Lメモ私的英雄伝1 投稿者:春夏秋雪
「ずぅぅぅぅっっつあぁぁぁぁいぃぃぃっ!!納得がいかぁぁぁぁぁんっ!!」
藤田浩之は不満だった。
理由は簡単。
『ss使いが目立ちすぎてこleaf学園では自分が目立たない』
である。
幾度かこの状況を打破しようと試みてみたものの、圧倒的な力の差に完膚無きまでに叩きつぶされた。
「ここまで俺のプライドをボロボロになるまで踏みつけて
その上、バタフライナイフでずたずたになるまで斬りつけ
さらに丸めて下水に曲げ捨てる様な事しやがって!
あいつら絶対ゆるせん!!!」
熱血しまくる浩之。
しかし、それも数秒。
すぐに意気消沈。
「…とはいえ、あいつらにゃ到底勝てる分けないし…」
と、落ち込んでいる彼の肩をポンと誰かが叩く。
「?」
誰だと思って振り向く浩之の目の前には
「ずいぶんとお困りの様ですねぇ」
「は、春夏秋雪…」
そう、そこには3月中旬から
パタリと投稿がなくなったSS使い(自称)
春夏秋雪がいた。
「そ―――。」
「いらん!!俺に関わらないでくれ!!!」
絶叫する浩之。
彼の経験上『SS使いに関わるとろくな事にならない』
と言う教訓を見いだした。
「そんな貴方に耳より情報♪」
浩之の言葉を無視して春夏秋雪は言葉を発する。
――甘い誘惑とともに。
「これで貴方もSS使いと同等以上の力を手に入れる。」
ピクッ…
浩之が微かに反応する。それを知ってか知らずか更に
続ける春夏秋雪。
「あの『マルチ』が『貴方のマルチ』に!!」
ピピクゥッ!!
反応が大きくなる。
「しかも、積み重なる恨みも晴らせて一石二鳥!!」
ピピピピピクゥゥゥゥゥゥッ!!!
浩之は今までの屈辱を思い出していた。
脇役以下の扱い。
薔薇ネタ。
セバスチャン。
寂しい高校生活。
クリスマスに暖炉にかかっている空っぽの靴下(?)
本屋でエロ本を買っている自分(もしもし)
「う…ううっ…!」
あと一押し!!
「今なら"WHITE ALBUM"も付いて、
とってもお買い得!!さぁ!!
この話に乗る人、この指とまれぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
ガシィィッ!!
次の瞬間、春夏秋雪の人差し指を握っている藤田浩之が
そこにはいた。
「本当に…」
真剣な目で春夏秋雪を見つめる。
「本当に奴らに勝てるんだな…」
「はい」
いつも真顔の春夏が真顔で応える。
「主役も奪い返せるんだな…!!」
「はい!」
「マルチが『俺の』マルチになるんだなぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
「はいっ!!!」
「よっしゃぁぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁっ!!」
この時、春夏秋雪と藤田浩之との間に堅い友情が結ばれた。

                                〈続く〉