いや、なんつーかもう、自分でも何だか分かったもんじゃねぇ。一応タイトル「カミングアウト狂騒曲」 VSジン風味  投稿者:XY−MEN
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 この作品は電波且つ邪悪を目指した実験的作品です。
 見ない方がいいかも。 いやマジで。

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「オレは銀狼なんだっ!」

昼放課。
良く晴れた日の昼放課。
スピーカーから響く叫び。
魂の奥底から引きずり出したような、そんな重さの叫び。
それは今、間違いなく学園校内に響きわたった。
マイクの前。
声の主である男、XY−MEN。
彼は今、その事を一度反芻し、そして一息ついた。
終わったな、と。
この学園の事だ、情報特捜部が動き、自分を取材し、それを号外にして配り、
それを一般生徒が目にする……それまでに2日を要さないだろう。
そんな事をふと計算した。

「何故ですか?」

その背に言葉を掛ける者がいる。

「何故、これまで守り続けてきた秘密(もの)を、わざわざ壊すんですか?」

神無月りーず。
XY−MENの親友にして、その正体……”銀狼”を知っていた数少ない人間の一人。
その声は、抑えられているにも関わらず……いや、だからこそか、震える。

「これまで必死に守り続けてきたのに……」

それは、おそらくは怒りだろうか?
親友の見せた、気まぐれとしか思えない裏切りに対しての。
だが彼の親友は、照れるように笑った。

「楓ちゃんがさ……」

「はい?」

「楓ちゃんが言ったんだ。 みんなきっと分かってくれるって。
 だからオレは……」

そうとだけ言った。

「それだけ…………?」

りーず、大口開け。

「うん、そんだけ。」

大きく首を縦にふるXY−MEN。

「なはは、だいじょぶだろ、うん!
ああ、きっとこれで楓ちゃんも喜んでくれるときっと思いそうな予感っ!」

↑夢見がち。と言うよりは楽天を通り越してノーテンキである。

分かっていたのだ、XY−MENと言う男はこういうバカをやる人間だと。
分かっていたのだ。だが、分かっていても………………やっぱり腹は立つ。
りーずは振り上げた拳をわなわなとわななかせた。

「どあほー!(どあほー……どあほー……←残響音含む)」





         「カミングアウト狂騒曲」





「と、言う訳で、今後オレのマネージメントをしてくれるbeakerだ。」

「HAHAHA、はじめましてデス!beakerアルよ。マネジャーするヨ!」

「なんでエセ中国人喋りィィィィ?」

答え:本人の忘れ得ぬ思い出をほじくり返すため(http://vsign.system.to/product/Llist/lmemo/Beaker/k06001.htm ちょびっとカスタム済み)

「大体、マネージメントってどう言う事ですかっ!

「つまり、要するに、「銀狼」を売りに各方面にデビューするのだっ!」

青年の志は青天井。(その代わり、雨露を凌げないと言うまことしやかな噂)

「アイヤー、ワタシに任せるアルデス。アナタなら世界をねらえるアルよ!」

「おう、頼むぜbeaker!」

二人、固く握手。

「ちょっとは疑いなさいぃぃ!」

「うるさいっ!オレは世界を狙う人間らしいって話がそこかしこで!」

”らしい”の部分でほぼ敗北決定済み。

「でーい!ああそーですかそーですか!勝手にしなさいっ! 僕は知りませんっ!」

そんな事言っちゃうが、知らない方が心安らかなれど、知ってしまうだろう事がこの世の不幸。
りーず一応退場。オチで登場するようなしないようなそんな予定。

「さぁ参る! そこのけそこのけ、起承転結!」

「ここまで捻ると読者もついてこれないですよ、きっと。」

ほっとけ。ついでに素に戻るな。

「で? オレは何をどうやって世界を狙うんだ、beaker!」

「HAHAHA! 任せておくネ! ワタシに任せた日には、
 色黒くなってチャンピオンの貫禄豊満になりやがっちゃってもう!ヨ!」

意味不明。
ちなみに、「もう!」の部分で「あら、やだ奥さんったら!」的手つきの想像を希望。

「いや、色黒くなくてもいいんだが。」

「色黒いと色黒くていろ黒くて色黒いチャンピオンネ!」

「ええい、そんなコトァどうでもいいっ! 世界を狙わせロォ、このコッペパン!」

「何でコッペパンネ?! ワタシのドコがコッペパァ〜ン!? コォッペェパァァアン!????」

「うるさいィ、揚げ足取るな!話がすすまねーっ!」

きっとそれはお前も悪いハズだ。
それはともかく、この後beakerは「コッペパン」を三十五回繰り返した後やっと追及を
諦めたのだが、わざわざ描写するのがめんどくさいので閑話休題。




話はいきなり飛んで数日後。

リーフ学園の校庭に突如出現したは、巨大なるテント。
掲げられた旗。
そこに刻まれたる文字は……beakerサーカス!

解説:beakerサーカスとは!
   守銭奴beakerがイロモノ揃いのSS使いを選りすぐって
   お金を稼ぎたい、そんなサーカスである!
   

beakerサーカスの歌

beakerサーカス beakerサーカス 引いて引いてトントントン
我らを狙う黒い影
世界の平和を守りそう
行け! beakerバーニングファイヤーサンダーグレート!(腰は73度に入れろ!)
グラップラーも完結だ
倒せ! 倒して倒そう倒せるかな?
コンバットbeaker〜
(サーカスはいずこへ?)



いや、歌はどうでもいいので、早速中に入ってみるとしよう。

『きたみちもどるの居合い抜き』


会場は、水を打ったような静寂に包まれていた。
いや、正確に言おう。その場は一つの気配に支配されていた。
その気配が人々の口をつぐませ、唾を飲む音さえもさせないのだ。
そして、その気配の主は……青白く照らし出された舞台の上にいた。
きたみちもどる。
彼は今、半身にした体を軽く落とし、その手を剣の柄に掛けていた。
怜悧に歪んだ瞳は、鋭く目標──ただの木の棒に俵をくくりつけた物だが──を射抜いている。
彼は動かない。先程からもう何秒だろうか?まだ動かない。
だが、その動かない彼の姿だけで、観客は圧倒される。
一流の剣客の持つ”剣気”。その圧倒的に冷たい気配が、観客達を”止めて”いた。
だが、それは永遠に続く物ではない。
もどるが動いた。
人の、人ならざる動きで。
人々は、声を上げる事もできない。その間すらもない。
一瞬で距離は消える。
もどるの目の前にあるのは目標……いや、獲物のみ。
そしてもどるは、刀を振り抜く。獲物に向けて。
抜き放たれた刀身は一瞬の煌めきを残し、再び鞘に収まった。
カチン。
固い音が響く。
観客達は、息を呑む。
皆が”その時”を待った。
……
……
……
……
……?
くるりともどるが観客の方を向く。
再び、今度はゆっくりと刀を抜く。
そして……

「斬れてナーイ☆」

ガタイが良くて髭剃り中に背後から強襲されそうな白人あんちゃん風の笑顔で
「てへっ☆」とばかりに笑った。
バキッ!
同時に、逆刃刀を叩き付けられた芯棒が折れる。

……張りつめた空気を突然弛緩させれば、爆発するものだ。

「ドあほーっ! すっこめトンチキがぁ〜っ!」
「金返せや〜っ!!」
「引っ込めボゲェ〜っ!! オタンコナス〜っ!!」
「はぅぅ、み、耳カバぁ〜!」

「ああっ、痛い痛い! お、お許し下さいDr.ヘルっ!」

空き缶だの座布団だの包丁だの耳カバーだのヒゲだのが飛び交う中、きたみちもどる、
そそくさと逃げるように退場す……。

「使えないですね……きたみちもどる、減給。」

舞台の傍らで、beakerは一人呟くのだった。
・
・
・
・
『オレは……何でこんな事を? 何でこんな所に?……ちくしょう。』
・
・
・
・
「仕方ないですね。予定を変更してアレに行きましょう。」
「あ、アレですか……? し、しかしアレは……」
「問題ない。アレならば皆満足するでしょう……。沙留斗、各班へ伝達を。」
「は、はいっ!」

「はぁ〜い、観客のみんなぁ〜、静まりなさーい!…………静まれつーのビチクソがァ!!」

司会の志保がドラ声を張り上げ、観客を制する。
その声に応じて、それまで野次や怒号に満ちていた会場も、少しずつ落ち着きを取り戻した。
そう、次の出し物が始まるのだ。観客達は皆襟を正し、それが始まるのを待った。
機嫌の直った志保が高らかにナレーションする。

「さぁ!お次は爆笑必至!悶絶必至の掟破り! 
 こんなんやっていいのか?!やっていいのか?! 作者、ヤケッパチの大暴走!
 さあ見やれ!……名付けて……」

ぱらり。

『鼻血VS吐血』


「鼻ぁ〜血、V!S!……吐けぇ〜つぅ〜ッッッ!!」

志保の宣言と共に、黒子によって舞台の真ん中に引っぱり出される人影二つ。

「ああ〜っ!止めろばか〜っ!人でなし!ひょうろくだま!人非人〜っ!!」
「やっ、止めてくれぇ〜!止め……げふっ!」

早速吐血。

「おお〜っと、九条先輩早いわねっ! 計測班!さっそく計測よっ!」

そう、引きずり出されたるは最早紹介するまでもあるまい、鼻血の王子様こと陸奥崇と、
Mr.吐血こと九条和馬である。

「飛距離3m24! 量、0.7リットル!」

おお〜っ!
観客達の間から漏れる感嘆の声。
そして九条……九割五分三厘六耗方瀕死。

「さぁ、お次は陸奥君の番ね……カモン・セリオ!」
「え?ええっ?……せ、セリオ先輩??」

陸奥、恐れの余り小鳥の様に震える。
舞台の袖から現れたセリオは、そんな陸奥の前に立ち、優しい笑みを浮かべた。

「せ、セリオ先輩……?」

絶望の中の希望。恐慌の中の安らぎ。暗闇に射す一筋の光明。
人にとって最も残酷な出来事があるとすれば、それを奪い去られる事だろう。
そう、陸奥にとってのそれは、正にその次の瞬間に訪れた。

「…………だっちゅーの☆」

「ぶぅぅぅぅっはぁぁぁぁっっ!!」

赤い……だが、真っ赤ではなく、黒いと言っていいそれを、己が両の鼻孔より
吹き出す陸奥。
何気なくかわすセリオ。
宙を舞う紅き飛沫……いや、それは宙を走ると表現した方が良いだろうか?
ある者はそれを「鼻血ビーム」と称したという。
その様は、まさに壮烈の一言であった。

「計測……飛距離5m74! 量、0.5リットル!」

ウォォォォォォォ!!!!
観客達の上げた歓声が、巨大な渦の如く九条と陸奥の二人を取り巻く。
それは、熱き血潮の男達への賛歌だった。
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『くそ……もう、今更逃げる事も出来ないか……やるしか……ない!』
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「さ〜あ、お次が今日のメインメインイベントっ!」

『ジン・ジャザムショー』


「小さなお友達大喜び!みんなのおもちゃ、熱血サイボーグ、ジン・ジャザムショーっっ!!
 現れる悪を、千切っては投げ千切っては投げ千切って鼻毛!
 行け!やれ!ぶち殺せジン・ジャザム! 正義は我にあり!我にあるんだ文句あるかコラァ!
 文句ある奴もぶち殺す!なんでもいいからぶち殺す!
 キリングサイボーグ、ジン・ジャザム!……でもちょっぴり照れ屋さんなのが珠にキズっ☆
 ……では開演っ!」

びーっ!
志保の司会進行が終わると同時に、開演のブザーが鳴る。
そして、舞台のみが明るいスポットライトに照らし出される別世界となった。

『ある所に仲のいい三人の女の子がいました。』

三人の女の子、登場。

「名前をそれぞれ……」

「笛音ぇぇぇぇっ!! ガンバれぇぇぇっ!」
「靜ぁぁぁっ!!」
「木っ風ちゃぁぁぁんっっ!! こっち向いてぇぇっっ!!」

歓喜に沸く大きなお友達達。

『だぁぁっ! 大きなお友達は黙ってなさいっ!
 ……えーと、とにかくいた!以上!
 三人はとても仲良しで、いつも一緒に遊んでいました。そこへ……』

バーン!
効果音と共に舞台の袖から現れる影一つ。

『怪人イヌ男が現れたからさぁ大変!』

「イヌイヌ〜っ!(beakerぶっ殺す! ああ、そりゃもう確実に!…………給料頂いたら。)」

給料は頂くのだな。
怪人イヌ男ことXY−MEN登場。獣化済み。

「きゃあ〜っ!」
「わぁ〜、イヌさんのかいじんが〜っ!」
「だれかたすけてぇ〜」

言うまでもなく棒読み。
なんだか楽しげに逃げ惑う少女達。

「ああっ! 笛音っ!笛音ぇ〜っ! 早く逃げるんだぁ〜っ!」
「靜ぁっ! イヌ野郎! 靜に指一本でも触れたら殺すぅっっ! 不殺だけど殺すぅっ!」
「ああっ、木風ちゃんがっ!木風ちゃぁぁんっっ! ひっこめイヌ野郎〜っ!!」

「イヌイヌ〜っ!(好き勝手言うなっ!)」

『このままではか弱い女の子達が怪人イヌ男に食べられちゃうぞっ!?
 食べられる方がいいって案は却下!
 さぁ、みんなで彼を呼ぼう! 僕らのヒーロー、あちきのヒーロー、拙者のヒーロー!
 …………ジン・ジャザァァァァムッッ!』

「ジィィン・ジャザァァムッッッ!!」
「ジンせんぱぁぁぁいっっっ!」
「マジックナイトォォォォッッ!」

ズダムっ!
スポットライトの下に降り立ったその影は!その影はっ!

「ジン・ジャザム、降・臨っ! 
 ……取りあえずマジックナイトって言った奴、処刑。」

「ぎょわぁぁぁっ!!」

観客席にロケットパンチ炸裂、阿鼻叫喚。

「それはともかくっ! さぁキミタチっ、危ないから避難するんだっ!」

「「「はぁ〜い!」」」

三人の少女、退場。

「笛音ぇぇっ!」
「靜ぁっっ!」
「木風ちゃぁぁんっ!」

三人の大きなお友達、退場。

「さぁ、これで邪魔者はいなくなった! 一対一で勝負を付けてやるぜっ!イヌ男っ!」
「イヌイヌ〜っ!(もう、なんでもいい……)」


BGM:
ジン・ジャザムの唄

ジンジン・ジャザム、ジン・ジャザム
漢字に直して蛇寒刃
千鶴さんが大好きで、とってもとっても硬いんだ
苦しくったって、悲しくったって、戦場の中では兵器なの
ここらで一発かまそうかと思ったらやっぱりかましたロケットパンチ
血潮の臭いがよく似合う、日本生まれの日本ダンディ
強いぞ強いぞ僕らの仲間と書いてダチと呼べ、ジン・ジャザム


「さぁ行くぜっ!フロォクンマグナムッ!」

空を突き抜け唸る鋼鉄の拳! XY−MENにヒット!

「イヌイヌ〜っっ!(ぐあらっはぁ!)」

……ちゃんと演技しなくても。
更に続くジンの攻撃!

「くらぇっ!アームパンチっ!」
「イヌイヌ〜っ!(渋い所をっ!)」
「ゴッドバぁぁぁぁドっ・チェーンジっ!」
「イヌイヌ〜っ!(変形かぁぁぁっ!)」
「ロボ、行けぇっ!」
「イヌイヌ〜っ!(それはなんか違うぞ……)」

えとせとら……及び省略。
数分経過。

「イヌイヌ〜…………だぁっ!もう辛抱たまらんわっ!」

辛抱したのだな。

「オレぁもう完全にぶっちぎれた! こんなんやってられるか畜生っ!」

至極無理もない。

「だから……もう話の筋書きなんて知るかっ!
 やってやるっ!やってやるっ!そりゃもうやってるさっ!
 ……つーことで、ジン先輩、覚悟ぉっ!」

既にヤケクソ。

「ほぅ……その痛めつけられた体でそんなセリフ吐けるとはな……気に入ったぜ!」

ニヤリと笑みを浮かべ、構えるジン。
いや、ただのヤケクソなんだってば。

「一撃で勝負だぁっ!」
「望むところだ! 来い、人狼!」

お互いの闘気が高まる。
高まる。
高まる。
そして。

「……おおおおおっ!アルティメットキャノンっ!」
「うぉぉぉっ! ストナァァァッ!サァァンシャァァァインンッッッ!」

蒼い闘気を身に纏い、弾かれたように突進するXY−MEN。
そして、それを向かい打つ形で、ジンはストナーサンシャインを掲げた両手を振り下ろす。
ぶつかり合うエネルギーとエネルギー。
せめぎ合う力と力。
そして……


ちゅごぉぉぉぉぉぉむっっっ!!


爆発。
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そして、焼け跡。死屍累々。
そこに立つ影二つ。黒々。

「つまり……こう言う事だな。困ったときは爆発オチと……?」
「あはは〜、な〜るほどな……あはは……」
「あはははは……」

二人は笑い合った。
そう、それは死力を尽くして戦った漢達の友情の……

「「そんなわけあるかぁっ! このボケ作者がぁっ!」」

失敬。
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今回のbeakerサーカス事件に付いての、当事者beakerのコメント。

「XY−MEN及びジン・ジャザム……給料抜き。」

今回のbeakerサーカス事件に付いての、神無月りーずのコメント。

「僕の出番はっ?! こんだけっ?!」

今回のbeakerサーカス事件に付いての柏木楓のコメント。

「バカばっか……」


ちゃんちゃん(オチ?)

(結)
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えーとXY−MENです。
一体なんだろうか、これは? 本人にも不明(笑)
新しい方向性を探ったと言う事は間違いないんだけど……うーむ。
えーと、流石に今回出演して頂いた方、ゴメンなさいって感じです。
つーか、笑えるかどうかも不明だし(笑)
あ、ちなみに、夢オチとかでもないので、「XY−MENが銀狼であることを
明かした」のは本人公式設定のつもりです。
よって、これから先はもう、どのよーにでも使って下さい(笑)

では今回はこれで〜