたね・・・
 坂下 :早まったの間違いじゃないのか?
沙留斗:どういう意味ですか!それ!!
 坂下 :だって、ねえ?
沙耶香:そうですよ。ろくに書いてないのに長編をやろうとするなんて・・・
沙留斗:ほっといて下さい!!
沙耶香:ともかく、これは連載物だそうですので、よろしくお願いします。
 坂下 :話しによると、全10回前後の登場人数60人オーバーらしいけど?
沙耶香:また多いですね・・・途中で破綻しなければ良いのですが・・・
沙留斗:ふっ、色々考える事があったんだよ・・・引くに引けなくもなってるし・・・
沙耶香:まあ、参加予定者の方は冷めた目で見守ってやって下さいませ。
 坂下 :よろしくね。
沙留斗:冷めた目って何?(しくしく)
沙耶香:それは置いておいて、今回の物は購買部の方々が中心になっております。
 坂下 :若干名を除いて購買部関係者はほぼ出てるわね。
沙留斗:次回は参加者が中心になる予定です。後、参加者名簿も付けますので。
沙耶香:その他に購買部の準備の様子が入りますけどね。
 坂下 :今回はこんなとこかな?
沙留斗:だな。それじゃあ、また。
沙耶香:次回が有りましたら、お会いしましょう。
 坂下 :なんか不吉な・・・(笑)ま、いいか、じゃ〜ね〜