Lメモ 心の外伝1 投稿者:セリス
某市にある私立LEAF学園。
一見普通の高校だが、ひとたび中に入った者は、その考えが事実と大きくかけ離れていることを
身をもって知ることになるだろう。
私立LEAF学園。
そこには今日も独特の風が吹き荒れていた。


「大変だぁっ!」
大声をあげ、突然三年の教室に飛び込んで来たのはゆき。
ドアを開けるのももどかしかったようで、足下にかつてドアだったものが散らばっていた。
「それでさあ、昨日も西山が暴走したもんで、ついかっとなってさぁ・・・」
「ああ、あれだろ? 楓ちゃんがどっかの誰かからラブレターもらったとかっていう・・・」
「そうそう。それでな・・・」
教室内には、主な三年生徒が集まっていたが、誰一人としてゆきに気付く振りをしなかった。
クラスが違うんじゃないのか、などのつっこみは却下である。
「あ、あの、すみませ〜ん・・・」
改めて呼びかけてみるが、先ほどよりも小さな声である。
「そう言えば、久々野はどうした?」
「ああ、梓を落とす為の計画を練るとかで、早々に帰ったみたいだぜ」
「へぇ、珍しいな。いつもは悪企みしながら意味もなく校内をうろついてるのに」
当然、みんな無視した。
「・・・ふん、いいんだいいんだ。どうせ僕なんか・・・」
いじけモードに入るゆき。
「・・・どうしたんだい?」
さすがに哀れに思ったのか、冷静な声で話しかけたのは月島拓也。
それなら最初から無視しなければいいのに。
「あ、あなたは、月島先輩! 僕の話を聞いてくれるんですね?!」
瞳に恍惚の色を浮かべ、にじり寄るゆき。
「・・・君がその妙な顔をやめるならね」
拓也はあくまで冷静であった。
「は、はい、すみません。それで、お話なんですが・・・」
「・・・何・・・?」
だが、実のところ、拓也はゆきの話など、聞いてはいなかった。
(今日の晩御飯は何だろうなぁ。瑠璃子の作ってくれたものならうまいに決まっているけど。
問題は長瀬。いかにして奴を葬ってやるか・・・?)
この考えの、「何」と「?」の部分がたまたま発音されただけであった。
そんなことにも気付かず、懸命に話すゆき。
「・・・それでですね。放課後、いつものようにマルチと一緒に掃除をしようとしたら・・・!
マルチがいなかったんです!」
話しているうちに興奮してきたのか、だんだん声が大きくなっていく。
「おい、うるせーぞ、ゆき!」
突然ジンが乱入してくる。
右手からロケットパンチを発射。
それはゆきの側一ミリのところを掠め、壁に突き刺さり、それでも勢いは止まらずに一気に
壁を突き破ってどこへともなく飛んでいく。
「・・・・・」
声が出ないゆき。
「ちっ、はずしたか。まあいい、この左手につけたゲッタードリルの威力を試す、絶好の
機会と・・・」
冗談とは思えない。
彼は本気で当てるつもりだったのだ。
・・・それが、ゆきの出した結論だった。
まあ、ジンの目を見れば誰でも分かることではあったが。
「う・・・うわぁぁぁ! ごめんなさいぃぃぃ!!」
ついに恐怖に耐えきれず、逃走するゆきであった。


「ちっ、あいつ一体何しに来たんだ?」
獲物を逃した目でゆきが壊していったドアを見るジン。
「なんか、大変だぁって言ってたよね」
とは、岩下信。
「何が大変だったんだろう?」
これは、健やか。
どうでもいいがお前ら、ちゃんと聞いてたんなら相手してやれよ。
「何か、マルチがいなくなった・・・とか言ってたけどね」
僅かに覚えていた拓也が言う。
「何、マルチがいない? ・・・おいセリス、聞いたか? マルチがいないんだとよ」
ジンは面白そうな目でセリスの席を振り返った。
だが、ジンに答える者はいなかった。
いつの間にか、セリスの席は空席となっていたのだ。
「おい、セリスはどこ行ったんだ?」
側の二人に聞く。
「さぁ・・・。僕は見てないけど・・・」と、健やか。
「授業終了と同時にどっかに飛んでったよ」
岩下は有力な情報を提供した。
「セリスが授業終了と共にどこかに消えた・・・。そして、マルチも・・・」
四人は一兆分の一秒で結論に達した。
「「「「あいつが犯人だーーー!!!!」」」」


その頃、廊下を逃走するゆきは。
「何だよ何だよ、僕がなにしたって言うんだ。まったく、横暴な先輩を持つと苦労するよ・・・」
廊下の影から、聞き覚えのある声がした。
「・・・セリスさん、だめです・・・」
「・・・な、いいだろ、マルチ? ぼくとマルチの仲じゃないか・・・」
一瞬そちらに注意をむけたゆきであったが。
「あっ、初音ちゃぁぁん!!」
廊下の向こうに憧れの女生徒柏木初音の姿を見かけたゆきは、その瞬間初音のストーカーと化した。


一方こちらは三年生サイト。
「ふっふっふ、セリスめ・・・。今日こそ往年の決着をつけてやる・・・」
狩猟者へ変化したジン率いるマルチ捜索隊及びセリス討伐隊。
「おい、ジン。いくらなんでも殺しはまずい、サツに捕まるぞ」
「そうだよ、ワッパかけられるのはイヤだろ?」
何故か専門用語でジンを止める岩下と健やか。
「瑠璃子、待っててくれ。今お前を脅かす者を退治してくるからね・・・」
そして、これまた何故かついてきたシスコン・・・
「・・・壊されたいのか?」
・・・失礼、超絶美男子の大天才であった。
「うむ、よろしい」
「・・・誰と話してるんだ、月島?」
そこへ現れたのはRune。
「いや、なんでもない。ところでRune、長瀬を見かけなかったか?」
「長瀬先輩? 確か屋上へ行くとか・・・」
「ありがとう、ではさらばだ」
身を翻し、屋上へと急ぐ月島。
さようなら、君の出番はもうない。
キャラが多いと書き分けが大変なんだよ。
「I'll be back!」
という作者のぼやきが聞こえたのか、英語でかっこつけて去っていく。
こう言っちゃなんだが、却ってかっこ悪い。
「・・・」
唖然として月島を見送ったRuneだが、ふと気づきジン達を追った。


「ふっ、構わん。全て計画通りだ」
「何が計画通りなんだよ」
「そー言えば、ジンの外見って結構某陰険で息子に嫌われまくりでロリコンで隠し事大好きで
何故か理系美人にもてるネ○フとかいう組織のボスに似てるんだよね」
彼等はすぐに見つかった。
と言うか、さっき見た場所から一メートルしか移動していなかった。
なぜなら。
ジンが「あのポーズ」をとるため、どこからともなく調達してきた机と椅子に腰掛けていた
からである。
尚、そこは廊下であり、すぐ近くは二年の教室であり、さらに言うなら何故かfoolが
力尽きていた。
「問題ない」
眼鏡を光らせながら呟く。
もちろんペンライトである。
「・・・ジン、ペンライト、眩しくない?」
「老人達は何が不満なんだ」
「いや、不満じゃないんだけど・・・」
既に彼等はただの漫才グループになっていた。
「あの〜・・・」
よせばいいのに彼等に声をかけるRune。
「・・・何故、ここにいる?」
意味不明な言葉でRuneを見るジン。
「Rune、どうしたの?」
若干理性の残っていた岩下が答える。
「さっき、急いでませんでしたっけ?」
これまたやめればいいのに余計な事を言うRune。
「あ、そうだ。僕達はマルチを捜していたんだった。ね、岩下君?」
ジンを無視し、岩下に同意を求める健やか。
「うん、そうだったっけ。早く捜しに行こう、二人で!」
これまた完璧にジンを無視する岩下。
「マルチを捜していたんですか? 俺、さっき見ましたよ」
「「えっ、どこで?!」」
おもわずハモる。
「え〜と・・・。一年生の教室が並ぶ廊下だったと思いますが・・・」
「よし、一緒に行こう、Rune君!」
「うん、三人で捜せば早く見つけられるよ!」
やっぱりジンを無視する岩下と健やか。
その選択は非常に正しい。
だが、ここでまたRuneが余計な一言を言う。
「ジンさんは、行かないんですか?」
その言葉に、再び眼鏡を光らせるジン。
「そのための、ネ○フです」
またしても意味不明なセリフを吐く。
言いながら立ち上がり、三人を振り返る。
「さあ行くぞ! セリスを狩る!」
同意を得ない内に走り出す。

ドダンッ!!

あっけなく転んだ。
「あ、ジンさん、大丈夫ですか?」
「あーあ、ペンライト当てっぱなしだから・・・」
「目が眩むに決まってるよ、まったく・・・」
ぶつぶつ言うだけで、決して助けようとはしない三人だった。
その後ろ、foolが呟いていた。
「どうせ俺が片づけるんだろうな・・・。校長室から持ってくるの、大変だったのに・・・」


その頃、セリスは・・・
「セリスさん・・・駄目ですよぅ・・・」
「ふっふっふ・・・まだ言うか・・・」
目を真っ赤に充血させてマルチの前にいた。


そっちへ向かう人影が四つ。
「それで、マルチはどっちにいたんだ、Rune君?」
「はい、確かこっちに・・・」
「こっち・・・って、旧体育倉庫がある方じゃないか! セリス・・・まったくコテコテな
場所を選んだな・・・」
「まったくだよ。お約束過ぎるじゃないか。今はもっと別の場所が流行してるのに・・・」
「そうですよねぇ。教室とか・・・」
何か勘違いしているRune、健やか、岩下と・・・
「ふっふっふ・・・。今宵のゲッタードリルは血に飢えている・・・。貴様の血でリングに
真っ赤な薔薇をさかせてやろう・・・」
狩猟者の本性を発揮しているジンであった。


「さあ、マルチ・・・。これが最後だ・・・」
「・・・セリスさん、いつも一緒に仲良くお掃除してたじゃないですか・・・」
「だからだよ。だからこそ・・・」
マルチに迫るセリス。
その表情は、もはや人間の物ではない。
敢えていうならば、『死後百年経ったイボイノシシ』といったところか。
「なんじゃそりゃあぁぁ!」

バアアン!

絶叫と共に、まるでヒーロー物の主人公のように登場したのは、さっきの四人。
「健やかブルー!」
「岩下グリーン!」
「Runeブラック!」
「ジンレッド!」
「「「「四人あわせて!!!!」」」」
てんでバラバラなポーズで叫ぶ。
「健やか君と、その下僕達!」
「わくわく岩下ランド!」
「Runeの部屋!」
「狩猟者一味!」
決めゼリフもやっぱりバラバラだった。
だが、そんなことは彼等にはどうでもよかった。
「マルチ! やっぱりここにいたんだね!」
決めゼリフを終え、状況把握を始める岩下。
「・・・? はあ、授業が終わった後、セリスさんが来られたので・・・」
きょとんとした顔で答えるマルチ。
「よかった、もう駄目かと思ったよ! 無事なんだね、マルチ!」
何か勘違いしている健やか。
「マルチの貞操を守る事が出来て、一安心だよ」
そして、やっぱり勘違いしているRuneだった。
「はい、私は何ともありません」
状況を把握できないマルチ。
そして。
「セリスゥ! やっぱり貴様が全ての元凶だったんだなぁぁ!!」
怒りに燃えた、だがどこか嬉しそうな目でセリスを見るジン。
「ふ、何のことだかよくわからないが・・・。殺るつもりか? ならばこちらも容赦はしないが」
やはりどこか嬉しそうな目でジンを見るセリス。
「貴様を狩るいい大儀ができた・・・。恨むなら、自らの隙を恨むんだな」
「大儀? お前が欲しいのは口実だろう」
油断なく睨み合うセリスとジン。
そこにいるのは、お互いを狩る事のみを思う二人の狩猟者だった。
そんな二人の後ろ、真相が明らかになろうとしていた。
「えー? セリスさんが? 違います、今日はゆきさん抜きで、二人だけで掃除しようって
言われてただけです」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
唖然とする三人。
その後ろでは・・・。
「・・・どうしても殺るのか?」
「いまさら命乞いか・・・」
二匹の獣の真剣勝負が始まろうとしていた。


                           fin

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

ぼくも書いちゃいました。
あんまり面白そうなんで、つい・・・。
下の書いた後、即興で書きました。
作中で登場して頂いた皆様、酷い扱いですみません(^^;
ぼくはこんなのしか書けないんで(^^;

>Runeさん
どうも、ありがとうございます。
一級職人・・・誰が?(^^;
ぼくはただの三流駄文書きです(^^;