Lメモ〜昼下がりの平和な?一刻〜 投稿者:SOS
ここはLeaf学園の中庭。昼休みに入って30分程たった頃。
SOSは入学以来昼休みになると、ここの木に登ってボーっとしているのが日課になって
いるらしい。
「今日も平和ですねぇ。」
『梓ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!』
ドゴォォォォン!!
パリィィィン!!
どこからか叫び声と破壊音が聞こえてくる。
「……静かな昼下がりは至福の時ですね。」
『Dセリオ!今日こそてめぇをぶち倒す!!ロケットパーーンチ!!!』
『そのセリフ聞き飽きましたよジンさん。サウザンドミサイル!!』
キュドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!
ドッグワァァァァァァァァァァァァァン!!!!!
グラウンドの方から入学初日から毎日聞いている声と爆音が聞こえてくる。
「………どうやら今日も闘っているみたいですね。あのお二人は。」
ため息を一つつくとふと考え始めるSOS。
「そうですね、一度あのお二人の戦いを見に行ってみますか。」
そういうと同時にSOSの姿は木の上から無くなっていた。

グラウンド。いつも通り宿命の(?)対決を繰り広げるDセリオとジン・ジャザム。
いつ流れ弾が来るとも知れないのに野次馬は何十人と居た。
SOSが出現したのはそんな野次馬の後ろだった。
「なるほど、さすがにすごい闘いですね。しかし、ロボットとは言え女性に攻撃するのは
感心しませんね。」
「お優しいんですね。」
「えっ?」
独り言にいきなり相づちをもらいびびるSOS。見ると青い髪をショートにした活発そう
な少女がこちらを見ていた。
「すいません急に話し掛けちゃって。私1年の松原葵といいます。」
「どうもはじめまして、私は先日転入してきました同じく1年のSOSといいます。」
「ああ、あなたがあの転入してきた方ですか。」
「知っているのですか?」
「ええ、なんだかいつも一人で居る暗い人だって、ってすいませんこんなこと。」
「いいんですよ、本当の事ですから。それに影で言われるよりはるかにマシです。ただ人
と話すのは苦手でして。」
などとこの後他愛もない話を数分間続けた頃。
Dセリオとジン・ジャザムどちらの放ったものかはもはや分からない流れ弾がSOS達の
居るところにめがけて飛んできた。
「キャアーー!」
唐突に飛んできた弾に気が動転して逃げる事も忘れている葵。だが。
「松原さん、さがって!」
SOSは叫ぶと葵の前に立ち、右手を前に掲げると一言。
「壁よ!」
SOSが言うと同時に翳した手の前方の空間が歪み、飛んできた流れ弾は全て歪みの中に
消えていった。周りは皆何が起こったか解らないでいる。Dセリオとジン・ジャザムの二
人は相変わらず闘っているが。
「怪我がなくて良かったですね。松原さん。」
そう言いながら地面にへたり込んでしまった葵に手を差し伸べるSOS。
「ありがとうございます、SOSさん。でも今のどうなったんですか?」
差し伸べられた手に掴まり立ち上がりながら葵が聞いてくる。
「たいした事じゃありません、ちょっと空間を歪めただけです。それと、女性を守るのは
男なら当然です。」
「はぁ。で、でもどうやって…」
なおも聞いてくる葵にSOSは気楽に
「そう言えばさっきの話に出ませんでしたが私、サイキッカーなんです。私の能力は時空
間に干渉する事が出来るんです。」
「それであんな事が。」
「さて、まだお二人の対決は終わっていませんが、今の騒ぎの間に予鈴が鳴り終わったよ
うですよ。」
「あっホントだ。いけない今日は日直なのに。」
「では、教室までお送りしますよ。」
「そんな悪いです。」
「気にしないでください。どうせ一瞬です。」
そう言うとSOSは葵の手を取り空間を渡った。

葵の教室の前、SOSが葵に謝っていた。
「すみません、女性の手を無理に握ってしまって。」
「そんな、気にしないで下さい。私の方こそSOSさんに迷惑をおかけして。」
「いいんですよ。『どのような状況にあっても女性を大切に出来ないような男になるな』
というのが私の尊敬する方の言葉です。それより授業が始まりますので私はこれで。」
「はい。本当にありがとうございました。」

自分の教室への道すがら
「松原葵さん、彼女の気はとても強く、そしてもろい。誰か彼女の全てを支えてあげれる
人がいれば彼女はいろいろな意味で強くなれるでしょう。」
そう言うSOSの呟きはチャイムの音によってかき消された…

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転入から2,3日たった頃のイメージで作りました。
ところでまたも勝手にキャラを使わせてもらいましたジン様、へーのき様、秋山様すみま
せん。
葵と絡ませると格闘部の男子生徒全てを敵に回した気がするのは気のせいでしょうか?
最後の呟きはなんとなく書いただけです。気にした方がいらっしゃったらどうぞ彼女を
支えてあげて下さい。
でわまた。 SOSでした。