「ミス・リーフ学園………興味はないかい?」 「……………」 第二購買部内。 部長・beakerの前に涼やかに鎮座している男の一言が妙に反響する。 暗躍生徒会会長・月島拓也。 類希無き才を持ちして、類希無きトラブルメーカー。 その彼が自分を唐突に訪れたその真意は。beakerは静かに次の言葉を待つ。 「ミス・コンテスト。……それも他の何処にもない、ここだからこそのコンテストを」 「……本気ですか、それ?」 「その為に君の力が要る」 普段物事に動じないbeakerだが、さすがにその案を聞き驚きを隠せず。 内容も無論そうだが、顔色一つ変えぬ拓也の態度、そのものにも。 「よく考えますね。まったく」 「それがここでの僕らの仕事。そう心得ているつもりだけどね」 ただの仕事ではあるまい。純然たる彼の興味、そして―― 「L学でイベントを行う上において、君ら第二購買部の協力は不可欠なんだ。 損をさせるつもりはない。協力してくれないか?」 「まあ、確かにそうですね」 確かに。 こと利潤絡みに関しては、彼らと手を組んだ効果は如実に現れている。体育祭然り。 「でも………集まりますかね?」 「好きな女性が栄光と背中合わせの危機の矢面に立つと思えば、参加せざるを得まい? それに我々が何もせずとも、飢えた虎はここには山ほどいる。色々な意味でね。 そして、そんな中での緊張感の中で俄かに芽生える感情。たまには悪くも無いとは思うがね」 ……貴方もその“飢えた虎”の一人でしょう。beakerは内心嘯く。 「まあ、やってみましょう。どの程度見込めるかは結構博打ですけどね」 「ありがとう。協力感謝するよ」 それぞれの思惑を抱き、両者の手が握られる。 「それでは、そろそろ失礼するよ。他との調整も取らなくてはいけないのでね」 「わかりました。お気をつけて」 拓也が去りし後、beakerはふと考える。 確かに最近の学園には、ちょっとしたものでも刺激が必要、なのかもしれない。 しかし。 果たして皆乗ってくるものだろうか。単純に見えて深遠たる拓也の思惑に。 (これはまさしく、博打、ですね……) そう内心呟きつつ彼は、いつもの愛想笑いで客を迎える。 「もしもし、太田君か。うん。首尾は上々だ」 世間話でもするかのように、携帯電話で片腕・太田香奈子に伝える彼。 「ああ。予定通りだ。まあ出来るだけ盛り上げてやってくれ。――彼女たちの為にもね」 雲一つない空の下。拓也の声は妙に澄んでいるように、電話先の香奈子はそう感じた。 「で、勿論君も出るんだろ? 我等暗躍生徒会の代表としてね。 ――なぁに、照れることはない。堂々と優勝を狙えるよ。君ならね」 翌日の朝、男子女子問わず異様に賑わう全体掲示版の主役として、一枚の張り紙が中央に。 競技の内容、その過激さ、入賞賞品の豪華さも勿論のこと。 それ以上に皆の目を賑わせた一文。 『この競技に勝ちしミスL学たる生徒には、臨時たる生徒会長に就く権利を授与する』 前生徒会長・月島拓也の名前とその拇印が、その全てを物語っていた。 ========================================== はい、企画立案者のYOSSYFLAMEです。 企画詳細は全体掲示版に書いてありますので、御覧になっていただけると嬉しいです。 さて、今回のネックはまさに全体掲示版の一文。 『この競技に勝利しミスL学たる生徒には、臨時たる生徒会長に就く権利を授与する』 決定ではありません。 意見、質問、反論、疑問がある方は、遠慮なく主張してください。 ただ2,3点言わせていただくなら “臨時”という点。そしてそれに加え“権利”という単語。 そして今回の本編は、皆が一作づつ書き、その中で残ったヒロインがミスL学にという点。 僕は企画者ですけど、僕の思惑さえ皆の中の一人に過ぎないという点。 皆に最後まで消されなかったヒロインが臨時会長に就く、というのも面白いと思ってたりも します(笑 勿論反対意見が多ければ、この案は取り下げます。 ただ、敢えて挑戦的な物言いで言わせていただくなら。 参加していただいて、月島会長の、僕の目論見を潰していただけたらなと思っています。 権利ということは、拒否する自由もあるのですから。 では、失礼いたします。 多数の御参加、心よりお待ちしております。