Lメモ「小ねたの小箱(赤色の箱)」 投稿者:皇 日輪

    人間は精神的に追いつめられたとき、本性を出すという。
    でも、けしてそれが正しいとは限らない。
    えてして、人間の本性とは汚いものと言う意味合いで使われることは多いようだ。
    でも、これが本心となると違ってくる。
    結構、肯定的な意味合いで使われることが多い。
    この差はなんだろう?
    …………。
    自分でも何が言いたいのかよくわからないが……。
    まあ、一言で言うならば……。

    苦し紛れってやつ?(笑)


   Lメモ「小ねたの小箱(赤色の箱)」


   Ep1「ある日の科学部」

 「先生……今日実験しないんスか?」
 「ああ、今日は気が向かん」

   ガスバーナーに向かって何かやっている柳川教師にジン・シャザムは尋ねた。
   ここは泣く子も黙るが一部(主に二名ほど)が笑う科学部である。
   柳川教師はガスバーナーに向かって何か黙々とやっているし、かしましい娘たちも今
  日はやけに静かだ。
   ただひとりジンだけは暇そうだが。
   彼のライバル、Dセリオはいまメンテ中でいない。
   でもって、もう一人のライバル、セリスはというと……。

 「マルチ〜、掃除って楽しいね〜♪」
 「はいですぅ〜」

   ……という状態である。
   耕一も千鶴とともに職員室にいるため監視……んじゃなかった、「ちーちゃんのお願
  い」も聞く必要はない。ていうか、かえってちづるの邪魔になる。
   ジンさん、報われないね……。
 「やかましいっ!!」
   はいはい。
   まあ、それはともかくおいといて。
   暇なのである。
 「ところで先生はなにやってんスか?」
 「これか?」
   右手でピンセットをもって左手のものを示す。
   とは言ってもジンからは柳川教師の影になって見えないが。
 「……っと……たける君、できたぞ」
 「わ〜、ほんとに上手い……」
   左手の持っているものを、ちょうどそこにやってきた川越たけるに渡す。
   たけるが持っているものをジンが近寄り覗き込む。
   そこにあったものは……。




   あめ細工のうさぎさん。




   ジンは、派手に床につっぷした

 「どうした?、ジン」
   ふたたびガスバーナーに向かっていた(今度はきりんさんだが)柳川教師は怪訝そう
  に言った。
   たけるも突然床に転がったジンをみてきょとんとしている。
   ジンはなんとか起き上がると、
 「いや、なんでもないです……」
   なんとか、平静を装った。
 「そうか……」
   納得はしていなそうだが柳川教師はピンセットできりんさんの首をびゅ〜っと伸ばし
  ていた。

(……意外と小器用だな)
   ジンは思った。



   いやまあ、なんとなく(笑)

   Ep2「今更だがLF97にいないわけ」


   職員室。
 「格闘部の予算ですが……」
   坂下好恵が耕一に格闘部の予算のことについて話していた。
   実のところを言うと格闘部には予算がほぼ必要ない。
   来栖川綾香がポケットマネーから練習用の機材は購入しているからなのだ。
   当然、それらは学校からもらっている予算よりも高額なものだ。
   が……学校の部活という存在の建前、一応予算のことに関しては考えなければならな
  いのだ。
   なかば押し付けられた形で好恵が会計を引き受け、こういうことをしている。
   購買部でお金の扱いには、慣れているということもあったが。

   不意に自分を見ている視線を好恵は感じた。
   周りを見るが……誰もいない。
 「やあ、水野君、何か用かい?」
   耕一が先に気がついた。
   好恵の視線のずっと下に水野響がいた。
 「えへへ、おはようございますぅ〜」
   うん、まるっきしこどもで女の子だ誰が言おうと。
   ……まあ、いいんだが。
   響はなぜか耕一と好恵の顔を交互に見比べている。
 「どうしたの?」
   そんな響を不思議に思ったのか好恵が尋ねる。
   すると響は女の子のようなきゃるきゃるした声ではっきりとこういった。




 「双子ですかぁ〜」

 「「は?」」




   散々言ったしね〜(笑)


   Ep3「SS使いたおすにゃ刃物はいらぬ……」

 「さあっ!!……っというわけで集まっていただきました、この人達っ!!」
 「どういういうわけだ?」
 「さあ?」
 「どういうわけでしょう?」
   中庭に皇に呼ばれてやってきた、東西、神凪遼刃、OLH。
 「俺なんか、初対面の筈なんだが……」
   とOLH。
   まあまあ、気にしない気にしない。
   いちいち「はじめまして」やってたらいくらやっても埒が明かないでしょう?
   ショートの話なんだし。
 「それは……そうなんだが」
   はいはい、つぎつぎ。
 「おい……」
 「(無視)……はいっ!!とりいだしたるはこの写真っ!!」
   皇が懐から取り出したものは……。
   体操着(ぶるま姿)の姫川琴音嬢ピンナップ(十枚、全部カメラアングルが違う)。
 「「「おおおおおおおおおおっ!!」」」
 「……って、なんで皇さんがそんなものもってるんですか?」
   と東西。
   だから、つっこむなって……。
   細かいことは気にするな。
 「で……ほしくないですか? この写真」
   にやりと皇が笑っていう。
 「にやり……て?」
   と神凪。
   いや……地が……。
   んじゃ……仕切り直して。
 「ほしくないんですか? この写真」
   聖人君子的笑顔120パーセントを浮かべ皇は言った。
 「うそくさい……」
   だから、つっこむなって……。
 「いらないんなら……捨てちゃいますけど」
 「「「くれっ」」」
   皇はにこっと笑い、
 「……じゃあ、あげます」
   写真を空に放り投げた。
   ひらひら、と落ちてくる写真。

 「(ぱくう)……琴音ちゃ〜ん♪」
 「こっとねちゃ〜ん♪(すりすり)」
 「ああっ!! 琴音ちゃんっ!!(だきっ)」

   三者三様の反応をするOLH、神凪、東西。

 「ああ……言い忘れてましたがその写真……」




  ぷるま姿の琴音嬢→(ぴら:顔の部分が取れた)→ぶるま姿のエルクゥユウヤ☆ミ




 「ずさあああああああああっ!!(灰になった)」
 「ぴしぴしぴしぴしっ……(石化した)」
 「こっこっこっこっ!!(鶏に……じゃなくて錯乱した)」


 「一枚以外は偽者ですよ……って……遅かったみたいですね」
   また、三者三様に反応する三人を見ながら、まだ空中を舞っている本物の一枚に皇は
  手を伸ばした。


   ……が。


   写真は空中でいきなり進路を変えたかと思うと一人の少女の方へ。
   ぴしっと少女前で写真は一旦停止。
   少女はそれを手にとりじ〜っと見始めた。
 「こっ……琴音さん……」
   恐る恐る少女の名前を呼んでみる。
   彼女はゆっくりと写真から顔を上げると、
 「……滅殺です」
   と天使のような微笑みでのたまわれた。



   自分に向けられた女性の笑顔の中で何番目かに入る恐い笑みだったと皇は後に語る。



   こんなもんでいいか?(笑)

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