開かずの間の少年 投稿者:八希望
今よりちょっと昔、ここではない場所・・・。
僕はその時、宿命のライバルと何度目かの対決をしていた、
いつもは僕が勝ってその宿命のライバルは冷たい海の底へまっ逆さま・・・
となるはずだった、しかし、今やこの国には夢の力が昔に比べて少なくなった
それに今、僕の側には護るべきママもいない・・・
「空を飛べなくなったのは、致命的だな・・・」宿命のライバルが言った。
そう、僕は空を飛ぶ力をも失っていた夢の力が少なくなったのが原因だ、
頼りになる相棒の妖精も宿命のライバルの手下に捕まっている、しかし僕はあきらめない
渾身の力を振り絞り愛用の木剣でライバルに切り付けた・・・
肉を切る手応えがあった・・・そして冷たい海に落ちる・・・
でも落ちるのは宿命のライバルではない・・・・・僕だ。

宿命のライバルの名を大声で叫び僕は落ちていく・・・
冷たい海に落ちて僕の気は遠くなる・・・
カチコチカチコチ・・・時計の音が近づく・・・
それが僕がこの世界で聞いた最後の音だった。


そして場所はこの物語の本当の舞台に移る・・・。

りーふ図書館地下、ここは一種のダンジョンと言って良いだろう。
きたみちもどるは沙留斗の護衛でこの悪名高き図書館地下に来ていた
もちろんディアルトとも一緒だ。
「芹香さんが開かずの間の鍵を手に入れたのでその部屋を開けに行こう。」
やや高めの報酬、靜の新しい着物を購入資金にしようともどるは護衛の仕事を引き受けた。
図書館地下のそんなに深くない階層だと聞いてはいたがまさかこんな深くまで来る事になろうとは
もどるは少し後悔していた。
「どうやらこの部屋みたいですね。」
古びた木製の扉の前まで行くと沙留斗は確信を持って言った、そして扉に罠がないか調べた。
「どうやら罠はないようですね。」
芹香から預かった鍵を扉の鍵穴に差し込むとディアルトはゆっくりと鍵を回した。
・・・カチリ・・・・・・
「開いた。」
そんな当たり前の事をディアルトはつぶやいた。
鍵は開いただが扉に罠がないからといって部屋の中に罠・・もしくは人外の者がいないとは限らない
逆に扉に罠がないからこそ、そういったたぐいの物があっておかしくないのだ。
「では部屋に入りましょうか?」
沙留斗がそう言うともどるとディアルトは無言で頷いた。

部屋の中は静かな空間だった、何か有機的な壁と床が特徴的だった。
「何か辛気くさい部屋ですね・・・」
部屋の中を見回すともどるはそうつぶやいた、、ふと耳を澄ますと何かリズミカルな音が聞こえて来た
「何か、あっちから聞こえてきます。」
もどるはそう言うと音のする方へと向かって行った、何かに呼ばれたような気がしたからだ。
「待ってください、罠があるかもしれません。」
沙留斗はもどるに注意の呼びかけをするとディアルトをひきつれてもどるの後を追いかけて行った。
音のする場所まで来るともどるは奇妙な光景を見かけた、一人の少年が倒れている、
奇妙なのはその少年の格好である、蔦で編み込んで作った服を着、手には血のついた木券を握っている。
「二人とも来てください、誰か倒れてます。」
もどるはこの少年に息があるのを確認すると沙留斗達を大声で呼んだ、三人はこの少年の保護を最優先と
考え、この少年を学園へと連れ帰る事にした。

そして誰もいなくなった部屋には壊れた時計の音が静かに響いていた。


僕が目を覚ますとそこは見た事もない場所だった・・・白い天井・・・それが最初に見た物だった、
僕は上半身を起こすときょろきょろと回りを見た、僕の寝ていた所の隣には一人の男の人が座っていた
「気が付いたかい?」
男の人は心配そうに聞いてきた、僕は「別に何ともないよ」と答えた、それからいくつか質問をされたけど
僕には何が何だか良く分からなかった、何せ僕は自分の名前も思い出せないのだから。
名前も思い出せない事をその男の人、きたみちもどるさんに言うと心配そうな目で僕の方を見る。
そんな目をされると僕が何だか不幸なような気が少ししたけど、不幸と考えるのはすぐにやめた、
何とかなるさ、根拠はないけどそんな感じがした。
しばらくすると部屋に二人の男の人が入って来たその男の人達はきたみちさんと何か話しをすると
僕の方へやって来た。
「ちづ・・いや校長先生に会ってくれませんか?」
そして、僕は用意された服に着替える為ポケットの中の物を取り出す事にした。
チョコにキャンディに何枚かの金貨に銀貨それと宝石にラッパ、干し肉に望遠鏡ポケットの中の物を
取り出していくとベッドの上がいっぱいになった、きたみちさん達は不思議そうな目でそれを見ていた、
服を着替えてポケットにそれらを全部しまうとまた不思議そうな目できたみちさん達が見ていた。


校長室、僕達はその部屋の中に入ると中には髪の長い綺麗な女の人がいた、この人が校長先生の
柏木千鶴さんっていう人らしい。
僕は千鶴さんといくつかお話した、僕の事や何故あの地下にいたのかって事とか、でもその事は僕にも
わからなかった記憶がない事を千鶴さんに言うと千鶴さんは少し困った顔をした。
結局30分ほど千鶴さんとお話をすると僕達は部屋を出て行った、今日はきたみちさんの家に泊めさせて
もらうことにした、「まあ何とかなるさ」僕はこれからの事そう考えるときたみちさんの家へ一緒に帰っていった


4人が去って行った校長室、千鶴はさっきまでそこにいた少年の事を色々考えていた
「図書室の開かずの間の記憶喪失の子・・・当分のは学園で保護しないといけないわね・・・・・
それにしても名前がないのは不便よね。」
ふと立ち上がるとドアの前にハンカチが落ちているのをみつけた。
(あの子が落としたのかしら?)
千鶴はそのハンカチを拾い上げるとそのハンカチに何か文字書かれている。
(8HOPE・・・8つの希望?)
ふと机の上の紙に八希望と書いてみる。
(八・希望・・・八希・望・・・・・)
「あの子の名前は八希望(やぎのぞむ)くんにしましょう。」
千鶴はぽんと手を叩くと満足そうな笑みを浮かべた。

この1週間後学力試験の結果、望は高等部2年に進学する事になった。

*****************************************
ふい〜〜〜やっと終わったぁ〜〜〜〜〜(^^;
一週間かかってこの程度しか書けないのか僕、精進が足らんなあ
まあバイトが忙しかったししょうがないよね、うん(苦しい言い訳)

というわけで八希望がこの学園に来た時のお話を書きました、文章力がまだまだ甘いですけど
これから頑張りますのでよろしくお願いします。
それにしても萌えキャラの委員長と由美子さんが出せなかったのが心残りです
次は出すぞ(たぶん)
まあ、この話しを読んでもらうと、ピンとくる人はわかるかもしれませんが学園の八希望の正体はとある物語の主人公
です、でもその本人ではなくて、その方の2代目か3代目かもしれません(^^)

では今回はこの辺で、八希望でした〜