Lメモ「天を騒がす愚か者」 投稿者:T-star-reverse
Lメモ、初参加作品です。
不具合があるかも知れませんが、どうぞ最後まで読んでやってください。お願いします。



Lメモ参加用作品「天を騒がす愚か者」

「……時は放課後、日はうららか、空青く、風そよぐ……」
 一人の男が、湯飲みを手に持ちつつ、盤上を眺めていた。
「……音はあり、空に響き、これまた自然の理なり……」
 黒い帽子に普通のメガネ。湯飲みの中身は昆布茶らしい。
「……本日も好調である。全て世は事もなし……と」

 その瞬間彼の体は、目の前の碁盤ごと爆炎の中に消し飛んだ。

「……あれ?」
 偶然そこを通りがかった葵が、ふとそちらに目をやる。
「……いま、そこに誰かいたような……」
 と、そんな彼女のすぐ脇を、流れロケットパンチが通り過ぎていく。
「気のせいですよね。こんな危ないところに人はいないでしょうし」
 そう言って、葵はその場を立ち去った。



「すいません、マリオノール・ゴーレムの写本って置いてありますか?」
 と、第二購買部を訪れたのは、先ほど爆炎の中に消えた男である。
「マリオノール・ゴーレム……ですか?」
 店番の理緒が困った顔をする。
「すいません、私じゃよく解りませんので、beakarさんが戻ってくるまで
お待ちいただけますか?」
「いいですよ。それじゃまた、明日にでも来ますから」
 そう言って店を後にする男。
 が、その瞬間、彼の体に何かがぶつかり、その体は粉々に吹き飛んだ。

「あれ、どこかで見たような……」
 葵の視線の先には、特徴的な黒い帽子がある。
 さっきの爆炎に消えた人影も、同じような帽子をかぶっていたような……
 そんなことを考えているうちに、どこからか地響きと声が聞こえてきた。
「……あっ!」
 葵が声を上げる間もあればこそ、楓の名を叫びながら走ってきた男が
黒い帽子の男を吹き飛ばして走り去っていくのが見えた。
「西山さんが近付いているのに逃げようともしないなんて……」
 と、葵が帽子の男性の飛んだ方を見てみると……
「……腕が折れてますね。足が一本無くなってるし……あれ、頭が半分づつ
飛んでるような……」
 と、なにやらバラバラになっているように見えた。
「まさか、そんなことはないですよね。姿からしてSS使いの方みたいだし」
 葵は今見た物を「気のせい」で済ませることにした。



「あのー、すいません」
「はい?」
 後ろから声をかけられて、葵は即座に振り向いた。
 そして、びくっとして後ずさった。

「……あの、どうかしましたか?」
 そこには、先程バラバラになったはずの黒い帽子の男性が立っていた。
「い、いえっ!何でもありませんけど」
「そうですか……?」
 男は、怪訝な顔をしてみせると、まあいいか、という顔をして続けた。
「職員室ってどこにあるか知りません?」
「職員室?……あ、もしかして転校生の方なんですか?」
「ええ、まあ。……なんとも危険で楽しい学校ですよね」
 と、微笑んで言う帽子の男。
「さっきなんて、二回連続で痛い目に遭いましたよ」
「え?それじゃ、やっぱり……」
「やっぱり……なんです?」
「あ、いえ、さっきから、爆死したりバラバラになったりしている、あなたに
そっくりな人がいたもので……」
 と、一瞬うつむいてから顔を上げ、葵は目を疑った。
 そこに、帽子の男性が二人立っていたのだ。
「あ、それはきっとこれと同じ……私の傀儡ですよ」
「くぐつ……?」
「ええ。私はこの本……マリオノール・ゴーレムを使って……」
 と、ぶつぶつと男が呪文を唱えると、本が開いて光が飛び出した。
 その光が、近くに落ちていた薬夾を包むと、それが姿を変えはじめる。

 むくむくむくむくむくっ……

 葵が呆然と見ている前で、その薬夾は葵そっくりに姿を変えた。
「ふわぁぁ……」
 驚いて、開いた口がふさがらない葵。
「こんな感じで、傀儡を作ることができるんですよ」
 そう言って男がピン、と指を鳴らすと、葵人形は元の薬夾に姿を戻した。
「まあ、傀儡といっても、私がコントロールしている限り、私と感覚は
共有するんですがね。痛みも感じますよ」
「そ、そうですか……」
 とにかく呆然としっぱなしの葵。
 その葵に、男は変わらずに声をかける。
「で、職員室は?」
「あ、は、はい!」

 職員室までの道を教えられ、男は葵に礼を言う。
「教えてくれてありがとう。それじゃ……」
 立ち去りかけた男を慌てて呼び止める葵。
「あ、あの、あなたのお名前は?……あ、私は松原葵と言います」
「……T-star-reverseです。よろしく、松原さん」
「てぃーさん……はいっ、よろしくお願いします!」
 そう言って、二人は別れたのだった。



「あれ?葵、どうしたの?」
「あ、綾香さん、今、転校生の方に道を聞かれて、挨拶していたんです」
「転校生?……どうせ、また変な奴でしょ?」
「そんなことありません、いい人でしたよ!」
「どうだか……」
 と、いささか真面目すぎる葵に、ふうとため息をつく綾香であった。



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 どうも。ここでははじめましてです。T-star-reverseという者です。
 いやー、結構苦労しました。自己紹介を兼ねた作品って難しいですね。
 とりあえず、名前や状況だけでも出て頂いた方にお礼orお詫びします。

 ……まあ、見てもらえれば解るように、葵ちゃん属性だったりします。
 あと、簡単な自己紹介を下に書かせていただきます。


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名前……T-star-reverse(てぃーすたーりばーす)

通称……てぃー、ティー、T

性格……礼儀正しく、落ち着いている。

外見……黒い帽子(キャップ)+メガネ、中肉中背。

好物……昆布茶。

趣味……ゲーム全般。特に囲碁。

言葉遣い……「私」「〜くん」「〜さん」「〜先生」。落ち着いていて丁寧。

使用技1……禁呪。
 「禁○則不能×」の呪文で、何か一つだけ封印できる。
 例……「禁刃則不能斬」(刃を禁ずれば、すなわち斬ることあたわず)

使用技2……召喚魔法。
 「モンスター・コレクション」というトレーディングカードゲームの
モンスターを召喚できます。

使用アイテム……ゴーレム精霊駆動法儀(マリオノール・ゴーレム)
 鍵穴のない本。いくらでもゴーレムを作ることができる。
 ほかにも魔法を使えたり、いろいろと能力がある魔導書の一種。

その他……兼部王(未定)。
 Leaf学園にあるほとんどのクラブ・部活・同好会に参加して(いたい)。
 ただし、性格を修正されたり(薔薇とか)外見を修正されたりする
ところは却下します(笑)。
 今のところ、放送局とかボードゲーム(囲碁とかチェスとか)部とか、
エクストリーム同好会とかに加入……してると思います。
 まだあまり詳しくないので、よろしければいろいろ誘ってください(笑)。

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 とりあえず、こんなところです。
 そのうちもっと細かいのを提出しますので。

 それではみなさん、よろしくお願いいたします(深々)。