Lメモ:台風直撃の情景 投稿者:SOS

緑葉帝73年9月、学園に大型の台風が直撃した。
それでも生徒が普通ではないので学園は休みにはならない。
これはそんな日の一場面………


柏木家―――
「千鶴さ〜ん、今日くらいは学園休みにした方がいいんじゃないですか?」
「あらあら、駄目ですよ耕一さん。ただでさえ授業が遅れてるんですから1日でも休め
ませんよ」
校長の千鶴は結構学園の事を考えているらしい。
「それに休みにしたら学園に保管してある食材が傷んでしまいますし」
「あ〜、そうですか」
「今日のお昼は期待していて下さいね(はあと)」
耕一はこの日、朝から元気がなかったが昼からは生気がなくなっていたと言う…




学園女子寮―――
SOSは朝からなぜか女子寮に連行されていた。
「なんで私はここに連行されているんです?」
「決まってるやないか、あんたには今日わたしらの登下校を手伝ってもらうんや」
そう言ったのは猪名川由宇。寮の管理人の一人である。
「別にそれくらいならいいですけど、それなら男子寮のみんなも…」
「あっちはええ」
由宇はあっさりと言い放った。
「男やったらこれくらいの台風、自分で何とかすればええんや」
「はあ………」
「そうだよ、前にあっきーが『男子たるもの嵐に立ち向かわんでどうする』っていって
たもん」
そう言って出てきたのは川越たけるであった。
「ま、別にいいですけど…」
結局SOSはこの日、計23回学園と女子寮を転移で往復する事になった。




学園男子寮屋上―――
「はぁっはっはっはっ、この横殴りの雨と風。この刺激はなかなかのモノ、この台風
65点をやろう!」
秋山登は屋上で雨に打たれていた。言葉通りまさに嵐に立ち向かっていたのだ!
「これで後は看板や屋根瓦が飛んでくれば80点以上の高得点なのだがな」
なんとなく動機が不純そうだが………




藤田家からの通学路―――
いつものように藤田浩之は神岸あかりと登校していた。
「なあ、なんでお前の『浩之ちゃん』ってのは台風でもあそこまで聞こえるんだ?」
「だって、愛情がこもってるからね。台風なんかに負けないよ」
「あっそ………」
愛は自然をも凌駕するものらしい………




科学部部室―――
「よう、柳川先生なにやってんだ?」
「ああ、ジンか。なに折角台風が来てるんでちょっと実験をしようと思ってな」
「実験?」
「そうだ、台風に同じくらいの強さの別の台風をぶつけるとどうなるかと言う実験だ」
「で、それは何作ってんだ」
「人工台風発生機だ」
どうやら狂科学者にとって台風も単なる実験材料に過ぎないらしい。
なお、この台風発生機は完成時にはジンのルストハリケーンの強化パーツになっていた。




下駄箱―――
「傘がほとんど役に立ってねえな」
そう言ってびしょ濡れになりながら登校したのは夢幻来夢。
もし、雨ガッパを着て登校していればこの後の悲劇は起こらなかったかもしれない。
「うおおぉぉ〜!!雨に濡れた来夢ちゃんはますます萌え〜〜!!」
平坂蛮次。ちゅるぺた萌えで番長。硬派っぽい外見を粉砕する行動力を持つ。
「どっからわいて来やがったぁ!放せ!触るな!まとわりつくな!!」
「雨で張り付いたうなじの部分が萌える〜!」
「人の話を聞けぇ〜〜!!!」
数分後、来夢は無事平坂から逃れられたが、首筋にキスマークがあったとか、無かった
とか。




廊下―――
「はあ〜、嫌な天気ですねえ」
「ひなたさんでもそう感じるんですね」
「それはどういう意味ですか?美加香」
「あ、え〜っと。あれ?あれなんでしょう?」
そう言って美加香は窓の外を指差した。
「ん?なんです」
そうして振り向いた風見の前を………
「うっきゅうううぅぅぅぅぅぅ〜〜〜〜!!」
水野響が風に乗って飛んでいった………

「今のは水野くん?」
「みたいですね」
「…………………」
「…………………」
「見なかった事にしましょう…」
「………はい」
数分後、水野響は何もなかったかのように廊下を歩いているのが目撃された。




放課後―――
「今日はいつもよりも汚れてますから頑張りましょうね」
「ああ、そうだね。頑張ろう」
いつもより少し気合いの入ったマルチはいつもの様にセリスと一緒にいつもよりも
頑張って掃除をしていた。




台風中心部―――
「ねえ、これどうすんの?」
「私じゃあもう止められませんよ」
「ほっといて自然に消えるのを待つしかないんじゃない?」
台風の発生源ことティリア、エリア、サラの異世界の勇者達は冗談半分でやった風と
雷の魔法合成に失敗し途方に暮れていたと言う………



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とってもお久しぶりなSOSです。
ああっ、落ちがついてないっ(^^;
と言うわけでなんとなく台風の季節なんで台風ネタをやってみました。
ちなみにフィルス3人娘は言葉遣いがわからないので適当です(苦笑)

登場していただいた、たけるさん、秋山さん、ジンさん、来夢さん、平坂さん、
ひなたさん、水野さん、セリスさん。どうもありがとうございます。

考えてみると初めてSOSの一人称じゃない書き方です。
ホントはこれを書くよりも早くシャッフルを書き上げないといけないんだけどなあ(^^;