Lメモ・vsジン・ジャザム「今までの話は全部嘘っぱちだぜ!(いえ、嘘じゃないですが)これが本当の、真・vsジン・ジャザムだぁ!!」 投稿者:YOSSYFLAME




「クックック……」
試立リーフ学園男子寮、YOSSYFLAMEの自室。
そこで部屋を薄暗くしたYOSSYが、
暗く澱んだ、しかしながら確信に満ちた笑みを浮かべていた。
「エルクゥ同盟、クイーン・ザ・リズエル=ジン・ジャザム……
曰く、ガソリンをかけられると重火器が撃てなくなる。
曰く、義に厚く、人を見捨てることなどできない性格。
曰く、ハイパーモード使用後は、まるで脱力してしまい、全く戦力にならなくなる……」
こないだの闘いのために散々分析した、対ジン・ジャザム専用ノートに改めて目を通し、
結局は弱点になりえなかったデータをブツブツと音読するYOSSY。
「まあ結局は、全部破られたんだけどね。
でもまあ、それはそれで一つの経験だし、そのおかげでこんな素晴らしい今に巡り逢えたんだから」

カシャアッ!

満面の笑みを浮かべ、カーテンを思い切り開け放った。
と同時に入ってくる眩しい陽射し。
YOSSYにはその陽射しが、まるで自分を祝福してくれているように感じた。
ちょっとばかり軽い誇大妄想が入っているが、今の彼はそんな気分なのである。
「見てなよジン先輩。今度こそ絶対に勝つ。
あんたには……いや、他の誰にも破られない必殺技を編み出したんだからな、俺は」











「ジンくん、ちょっとお願い(=命令)があるんだけど♪」
「な、なんでしょうか、千鶴さん」
耕一の偵察か恋敵の滅殺か、
いずれにせよこの学園でよくみられるジンくんお願い♪≠フ図であるが、
そのすぐ近くの木陰で、YOSSYが凶刃を今や遅しと構えていた。
「(機会は今しかない!いくぜジン先輩っ!!)」

凶刃を振り上げ、必中必殺の勢いで超機動最速を駆使し飛び掛かるYOSSY。
「終わりだぜジン先輩!  これぞ本邦初公開!  究極奥義・極楽血飛沫斬っ!!!!!」





ざきゅっ!





「……今、何したんだテメェ?」
何が起こったかわかりもせず、訝しげな視線をYOSSYに向けるジン。
「あんたの負けだよジン先輩。自分の真っ正面をよぉぉぉぉく見てみるんだな」
「ああ?」
パチンッ。
ジンが正面を向くと同時に、YOSSYは剣を鞘に収めた。
「千鶴さん、コイツ一体何したと………」





ジンが千鶴に向き直った刹那、千鶴の服に無数の切れ込みが走る。
数拍のち、千鶴の服はばらばらに四散し――
「きゃああああああっ!!」
一糸纏わぬ姿に剥かれた千鶴。
肌を染め悲鳴をあげ、身を縮こまらせてうずくまる。





「き、貴様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!  うぐっ!?」
激昂し殺さんばかりに咆えるジンだが、己が身の異変に気づき。
「――お前は既に、死んでいる」

「ぐ……ぐぐ……ぐはああああああああああああああああああああああああっ!!!」
ぶしゃあああああああああああああああああああっ!!!
ジンの鼻孔から、多量の血液が迸る。
体中の全ての血液を放出させ、ジンは今朽ち果てた。





「はっはははははは!  ちょろいもんよ!  秒殺だぜ秒殺!
ま、ジン先輩といえども、この魔剣エックスカリバーと俺の究極奥義の前では赤子同然って―――」
YOSSYが如何に鈍いといえども、さすがに気づかぬわけがない。
よりによってこの真夏日に、彼の周りのみ一気に氷点下に落ち込んだことを。














――教訓:手段は選ばずとも吟味すべし。



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あははーっ(をひ)
一応解説させていただきます。

魔剣エックスカリバー:
YOSSYFLAMEが学園図書館資料室かどこかで入手した魔剣。
人間など生物には危害を与えることはできないが
その代わり、鎧、盾、衣服に至るまでバラバラに四散させられるという変わったシロモノである。
YOSSYがコレを何に使うかは、コイツの性格知ってればおわかりでしょう。

詳細は風見ひなたさん作「魔剣行脚」にて。