「ねぇ……悠」 「なんだ? 綾香」 「前から思ってたんだけど……」 一瞬逡巡する綾香。 「どうした? 遠慮無く言え。俺とお前の仲だろう?」 「まぁ……どういう仲かはおいておいて、なら言わせて貰うわ」 一拍。 大きく深呼吸をしてから…… 「あんた、友達居ないの?」 時間が止まった一瞬だった。 朔君には友達が居ない 「First_Lesson. 友達になれそうな人を捜してみよう」 かくして、悠 朔氏の「友達」探しは始まった。 とりあえず、友達の定義を調べてみた。 『ともだち 【《友達》】 一緒に勉強したり仕事をしたり遊んだりして、親しく交わる人。友人。友。朋友(ほう ゆう)。「―になる」「遊び―」「女―」(大辞林第二版より抜粋)』 「……なるほど」 該当する人間を思い浮かべる。 まず浮かんだのは、戦場で同じ師にトラップの基礎から叩き込まれた戦友達、生き残っ ていれば、いまだにどこかの戦場を駆けていることだろう。少しだけ、何かが理解出来た ような気がした。 しかし、今必要な「友達」は、戦場で出会った生死を預け、共有した者達ではなく、こ の学園―試立Leaf学園という学舎で共に学ぶ者達である。不必要な感慨はものの数秒で捨 て去った。 「友人・友・朋友という部分は、あくまでも言葉であるので関係はない。 肝心なのは「共に勉学に励む、また、仕事をこなす」と「親しく交わる人。遊ぶ人」と 言う部分だろう」 勉学に励む、と言う部分は問題がないように思えた。 同じ学舎で勉学に励む以上、この枠組みには十分に含まれる。仕事をこなすという部分 も、イベント等の準備をこなした以上含まれるだろう。 「問題は……」 つぃ……と、視線が先ほどの一行を撫でる。 『遊ぶ・親しく交わる人』 全く覚えのない単語である。 何時如何なる時も冷静に、また、世界を鳥瞰図が如く眺めることが癖のようになってい る彼は、周囲の人間からどちらかと言えば敬遠されている。また、娯楽という物も、銃の 手入れや非常食の管理など、非常時を想定し準備を行ったりする余裕のことをさしてしま う等、なんというか何かしらの末期患者を彷彿とさせられる。 「……みあたらんな」 もちろん、そんな趣味を持ってる人間は娑婆ではなかなかお目にかかれない。それでも、 学園内にはいそうな気もする、ディルクセンは、自分の好きな銃ならば蘊蓄たれまくりで 止まらないだろうし、菅生誠二は設計・構造上の話題ならば銃火器だろうがなんだろうが じっくり語ってくれることだろう。 だが、哀しいかな、そのような人材とも友好を暖めてはいない。 「むぅ……」 改めて考えてみると、なかなかどうして難しいものであるようだ。 にゃ〜 思考の海に泣き声が響いた。 机の下、足元を見ると同居人いや、同居猫のゴーストがすり寄ってきていた。 「……なんだ?」 問いかけると、ゴーストは短く一声上げ、白衣の裾をはむ。 「ああ、腹が減ったのか……いかんな、もうこんな時間か」 見上げると、もういい加減に腹も減るであろう時間を時計は示していた。 「とにかく……定義は分かった。実践は明日からにするか」 大きく伸びをして、冷蔵庫の中身を物色しに立ち上がる。 ――翌日 AM09:00 昨日の予習を実践すべく、教室にて人材の吟味を開始。 幾人かのジャンル別の絞り込みに成功 が、初心者として接触を試みた場合、成功確率が極めて低い者ばかりであ ることを考慮する。 AM09:50 休み時間開始 二年学舎―アズエルの探索 同学年ということで幾人かの見知った顔を見る。友人化リスト候補として チェックを入れる。 見知った顔を見つけると、ここで生活をしているのだという安心感を得ら れることに気がつく。 AM10:50 二コマ目終了の休み時間開始。 一年学舎―エディフェルの探索 あまり期待はしていなかったのだが、こちらでも見た顔というのはそれ なりにあった。直接友人とするのは難しいかもしれないが、二年の誰か を通じて友好を得ることは出来るかもしれない。 縁があることを祈り、顔を覚え留める。 AM11:50 昼食・昼休み開始 三年校舎―リズエルに向かおうとするが、校庭の一角にて組みしやすく 思える者を発見。予定を変更して行動に移る。 「よう、ヨッシー」 「……」 無視。 「……YOSSYFLAME」 「……」 無言、ただ黙々と愛用の木刀を振るうヨッシー。 「……」 「……」 カッコォーンッ! カッコォーンッ!! 「ぐぶぇっ!?」 唐突に血を吐いて倒れ込むヨッシー。 とても苦しそうに胸を押さえ、今まで自分に呼び掛けていた人物を振り返る。すると、 一本の木に藁人形を打ち付けている人物の姿が映る。藁人形には、YOSSYFLAMEの名札付き。 「て……てめぇ……それは……」 「ああ……姉上がな、友達が欲しいときにはこれに願掛けをするようにと託されたものだ」 にこやかに、真っ赤な大嘘を吐いている。 ややあって、ヨッシーが胸を押さえながらにじり寄り、悠の胸元を掴み、立ち上がる。 「……くれ」 そう言ったヨッシーを、転がす。 縋り付くような体勢と、呪いの痛みが引いていなかったこともあり、受け身を取り損ね、 むせながら地面に転がる。 憎々しげに睨みながら再度立ち上がろうとするヨッシー。 「ヨッシー……」 瞬間、悠がヨッシーの足を払う。当然、転げる。 その様をにこやかに眺めながら、 「友達なら立つのに『手を貸してくれ』くらい頼むだろう?」 間。 それは凄まじいまでに、長ったらしい天使の行列が通り過ぎたような間。 「……友達?」 「いや……なんか、色んな意味でちがくないかな? アレは」 悠が声のする方を見ると、少し離れた場所に、トッポそうなのが2人、並んで菓子を食 べていた。 「お前等なぁ〜……人ごとのように見てないで、この理不尽バカから俺を助けろよぉ〜」 ブルブル 2人とも、首を横に振り、拒否の意を示す。 「あの人、あの有名な『悠 朔』さんですよね?」 「そうだよ、東西君、近寄ると銃弾撃ち込まれるよ」 「八塚さんからの肯定もとれたので、その申し出はNGと言うことで……」 依然として座り込む2人。 全く動く気配なし。 「……友達?」 「いや、パシリ……」 八塚、東西のヨッシーうち評価、パシリに変動。 とりあえず、逆らうと五月蠅いので悠の手を取って立つヨッシー。 「あいつ等の処分は後にして……」 処分対象ブーイング。 五月蠅そうに手を振って鎮めるヨッシー。 「で? 友達がどうのとどうした?」 奇異な物を見る目で、尋ねる。 「いやな……」 何故か、自慢げに含み笑いすらもしながら 「綾香がな、心配をしてくれたんでな」 「……ほう」 なんか、既に聞く気すらもなくなった目つきで適当に相打ちをうつ。 「それでな、あんまり心配させすぎるのもアレだと思い」 「友達作りに走ったと……」 「うむ、と言うわけで、喜べ」 何を?と言う視線を投げかける三者。 ちなみに、東西と八塚も面白くなってきたので寄ってきた。 「お前が、最初の友達だ」 「さいなら」 即答で踵を返すヨッシー。 「まて」 その早さに、予想していたかのように対応する悠。 「……早いですねぇ」 「まるで予想してたかのようだね」 「予想してたからな」 (……いや、逃げられることまで予想しなくても……) 「ここに来るまでに色々シミュレートした結果、もっとも確率が高そうだったのでな」 胸を反らせて自慢気に答える。寂しいことを言ってることに気付いても居ないようだ。 「と、言うわけで、話を聞け」 「凄まじく、傲慢だな。おい」 そうか? とでも言うように、東西、八塚に視線を送ると、首を縦に振る。 「まぁ、これが私だ。分かってるだろう」 「……ホントに友達居ないだろ、お前」 とりあえず、ヨッシーから手を離して肩をすくめる。 ヨッシーもヨッシーで、既に逃げる意志はないようだ。 「それで? 話しかけて、友達になってくれと言って……どうするつもりだったんだ?」 「いや、特に何も、そのまま肯定するなら普通に接するつもりだったが?」 「みんなで寄り集まって食事を取るとか……かな?」 「……そう言えばまだ取ってなかったな」 「なにか、面白い話しをするとか……」 「ジェーン年鑑の話題なら少々……戦艦とかなら取っつきやすいと思うが?」 ヨッシーが哀れみに充ちた目で、悠に近付き…… 「……お前……悪かったな、逃げようとして……」 同情全開。 邪魔者を見る目から一気に憐憫の瞳へと変わる一同。受けた本人は、何も変わったこと を言ったつもりもないので、疑問符が表情に浮いている。 「まぁ……なんか、気になるが、そういうお前達は何をしてたんだ?」 「ああ、ヨッシーさんは練習、僕たちはそれを眺めてお茶会を」 「ふぅん? こんな時間にか?」 「この間、ジン先輩とやって負けたのが尾を引いてるんですよ。 『かなわないと納得しても、負けっ放しは腹が立つ』とかいってね」 「ああ、アレか」 ジンとヨッシーの決闘、ただの決闘ではなく、エルクゥ同盟が一角『リズエルが守護者』 と言う立場を賭けての戦い。ヨッシーは、周囲から卑怯と言われるほどの策を弄し、これ に臨んだが、ジンの底力を前に退けられている。 今、ヨッシーの評価はある意味どん底で、『最速のナンパ師』から『学園名物アレな人』 扱いである。(補足:事が終わった後、どうつついても堪えるような人物が居ないことよ り、「評価」と言うものは、その人物をコケにしたり小馬鹿にしたりする二つ名を付ける 基準のようになっている。) 「で、『アレな人』扱いをしてお前達は楽しんでいたと」 「ええ」 「なかなか楽しいですよ、他人の自業自得をつつくのは」 『ねぇ』 と、意見をそろえる二人。 「アレを卑怯だと評するものが居るが……」 悠にしてはめずらしく、なんだかなぁと言う表情になる。 「卑怯か?」 東西と八塚に問うてみる。 「卑怯という定義から見れば卑怯ですね」 八塚がきっぱりと言い切る。 「でも、ただの手段でしょ。 火力が違うから封じる。結局の所、あの場ではパニックになりましたが、ジン先輩が火 を使わなければ、安全ってのはほとんど約束されてたことですしね」 「敗因は、つつきすぎですよねぇ。 切れますって、あそこまでやられりゃジン先輩じゃなくても……」 ため息混じりに、東西が八塚の後を継ぐ。 「なんだ、お前らも結局ヨッシーがやったことを責めてるんじゃなくて……」 『あそこまでやっといて、自分の想定外から負けた情けなさを責めてるんですよ〜』 やだなぁ〜 とでも言うように、二人して手をぱたぱたとして応える。それから、なん だそうか、と応えた悠と共に声を出して笑う。 すると、三者三様の場所に痛みを感じ、まとめて薙ぎ倒される。 「好き放題に言いやがるな……お前等〜……」 右手に木刀をぶらりと下げ(おそらくも何もないが、先ほどの衝撃はこれによるものだ ろう)、前屈みになってゆっくりと歩を進めるヨッシー。 「……あ、切れた?」 「私は何も言ってないんだがな……」 「笑ったじゃないですか……同罪ですよ」 悠がうなる。正直……本気のヨッシーを相手にするのは少々分が悪い。Special Skill User、略して『SS使い』と呼ばれる類の人間を相手にするのは総じて 骨が折れる。ヨッシーも、その一人であり、特異な機動力を有する。 「……やっかいだな……」 うんざりしている悠自身、SS使いである。 特異な能力……というほどの、超機動力などはないが、幼い頃から実家で仕込まれてき た体術。戦場で培ってきた銃器刃物をはじめとする兵器、兵法、トラップの豊富な知識、 『戦場』を扱うことこそが彼の(ごく一般に使用できる)能力であり、銃器を好むことよ り『Gun Master』と言われている。 (……こいつ等何ができるんだ? 囮にして逃げるというのが一番の有効策だと思うが……) ―確実に追いつかれるし、ここに来た意味もないしな ヨッシーの様子をうかがい、自分の導き出した結果に納得する。 「おい……」 「こういうとき、君みたいにすぐ傷が治る体ってうらやましいなぁ」 八塚の周りを、半透明な何かがうごめき出す。そして、右手に竹刀を携える。 「痛いものは痛いんですよ。それよりも、八塚さんの方こそ目、大丈夫なんですか?」 対して、東西はごく自然に立っているが、その右手には刀(が、本来の刀のようなきら めきが無く、石を刀の形状にまとめたように見える)を持ち、八塚の何事かを気遣 う。 「えっと……泣きたい、というより、泣いてる?」 八塚が苦笑する。その左目は紫色に輝き、過度の水分で自らを潤している。 「うわ……じゃ、本気で切れてますね」 「やだなぁ……痛いの」 左目を一度覆い、ついた水分を払う。 「選択肢は……逃げる or 抑える なんだけど……」 「逃げたいです。逃げるだけなら、なんとか……できるといいなぁ」 「バカなっ! ここで引いてしまっては、私のヨッシー友人化計画がおじゃんではないか!?」 『既に失敗しとるわぁっ!!』 「とにかくっ! 逃げるか、退くか、退却かっ!!」 「東西君、東西君、君、言ってること……全部一緒」 「まったく……後ろ向きな奴らだなぁ」 悠がため息をこぼす。 漫才じみた作戦会議の間に、既にヨッシーは木刀を腰に当て、過ぎるほどの前傾姿勢、 吹っ飛ばされた分、三人への距離はまだやや開いているが、ヨッシーからすれば一足飛び の間合い、既に斬りかかれる間合いへと入っている。 (まずいっ) 悠が横に……東西に手を伸ばし引き倒す。 「え?」 ゴォンッッ! ヨッシーが居た位置に吹き飛ぶ東西。悠は、東西を引き倒し、盾のように使いヨッシー の攻撃をいなしたため、ノーダメージ。 八塚が、吹っ飛ばされた東西を視界に捉え、其処にヨッシーの姿がないことを確認する。 当然だ、ヨッシーが瞬間的に移動し、打撃を置きみやげとしたからこそ、東西が彼処に 吹き飛ばされているのだから。 「おいおい、何処見てるんだ」 悠の呼び掛けに、八塚が振り向く。 「私を見るんじゃないだろ……見るなら」 くいっと、東西とは反対側。 茂みに向き合い、こちらに背を向けるヨッシーを指す。 「ヨッシーだろ」 (……うわぁ、本気で見えないよ) 先のヨッシーの踏み込み、八塚には全く見えていなかった。それは、実際には悠も一緒 なのだが、相手のテリトリーにはいると判断するやいなや、テリトリー外へと移動するこ とで、難を逃れたに過ぎない。 「とりあえず、現状の戦力はお前と私……私は、お前の能力を知らない」 「……氷が使えます。後、これ」 竹刀を持ち上げて構える。 「ふん……」 SS使いは、敵にしても味方にしても厄介である。それは、能力の質による物もあるが、 ほとんどの者達が、自分のその限界を知らないと言うことに起因する。他者に漏れないよ うにしているわけではない。むしろオープンにその能力を使用している者もいる。隠しよ うがないとも言えるのだが。 今、相対しているヨッシーにしても、限界速度は? 瞬発力に秀でていると言うが、瞬発力を引き出す為の反応速度は? そしてなによりも、ヨッシーが得意としているフィールドはどこか…… 「人」と言う形である以上、どのフィールドもそつなくこなせることは確かだが、鬱蒼 とした場所でも活かされる質のスピードか、平面のみで活かされるのか、見極めが全くさ れていない。おそらく、ヨッシー自身も、分かっていないだろう、平面ならばともかく、 鬱蒼とした場所などそうそう無いのだから。 「まったく……情報特捜部と言っても、サンプルとして設定してなければ情報はあつまら んもんだな」 悠の場合、情報とつけば何でも集めるようなオタクではないので、興味がなければ無知 で通すかもしれないが…… 「そのようだね、『現状戦力』が俺と、貴方だけと言ってるあたり」 八塚が苦笑する。 「?」 とりあえず、悠は思考する。 「ああいうタイプは、とりあえずフィールドを限定してやれば動きにくくなると言うのが セオリーだが……」 「氷の柱を障害物にします?」 「できるならな」 こちらの視野も狭めると言うことで、あまりやりたくない。 なによりも、そんな物を発生させると言うことは、遠距離の武器を全てこちらから封じ ると言うに等しい。 「……? 銃なんて出してどうするんですか?」 懐から、銃と何かしらのアタッチメントを取り出す。 「ちょっと……実験だ。面白いモノを入手したんでな。 捕まっても、殺されるようなことはないだろう」 「どうせ、飛び道具は当たりませんよ?」 「こっちはいいから、さっさと障害物を出せ。 のろのろしてると来るぞ」 ヨッシーが歩いてくる。 舐めているわけではない。 おそらく、逆に冷静になっているだろう。 SS使いを相手に、逆上してファーストアタックを成功させる。これは、運が良かった と言える。普通だったならば、いかな超機動力を持っていようと、単調に行ったところを カウンターで返されてもおかしくないのだ。 今は、表情が戻っている。 散々ぱら我慢に我慢を重ねてきただけの対処法。今では、もっとすっきりする方法を見 つけたと言わんばかりに、もうなんか、嬉々として、片手の木刀をぶんぶん振り回しなが らゆっくり歩いてくる。 「……殺されはしないだろうなぁ……?」 冷や汗が、八塚の背を伝う。 (お願いだから、美味しい場面で美味しいことやってくれよぉ?) とりあえず、心中で思い浮かんだ人物に声をかける。 「さってと……『我が道に舞え天蛇の魔槍』」 八塚の周りに1メートルほどの氷槍、七本が浮き上がる。 「おい……」 「なんです? 集中が解けると消えちゃうんですよ、これ。今はまだ」 「……もっと、おおきくならんのか?」 「無茶いわんでくださいっ」 ヨッシーはと言うと、忍び笑いを漏らしながら、全く速度を変えずに近付いてくる。 「行け」 八塚の呼び掛けに、七本の氷槍がクンと、頭をもたげ、ヨッシーとの中間地点に次々と 障害物としての役割を果たす為、つきたつ。 「ま、こんなもんか、邪魔にはなるな」 そういって、悠がヨッシーへと向かう。 「もう2・3回やってくれ。私に当たらないようにな」 次々と打ち込まれる氷槍。次々と確実にヨッシーと悠の自由に出来る空間を奪っていく。 「さて……ヨッシー」 「お前とサシでやり合うのはじめてだよなぁ? ゆーさく〜」 ヨッシーは、にやにや……というと表現が悪いが、嬉しそうに表情を崩す。 「お前もやな奴だなぁ。その呼び方は好かんと言ってあるはずだが?」 銃を左手に構え、右手は、白衣から木刀を引きずり出す。 「では、剣でお相手してみようか……」 「……なんか、そこらの暴走族仕様みたいな白衣だな、おい」 「ああ、あんまり五月蠅いから、潰したチームのヘッドが着てたんだが…… 面白いくらいに、中に暗器を仕込んでる奴だったんでな、便利なんで奪っておいた」 一振りし、木刀を手に馴染ませる。 「強盗だなぁ……」 八塚が呟く。 「さて、親善試合といくか」 「……お前、まだ諦めてないわけ?」 「とりあえず、予定を変更して、お前を叩きのめして、静かになったところで…… この血判状にサインをさせるっ!」 そういって、はためく白衣から取り出したるは、来栖川芹香当たりが愛用してそうな、 悪魔専用を彷彿とさせる、禍々しい雰囲気すらも醸し出す汚れた紙。血で汚れてないのだ けが未使用を証明している。 「……八塚ぁっ! お前、こんな奴を援護して恥をしれぇっ!!!」 「あんたが襲ってくるからだろうがっ! 俺だってしたくてしてないわっ!!」 「とりあえず、サインっ!!」 先制アタック、悠。 身体を捻り、片手のみで薙ぎに行く。が、それは難なくかわされる。 「お前、舐めてるだろ? 片手だけの握り……二刀流でと言うならともかく、使わない銃 を握りながら、なんてのはそうとしかおもえんぞ」 「なぁに、使うさ。で、必要が無くなったらしまう」 その間も打ち合う。動く暇を与えないよう、優位なリズムを与えぬよう。あくまでも自 分のリズムを相手に叩き込む。 「なら、さっさと使えよ。俺が見えてるうちになぁ!!」 ヨッシーが、間合いを取る。 悠も、無理に追わずに自分の間合いを作り出す。 (ふん……配置は、こんなものでいいか) 僅かなよそ見。自分の策の下ごしらえを確認したときに事は起こる。 視線を戻した先に、ヨッシーはいなかった。 「ちぃっ」 慌てて、位置を探ろうとした途端、視界に翳り。 本能的に身を転がす。 遅れて響く、槌でたたいたかのような破砕音。 ドッゴォッ! 地に四肢を立て、獣のような体勢で立っていた位置を見ると、ヨッシーが膝をつき木刀 を抱えて……否、大地に突き刺していた。 「あ〜……やっぱり、こんなのが通用するのは漫画だけか」 「お前……殴るならともかく、真上から『突いて』来るのは、洒落にならんと私は思うぞ?」 「細かいこと言うなよ、避けたんだから」 双方とも、再び構えに入る。 「おっかないなぁ……やっぱSS使いとやるのはよ?」 悠も頷く。 (戦場を思い出す) ふとした気の緩みが地獄への片道切符。 そう教えられた戦場。血のにおい、火薬のにおい、通常生活では滅多にお目にかかれな い鼓膜を使い物にできなくするほどの大音響。 学校の勉強とテスト。「出し切れば勝てる」そう教えられるのが、勉学。「出し切った としても生き残れない」、それが戦場でのレクチャー。学んだことを出し切るのでなく、 「もっとも強い自分」を出し切れなければ死ぬ。そう言う場所が戦場だった。命のやりと りをする緊迫感その中で生まれる、敵味方を越えた「人間性」の理解。悠には一番なじん だ「他人との相互理解」。 「やはり……」 悠の口端が持ち上がる。 「こう言う経験を経なければ、友好はあたたまらんなっ」 なにか、こう、胸の内に詰まっていたものを、言葉と共にはき出すかのように声を出す。 「……いや……やっぱ、俺勝たないとまずいのかな? 自分のためにも、これからこいつに「辻親友作り」の餌食になるかもしれん人のために も……?」 ヨッシーが、八塚に同意を求める。 八塚も、危険性は伝わってきても、悟りを開いた友達を見たような、そんな心温まるフ ィーリングを受けなかったため、ヨッシーに同意、親指を下に向け、クイクイッとジェス チャーを送る。 ヨッシーの「闘志」に「義務感」と「正義感」と言う免罪符が加わった。 さて、その間にも悠は、己が身を置くフィールドを確認する。 納得し、銃を構える。 「あのなぁ……そんな、剣以上に直線的にしか攻められん代物が俺に……」 ヨッシーの台詞が終わらないうちに悠が発砲する。 キュンッ! 空気を裂く音が耳元に残る。が、外れた。 自分は走っていない。 当たらないと思っていたわけではない。むしろ、棒立ちになっていたならば絶対に当た ると思っていた。それが、外れた。 素っ頓狂な声を上げるまもなく、悠が銃を胸元にしまい。躍りかかってくる。 悠の意が見えず、後退し様子見のつもりで数度刃を交える。 今まで、自分が背にしていた氷柱を越えたところで、悠の姿が一瞬視界から消え、左下 方から切り上げてくる。 カンッ! 乾いた音と共にヨッシーの体が、右へと弾かれる。 (重いっ!?) 自分の体重が軽めであることを差し引いても、あの体ごと沈めて切り上げてくるなどと いう動作で、体を持ち上げられるとは思っていなかったらしいヨッシーは、そのままおと なしく、更に追撃してくる攻撃をいなしながら移動する。 (無茶苦茶……だよな?) 何かがヨッシーの頭に引っかかる。 何度も何度も切り結んできた。ダッシュをかけるタイミングがなかなか掴めないほどの 手数。その手数の中でも、さらに自分の進行方向を妨げるように振るわれる数撃がある。 (なにかこう……踊らされているような。) 何度も何度も繰り返される斬撃。 そのうちの下方からの斬撃は、意表を突くという意味で放たれているのだろうか? (ステップまで指導されているような。) 攻めのタイミングを失する違和感。 「呼吸というのはな」 幾度目かの、下からの斬撃。 難なく大きく飛んでかわす。悠も続いて、大きく飛んで追ってくる。 先ほどから、徐々に回数が大きくなってきた飛躍の回数。 「生きるために必要という訳だけでなく、行動を起こす一瞬を教えてくれるものでもある」 丁度悠が、今までおいかけっこをしていたフィールドの中央。其処に立ったときに動き が止まる。 「行動の要だ。それを理解すれば、敵の動きは読める」 「理想論というか、極論だよなぁ……」 かくいうヨッシーも、剣道の試合。相手の呼気を合図に攻め・守りを決定する。相手の 面は見えなくても、その所作で理解できるときがある。剣の揺れ、足運び、そのすべてが 相手の心理を予想する材料になる。そう言うことを理解し、実行している。 「俺にもお前の攻めてはわかるんだよ……でもな、なんかさっきから納得できない」 「なるほど……おかげで私は、この位置をキープできたわけだ」 そう言って、銃を取り出し……取り付けておいたアタッチメントを取り外す。 「まぁ、いろいろと楽が出来た。 周りを囲んでいるのが、「先細り」をしていて、「滑りやすい氷」だからこそだろうな」 アタッチメントを操作する。途端に、鈍いモータ音が流れ、ついで キシュンッ ガラスを掻いたような音が響いた。 ワケがわからず、辺りを見回すヨッシー。見た目、なにが変わったと言うものでもない。 (不発? いや、さっきの音は……) もう一度当たりを探る。やはり特に変わったようには見えない。 (ん?) 目を凝らす。なにかが、ちかちかと視界で光る。 「……まさか」 悠が、片目を瞑り意地悪く微笑む。 「なんだ? 急に動きが止まったぞ?」 「悠先輩が、仕掛けを使ったんですよ」 「仕掛け?」 八塚が振り向く。 そこには、先ほどまでは、戦場に背を向けていたはずの東西が、姿勢はそのままに戦場 の方へと視線を向けていた。 「……いや、いい。君はそのまま死んだフリしてなさい」 「……説明は?」 「結構」 冷たく言いきる八塚。 「説明……」 「ほら、先輩の蘊蓄が始まる」 「見えるか? ヨッシー。 と言っても、見えて貰っては困るんだがな」 悪役然と含み笑いをする悠。 「というか、私にも見えん」 「おいおい……」 呆れたヨッシーの声を、悠が片手を上げることにより遮る。 「簡単に言えば、お前と私の周辺に糸を張った。 丁度、腰の高さくらいか」 一歩踏み出し、自分の前、腰の高さの空間を指で弾く。 ピィン…… 余韻を含んだ澄んだ音が響く。 「こういうワケだ。 実際は、映画に出てくるように首にでも引っ掻けて引くんだが…… ああ、これ、下手すると、窒息云々の前に首が飛ぶんで注意しろよ?」 真似をして、一歩踏み出そうとしたヨッシーに警告する。 「考案と製作は、当然のことながら柳川教諭。 製作に当たっての泣き所は、この細さと強度の両立だそうな」 「……見えねぇもんなぁ」 ヨッシーが、顎から流れ落ちようとした汗を拭う。 「まぁ、蘊蓄はこれくらいにして…… 下手に動くと危ないことは、理解出来たと思う。 高速で動こうものなら、というか、お前のスピードの場合、転ける前に下手すれば胴体 がまっぷたつだな」 其処で、笑みをそのままに肩を竦める。 「まぁなぁ……普通、走るだけなら、これでアウトだよなぁ」 探りを入れているのか、周りを木刀でつつく。 「さぁ、大人しく負けを認めて『用紙』にサインをっ」 「それやるくらいなら、もうちょっと足掻く」 きっぱりと即答してみせるヨッシー。 「くっ、しかし、お前には、もう手はないだろう?」 「そうでもないぞ?」 当たりの氷柱を指さし。 「アレを足場にするとか……飛んでればこれは関係ないだろ?」 「ふん、やってみるがいい。 足場を蹴った音がすれば、気がつく。 なによりも、其処から攻撃に移るならば、蹴った音からの直線的な攻撃しかなくなる、 ならば、この銃で撃ち落とすことは容易だ」 「そうだな、本当に出来るかどうかは、やってみなけりゃわからんが、お前にそれが出来 た場合、こちらはどうしようもない。これはいわゆる愚策にはいるな」 ついと、視線を八塚の方へと向け、息を大きく吸い込む。 「東西ッ」 びくん 八塚、東西が一瞬だけ震える。 「寝たふり決め込んでるのは分かってるんだっ! 許してやるから、こいつを切れッ」 「だ……」 八塚が口を開き、東西を振り返ると、その胸に小さな人影。いや、小さい以外にも特異 な特徴をもっている、樽のような胴体、短い足、そして、何よりも、その体格にしても大 きすぎる腕を持つモノ。 それが、一度屈み、大きく伸びをするように万歳をする。 「ダグ・○ウト」 「版権技っ!?」 東西の声と、その胸に現れた小人―地の精霊―に応えるかのように、悠とヨッシーを飲 み込みつつ地面が槍状に盛り上がる。 遅れて、その周囲の大地が軽く盛り上がり、鈍い音が響く。 「……ば……」 八塚もその惨状に絶句。 「……仕留めた?」 「仕留めてどうするぅッ!?」 いつの間にか、背後に歩み寄ってきていた東西に、八塚のグーパンヒット。 「……痛いです」 「痛くて結構っ!!」 再度、現場を振り向く。 変わらず、変容した大地があるだけだが…… 「出てこないじゃないか……」 八塚の背中を冷たい汗が伝う。 「あの位で怪我するような人たちじゃないでしょ?」 「するっ! 怪我くらいはする!!」 「確かに……怪我はしたぞ」 そう言って、ヨッシーが腕をさすっている。 「うう……頭が痛いぞ」 「割とモロだったからなぁ」 後頭部をさすりさすりしているのは悠。 「……ほら、怪我らしい怪我してない」 「う〜ん……人間じゃない」 2人揃ってゆっくりと歩いてくるのを眺めながら、八塚が呻く。 あの隆起の中、ヨッシーは、糸が断ち切れたのを確認するよりも早く飛び上がり、ラン ダムに増える岩柱ではなく、固定されたままの氷柱を蹴り安全圏へと離脱。しかし、一本 だけ立ちふさがった岩に腕を軽くぶつける。 悠は、逃げるヨッシーを反射的に銃口で追い(ちなみに、中身はゴム弾だ)、引き金を 絞ろうとした瞬間、下から生えてきた岩柱をバックステップでかわしたが、未だ効力を失 いきっていなかった糸に動きを遮られ、後ろの氷柱に頭を強かにぶつけながらも転がるよ うに、危険地帯から脱出。 場馴れした迅速な行動が、2人の身の安全を保証した結果だ。 「さってと……」 「お仕置きタイムといこうか?」 「へ?」 十分に近付いた2人が発した言葉に東西が(八塚は既に離脱、我関せずの姿勢)間の抜 けた声を出す。 「なにを許すとは言ってないから、これに関しての詫びだけは入れて貰おう」 「私は、もとより何もいってないしな」 「……えっと……」 構えようとした東西の足下に、鈍い音と共に砂煙がたつ。 「無駄な抵抗は、しないことを進言しよう。 私とて、弾の無駄遣いはしたくないのだよ」 つい先ほどまで、確かに握っていなかった銃が、今は煙を吐きながら悠の手に収まって いる。 「まぁまぁ……こいつはさっさと回復するから、どれだけやってもやりすぎはない、だか ら、じっくりとやろうや」 「……痛いんですよ?」 「木刀で殴られ、銃で撃たれていたくなけりゃ嘘だろうな」 「諦めろ、お前が悪い」 宣告を受け、尚諦め悪く八塚に目配せをする。 唇が動く。 『あんたが悪い』 涙を流しながら、東西は抵抗すら許されぬサンドバッグと化した。 「さて……仕上げといくか」 「まだやるんかい」 八塚が、ヨッシーに突っ込みを入れる。 「ああ、ちょっとだけだ。ちょっとだけ」 にかぁーっと笑う。 「悠、さっきの紙出せ」 「ん? これか?」 悠が『誓約書』を差し出す。 「これこれ、おい、八塚、これに東西の名前書いて、拇印取ってやれ」 「あ〜……そう言うことね」 八塚が受け取り…… 「あ、ペンがない」 「大丈夫だそうだ、個人と認識させれば、対象者の名前が浮かんでくるとか」 「……マジでオカ研謹製かよ、その怪しさ」 「でも、東西君の血も乾いてるよ? あと、傷も治ってきて出血も止まってる」 かがみ込んだ八塚が東西の身体を調べる。既に、おもしろ半分で事を進めている。 「ちっ、じゃ、俺の使え。 ちょびっとだが、まだ出てる」 負傷した腕から滲む程度の血で、東西の指を汚し、『誓約書』に押しつける。 「できたか?」 「うん……できた……みたい」 ヨッシーがのぞき込み、思わず驚きの声を上げる。 「って、なんで、東西の名前と一緒に俺の名前まで浮いてきてるんだよっ!?」 「……あ、もしかして……」 『もしかして?』 悠も詳しくは知らなかったらしく、ヨッシーの声とはもる。 「指紋で東西君を、血でヨッシーを認識したんじゃないの?……かなぁ……って」 八塚が、ゆっくりと紙面から顔を上げ、ヨッシーと悠を仰ぎ見る。顔が引きつっている。 「なにぃっ!?」 大音声の叫び。 「よしっ! よしよしよしっ!!」 この世の終わりのように頭を抱え、叫び続けるヨッシー。 弾も食料も切れた最大の窮地に、補給物資が来たかのような喜びを、身体全体であらわ す悠。 「……まぁ……世の中こんなもんだろうなぁ……」 諦めきった八塚。 とりあえず、悠 朔氏の友達作りは、理不尽に始まった。 で、以降、YOSSYFLAME氏の鬱憤晴らし。 「八塚ぁっ!!」 有無も言わせずヨッシーが木刀を振り回す。 「な、なに?」 「悟りついでにもう一つ悟れぇっ!!」 「なにかわからんが、い・や・だっ!!」 ダッシュで逃げおおそうとする八塚。 「逃がすと思うかぁっ」 背を向けた瞬間にヨッシーに羽交い締めにされる。 「いやだぁっ! なにがイヤって、理不尽に巻き込まれて、更なる災厄に見舞われるのが目に見えてるの がイヤだぁっ」 「其処まで分かってるなら、拒絶する必要もないだろう?」 「日本語分かってンのかっ!? 頭おかしいんじゃないかっ!?」 八塚が激しく身体を動かし、振りほどこうとするが、身長差がモノを言う状態、やや低 めの八塚は、終いには軽く持ち上げられる始末。 「失礼な……ちょっと傷心気味だぞ。 慰謝料として、同じ気持ちを味わって貰う」 「さっきから日本語が変だと気付けよっ」 「聞こえんっ! そんな、責任転嫁を施そうとする妄言は聞こえンぞっ!! と言うことで、悠」 「ん?」 一通り、用事を済ませ、特に興味なさげに眺めていた悠を呼びつけるヨッシー。 「『友』としての初仕事だ」 「おお、ついにお前も認めたか」 「なんていうか、拷問にかけられた上で吐かされた情報を、善意の情報提供と言われたか のような違和感を感じるが、まぁ、そう言うことだ」 「諦観というのは、よく悪い方へとその意味を取られるが、実際は、慣れとかそう言うモ ノに繋がるので、全く悪いわけではなく、人間の環境適応能力と同義だぞ。 だから、恥ずかしがらずに誇れ」 「……まぁ、とにかく、こいつの頭かち割って、その紙をこいつの血で染めろ」 「其処までする必要があるのかっ!?」 「ないな……とりあえず、涙でも何でもいいから、これにつけるか体液なら良さそうだし」 悠がにやにやと、誓約書片手ににじり寄る。 「い・や・だぁっ!!」 「暴れるなぁっ!!」 ゴンッ 「はくっ!?」 八塚、後頭部の、割と洒落にならない位置に頭突きを喰らって沈黙。 「ふ……下手に暴れるから悪いンだ」 「お前が、無理矢理捕まえなきゃ暴れなかったんだがな……」 「うるさい、この場にいる全員に理不尽を振りまいてやる」 「……まぁ、いいが……で、どうする? なにも血を塗りたくる必要も無かろう?」 「しょうがないな……顔拓だ、顔拓。もうなんか、こいつ個人と認識出来れば、紙が勝手 にしてくれるみたいだし、気がちょっとは晴れる」 「まぁ……触れるだけで、契約になるようなのって言ったら寄越してくれたものだしなぁ (ぼそり)」 「……あ?」 「いや、なんでもない。で、墨はあるのか?」 「気絶してるなら取りに行っても支障なし、一応お前はこいつ見張っててくれよ。 俺取ってくるわ」 そう言って、走って取りに行くヨッシー。その背中を眺めながら…… 「……なんか、人選誤ったかな?」 ぽつりと、悠が呟いた。 to be continued? ======================================== いや、続かないと思います(笑)