体育祭Lメモ・騎馬戦編(前編) 投稿者:川越 たける
 ルールの説明☆』
 1、ルールは普通の騎馬戦と同じ。大将1人と馬3人で1チーム。
   最後に残った騎馬の数と獲得したハチマキの数で順位を決める。
 2、大将(基本的に女子)を各学年から同じ数だけ選抜して、騎馬を募集して
   チームを編成する。
 3、今回に限り、学年枠は無し。ただし、得点は大将の学年に入る。
 
 ……以上、事前に出場希望者に配られたルール説明より。

 さて、あくまで学年の勝利に貢献するのか、それとも好きな人の為に頑張るのか
 ……って聞くまでもない?

「ふーん、随分と親切なルールだねえ」
 騎馬戦のルールの書かれた紙に目を通した健やかがRuneに言う。
「ああ、この競技は全力でぶつかり合うからこそ面白いからな。敵に好きな相手が
いるからって戦意喪失されないために、ということだ」
「本当にそれだけ? 」
 Runeの答えに対して、香奈子が疑わしそうに聞き返したが、
「まあ、見てのお楽しみだ」
 と、何か企んでそうな笑いを浮かべつつも、それだけしか答えなかった。 
 
 『騎馬を作ろう☆』

「梓あああああああああああああああああああっ! 」
「来るなーーーーーーーっ(ばきいっ! )」
「うむ、それでこそ我が愛しの君っ! 9点だっ! 」
「や〜ん、梓先輩のふとももが私のもの〜(すりすり) 」
「だあっ! やめろーーーーーーーーーっ! 」
 早速とばかりに秋山登とかおりに迫られる梓。
「あ、騎馬……やりたいんだけど……」
「きさ〜ん! もう一回言ってみろぉ〜(ぎろっ)」
「わ・た・し・の梓先輩に何か御用ですか? (じろっ)」
「えっと、……いえ、いいです」
 宇治丁はさっきから騎馬に立候補しようとして、言い出せずにいた。 
 あのね、騎馬戦って、団体競技なんだよ、二人とも。

「え、セリオさん達も出場するの? 」
 驚くへーのき=つかさにDマルチが説明する。
「――はい、3年生の騎馬の数が足りないので参加して欲しいそうです」
「ふーん。でも、誰が大将をやるの? 」
「――はい、それはですね……」
 そういうとDマルチは自分とへーのき、Dセリオ、Dガーネットを並べる。
「――と、このように身長の近い三人で騎馬をやって、大将は私が勤めます」
「ふんふん……って、俺も?! 」
「――私達Dシリーズだけでは編成に問題がありますから」
「まあ、確かに、ね……」
 そういいながらへーのきはとある方向を見る。
「ムリデス、ムリデス」
 そこにいたDボックスが騎馬戦に参加している様子は
 へーのきにはちょっと想像不可能だった。
「まあいいか。一緒に頑張ろうよ、セリオさん」
「はい、直接戦闘は私とDガーネットさんが受け持ちますから、
バックアップをお願いしますね」
 そう答えながら、装備した火器を点検しているDセリオは実に嬉しそうだった。

「こ、琴音ちゃん、琴音ちゃんっ!」
 騎馬をやろうと琴音の方へと向かおうとするOLHだったが、
 笛音のPKに足止めされててちっとも前に進めなかったりする。
「…………お兄ちゃんの馬鹿」
「……後でお仕置きだからね」
 ティーナにも睨まれてるし。
「やれやれ、仕方ない人ですね。琴音さんの騎馬は私がやりますからご心配なく」
 そう言って琴音に声を掛けようとしたのは神凪遼刃。
「ダーク・ミスト! 」
「うぎゃあああああああああああああああああああ」
 あ、やっぱり撃墜された。

「浩之ちゃん、出場するんでしょ?メンバーはどうするの? 」
「そうだな〜。お前が大将はいいとしても、騎馬が俺と、あと2人必要だしなあ」
 こちらは浩之とあかり。「ここらで派手に活躍して主役の意地を見せてやる! 」
 と思っている浩之としては、何とかメンバーを集めたいところ。
「え?だーりん、私に手伝って欲しいの? (はあと)」
「浩之……僕にして欲しい事があるなら言ってくれればいいのに」
 四季と雅史。結局彼の周りに集まってくるメンツというと、この二人になる。
「お前等には頼んでねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!(血涙) 」
 いいじゃないの。これでメンバーがそろったよ。
 もっとも、君が大将になりそうだけど。

「私は参加しなくていいんですかぁ? 」
「マルチにあんな危ない事はさせられないよ」
「わあ、心配してくださって嬉しいです〜」
「そんなの当然じゃないか」
 マルチと二人の世界を作ってるセリスは不参加らしい。

「葵ちゃんの騎馬は私がやらせてもらいます」
「No、No、ワタシがイレバ充分デース! 」
「俺を外すわけにはいかないだろ? 」
「私も引き下がるつもりはないですね」
 こちらは葵の騎馬に立候補してきたT−Star−reverse、Tas、
 YOSSYFLAME、ディアルトといった面々。
 誰一人として引き下がるつもりはないらしい。
「えっと、みなさん、あの、その……」
 こんなに来るとは思っていなかったらしく、当の本人の葵は困惑している。
「こらこら、葵ちゃんが困ってるから、とりあえずみんなであっちで話し合おう」
 もう一人、騎馬に立候補してきた佐藤昌斗の提案で、葵を除く一同は
 校舎の影に移動する。
「ここでよし、と。さて、葵ちゃんを困らせないためにも、俺達だけで
誰が出るのかを決めようか? 」
 この佐藤の提案に対して、真っ先に動いたのはYOSSYだった。
「なら話は早い! 先手必勝! くらえ、ティーさん&ディアルトさん、
 ファイナルガール凄いぜ葵ちゃん! 
 あーんど烈風乱舞!! (どけしっ! )」
「ぐはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ! 」
 真面目な相手にほど高い効果を発揮するYOSSYの奥義をモロに食らって
 ディアルトとティーは昏倒する。
「よし、こうなることを予測して対策を立てておいて正解だったな。
これで何も問題はないよなあ〜」
「おいおい……」
「OH! YOSSYサン、イキナリ暴力はイケマせんヨ! 」
 佐藤もTasもこうは言っはいるが、これで3人に絞られたので、
 倒れた二人をフォローするつもりはないらしい。と、その時。
「YOSSYく〜ん! ちょっとお願いがあるの〜」
 グラウンドの方からYOSSYを呼ぶ理緒の声がする。
「あ、り、理緒ちゃん?! 」
 慌ててグラウンドに駆け出すYOSSY。
 それと同時に倒れていたティーが起き上がる。
「ふう。YOSSYさんはお忙しいようですし、この3人ということで決定ですね」
 平気な顔をしているところを見ると、どうやら彼の技の一つ、
 無生物に命を吹き込んで自在に操る傀儡を使っていたらしい。
「ま、こうなることを予測していたのはYOSSYさんだけではなかった、
ということですよ」
 結局、YOSSYはティーの作っておいた理緒、赤十字美加香、東雲恋、
 レミィ等の様々な傀儡に振り回されて、競技終了まで戻ってこなかった。
 それから、ディアルトは、倒れたままほっとかれているのを競技終了後に
 通りかかったミニセリオ'Sに発見された。愛の前には友情や信頼は無力だね。

「beaker、悪いわね……」
「いえ、貴方の頼みとあっては断るわけにはいきませんからね」 
「えっ?…………」
 beakerのその言葉にちょっと頬を染める坂下。
「いや、何でもありませんよ。それよりも貴方達こそいいんですか? 」
 照れを誤魔化すかのように、一緒にいる沙留斗と
 きたみち もどるに話し掛けるbeaker。結構微笑ましい光景ではある。
「マスターのお手伝いでしたら、よろこんでさせてもらいますよ 」
「僕もいつもいろいろと世話になってるしね 」
 そんなわけで、坂下は購買部の面々と組む事になった。

「ねえねえ電芹、騎馬戦って楽しそうだね? 」
 騎馬作りしているのを遠目に眺めながら、川越たけるはセリオ@電柱に言った。
「たけるさん、参加したそうですね」
「うん! ……駄目? 」
「駄目です。 たけるさんに怪我をさせるわけにはいきません」
「でもでも、私と電芹と……あと、うーんと、誠治さんとあっきーとで組めば
一応出場出来るしぃ……」
「秋山さんは既に梓先輩の騎馬をやってます。あきらめましょうね」
「う〜ん……やっぱり行ってくるっ! (だっしゅ! )」
「あ、たけるさんっ! 駄目ですっ! (がしっ! )」
 グラウンドに走り出したたけるをとっさに引き止める電芹。
「もう、おとなしくしててくださいってば(ぎゅ〜)」
 そのまま首に手を廻してスリーパーホールドの体制に入る。
 毎朝たけるを起こす時にやってることなので癖になっているらしい。
「あうあうあうあうあうあうあうあう……出ません出ないよ出ないってば
ごめんごめんねごめんなさい〜(じたばた)」
 結局この二人も出場はしないことに。それにしても、もう少し手加減しようね、電芹。

「貴様っ! そのにやけた顔で綾香の足にさわってるんじゃないっ! 」
「それはこちらの台詞だっ! お前こそさっきどさくさに紛れてほお擦り
しようとしてただろっ! 」
「俺がそんなことするかっ! 」
「いーや、俺は見た、確かに見た! 」
 こちらは相変わらずのハイドラントと悠 朔。
 ちなみに騎馬を組んでみているのだが、さっきからずっとこんな調子である。
「……ったく、いい加減にしなさいっ!! (ぼかすかどかばき)」
 でもって二人に両足を抱えられてるにも関わらず、器用にキックを蹴り出す綾香に
 顔中痣だらけにされていたりする。
「ふああああああああ、退屈なの〜」
 後一人のメンバーとして連れてこられたむらさき(騎馬の先頭をやっている)は、
 5度目のあくびをしていた。

「ゆきちゃんは、私達は参加しなくていいのかな? 」
「いいんだよ。だって、初音ちゃんを危ない目に合わせたくないし……」
 この競技は不参加にして初音と一緒に見学していようと思ってたゆきだったが……
「というわけで、今日の生贄(サクリファイス)はゆき君だ! 」
「って何時の間にいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ! 」
 何故かジン・ジャザムにロープでぐるぐる巻きにされていたりする。
「ゆきっ! すまんが俺の明日の為の礎になってくれっ! 
というかなってもらうっ! 」
 どうやらジンは千鶴(14歳)の騎馬をやらされることになったようだ。
 で、あと2人巻き添えが欲しかったみたいだね。
「やだやだやだやだーーーっ! 僕は初音ちゃんと一緒にいたいんだーーーっ! 
ね、初音ちゃんも何とか言ってよ! ?……初音ちゃん? 」
 なんとかこの場を切り抜けようと初音に声をかけたゆきだったが……
 どげしっ!
「はうっ! は、初音ちゃん?! 」
「うらあ〜男が情けないこと言ってないでとっとといってこ〜い! (げしげし) 」
「はあああああああああああああああああっ! (滝涙)」
 いまだにセイカクハンテンダケの効果が消えない初音は、味方してくれなかった。
「ジンく〜ん、人は集まった〜? 」
 そこに、千鶴の催促する声が聞こえてくる。
「は、はいっ! ただいまっ! (ずるずるずる←引きずっている)」
「うわああああああああああああん、不幸だ〜っ(涙)」
 結局ゆきは、すでに捕まっていた来須川空とともに、
 千鶴の騎馬を(強制的に)やることになった。

「よいかっ! SS不敗流の名にかけて、この騎馬戦、必ず楓に勝利を! 」
 楓の前で高らかに宣言しているのは、マスターカエデと謳われた、西山英志その人。
 さらにそこには、結城光と風見ひなた、西山の弟子と元弟子がいる。
「わかりました! お師匠様、頑張ります! 」
「では、師匠が先頭、僕と光君が後ということにしましょう」
「馬鹿ものぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ! (ばきっ)」
「し、師匠?! 何故殴るんですか?! 」
「仮にもSS不敗流を名乗るものが楓の足に触れるなど言語道断と知れぃ! 」
「んな無茶苦茶なあ! 」
 結局もめにもめている内に、時間切れで楓&SS不敗流の面々は参加出来ず。

 『というわけで、参加選手(騎馬)の一覧☆』

 一年
 大将:松原葵
 騎馬:佐藤昌斗、T−Star−Reverse、Tas

 大将:柏木千鶴(14歳)
 騎馬:ジン・ジャザム、ゆき、来須川空

 二年

 大将:来須川綾香
 騎馬:ハイドラント、悠 朔、むらさき

 大将:藤田浩之
 騎馬:神岸あかり、佐藤雅史、四季

 大将:坂下郁恵
 騎馬:beaker、沙留斗、きたみちもどる

 三年

 大将:柏木梓
 騎馬:秋山登、宇治丁、日吉かおり

 大将:Dマルチ
 騎馬:Dセリオ、Dガーネット、へーのき=つかさ

 いろいろあったようだけど、なんとか騎馬が出来たようだ。
 これに一般生徒の騎馬を合わせて、競技が行われることになる。
 さあ、いよいよ競技開始だ!!

 <後編に続く>