てぃーくんだよーっ！みんな、元気してる？

　今日もね、みんなにお話をするから、楽しみにしてね！

　んじゃ、はじまりだよーっ！



Ｌメモ・ショートショート集９「生徒会の最後！？」



　今日は、みんなでピクニックに来ていた。
　みんなって言っても、僕と雛山良太くん、それに木神木風ちゃんと
榊宗一にーちゃん、ピクニック発案者の河島はるかねーちゃんだけだけど。
「ねー、河島センセー、そろそろお弁当にしようよー」
　良太くんがそう言うと、はるかねーちゃんはこくんと頷いて、手に持った
大きい風呂敷包みを下ろして、敷物にした。
　そして、みんなそれぞれ、お弁当を食べる。
　木風ちゃんと宗一にーちゃんは、木風ちゃんが作ってきたらしいお弁当を
二人で食べている。僕と良太くんとはるかねーちゃんは、はるかねーちゃんが
作ってきたお弁当を食べる。
「おいしーね」
　僕がそう言うと、はるかねーちゃんがにこっと笑った。
「ありがと」
　ふと見たら、宗一にーちゃんも、木風ちゃんに僕と同じことを言っていた。
「……で、どーしてピクニックするのに、ここに来るんですか？」
　その声のした方向を向けば、健やかにーちゃんが呆然として立っている。
「……外。雨だから」
「それだけかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！！」
　はるかねーちゃんの答えに、絶叫したのはＲｕｎｅにーちゃん。
　……外は、重苦しい雨だった。


　と、いうわけで、僕たちがピクニックに来ていたのは地下の生徒会室。
　校則で、「善玉は、番組終了まで入ってはいけない」と決められてはいるが
あいにく、メンバーの中に特に善玉と言えるメンバーはいなかった。
　「善玉」の意味を、はるかねーちゃんが知らなかった、ってのもあるけど。
　ってゆーか、やーみぃにーちゃん以外に（自称でも）「善玉」っているの？
「……っていうか、なんだってこんな所に来るわけ？」
　ジト目でこっちを見つつそう言ってくるのは太田香奈子ねーちゃん。
　きょとんとした顔をして、はるかねーちゃんが指を上に立てて口を開く。
「そ……」
「あーいい、いいから。わたしが悪かったわ」
　それを聞いて、再び弁当に向き合うはるかねーちゃん。
　それを見ればたしかに、善玉とか悪玉とか超越した存在みたいだ。

　そんなこんなで、食事を一段落させて、お茶タイム。
　いつの間にやら、暗躍生徒会のにーちゃんねーちゃん達もまじっている。

　ずずー。
　ほぅ。

　お茶を啜る音と、息をつく音が暗めの室内にほのぼのと響く。
「いいピクニックだねー」
「そーだね」
　みんなでぼーっとして、そのまま時が過ぎていく。
　壁にあるモニターの明滅が、静かに僕らを照らしていた。



　…………………………………………………………………………。



「何で自分達がこんなところでこんなことをしなけりゃならんのだっ！？」
　そう言って我に返ったのは、Ｒｕｎｅにーちゃんだった。
「こらお前、そんなところで幸せそうな顔してお茶飲んでんじゃないっ！！」
「痛い、痛い、痛いっ！！」
　Ｒｕｎｅにーちゃんが、七瀬彰にーちゃんの耳を引っ張って、
お茶を飲んでいる輪から引っぱり出した。
「……目上の人じゃないの？」
「ここではいいの。暗躍生徒会では同格かそれ以下だし」
　僕の疑問に、あっさりと答えるＲｕｎｅにーちゃん。
　そして、右手をこっちに掲げ、声を低くして凄みをきかせる。
「警告だ。たった今ここから出ていくように。さもなければ、実力行使」
　と、そこまで言って、途端に言葉を止めるＲｕｎｅにーちゃん。
「いや、気が変わった。いますぐ吹っ」
　さらに、言葉を止める。
「やっぱり、猶予をやろう。これから１０秒のうちに出て」
　と、その時点ですでに汗をかいている。
　何かとんでもなく緊張しているようだ。
　ふと横を見ると、宗一にーちゃんがものすごい形相でＲｕｎｅにーちゃんを
にらみつけていた。
　木風ちゃんに何かあったら許さないぞ、というのが容易に見て取れた。
　ちなみに、木風ちゃんは宗一にーちゃんの顔が見えない位置にいる。
「……出ようか」
「そだね」
　Ｒｕｎｅにーちゃんの様子に、はるかねーちゃんがそう言った。
　みんな、なんとなく不安になって、その意見に賛成した。


　地下生徒会室から出る。
　それから、数分後。

　どっぐぁーーーーーーーーーーーーんっ！！

　爆音が響いた。
「……Ｒｕｎｅにーちゃん、八つ当たりしたのかな」
「そーなんじゃない？」



　とりあえず、ピクニックはとっても楽しかった。
　また、どこかに行きたいな。



　おしまい。



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Ｔ「てぃーくんのショートショートシリーズ第９弾！今回は久々に
　時間に余裕を持って完成っ！！」
て「いつもそうすればいいのに……」
Ｔ「しくしくしくしく……」
て「ま、いいや。今回は、このシリーズと共に一日一投稿をしている
　Ｒｕｎｅにーちゃんの暗躍生徒会絡みのお話だね」
Ｔ「そーです。ついでに、このシリーズで破格な出演回数を手に入れた
　雛山・弟と河島【自転車】はるかがきっちり出てきています」
て「榊にーちゃんと木風ちゃんは？」
Ｔ「木風ちゃんは、前回で出すのを忘れたので出しました。榊さんは、
　木風ちゃんがいるのに出さなかったら絶対文句が来ますから（笑）」
て「ひさびさにあとがきが長いなぁ……それじゃ、またねー！！」

　追記……暗躍生徒会は壊滅していませんのでご注意（笑）