「放課後の崇乃・2」部活編その壱 投稿者:八塚崇乃



「我は呼ぶ雪色の狼っ!!」

「もう、止めた方がいいですよ。あなた達じゃ俺には勝てない……て言っても、皆動けな
いんだよねぇ」
 夜8時、ある繁華街の路地裏。
 齢17才の、右頬にうっすらと刃物の傷、水色のサングラスを掛けた、額には青いバンダ
ナ、黒いガクランを着た少年が、左目から零れた涙をそのままにしながら、彼の足元に倒
れている4〜5人ほどの男達――全員、彼の凍結魔術によって腕や脚を氷漬けにされ、動
けなくなっている――に冷淡に言い放つ。その言葉を聞いて、悔しそうに歯ぎしりを立て
る者もいたが、あえてそれは無視して彼は言葉を続ける。
「とりあえず、しばらくそこで寝ててよ……その間に俺は警察の人達を呼んで来るから」
「ち――ちく、しょう……」
 そう言ったのは彼の一番近くに倒れていた男だった。そんな男を呆れた目で見る彼は、
やはり呆れた口調で一言。
「なにが畜生だ。路地裏に迷い込んでしまった一般市民にいきなり鉄パイプで殴り倒そう
とした人間には、そんなセリフを言う資格も無いでしょう」
(多分、人を襲って金品を巻き上げてたんだろうなぁ。俺を襲おうとした手際もまあまあ
よさそうだったし……)
 サングラスを上にずらし、涙をぬぐう。そして繁華街の方に足を向けると、もう呻き声
しか出せない暴漢――強盗(?)達に、
「んじゃ、行ってきま〜す。あ、ちなみにその腕や脚の氷、物理的な方法じゃ簡単に砕け
ないから逃げることもできないよ。それじゃ、また30分後に〜」
 と明るく言い、その場を去った。

 彼の名は八塚崇乃。『水姫』の異名を持つ水の精霊エスプィアを従える、精霊使いにし
て音声魔術士。そして『試立Leaf学園』のSS使いである。


  5分後……

「なんだ……これ」
 チェックのYシャツにGパンを着た、左こめかみに傷がある、抜き身の刀を持った少年
は、その場の惨状に少なからず驚愕を覚えた。
(今回の獲物が……凍っている?)
 そう、凍っていた。ある者は腕を凍らされ、そしてまたある者は脚を凍らされ……全員
に共通している事といえばその場所から動く事ができないという事だった。
 まるでその男達だけにブリザードが吹いたような、冗談みたいな光景に彼の思考は少し
だけ混乱した。
「た――助け、てくれ……」
 腕を凍りつかせた男が、まだ驚きを隠せないでいる彼に助けを求めている。彼の頭の中
はまだ混乱していたので、まともに反応ができない。
「あ……」
「た、のむよ……金なら、いくら、でも、払う……」
 だが、その言葉を聞いたとたん、彼は手の中にある刀を握り直した。そして――
「――1週間前、他の奴等と一緒にアベックを襲って殺したそうだな……」
「え?」
「アンタみたいな『外道』にかける慈悲など、まったく持ってはいない……」
 そして彼は刀を持ち上げると、助けを求めた男の頭に、躊躇も後悔も無くそれを振り下
ろした……。

(誰かが来るようなことを言っていたな――時間がなさそうだから一撃で殺しとくか……)

 少年の名はYOSSYFLAME。日夜、人間のクズを狩っているうちに、いつしか裏
の世界では『外道狩り』として知られるようになった剣士。彼もまた、『試立Leaf学
園』のSS使いであった。



           Lメモ(2)「入部の届けは氷で刻め」



  2日後……

「ごめんっ!! 理由は言えないけど……ホンットごめんっ!!」
「もぉ〜っ! そんな言い訳が通用すると思ってるの!?」
 AM8時。試立Leaf学園へ直行できる転移装置の前で、八塚崇乃は目の前にいる少
女に平謝りしていた。
 1m60cmの崇乃と同じくらいの身長、いやもしかしたら崇乃よりも少し高いかもしれな
いその少女は、彼の先輩である。名前は観月マナ。ちなみに彼女が何故怒っていたのかと
いうと、昨日崇乃が学校を無断欠席したせいで、いつも昼飯を彼に買って来てもらってい
たマナはしかたなく『昼休み最大の戦場』、第一購買部での戦闘に参戦せざるを得なかっ
た為である。
「痛かったのよ、ホントに。ビームモップ部隊にはもみくちゃにされるし、爆発はあるし
落とし穴はあるし上からタライが降ってくるしそれからそれから……」
(とかなんとか言っても、マナさんには必殺の『雷獣すねキック』があるんだからそれで
切り抜けたんだろ……)
「何? 何か言った?」
「いや別に何も」(0.01秒)
 妙に耳がいい。
「ま、とにかく」
 にっこりと微笑むマナ。
「八塚くん、覚悟はできてる?」
「……はい」
 絶望しきった声で崇乃は彼女の質問に答え、『浄眼』からダクダクと涙を零しながら、
彼はマナに自分の脚を差し出した……。


「で、その結果がコレな訳か」
「………………」
 昼休み。崇乃は、氷漬けになった自分の右脚を指差している自分のクラスメート――藤
田浩之――の声に応えず、ズズっとお茶を啜りながら昼飯代わりの『某湖月堂の栗饅頭』
を食べている。
「なかなかできるもんじゃねえよな。蹴らせた脚が痛いからって、自分で自分の脚を凍ら
せて冷やすなんてよ。観月先輩のすね蹴りって、それほど痛いのか?」
 からかい口調でなおも続ける浩之。ついでに崇乃の『昼飯』に手を伸ばそうとするが、
ペシンと崇乃に手を叩かれる。
「自分の昼飯ぐらい、自分で確保したらどうなんだ?」
「――ったく、観月先輩には甘いのに……」
「おまえには関係ないだろ」
 ちょっとだけ赤くなりながら反論する崇乃。そんな顔を浩之に見られないように、茶碗
で顔を隠しながらお茶を飲み干す。
 数十秒の沈黙。
「……そういやぁ」
「?」
 唐突に喋り出す浩之。視線を彼の方に戻す崇乃。
「なんで昨日、休んだんだ? よく考えたら観月先輩に蹴られた原因ってそれなんだろ?」
「………………」
「? おい、崇乃?」
「………………」
 黙り込む崇乃。動きも止まる、いや、崇乃の眼は、浩之の眼を見ていた。ただ見ている
だけ、それだけだった。
 再び沈黙する両者。
「………………」
「………………」
「………………」
「……まあ」
 沈黙を破ったのは崇乃だった。少し重い口調でそのまま言葉を続ける。
「まあ?」
「――まあ……まあ色々とね☆」
――ズベシャァァァッ
 いきなり明るくはぐらかす崇乃。浩之は思いっ切りこけた。
 立ち上がりながら、
「あ、の、なぁ……」
 ぼやく浩之。そんな彼の動作がおもしろかったのか、笑う崇乃。
(言えるわけないだろうが。自分で氷漬けにしたヤツラがちょっと目を離した間に殺され
てて、警察で明け方まで事情聴取された後、家に帰ってすぐに寝て、起きてみたら学校終
わってる時間だった――なんて嘘のようなホントの話は……)
 と、そんな思いをひた隠しながら笑っていた。
 だが、きっかり3秒後、真顔に戻る。
「そうそう」
「?」
 腐っていた浩之が顔に疑問を浮かべる。お構い無しに崇乃は彼に質問をした。
「聞きたいんだけど……」


「どうも〜。お久しぶりです、びーかーさん」
「? ああ八塚さん、いらっしゃいませ。1ヶ月半ぶりですか?」
 放課後、第二購買部。崇乃は、第二購買部の主任であり、この学園のどこかにあると言
われている危険物保管所――秘密倉庫の管理人でもあり、同学年の女好きの(笑)SS使
いであるbeakerと会話をしていた。
 1ヶ月半前に崇乃は、『学園』に入学手続きをするさい彼に世話になった事があった。
 ……ただしその時はキッチリ手伝い賃を取られたのだが。
 彼曰く「商売人はタダで人の手伝いをしてはいけない」だそうである。
「どうです? もうココには慣れましたか?」
「おかげ様で……」
「今日はどういった御用件で?」
「え? あ、え〜っと、ここで部活の入部届の書類を売っていると知り合いから聞いたん
ですが……本当ですか?」
 と、常識では考えられないようなことを聞く崇乃。彼の台詞の中にある『知り合い』と
いうのは、もちろん藤田浩之である。
(どうも嘘っぽいけどこの学園の事だからなぁ……そういう事もあるかもしれないし……)
「冗談――ですよね?」
 少しだけ見上げる形で、身長が10cmも上のbeakerを見る崇乃。だが――
「ええ、ここで売ってますよ」


「――ったく……普通、入部届なんか購買部で売るか?」
 と、苦笑しながら柔剣道場を目指し、歩く崇乃。ポケットの中には先程、税込315円
で買った入部届が握られていた。
(生徒数が多いからそれに比例して職員数も多くなる。そうなれば職員室も広くならない
といけない。余分な資料・書類置き場なんかを撤去すればその分だけ職員室が広くなる。
だから生徒だけが使用するような資料や書類なんかは結構広い第二購買部に職員たちが置
かせてもらっている。第二購買部はその代価としてそういった書類を販売している……な
んてびーかーさん言ってたけど、なんか納得いかないなぁ……)
 と、歩きながら考えていると――
「ここか」
 柔剣道場に到着した。

――カラカラカラカラ……
 そんな音を立てながら戸を開け、そして中に入る。
「すみませ〜ん。入部希望なんですけ――ど……あれ?」
 第一印象は大切だろうと思ったのか、大きな声で挨拶をした崇乃。しかし――
「……部活、休み?」
 誰もいなかった。道場の中は薄暗く、窓は全て閉められており、カーテンも引かれてい
た。そのせいか、モワッとした湿度の高い空気が道場の中に立ち込めている。
(蒸すな……)
 玄関で靴を脱ぎ、とりあえずなんとなくで道場に上がる崇乃。そして首を左右に動かし、
周りを観察する。
「ふ〜ん」
 道場の面積、かなり広い。
 正面。黒板、そして神棚がある。
 左側。部員達の物だろう。防具一式が整頓されて置かれている。部室に片づけずにそう
しているのは、面や面タオルに吸収された汗を乾かす為だろう。
 右側。7〜8体はある、マリオネットみたいな人形が直立した形で置かれている。崇乃
にはそれが、SS使いT-star-reverseの創造した傀儡であることを現時点ではまったく知
らない……。
(ふ〜ん。不気味な人形はともかく……ココの道場の構造はだいたい俺の実家と同じみた
いだな)
 しばらく道場の真ん中で突っ立っている……やがて飽きたのか、崇乃は玄関の方に戻ろ
うとした。だがそこへ――
「誰だっ!!」

 YOSSYは竹刀袋の中から愛用の木刀、喧嘩刀を抜き、道場の中にいる不審な黒ずく
めの男に
「誰だっ!!」
 と怒鳴った。ちなみに、黒ずくめの男というのは言わずと知れた八塚崇乃である。
(はぁ。昨日の部活で道場の鍵を閉め忘れたからって、なんでタイミング悪く不法侵入者
がいるんだ……逃がしたら責任問題だな)
 などと考えながら、正面にいる崇乃に対して、慎重に間合いを取る。
「不法侵入者さん、おとなしく僕に倒されてください」
「ちょ――ちょっと!」
「問答無用!」

 崇乃の『浄眼』から数滴涙が零れ落ちる。その瞬間、彼は右に跳んだ。
――ブン!
 なんの初動も見せず、崇乃が先程まで立っていた場所にYOSSYは縦一文字に木刀を
振っていた。空振したため、妙に大きな風切り音がする。
(速っ――危険を感知したと同時に攻撃が来た? 今までそんなことなかったのに!)
 体制を整えながらYOSSYから距離を取る崇乃。それでも『浄眼』から零れる涙は止
まらない。今度はしゃがむ。
――ブワッ!
 YOSSYの突き。崇乃の頭上すれすれを木刀が通った。
「あ〜っ! もうっ!!」
 崇乃は自らの足の筋肉を総動員し、YOSSYに突進する。突きをよけられるとは思っ
ていなかったYOSSYは、マトモにそれをくらって倒れるが、すぐに起き上がる。崇乃
は彼が起き上がるまでになんとか10mくらい距離を空けた。

(何故だ? 最初の攻撃といい、突きといい、絶対によけられないはずのタイミングだっ
たのに……)
 YOSSYは困惑していた。目の前にいる崇乃に。
(しかも今のよけ方やタックル、ほとんど素人の動きじゃないか……)
 そして崇乃を見る。と、YOSSYは彼の左目から零れている涙に気がついた。
(泣いてる……?)
 一瞬涙に気を取られるYOSSY。その隙を突いて、崇乃は掌をYOSSYに向けて差
し出した。

(もしかして誤解かもしれないけど……俺に危害を及ぼすのなら、倒させてもらう!)
 瞬間的に魔術の構成――比較的殺傷能力の弱い――を編み上げる崇乃。そして、叫んだ。
「我が掌から走れ氷刃!」
――ザッ!
 そんな擬音とともに、崇乃の手の中から氷の刃が生まれ、YOSSYへと襲いかかった。

「なっ!?」
 こちらに飛んでくる氷の刃をほとんど条件反射で避けるYOSSY。YOSSYに避け
られた氷の刃はそのまま道場の端にぶつかると、その部分が凍結した。
(音声魔術士っ?)
 氷の刃を避けられた崇乃は、意に介さずさらに魔術を放つ。
「我が掌から走れ氷刃走れ氷刃走れ氷刃っ!!!!」
――ザザザッ!
 再び氷の刃がYOSSYに飛んでくる。今度は3発。
「くっ」
 かなり狙いが正確ではあるが、YOSSYは自慢の超機動力でよける。だが崇乃との距
離が更に開いてしまう。
(間違いない……音声魔術士だ。けど、なんだ? この前闘った時と違って、不可視じゃ
ない?)《YOSSYFLAME:【Lメモ自伝 ACT1 第六話】参照》

(やっぱり――避けられるか……)
 崇乃の魔術は、『学園』にいる普通の音声魔術士とは違い、少しだけ特殊な魔術士であ
る。水の精霊の力を介して属性を付加している魔術なので、弱い魔術だと完全な不可視で
はないのだ。
 さらに何発か氷の刃を放つ崇乃。避けるYOSSY。
(キリがない……こうなったら)
 構成を編む。しかし今度は今までのと同じ構成ではない。
「我が道に舞え天蛇の魔槍!」
――ザァァァァァ……
 崇乃の声と同時に、彼の周囲に6本の水の槍が生まれ、浮かび上がる。ただし相手に怪
我をさせないための配慮か、槍の先は尖らせてはいなかった。
(狙うは、手元!)
「行けぇ!」

(一気に懐に飛び込んで烈風乱舞。行けるか?)
 崇乃との距離は30m。迷うYOSSY。そこに崇乃の放った水の槍が飛来する。その数
2本。
「うわっ!」
 慌てて距離を詰め、走りながら2本とも避ける。しかしそこに隙が生まれた。
「当たれ!」
 崇乃の周りで待機していた残った槍が、YOSSYの手元を襲う。今度はかわせない。
「ぐっ!」
 水の槍はYOSSYの手と腕に命中。YOSSYは喧嘩刀を落としてしまう、が足は止
めずにそのまま崇乃に近づいていく。
(行けるっ!)
「絶! 烈――」
「我は築く霧の城塞!」

――ゴワァァァァァァン!!
 ずいぶん景気のいい変な音を立て、YOSSYは目の前に唐突に出現した魔力の壁に衝
突した。
(まさかこんな終わり方になるとは……)
 仰け反りながら後ろに倒れようとするYOSSYを見ながら、涙を拭い、思う崇乃。
(突っ込んでくるから壁を創って防御しようとしたら、コレ? ……あ、鼻血出してる)
 崇乃は身体の緊張を解く。しかし――
――キッ
 勝負というのは最後まで気を抜いてはいけない。
――バァン!
 慢心しているものには、必ず何らかの形でツケが来る。
――バキィッ!
(え?)
 涙が零れたと知覚したと同時に、崇乃の意識は闇に沈んだ……。

(負ける……のか?)
 崇乃の顔。続いて道場の窓、隅、そして天井。
 倒れながらそれらをぼんやりと見るYOSSY。すでに意識も朦朧としている。無理も
ないだろう、彼は神速で移動している時に魔力によって創られた壁に衝突したのだから。
(負ける? 俺が? 不法侵入者に……外道に?)
 ずいぶんと酷い勘違いをしているが、それによって意識が少しだけ戻る。
(ま、け、て――)
――キッ
 左足で、倒れようとしていた身体を支える。
(まけて――)
――バァン!
 右足で踏み込み、一気に距離を詰める。
(負けて――負けてたまるか!!)
――バキィッ!
 握った拳で崇乃の右頬を全力で殴った。


(背中が――冷たい……けど、頬が熱い)
 目を覚ます。起き上がる。
 頭の中で熱いと認識している頬をさする。と、サングラスがないことに気づく。
(あちゃ。どこいった)
 周囲を見回す崇乃。
(あれ?)
 倒れているYOSSYを発見する。
(え〜っと?)
 頭に右手を当てて考え込む崇乃。どうやら記憶が混乱しているようだ。
「確か、この人と闘って……それから、どうなったんだっけ?」
「うっ……」
「あ」
 YOSSYも気がついたようだ。鼻血を出しているため、顔が血だらけになっているが。
「大丈夫ですか?」
 先程まで闘っていた相手とはいえ、面識が無い相手であるから少し礼儀を含んだ喋り方
になる崇乃。
「俺は……」
 目覚めたばかりだからか、他人行儀の『僕』ではなく『俺』になっているYOSSY。
「大丈夫ですか? 痛くないですか?」
「痛っ」
 鼻を押さえ、痛がるYOSSY。その手を除け、彼の鼻に手を当てる崇乃。
「何を……」
「我は産む魂の雫」
――ピカァァァ
 蒼い光が手の中から生まれ、そしてYOSSYの鼻は癒される。鼻血も止まったようだ。
「これで鼻血は止まりました」
「どうも……って……あー!」
 大声を上げ、崇乃を指差すYOSSY。いきなりなので狼狽する崇乃。
「え? え?」
「不法侵入者!」
「……やっぱり、誤解か……」

 それから30分かけて崇乃はYOSSYを説得した。
 どうやら彼も闘いの最後の部分の記憶があいまいなようで、その辺りは崇乃も説明を省
いた。
「で、見学に来たのは判りましたけど、あんたいったい誰?」
「あ、自己紹介がまだだった」
 そう言って立ち上がると、ポケットの中にある入部届を出しながら、左右色違いの瞳を
YOSSYに向け、言う。
「俺は八塚崇乃。剣道部入部希望者です」


 試立Leaf学園は、一部を除いて今日も平和だった。





<追記>

 YOSSY :「知ってるか? 八塚さん」
  崇乃  :「何を、ですか?」
 YOSSY :「別に入部届なんか書いてこなくても、そこの部の部長に申告さえすれば入
        部できるって事……」
  崇乃  :「…………は?」

beaker:「彼もそろそろ気がついたかな?」


                                         98/10/05
                                         99/06/14改
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≪アトガキ≫

崇乃「終わった〜〜〜〜〜〜!!」
浩之「結構だらだらと書いてたな……」
崇乃「悪かったな。これ書いてる途中に【自伝・過去編】のネタが思いついたから、
   そっちの方にかかりきりだったんだよ」
浩之「全然書いてねえじゃねえか」
崇乃「うるさい。え〜、今回の部活SS、いかがだったでしょうか?」
浩之「どこが部活なんだよ」
崇乃「(無視)今回の生贄作家さんは、beakerさんとYOSSYFLAMEさんでした。
   勝手に登場させてしまって、どうもすみません(謝)。
   特にYOSSYさん。ごめんなさいですぅ〜〜〜(深々・謝)」
浩之「……で、次はどんなのを書くんだ?」
崇乃「おまえが薔薇に襲われていて、俺がそれに巻き込まれ――」
浩之「(怒)」
崇乃「タイトルは【強殖装甲ヤジマー】か、【少年革命マサシ】。どっちにしようか」
浩之「やるな、やめろ(憤怒)」
崇乃「冗談だよ。え〜、次回も部活編を書くと思います。
   次の生贄作家さんは、まさたさんとT-star-reverseさん、
   Dガーネットさん(へーのき=つかささん)の予定です」
浩之「お前、次は死ぬんじゃないか?」
崇乃「……俺もそう思う」
浩之「とにかく、薔薇だけはやめ――」

――ストン
 と幕が下りる。