学園祭Lメモ「楓祭’98/科学部出展作品(下)」 投稿者:u.g
学園祭Lメモ「楓祭’98/科学部出展作品(下)」 
「よし。行こうよ、みんなっ」
「そうだね、でも・・・・その前に」
(ほ・・・・これでなんとか・・・・・・)
東西が安堵の息をつこうとしたとき
「東西さん・・・・」
微笑みながらゆきが言う
「もしこれで駄目だった場合は・・・・わかりますよね」
しかし、ゆきの目は笑っていなかった・・・
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃ・・・・・」


第二茶道部
なれた手つきでお茶をたてているのは顧問の篠塚弥生
その向かいに座っているのはDマルチである
「結構なお手前で・・・」
「お粗末様でした・・・・」
日頃の振る舞う立場から視点を変えてみるのも
新鮮なものがあるようだ

カコーン・・・・
獅子脅しの音が鳴り響く

二人の間にしばし静かな時が流れる
「それにしても・・・・」
窓の外に目を向けながらDマルチが問いかける
「ずいぶん前衛的な作品ですね・・・・」
「あったぁ〜〜〜っ」


「ああああああ、生ハムがなんかかじってるぅぅぅぅぅ」
「餌与えちゃ駄目ですよっ」
「違うぅぅぅぅ。早く取り出さないとっ」


「あ・・・・指が入っちゃってる・・・・」
「大丈夫、熱くないですよ。慣れてますからって言うのはやめてくださいね」
「これでいいだしが取れるんですよっていうのもな」
「浩之ちゃん、それ海賊版だよ・・・・」
「文字通り手が込んでるんですけどねぇ、残念だなぁ」
「ぶっっっ」
「だ、ダーリン、大丈夫?」
「み、見せんでいい見せんで!!」
「こっちにも」


「「「でたぁぁぁぁぁっっっっ」」」
教室より3人娘が飛び出してくる
「お化け屋敷・・・ってなんでお化け役の人が?」
「だ、だって」
「本物が・・・・・」
「こわい、こわいよ〜〜」
「ま、まさか・・・」


「はい、靜ちゃん可愛いからおまけしたげるね」
「ありがとう」
「すまんな・・・、きしめん」
「もちろん木風ちゃん、笛音ちゃんにもね」
「ほら、木風ちゃんとお礼を言いなさい」
「あ、ありがとうございます」
「笛音は俺んだ」
おひおひ
「もう、お兄ちゃんたら・・・。恥ずかしいこと言わないの。
きしめんさん、ありがとうございます」
「そんな顔しなさんな、てぃーくんにもあげるから」
「わぁい、ありがと」
「・・・わかったから・・・・じっと見るなよ・・・・るーん・・・ほれ」
「は、はやい・・・」
「もう、あんなところに・・・・」
「なぁ・・・・さっきから気にはなっていたんだがあれ何だったんだ・・・?」
「さぁ、俺もおいた記憶はないんだが・・・何でも喰うだろ、たぶん」

「「「食べちゃ駄目〜〜〜っっっっっ」」」
「いや、せっかくもらったものだし・・・・・」
「だってそれは宇治君なんだよ」
「大丈夫、食えるものなら自分は・・・・」
「「「やめてぇぇぇぇっっっっ」」」


「いいなぁ・・・みんな幸せそうで・・・・・」
屋上からにぎわう様子を見つめる一人の男
「壊してやるぅぅぅ、電ぱっっ」
どんっ
「って、え・・・・?」
意識を集中しようとした瞬間、思い切り突き飛ばされ
「あああああああああああっっっっっっ」
地上に向けて
「あやうく落ちちゃうとこだったね」
「でも、誰かにいたような・・・・・・?」
「気のせいだよ、気のせい。いこっ」
そして、誰もいなくなった・・・・
「はぁはぁはぁ・・・。この恨み・・・いつか・・・・」
意外としぶとい


家庭科室
お昼のにぎわいも一段落したそこは
女子高生(一年)柏木千鶴ちゃんの手により占拠されていた
「耕ちゃん・・・・どうかな・・・・?」
「あ、ああ・・・・・」
(・・・・食える・・・・何とか食える・・・・)
泣きながら食わなくても・・・・・
「そこいらにあるもので適当に作ったんですけど・・・」
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
「あーー、オバハン。こんなところでなにやってるのよ」
「耕一せんせ、こんな人のより私たちのお料理を食べてください」
「食べて食べて食べて〜〜〜」
ひづき、M・K、そして何故かEDGEもいる
「「「「こうなったら・・・料理で勝負よ!!!!」」」」
「ねぇ、空くん・・・よりにもよってとんでもないときに来ちゃったね・・・」
「うん・・・」
青ざめるゆきと空を後目に智波は冷静な声で呟いた
「いや・・・・・逆にチャンスかもしれない・・・・・変化!!」
猫にその身を転じ智波が軽やかに3人の間を駆け抜けて行く
「やったぁぁぁぁぁっっっ」


「・・・・ようやく集め終わったんだね」
「うん・・・・・」
丁を復活させるまでの間、しばらく落ち着く場所に
3人が選んだのはジャッジの本部として使われている教室である
確かに助けを求めるのには正義の味方の秘密基地は最適と言えよう
しかし・・・
「それにしても・・・何だか大事になっちゃってるね・・・」
「うん・・・・」
入り口には何故か
『リーフ学園バラバラ殺人事件対策本部』
と、書かれた張り紙
実に美しい楷書体である

”しばらくの間、何も言わずに預かっていてください・・・”
「あれがいけなかったのかな・・・・?」
「そうかもしれないね・・・・」


「それではマ神に祈りを・・・」
「HAHAHAHAHAHAHA、アフロの神に復活の呪文をささげまショウ」
「なんだ俺を呼んだのか?」
(事件・・・?もうどうでもいいよそんなの
せっかくのデートがせっかくのデートがせっかくのデートが
せっかくのデートがせっかくのデートがせっかくのデートが
せっかくのデートがせっかくのデートがせっかくのデートが
せっかくのデートがせっかくのデートがせっかくのデートが
せっかくのデートがせっかくのデートがせっかくのデートが
せっかくのデートがせっかくのデートがせっかくのデートが
せっかくのデートがせっかくのデートが・・・・・・・・・・・・)
「せっかくの学園祭でまでこんな事になるなんてついてないですね・・・」
「は・・・はは。そうだね・・・・・
ま、まぁ、これがジャッジとしての仕事だから・・・仕方ないよ」
(っざけんじゃねーよ科学部だぁコンクリ抱かせて東京湾沈めっぞこら
それとも火山の中に紐無しでバンジーさせたろかい
ったく、学園祭ったらアレだよアレ。いつもと違う雰囲気、
今日の私はちょっと大胆でって感じで、俺様のオロチがピーがピーして
ピーでピピッッってな予定だったのによ、台無しにしやがってぇぇぇぇぇぇ)
「でも・・・信さんと一緒なら・・・・私・・・・」
「・・・・あ、藍原君」
(・・・・・・・・( ̄ー ̄^b))
「じゃみんな後のことは任せたから。行こうか、藍原君」
「あ、あの・・・信さん・・・?」
「いいからいいから」

「行っちゃったね・・・・・」
「流石に・・・無理ですね、止めるのは・・・」
「残った僕たちで」
「はうう、汚しちゃ駄目ですぅ〜〜」
「そうだね、一緒に掃除しようか」
「マルチ様、私もお手伝いさせていただきますね」
「あ、ありがとうございます」
「いけない。誰も止める人がいないなんて・・・。
ゆきちゃん、このままじゃ」
「宇治君は友達だけどせっかくのマルチとの
久しぶりのお掃除が・・・・・・ぶつぶつぶつ・・・・・・・・・」
「とめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっっっっ」


つんつん


「校内でほぼ同時に起きているこの騒ぎとこの死体遺棄事件
全てはつながっているはずなんだ」
「す、するどい・・・・」
       ・ 
「この謎は必ず俺が解いてみせる!」
「いやあの謎って先輩・・・・」
「パパ、ステキ!」
「じっちゃんの名にかけて!!」
「パパ、かっこいい〜〜」
「そう言うわけで、犯人はこの中にいる!!!!!」
「きゃ〜〜、パパったらもうサイコー!!」
「・・・なんだ、自分の世界に入っちゃってるだけか・・・ほっとこ・・・」
「・・・・・ちょっと・・・・・ゆーさく・・・・・・」
「のんのんのん、
今日から俺のことははじめちゃんって呼んでくれ。美雪」
「もう〜〜、しびれちゃう〜〜〜」
「さて、お師様かご主人・・・いや芹香さんのところにでも連絡を・・・・」
「綾芽、お願いだからちょっと静かにしててくれる・・・・」
「は〜〜い、ママ」
「と言うわけで、改めて・・・。いくぜ、美雪!!」
「だ、か、ら、だ〜れ〜が美雪だってのよ、ゆーさく!!」
「なんで私がこんなところに・・・・?」
「それは私の方が・・・。あら右の人まで・・・
あれ・・・左の人だったかな・・・・?」
「どっちにしてもそう言う呼び方しないでよ!!!」
「うむ、何故か”ゆき”が集まってしまったようだな、美雪」
「不思議だね、パパ」
「ははは、可愛い娘と妻に囲まれて私は幸せだぞっ!」
「それはもういいから・・・・」
「朔・・・・立派になったね・・・・・」
「パパぁ、あそこの木の陰で女の人が泣いてるよ?」
「ダメだぞ、綾芽。ああ言う変な人と目を合わしちゃ・・・」

かつーん
「げはっっっ」
「パパッ」
「ゆーさく・・・・?」

かつーんかつーんかつーん
「こ、この胸を刺す鈍痛と言いますかまさに鈍痛は私見によりますところ
我が姉手ずからのもの愚考いたしまするに、我が姉と申しますれば
お戯れでこのような義をなさるというところも無きにしも非ずという
処断でございますると思われもいたした申しまするがこの折り
状況から鑑みますと全て私の不徳のいたすところと遺憾に思いまするところで
ありましてしかるに我が心をば余すところ無く伝うるにもう言いませんから
呪殺はやめてくださいませお姉様・・・・あああああああ・・・・・・・・」
「パパ、ネームが無意味に長いよ・・・・」
「何が何だか分け分かんないわね・・・・・・・」
「しくしくしくしくしく・・・・・・」

はむはむはむ・・・・・ごくん

「ごちそうさまなのじゃ・・・・・」
「「「「「「「え”っ」」」」」」」












「「宇治く〜〜〜ん!!!!!!!」」

明けの明星が輝くとき一つの光が宇宙へ向かって飛んで行く
それが僕なんだよ
                 ―――モロボシ・ダン  

                     



                  エンディング「夢の中へ」