Lメモ/VSアフロ『疲れたよ、あたしは。そらもういろんな意味で』 投稿者:ToS(偽者)
「駄目だったのよ……」
「理奈……ちゃん」
「駄目だったのよ! 最後の手段だと思っていたのに、これなら何とかなると思ったの
に、その道すら私達には残されてなかったのよっ!!」
「…………」
「いいじゃないの、アフロだって! 目立ちたいのよっ! 出番がほしいのよっ!! な
のに、なんでみんな……」
「理奈ちゃん」
「え……由綺?」
「なんて言ったらいいのかわからないけど、でも、これだけは言わなっきゃいけないと思
うの。あのね、理奈ちゃん」
「……なに?」

「お願いだから、私「達」って、私まで一緒にしないでくれる?」

 理奈、轟沈。



Lメモ/VSアフロ『疲れたよ、あたしは。そらもういろんな意味で』



「何故かって言うか予想通りと言うか、反対派の方が強いのよ、困ったことに。そこでし
ょうがないから、とりあえずアフロ無しで生きる道を見つけてみようかと思ってみたりな
んかもして」
「それで、何で私まで連れてこられるの?」
 いわゆる”ジト目”と呼ばれるような視線で理奈を見つめる由綺。まぁ、縛られたりし
てるのは別にどうという事でもあるまい。
「だって、私達親友じゃない」
 由綺の方には一瞥もくれずに、あっさりとそう言ってのける理奈。なかなかにいい根性
である。
「何で? 確かライバルって筈じゃなかったの」
 縛られたまま平然とした顔でそう答える由綺も大した度胸の持ち主と言えよう。つま
り、芸能界ってのはこうでないと生き抜いていけない世界なのだ、多分。
「大丈夫よ、そんな事今更誰も気にしないから」
「そうなのかもしれないけど……」
「さて、それじゃ最初のアイデアから〜っ」
 なにか釈然としない物があるらしい由綺だが、理奈がどこからとも無く取り出したはが
きに興味を引かれて、あっさりと黙る。
「3年生の蛇寒刃君からのアイデア。『トゥシューズに画鋲を入れてみたら』だって。な
かなか悪くないと思わない?」
「でも、良くもないよね、絶対」
「で、実はもう試してみましたぁ。結果はどうかなぁ?」
「どうかなって……え?」
 だんだんと付いていけなくなった展開に戸惑う由綺。だが、気が付くと視界が赤く染ま
っている。
「さーて、ステゴザウルス並みに鈍い由綺もそろそろ気づいたかしら? 実は、由綺のヘ
ッドバンドに画鋲を仕込んでみましたぁ!」
「うわぁ、私全然気が付かなかったぁ」
 気付よ、それは。
 ダクダクと血を流しながらも笑顔を絶やさない由綺の姿。それは、間違いなくプロの姿
だった……
「なんかいまいちねー。次ぎ行ってみましょうか」
「できれば、せめて包帯だけでも巻いて欲しいんだけど」


「第2弾っ! 今度は周囲を蹴落とそうとするんじゃなくって、自分が光り輝いてみよう
と思うの」
「そっちを最初にやるべきじゃないのかな、普通?」
 額にでっかいバンドエイドを張ったままの由綺の台詞は、当然のように黙殺される。
「そういう訳で、演劇に挑戦よっ! あなたには負けませんことよ、マヤさんッ!!」
「って、ガラ○の仮面ッ!!?」
 白抜きの瞳で驚く由綺。当然バックには無意味な花があしらわれている。
「紅○女を演じるのは私ですわ……あなたには絶対に譲れませんっ!!」
「私に言ってもしょうがないような気がするんだけど……」
「月○先生! どうかはっきりとおっしゃってくださいな!! 私とマヤさんと、どちら
が紅○女に相応しいかをっ!!!」
 理奈のみょーなノリにあわせて月○千草のコスプレをした弥生さん登場。
「…………」
「弥生さん、どうしてそんな格好で?」
「どうか言ってくださいな! 月○千草の紅○女を受け継ぐのはこの姫○亜弓だと!!」
 なんか知らんがノリに乗ってる理奈。短期間といえど、アフロをその身に受けた影響は
少なくないらしい。
「どうなされました、月○先生っ!? どうぞ遠慮なさらずに……」
「私は……」
 理奈のそのノリを、弥生の少しハスキーな声が遮る。なんだかいつもより少し低い。
「私は……還暦過ぎた往年の大女優の役、ですか?」
「え?」
「私は、そんなにふけて見えますか?」
「え、あ、いや、そんな意味じゃなくって、あの、その……」
 無表情なままに迫り寄る弥生に、脂汗を流しながら必死に弁解する理奈。
「知ってましたか、実は私はまだ24歳なんですよ。それなのにそんなに年寄りに見えて
いましたか? もしかしたら私の態度が悪かったのかもしれませんが」
 相変わらず無表情。
「実は盆栽が趣味、だとか思われているんでしょうか? いやそれはその通りなんですけ
ど。だけど、やっぱり少しショックでした。まさか理奈さんにまでそんな目で見られてい
たなんて……」
「ああああああっ!! ごめんなさいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっっ!!!!!!」

 理奈、またも轟沈。



「やっぱり私達はアイドルなんだから、歌で勝負よっ!!」
「なんか、理奈ちゃんって優先順位が変だよね」
 何を今更。
「ほら、本番始まるわよ。今日はしっかりあたしのバックコーラス務めてもらうからね」
「うう、事務所の先輩後輩の壁って、やっぱり厚いのよね」
 そんな二人が出て行こうとしたその瞬間、スタジオの中が派手に光り輝く。
「な、何っ!?」
「理奈ちゃん、あれっ!!」
 由綺が指差した先には、何故かマイクを持って司会者をしている長岡志保。
 そしてその隣には……
「さーて、本日のスペシャルゲストはっ!! ついに歌手デビューまで果たした今一番輝
いてる彼女っ! 広瀬ゆかりさんよ〜〜っ!!!」

 がびーん

 ついに最後の砦すら奪われてしまった理奈。
 彼女はただ、立ち尽くしていた。
 もはや、希望など、無い。
 ……いや。


              力が欲しいか?


「え?」





                              えんどれす


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 はじめまして、ToS(偽者)と申します、どうかよろしくぅ。
 ……嘘だよ、ごめんなさい(笑)

 とりあえず。
 「アフロにならない理奈先生にはたして未来はあるのか」とゆーシミュレーションをし
てみた所、見事にこんな結果が出ました。これもまた嘘ですけど。
 普通に考えるとあたしが投票しちゃうのは反則なのかもしれませんが、まぁ、気にせん
ように(笑)
 だから、賛成票プラス1。反論不可(笑)
 
 んじゃ、まだまだ〆切までは時間がありますんで、皆さん頑張って理奈先生をアフロに
してくだされや(笑)
 であ〜。