Lメモ「クソゲーハンターの午後・温故知新編」 投稿者:川越 たける
「あ、ハイドさ〜ん!」
「どーしたおたけさん、このシリーズ定番の出だしそのままで」
「実は、またbeakerさんからゲーム貰ったんです」
「また【ハイドラントの野望】かぁ? あれはいくらやってもゲームオーバーになるし、
 内容がワンパターンなんで、いいかげんうんざりしてるんだが」
「だいじょーぶですよ、今日貰ってきたのはそれじゃないですから!」

 どさどさどさ。

「何だかすごい量だなー」
「あ、みんな昔のゲームのリメイク作品なんだそうですよ」
「ふーん、まあ、たまにはそーゆーのをやってみるのも悪くないかな」
「それじゃ、さっそくやってみましょう」
「あー、その前にお茶とお茶請け用意しといてくれ」
「はーい♪」
「じゃあ、これからやって見るかな……」


【ハイドラント3】

(オープニング)
 消えたフェアリー達。
 相次ぐ天変地異。
 不気味な大地の裂け目。
 見たことも無い怪物達。
 狂い始める世界。
 怯える人々。
 このフェアリーランドを救う為、闇の支配者ハイドラントを倒す為に……
 勇者は、今旅立った!

「ほう、私が闇の支配者というのは悪くないな……倒される側というのは何だが」
「あ、主人公を選ぶみたいですよ」

 >主人公を選んでください

 >戦士ジン・ジャザム
  盗賊YOSSYFLAME
  僧侶まさた
  魔法使いRune

「なんか三番目だけ微妙に問題があるような気がするなー」
「傷を癒すというよりは毒盛りそう……」
「まあいいや、とりあえず戦士でいこう」

 >ゲーム開始します。

ジン『くっ……装備重量オーバーで一歩も動けねえ』

『GAME OVER』

「……おい」
「……ジンさん、標準装備だけで1トン越えてそうですからねー」


【XANADU−シナリオL】

「よし、FOODもたっぷり買い込んだし、そろそろ塔の攻略に行くか」
「あれ? このBGMは?」

ちゃちゃちゃちゃんちゃちゃ〜(FOODが切れた時のBGM)

「そんな馬鹿な、ついさっきそこのSHOPで買ったばかりだぞ?」
「まさかまた、雛山姉弟というオチでは……?」

Rune(主人公)『REDPOTIONって、食ったら美味いかな……?』

「お前かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


【Lの封印】

「うーむ、武器を修理したら無一文になってしまったか……」
「まだまだ遠出するにはレベルが足りませんしね」

『ムコウニ、ナニカ、ミエル 、ドウスル?』

「あ、何かと遭遇しましたね」
「これが悪徳商人なら倒せば2000ゴルダだな……よし」

>チカヅク
『ア、ショウニン 、ダ ドウスル?』

「ありゃ、普通の商人みたいですね」
「ちっ、知名度が下がるが仕方ない、倒して金を貰っとくか」


 ざくざくざく(戦闘中)

『ヤッタネ、65535ゴルダテニイレタ』

「……?」
「なんでこんなに貰えるんだ?」
「あれ? 知名度も上がってるよ」
「まさか?」

 とりあえずモンスター図鑑を見る二人。

「あ、やっぱり……」
「悪徳商人beaker、か……」


【ボンバーマン】

「……うーむ」
「なんか、タイトルで想像付きますねー」
「まあいい、とりあえずやってみよう」

Dセリオ『――うふふふふ』(ニヤリ)
   
 ちゅどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどどど

「あたり構わず爆破してますねー」
「つーか、操作出来ない時点でゲームじゃないぞ、これ」


【ヨークピア連続殺人事件】

YaS『HAHAHA! ボス、がんばってじけんヲかいけつしまショウ!』

「……」
「あ、いきなりリセットボタン押しちゃ駄目ですよ」


【Ys】

占い師セリカ『……(あなたを待ってました、と言ってるらしい)』
剣士よっしー『おう、俺も待ってたぜ、今日この日の出会いを……
       さあ、ぶらんにゅーでふぃーりんぐはーとな一時をっ!』
占い師セリカ『@#%*……(何か唱えているらしい)』

 ぴしゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!(雷撃)

剣士よっしー『ぶべらっ!!』

『GAME OVER』

「これで3回目か……まあ、このゲームの主人公に
 これほどぴったりな奴もいないだろーが……」
「女性キャラが出てくる度に操作不能になるのって、仕様なのかな?」
「多分に違うだろーな」


【エルクゥの魔】

「ふむ、今回は全員無事に生還出来たか」
「モンスターの写真もかなり撮った筈だし、全部売れば良い装備を買えますね」
「うむ、じゃ、まず新聞社に行くか」

どの写真を売りますか?

>酒場の看板娘サオリ(着替え中)
 教会のシスターミサキ(入浴中)
 歌姫リナ(パンチラ)
 街一番の富豪の令嬢ルリコ(寝起き姿)

カメラマン・デコイ『いやあ、今回は気合入れて撮ったっすよ』
 
「何時の間に撮った……つーかモンスターの写真はどうした貴様ぁぁぁぁ!!」

でも、こっちの方が高く売れたりする。

「よかったじゃないですか、これでショットガンが買えますよ」
「……素直に喜べん」


【チェイスF・K】

「……おたけさん、いい加減疲れてきたんだが。主に精神的に」
「頑張ってください、後一本で終わりですよっ」
「……うーん、まあやるだけやってやるか。で、これはどーゆーゲームなんだ?」
「えっと、レースゲームの亜流みたいなやつで、主人公が刑事なんですけど……」

オペレーター『――セリオより通信。
       かねてより捜査中の、犯罪組織の拠点が発覚しました。
       直ちに急行して、組織を一網打尽にしてください』

「……と、このように本部からの司令に従って、時間内に目的地を目指すんです」
「ふむ、で、この車を動かすわけか」

FENNEK『まったく、こいつはグレイトな任務だぜ!』

「ドライバー不在かい」

 とりあえず、ゲームスタート。

「……なんか市街地みたいなとこに入ってしまったようだな
 これでは時間内にたどり着けんぞ」
「人が多くて進み辛いですねー、でも、こーゆー時には……」

 ぽち。

FENNEK『グレイトだぜっーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!』

通行人の生徒A『ぐはっ! 俺かいっ!!』

 ZuGaShaaaaaaaaaaN!!(←アメリカナイズドされた効果音)

「ほーら、こうすれば時間が大幅に短縮できますよっ」
「なんか倫理道徳的に間違っちゃいねーか、これ」
「レースゲームに『アクション』を付加すると大抵こんなもんですよ」
「それは海の向こうの国の話のよーな気もするが」

 その後。

FENNEK『グレイトだぜっーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!』

 BagooooooooooooooN!

背景G『またこの扱いかっ!』

FENNEK『グレイトだぜっーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!』

 DogyuuuuuuuuuuuuuN!

千堂和樹『適当な役が見当たらなかったからって、俺にするのかっ!』

 そんなこんなで間もなく悪の組織の拠点。

オペレーター『――セリオより通信。拠点に到着したら、
       搭載されたミサイルにて一網打尽にしちゃってください』

「いきなり武力制圧かい……まあいいか、ぽちっとな」
「……あ」
「どしたおたけさん、そんなに青い顔して」
「今気付いたんですけど、このゲームって、
 リアルタイムカーアクションゲームなんだそーです」
「何だそれは」
「えーとですね、今現在実際に起きている出来事を
 ゲームで体験出来るんだそーですが……」
「……?」
「今ミサイルを撃った『犯罪組織の拠点』、なんか見覚えありません?」
「ふむ、そーいえばこの第二茶道部の建物にそっくりなよーな……










        ……………………………………………………あ」

轟音。



『報告
 本日、学園図書館近くの第二茶道部部室で原因不明の爆発が発生、
 建物は壊滅、重傷者2名の被害を出した。
 暗躍生徒会の嫌がらせ工作、建て替えの勧誘をしていた第二購買部の陰謀、
 十三使徒に恨みを持つものの犯行、
 とりあえずアフロ、など128通りの原因が挙げられるが、どれも推測の域を出ない
 尚、事件当時『グレイトだぜーーーーーーーーーーーーーーーーっ!』と叫びながら
 犯行現場から走り去る不審な車を見た、という証言については、
 事件との関連を目下調査中である。
 ……それにしても胃が痛い。

                   来栖川警備保障 へーのき=つかさ』