「放課後の崇乃・1」自己紹介編 投稿者:八塚崇乃



「どうしても行くのですか?」
 某県某市某所の木造の道場の中、最奥で正座をしている女性――八塚家現当主――が向
かい合う少年――自分の息子――に問いかける。その口調は少し厳しさがありながらも、
母親の持つ子供を心配するソレが含まれていた。
「あなたの意思は今まで尊重してきました。これからもそうするでしょう。けれど、あの
学園は――」
「判ってる。俺と同じくらいに危険な人間達がいるって事ぐらいは……」
 言い返す彼。そして自分の母親を見据える。八塚家歴代当主の誰とも契約を結ばなかっ
た気まぐれな『音の精霊』を従える、気まぐれで優しい母を――ではなく、八塚家当主の
顔をした厳しい母を。
(少しシワが増えたかな……)
 2、3年前の彼ならばそんな失礼な事を表情も変えずに言っていたものだが、代わりに
別の言葉――あらかじめ用意してあった言葉を彼は自分の母親に言う。
「やっぱり高校だけは普通に卒業しておきたいし……それに――」
 沈黙。
 彼女も続きを促がそうとしない。
 そうするよりも待っていた方がいい、と判っているからだ。
 そしてキッカリ3分後、彼は口を開いた。
「もし俺が『暴走』しても、あの学園でならそれほどの被害も出さずに俺を止められるは
ずだから……」
「崇乃……」
 彼――八塚崇乃――は、はっきりと自分の決意を母親に伝えた。
 左右色違いの瞳に全くの迷いを浮かべずに……。



            Lメモ(1)「自己紹介は突然に」



  1ヶ月後……

――タッタッタッタッ……
 背中にはナップサック――教科書などの入った――を、右手に2つの紙袋――昼食の入
った――を持ちながら走る。走っている。
 今、1人のSS使いが、試立Leaf学園へと続く道、転送装置の設置されている場所
へと急いでいた。
 走りながら、左腕の時計を見る彼。時間的に見れば、このまま走っていれば何とか遅刻
せずにすむ時間だった。
(ちっくしょ〜〜〜。こんなことなら夜中の2時まで『ブギーハート』なんて読まないで
さっさと寝とくべきだった〜〜〜)
 ……やけに説明的な……。
――ハアッ、ハアッ、ハアッ……
 息があがっている。距離的には500mくらいしか走っていないのだが、17歳にもなっ
てマトモに運動をしていないせいだろう。だんだんと走るペースが遅くなっているのだが、
彼は走るのを止めなかった。
(あと、カド、マがる、だけ……)
 マトモに思考する力も残ってない身体で、彼は最後の角を曲がり、やっとの思いで転送
装置へと辿り着いた。その途端に彼は座り込み、おもいっきり息を吸って、吐き出した。
ハタから見ると変質者に間違われて石でも投げられそうな光景だった。
 1分後、彼は立ち上がり大きく背筋を伸ばしながら深呼吸をしようと――する前に後ろ
を振り返ってみた。
「あ……」
 少女がいた。なぜか両手で革の鞄を振りかざしていた。そのまま振り下ろしていたら、
まず間違いなく彼の頭に直撃していただろう。
(ま、いいけど……)
 そんな事を思いながら何気無く彼は少女に朝の挨拶をした。
「おはよっ、マナさん」
「お、おはよう、八塚くん……」
 ちょっとだけドモりながら少女――観月マナ――は、彼に――八塚崇乃――に挨拶を返
した。彼女は慌てて鞄を背後に隠す。
 崇乃はそんなマナの行動を見て、苦笑しながら掛けていた水色のサングラスを上にずら
し、左目の『浄眼』からこぼれていた涙をぬぐった。


――ブゥゥゥゥゥゥン
 そんな音を立てながら、転送装置は発光を止めた。そして自動式の扉が静かに開く。
 先程まで扉の向こうに見えていた景色とは全然違い、校門があり、学校がある。2人は
遅刻した者が転送装置に入ると強制的に送られるという地下特殊自習牢に入れられること
なくLeaf学園に着いたのだった。
「んっ…………んっぅぅぅぅぅぅっ!」
 大きく背伸びをし、歩きながら、
「また1週間の始まり……さてっ、がんばろっか!」
 などと気合いを入れる崇乃だが、隣では逆に、
「はぁ〜〜〜。また1週間が始まった……」
 彼とは全然違う態度をとりながら、ため息を吐くマナだった。
 2人ともなんとなく距離を取りながら、一緒に学校の玄関まで歩く。
(……やっぱり3年生って大変なんだなぁ……)
 と思いながら、彼女をじっくりと見つめる崇乃。そして少しだけ思考する。
(……なんでマナさん、わざわざ俺を待っててくれたのかな。遅刻ギリギリまで……)
 だがマナはそんな風に思われているのを知ってか知らずか、
「あ、八塚くん。はいっ」
 と彼の方に片手を差し出す。
「?」
「………………」
「なに?」
「………………」
 考え事をしていた最中にイキナリそんなことを言われてしまったので、崇乃は混乱しか
ける。不機嫌な顔になるマナ。沈黙が2人の間を支配した中、彼は彼女が手を差し出した
理由を思い出した。
「あ、はっ、はいっ! こ、これが今日のマナさんのお昼ご飯だから……」
 慌てて言いながら崇乃は右手に持っていた2つの紙袋のうち、1つを彼女に渡す。その
中には、遅刻しそうになりながらも、彼の下宿している家の近くにあるパン屋で急いで選
んだ調理パンが入っていた。
「うん、ありがとっ。さすが私の召使いね」
「マナさぁん……(ウルウル・泣)」
「あ、うそうそ。冗談。泣かないでよ、そんな」
 いつもの光景、いつもの会話。マナと知り合ってからの崇乃は、彼女のため、学校に行
く前に自分のと一緒に彼女の昼食も買って、途中の道で彼女と合流し、こんな風にマナに
昼食を渡していた。
 マナは紙袋を受け取ると、玄関に急ぐ。2、3歩崇乃を先行してから、振り向き、
「今日はもう時間ないから、お金はまた明日ね〜!」
 と言うと、小走りをしながら校舎へと消えてしまった。
「ふぅ……ん」
 小さなため息。そして、先程自分の中で考えていた疑問に自分で答えるよう、小さく呟
く。
「俺を待ってたんじゃなくて、昼飯を待ってたんだろうなぁ、きっと。昼休みは購買部、
地獄って言われてるし……」
 もう一度ため息を吐きながら、崇乃も校舎へと急ぐのだった。


「よっ、ギリギリじゃねーか崇乃」
「おっはよ、浩之」
「なんだよ。また観月先輩のパシリやってたのか?」
「パシリって――それはちょっとひどいんじゃない?」
 なんてクラスメイトの藤田浩之と冗談交じりの会話をしながら自分の席に着く崇乃。鞄
の中に入れてある時間割表を見ながら1人考える。
(1時限は、古典、か……)
 少し思案して、そして決める。それと同時に教室の後ろに設置されているロッカー、自
分のロッカーの中に置いてある電気ポットとキュウス、お茶っ葉を持ち出すと、浩之に声
をかける。
「今からサボるから」
「オマエは……小出センセ、また怒るぞ……」
「授業中に早弁されるよりはマシだろ?」
「朝飯、食ってないのかよ」
「そういうこと。じゃ、行ってくるから」
 そう言って崇乃は、これまたいつものように教室を抜け出した。


――キィィィイ
 きしんだ音を立てながら屋上のドアを開ける。
「ぅわっ」
 最初に見渡す限り、真っ青の空が見える。輝く太陽も。白い雲などどこにもない、いわ
ゆる日本晴れと言うヤツだった。ただしサングラスのせいで崇乃には少し違った色に見え
るが。
 まず、外部に露出しているコンセントに電気ポットのコードを繋げる崇乃。続いて彼は、
自らの内に存在する、最も身近な友人を召喚するために複雑であり簡単な――つまり使用
頻度の高い魔術の構成を編み、小さく呪文を唱える。
「我が夢より来たれ水姫」
――シュルルルルルル……
 奇妙な音。そして高さ50cmの空中に水が産まれたかと思うと、それは瞬時にして肥大し、
崇乃と同じくらいの身長の女形の水の人形が現れた。
「kwyyyyyyr」
 人間には理解不能の声で哭く『水姫』。そんな彼女(?)を見て、なぜかウンウンと頷
く崇乃。
「おはよ、エスプィア。今日は機嫌が良さそうだね」
「kwyyyyyyr」
「いつものようにポットに水いれて。その後は構成が消えるまで適当に遊んでていいから」
「kwyyyyyyr」
 人外の言葉を喋る精霊とコミュニケーションをとる崇乃。実際には何を言っているのか
お互い判らないのだが、10年以上培ってきた崇乃と『水姫』――エスプィアの絆の間には、
そんな事は関係なかった。ア・ウンの呼吸で何がしたいのか、何をして欲しいのかが判る
からだ。
 ポットの中に水を入れるエスプィア。その後彼女は、背中から妖精のような羽をはやし、
大空の中を飛んでいった。崇乃はそれを眺めてから、電気ポットの電源をONにした。

「しかし……」
 緑茶を飲み、少し遅めの朝食を食べながら、屋上から見える景色を見て崇乃は思う。
(この学園に来て1ヵ月。なかなか洒落にならないトコロだよな……鬼はいるしサイボー
グや魔術士や仙人、天使に竜、スパイ、使い人、アイドル、忍者、宇宙人、メイドロボ、
etc、etc……、それに日本刀や銃ぶらさげてるヤツも……銃刀法違反って法律、こ
こじゃ意味がないのか?)
 思わず空を見上げ――
(ま、魔術士であり精霊使いでもある俺が他人の事は言えないか……)
 声無く笑う。昼食分のパンを残して食べカスなどを片付ける。それらを一まとめにして
から屋上にあるゴミ箱に投げ捨てる。
(確か時空間にあるんだっけ? この学園……)
 屋上から遠くを見る。地平線も水平線も見えない。ただ浮かんでいるだけの学園……。
(『ピレネーの城』って絵を連想させるなぁ……)
 緑茶を啜る。またぼんやりとする。
 そんな事を繰り返していると、
――キィィィイ、バタンッ
 屋上のドアの開き、閉じる音、そして女性の声が崇乃の耳に聞こえた。
「八塚くぅん」
 その声には少なからず殺気が含まれていたかもしれない。
 振り向く崇乃。「あっ」と思わず呟く。
「私の授業をサボって、こんなトコロでナニをしているのかな?」
 自分の疑問を崇乃にぶつける彼女は、遠目から見れば知的に見え、笑っていれば可愛く
見える顔立ちをしていた。ただし今は、顔は笑っているのだが声が震えている。おそらく
怒りのためなのだろう。掛けているまんまるメガネが今の表情にあまり似合っていない。
「八塚くぅん。ねぇ、ナニをしているの?」
 崇乃は慌てず騒がず答える。
「そりゃあ……決まってるでしょ。朝飯」
「なんで今、朝ご飯を食べてるのかな?」
「朝飯を食べ忘れたから」
「なんで屋上で朝ご飯を食べてるのかな?」
「お昼でもないのにご飯の匂いを教室に立ち込めちゃ、まずいでしょ?」
「わ、私の授業にはど、どうして出ないのかな?」
「授業中に堂々と早弁されちゃ、困るでしょ? ねぇ由美子さん」
「――っ! あ、な、た、はぁ〜〜〜! なんでいつもいつも、『小出先生』って呼ばな
いで、『由美子さん』って呼ぶの!!」
 とうとうキれた彼女――小出由美子。じだんだまで踏んでいる。
「まぁまぁまぁまぁ、怒らないでよ由美子さん。とりあえず、茶でも一杯。飲む?」
 などと落ち着いた動作で茶碗を引っ張り出し、それにあったかい緑茶を注いでから、に
こやかに由美子に差し出す。
「あなたが怒らせているんでしょ〜がっ!!」
 ひったくるように崇乃の差し出した茶碗を取ると、足を開き左手を腰に当て、それを一
気飲みする。
――ゴクッゴクッゴクッゴクッ……
「ん……ぷはぁ」
 飲み干し、茶碗を崇乃に返す由美子。彼も黙って受け取る。ゼェゼェと息をしながら彼
女は呼吸を整えようとしていた。そこに崇乃の一言。
「なんだかオヤジっぽい飲み方だったよね。一応20歳なんだからもう少し品のある飲み方
すればいいのに」
 言わなきゃいいのに追い討ちをかける。唐突に由美子の動きが止まる。
 そして――
「あ、な、た、が私を怒らせるからでしょうがーーー!!」


「よぉ、おかえり」
「たーだいま」
 あれから怒り狂った由美子をなだめになだめ、やっとの事で落ち着いた頃にはすでに彼
女の授業は終わっていて、「次に授業をサボったら補習だからね」と警告された崇乃は、
やることもないので教室に戻ってきた。
「次の授業ってなんだったっけ?」
「え〜っと」
 鞄の中の時間割表を見、確認してから浩之に答える。
「藤井先生の数学」
「ふーん。……またサボる気じゃないだろーな」
「まさか。俺が授業をサボるのは由美子さんの授業だけだって♪」
 由美子がその場に居たら、またヒステリーを起こしそうな台詞を楽しそうに言う崇乃。
それを聞き嘆息する浩之。
「さて、次の授業の準備でもするか」


 昼休み。
 崇乃は、Leaf学園において最大級の戦場である第一購買部へは行かず、人の流れに
逆らい屋上へと急いでいた。もちろん手の中には一時限の時に残しておいたパンと、『お
茶セット』を持っている。
(おなか、すいたぁ……)
 ゆっくりとした足取りで屋上に向かう崇乃。
 しかし、なんの前触れも無く、崇乃の『浄眼』から、涙がこぼれ落ちた。
 それと同時に、なんとなくその場にしゃがむ崇乃。
「ロケットパァァァァァァァァンチィィィィィィィィィ!」
――ゴウッ!!
 崇乃の背後から誰かが叫び、そして崇乃の頭の上15cmを通過する衝撃波。
――ドカァァァァァァン!!
 という擬音語をたてながら前方で爆砕する壁。
「………………」
 沈黙しながらそれを見る崇乃。額から冷や汗が流れる。
――ガラッ
 崇乃の正面20mで崩れた瓦礫の中から、何かが身を起こした。そしてその『何か』が
立ち上がったかと思うと、突然、眼が光った。
「オプティック・ブラスト!!」
――ブゥワァァァァァァッ!!
 閃光と、
――ドゴォォォォォォン!!
 破壊音が、またも崇乃の頭の上15cmを通過した。
「………………」
 再び沈黙しながら、第二波で穴の開いた校舎の壁を見る崇乃。
 そんな彼を――中間位置にいる崇乃を――無視して、
「ふふふふふふ……今日こそは決着をつけてやるぞ……」
「それはこちらの台詞です。ジンさん、覚悟してください」
 破壊を撒き散らした2人は、睨み合いながら互いを牽制していた。
(え〜っと)
 まだしゃがんでいる崇乃は、とりあえず周囲を見、今の自分の状況を整理する。
(誰も巻き込まれた人達は……いなそうだな……)
 3秒後、
(逃げよう)
 速攻で結論を出した崇乃は、手直にあった階段までホフク前進すると、一気に階段を駆
け上がった。
 何かが大きな音を立てて破壊されていくBGMを聞きながら……


(タシか、あれ、3、ネンの、ジン、センパイ、と、クルス、ガワ、ケイビホ、ショウの、
ディー、セリ、オ、さん、だったよなぁ……)
 屋上まで洒落ににならないぐらいの速度で全力ダッシュした後、酸欠と疲労のために倒
れた崇乃は、Leaf学園名物の2人の闘いに巻き込まれて無事に生還することができた
幸運を1人で噛み締めていた。
 そんな事を考えながら、寝転んでゼェゼェと肩で息をしている崇乃の頭上を、突然影が
覆った。その影の持ち主である少女は、クスクスと笑いながら崇乃に話し掛ける。
「だいじょうぶ? 八塚くん」
 人に心配した台詞を言っている割には、面白そうにまたクスクスと笑う少女。とりあえ
ず呼吸を整えた崇乃は、少女に挨拶をする。
「やっ、瑠璃子ちゃん」
 少女――月島瑠璃子――は崇乃に向かって両手を差し出す。無言で瑠璃子の両手を自分
の右手で掴んだ崇乃は、彼女の助力でなんとか上半身を起こすことができた。
「また電波を送ってたの?」
「うん。晴れた日はよく届くから」
 と、いつものように軽い世間話を始める崇乃と瑠璃子。


 試立Leaf学園は、一部を除いて今日も平和だった。


                                         98/09/16
                                         99/06/14改
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≪アトガキ≫

マナ「ねぇ八塚君。あなた、私が好きな割にはあまり活躍させてないんじゃない?」
崇乃「怒らないでくださいよぉマナさん。
   だって年上の女性って、なんか書きにくいんですからぁ。
   ……まぁ現実世界の俺から見ると、マナさん、いやマナちゃんって1歳年下なんだから」
マナ「ふんっ、だ」
崇乃「えっと、Lメモ作家さん達、はじめまして。八塚崇乃と申します。
   若輩者ではありますが、どうかよろしくお願いいたします」
マナ「作中の通り、あまり体力の無い私の後輩だけど、適当にいじめてやってね」
崇乃「ひどい……(ウルウル・泣)」
マナ「あははははっ!」
崇乃「え〜、今回の自己紹介Lメモ、いかがだったでしょうか?」
マナ「中途半端ってカンジがする……ずるいんだから」
崇乃「ゴメンっ!!
   だらだらと続けてもしょうがないと思ったから、
   途中で終わらせるようなカタチになっちゃいました。
   すべては俺の力量不足が原因です」
マナ「初心者がイキナリこんなトコに迷い込んで……ほんっとに、馬鹿……」
崇乃「え〜、私信ですが……今回俺のLメモに勝手に書かせてもらったジン・ジャザムさんと、
   Dセリオさんを勝手に使わせてもらったへーのき=つかささん、ごめんなさい。
   いままで読んだLメモの中でジンさんとDセリオさん、この2人が一番印象に残っていたので、
   俺の自己紹介SSの中で登場してもらいました。重ね重ねすみませんでした(深々・謝)」
マナ「……そ〜いえば八塚くん」
崇乃「なに?」
マナ「次は書くの?」
崇乃「予定としては、剣道部に入部しようかな、と」
マナ「ふーん。どうして?」
崇乃「強いて言うなら、体力ないし魔術抜きだと喧嘩も弱いから剣道部で鍛えようかな〜って」
マナ「御愁傷さま」
崇乃「え? なんで!?」
マナ「今回はこれで終わりっ」
崇乃「ちょ、ちょ、ちょっとマナさん! 今のはどういう――」

――ストン
 と幕が下りる。