Lメモこれくしょん第一段 投稿者:u.g
俺の名はジン・ジャザム
「まずは顔を洗って、それから・・・」
エウクゥ機動兵器と呼ばれる男だ
「化粧水よね」
今、俺は家庭科室で女子に囲まれている
「うーんと・・・ジン君にはまだファンデは早いかな」
しかも、女の姿でだ
「それから、ほんのりピンクのリップ。」
理由は・・・・・・聞かないでくれ

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Lメモこれくしょん第一段   

          ジン・ジャザムの章   「災厄の日」 


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 なぜこうなったのか時間を巻き戻してみてみよう

「ジンくーん」
昼休み、飯を食おうと学食へ向かう途中、俺は千鶴さんに呼び止められた
第一保健室前での出来事
「お昼まだでしょ、これ試食してみて☆」
初めて挑戦したのだそうな
目の前に差し出された炒飯らしきそれは
比較的まともそうに見えた。だが・・・・
「あ、いや。俺はちょっと・・・・・」
「さぁ、さめないうちにどうぞ」
にこにこと微笑む千鶴さんを見て俺は逃れようがないことを悟った

 なんだか悲壮感たっぷりだね
 あ、食べてる食べてる。諦めたな・・・・

「うまい。千鶴さん、うまいよこれ」
決死の覚悟で口にしたそれは、予想に反してうまかった
「そう。良かった」
心底嬉しそうな笑顔。
俺も料理の旨さと助かった安堵感からついつい箸が早くなる
「ホントにうまいや」
千鶴さんは俺が食べてる姿をじっと見つめている
まるで新婚家庭みたいだな
ついそんなことを考えてしまい、自分の想像に照れた
「どうかした?」
千鶴さんが不思議そうな顔で尋ねてくる
「なんでもないよ。それよりこれ、どうやって作ったの?」
我に返った俺は誤魔化すためにあわてて話題を変えた
「そんなにほめられると照れちゃうけど、ご飯に市販の調味料を
入れただけなの」
「そうなんだ」
いがいだな、と心の中で付け加えておく
「あと、具はそこいら辺からチョイチョイ、ってね」
「ふーん・・・・・ぶっっっ」
適当な相づちですまそうとしていた俺は
それを聞いて吹き出してしまった
その時、ふと思い出したんだ
うまくいった時の千鶴さんの料理には何かがあるって事を

「あら・・・・・?」
そんな俺をとがめるでもなく、素っ頓狂な声を上げる千鶴さん
「・・・・・・ど、どうかしたんですか?」
そう尋ねた俺の声は心なしかいつもより高いような気がした
千鶴さんは突如としてにっこり微笑むと
「あ、ちょっと用事思い出しちゃった。ジン君、ここでしばらく待っててね」
そそくさと立ち上がり部屋から出ていった
そんな千鶴さんの様子に俺の不安はどんどん大きくなってゆく
おそるおそる鏡を覗き込むと、そこには
「あ”あ”あ”あ”あ”あ”・・・・、やっぱり女になってる〜〜〜!!!!!(血涙)」
予想通りの展開が待っていた
なんでこんなんばっかりかよ、俺・・・・
「ん?・・・・って、言うことは・・・・・」
落ち込む暇もなく天啓のごとく閃いたのは
千鶴さんの用事がなにを指し示しているのか、である
鏡の中の俺の顔は蒼白になる
「逃げなきゃ・・・」 
一瞬、千鶴さんにお仕置きされる様子が思い浮かんだが
努めてそのことは考えないようにして
俺はその場を立ち去った


ショックの抜けきらないまま校内をさまよっているうちに
昼休みは終わっていたらしい
このまま授業にでても針のムシロとなるのは容易に
想像できたため、午後の授業はさぼることに決めた
「ジンくん?ジン君だよね」
イヤな予感がする。
「女の子の姿だったからわかんなかったわ」
エルクゥの第六感というやつだ
「サボり?ダメじゃない」
こういうときの勘はよくあたる
「うーーん、でもナイスタイミング♪」
あたるのに・・・・・・
「ちょっと手伝ってね」
なぜ逃れられない、俺?
「今日は服装と機動性についてのお話をしますね。
ゲストって言うかモデルはジンジャザム君です。みんな〜、拍手〜〜」
断るまもなく問答無用で家庭科室に引っ張り込まれた俺は
こうして女子生徒達の熱い拍手を受けることとなった(涙)

 これもまた絶対運命黙示録

「まずは・・・・あ、ノーブラ。ダメじゃない、ちゃんとしとかないと」
そう言って服を脱がしにかかる勇希先生
「いいいいいいぃぃぃぃいいです、気にしないですから」
「何言ってるのよ。ほっとくと型くずれしちゃうし、
何より女の子としての身だしなみだわ」
「お、俺は男です」
「この際そんなことはどうでもいいじゃない☆」
そんな事って・・・・き、聞いちゃいねぇ
「そこで・・・・じゃーーん。噂の天使のブラよ」

てぺぺてぺぺてっててーーーー♪

謎の効果音とともにぶらじゃぁを取り出した先生の手は、
なぜか球に近い形だった
「い〜い、まずは周りのお肉をかき集めてそこで、キュッと」
なにがキュなのかわよくわからんがとにかくキュだそうだ
「みんなも知ってるとは思うけど、おさらいしといてね〜〜」
女子にも語りかけている
「・・・・・・・」
何人かが胸に手を当てているが・・・・・・?
「ついでに、ショーツとガードルもつけちゃおっと」
もう・・・好きにして・・・・・


 ちゃりらりらりーーー♪
 ジンはレベルが上がった
 B90 W60 H92  になった
 クラス ないばでぃ→でりしゃすばでぃ☆

「さてと、これからが本番よね」
俺の目の前にたくさんの服が並べられている
まずはリーフ学園の制服、これはいい
バニーや猫耳もまぁ、予想の範囲ではあった
第三新東京市もマニアなところでありだろう
だが、だがなんでデ*ーズの制服がある?
ガ*ト、す*いらーくにア*ナミ*ーズまで
「せ、先生・・・・なんすか、これ?」
「んーー、前にセーラー服で来てたから制服好きなのかと思って」
お願いだから忘れて・・・それは・・・・
「せ、先生。だいたいこれじゃ
服装とか機動性とかに全く関係ないじゃないですか」
確かに、ファミレスの制服を着て戦う格ゲーがあったような気もするが
それはそれ、これはこれだ!!(ばい 島本和彦)
その問いに対する返答は
「あれ、そんなこと言ったっけ」
非常に素っ気なかった
いいのか、そんなことでいいのか?
「ま、いいじゃない。面白いし」
それを聞いた時、俺の意識はイスカンダルの彼方へと旅だって行った


「無駄なく引き締まってる・・・、さすがね」
来栖川 綾香の評価は実に彼女らしい
「スタイルいいし、うらやましいなぁ」
新城 沙織はうらやんでいる
・・・・・・・・・・・・
「アイドルでも・・まけちゃったなぁ・・・」
広瀬ゆかりが素直に認める
「ほんまやな」
保科智子は感嘆の声を上げた
「国産ものであれはすごいわ」
レミィと交互に見比べている
「ドーシタノ?」
レミィはレミィでわかっているのかいないのか
「「でも、さすがに肩こりそう」」
負け惜しみではなく、結構大変らしい
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「すごおぃ・・・、枝毛一つないよ」
神岸あかりがブラシをかけてながら言う
「ホントに綺麗な髪の毛ですよね。
これで長さがあれば色々とできるのに」
「ふふ、じゃぁ付け足しちゃおうか」
「うん」
そんなことを話しているのは藍原瑞穂と
久方ぶりにまともな太田香奈子だ
「じゃぁ、どういう髪型がいいかなぁ・・・」
手を休め、あかりも話に加わった
3人は和気藹々と楽しそうに話している                                                                                                                                   
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ジン先輩・・・・、素敵です」
日吉かおりの見つめる目は妖しい
「「・・・・・・おいしそう・・・・・」」
その隣では桂木美和子と吉田由紀が呟く
それがほかの者の耳に届くことは幸いなかった
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
はっっっ 
ソロモンよ、私は帰って来た
俺はそのまま立ち上がり
「うぁぁぁぁ、俺は硬派なんだぁ!!!!!!」
吼えた
「はい、はい。動かないでね」
それもつかの間、全員で再び椅子に座らされる。
無駄なのか・・・・抵抗するだけ無駄なのか・・・・?
俺を着せ替えている女子達には、なぜか隙がなかった
「さてと、次は・・・」


「できた!!完成よ、みんな」
一通りの化粧が済み、ようやく解放される
驚き、そして羨望の入り交じった視線
「・・・・はぁ・・・・」
幾人かのため息が聞こえてきたような気も・・・・・?
俺は鏡の前に案内された
「こ、これが私なの・・・・・?」
姿見に映る自分に私は思わず見とれてしまいました・・・
ビスチェにフレアスカート、手袋にハイヒール、ティアラまで身につけた私
その姿はまるで
「・・・・童話のお姫様みたい・・・・」
楓ちゃんがそんな風に言うのがとても照れくさかったです
「・・・・・・綺麗、ジンさん」
って、おい。
自分の名前を呼ばれようやく我に返る
なんでここで女言葉になるんだ、俺!!
これじゃぁ、まるで・・・いや違う、違うぞ!!!
俺はこんな事は望んじゃいないんだ
そうだ、これは先生達が無理矢理であって
俺の意志とは全く関係ないところの産物であり
それはまた偶発的な事象の変化によるもので・・・
 
 なにいってるんだかよく分からないが盛んに否定するところが怪しい(笑)

とにかく、僕は悪くないんだ・・・・きっと・・・・・

 なぜそこで弱気になる・・・・・・・

俺は授業が終わってようやく解放された、
もちろん服装はさっきのままだ
しくしくしく。汚されちゃった・・・、汚されちゃったよう・・・・・・・
教室の中では
「あんなに喜んでくれるなんてね〜〜」
「そうですね、先生」
「じゃ、みんな今度も頑張ろうね♪」
「「「はい」」」
なんて事を話していたが、既に突っ込む気力もなかった

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